Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2026/8/17週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。
8/4 に発表された Kiro Crew はもう試されましたか? 個人的には Slack Bot が秀逸で、業務のコンテキストを渡すハーネスを組んでおくと、仕事のことを理解した AI Agent (Kiro CLI や Claude Code) が Slack に常駐してくれるイメージで使えます。移動中にスマートフォンから指示を出したり、社内システムと MCP 連携させたりすることで業務上の利便性を実感できています。詳細は公式ドキュメントや紹介ブログをご覧ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2026年8月17日週の主要なアップデート
- 8/17(月)
- AWS CloudShell に組み込みビジュアルファイルエディタが追加
AWS CloudShell に、シェルセッションから edit コマンド 1 つで起動できるビジュアルファイルエディタが組み込まれました。セットアップは不要です。従来は Vim / Emacs などのターミナルエディタを使うか、ファイルをローカルにダウンロードして編集後に再アップロードする必要がありました。新しいエディタはシンタックスハイライト、検索・置換、マルチライン選択、コピー & ペースト、Undo / Redo に対応し、ブラウザセッション内で編集から実行まで完結できます。CloudShell が利用できる全 AWS リージョン(商用 31 + GovCloud 2 の計 33 リージョン)で追加料金なしに利用できます。 - AWS Console-to-Code が 26 サービスを追加しクロスリージョン記録に対応
AWS Console-to-Code の対応サービスが 6 から 32 に拡大しました。新たに Lambda、ECS、EKS、S3、API Gateway、Bedrock など 26 サービスが追加され、コンソール操作を AWS CLI コマンドや CDK / CloudFormation コードに変換できる範囲が広がりました。あわせてクロスリージョンおよびクロスブラウザタブでのアクション記録に対応し、従来はリージョン切り替えやタブ移動でリセット・分断されていた記録が単一のリストに統合されるようになりました。全商用 AWS リージョンで利用できます。 - Amazon ECR がレジストリあたり 25 個のレプリケーションルールをサポート
Amazon ECR のレジストリあたりのレプリケーションルール数の上限が 10 個から 25 個に引き上げられました。従来、複雑なマルチリージョン・マルチアカウント構成を持つ顧客は 10 ルールの制約内に収めるためにレプリケーション設定を統合する必要がありましたが、今回の変更でルールを用途別に分割しやすくなります。リポジトリのプレフィックスフィルターと組み合わせることで、本番用・ステージング用・チーム別など、より細かい単位でレプリケーション先を制御できます。追加料金は発生せず、既存のデータ転送料金体系のまま、ECR が利用可能なすべての AWS リージョンで適用されます。
- AWS CloudShell に組み込みビジュアルファイルエディタが追加
- 8/18(火)
- Amazon WorkSpaces がネスト仮想化 (Nested Virtualization) をサポート
Amazon WorkSpaces Personal および WorkSpaces Core Managed Bundles でネスト仮想化が利用可能になりました。これにより、Windows WorkSpaces 上で Docker Desktop や WSL2、Linux WorkSpaces 上で KVM ベースのワークロードや Android エミュレータを直接実行できます。これまで VDI 環境では困難だったハイパーバイザー依存の開発ツールが利用できます。追加料金は不要で、ワークスペース単位でコンソール、API、CLI から有効化 / 無効化できます。中国 (寧夏) リージョンとイスラエル (テルアビブ) リージョンを除く、WorkSpaces が利用可能なすべての AWS リージョンで提供されます。 - IAM Policy Autopilot が Terraform plan ファイルに対応
IAM Policy Autopilot が Terraform plan ファイル (JSON 形式) を入力として、インフラデプロイに必要な IAM ポリシーを生成できるようになりました。plan に含まれるリソースの CRUD 操作にスコープを絞り、可能な場合はワイルドカードではなく具体的なリソース ARN を参照するポリシーを出力します。この機能はバージョン 0.3.0 (2026 年 8 月 18 日リリース) に含まれ、re:Invent 2025 でのツール公開以来、最も要望の多かった機能です。追加費用なしで、ユーザー自身のマシン上でローカル実行できます。
- Amazon WorkSpaces がネスト仮想化 (Nested Virtualization) をサポート
- 8/19(水)
- Amazon Bedrock が xAI Grok 4.6 をサポート
Amazon Bedrock で xAI の最新フラッグシップモデル Grok 4.6 が利用可能になりました。500K トークンのコンテキストウィンドウと、4 段階 (low / medium / high / xhigh) の設定可能な reasoning effort を持ち、長時間動作するエージェントやコーディングタスクに向けたモデルです。Global クロスリージョン推論 (CRIS) により、東京 (ap-northeast-1) や大阪 (ap-northeast-3) を含む 30 以上のリージョンから呼び出せます。価格は Global CRIS で入力 $2.00 / 出力 $6.00 (100 万トークンあたり) です。 - AWS Cost Anomaly Detection が Amazon Bedrock のサードパーティモデルに対応
AWS Cost Anomaly Detection が、Amazon Bedrock 上で稼働するサードパーティ基盤モデル (Anthropic Claude などプロバイダーホスト型モデル) の料金検知に対応しました。これらのモデルの利用料は請求上 AWS Marketplace として計上されるため、従来は Cost Anomaly Detection の監視対象外でした。今回のアップデートにより、既存の AWS マネージドサービスモニターが追加設定なしで Bedrock サードパーティモデルのコストを自動評価します。異常検知時にはアラートに加えて、サービス・アカウント・リージョン・使用タイプの 4 つの観点で金額インパクト順に検知した内容を確認できます。 - AWS Security Agent が予算コントロールと検出結果の再検証をサポート
AWS Continuum に含まれる AWS Security Agent でオンデマンドペネトレーションテストに、2 つの機能が追加されました。1 つ目はタスク時間の上限設定で、テストごとに最大タスク時間を指定できます。上限に達するとテストは停止し、それまでの検出結果は保存されます。2 つ目は検出結果の再検証で、修正をデプロイした後にフルテストを再実行せず、選択した項目だけを再テストして Active (依然として悪用可能) か、Resolved (修正確認済み) の判定をしてくれます。課金はタスク時間 ($50.00/時間、秒単位計測) の従量制のため、上限を設定しておくことでコストの見通しを立てやすくなります。
- Amazon Bedrock が xAI Grok 4.6 をサポート
- 8/20(木)
- AWS Direct Connect がインバウンドプレフィックス制御と経路数上限の拡張を発表
AWS Direct Connect に、private / transit VIF のインバウンド経路プレフィックス数を VIF 単位で割り当て管理できる「インバウンドプレフィックス制御 (inbound prefix controls)」が追加されました。オンプレミスから AWS へ広報できる経路数は、従来の VIF あたり最大 100 から、IPv4 / IPv6 それぞれ最大 1,000 に拡張されます。専用接続レベルと Direct Connect gateway (DXGW) レベルに「プレフィックス容量プール」が新設され、VIF ごとに必要な数を割り当てる方式です。追加料金は不要で、全商用リージョン、AWS GovCloud (US-East、US-West)、中国 (北京、寧夏) リージョンで利用できます。 - ARC Region switch に Amazon RDS Switchover Read Replica 実行ブロックを追加
Amazon Application Recovery Controller の Region switch 機能に、Amazon RDS for Oracle のクロスリージョンリードレプリカを対象とした「Amazon RDS Switchover Read Replica 実行ブロック」が追加されました。これまで Oracle Data Guard を使うマルチリージョン構成の RDS では、リージョン障害時にプライマリとレプリカのロール入れ替え (スイッチオーバー) やレプリカの昇格 (プロモート) を手動で実行する必要がありました。今回のアップデートにより、計画的フェイルオーバーではデータ損失ゼロのスイッチオーバーを、計画外フェイルオーバーでは復旧速度を優先したリードレプリカ昇格を、Region switch のプランから自動実行できます。クロスアカウントにも対応しており、プランと別のアカウントにある RDS インスタンスの復旧を一元的に制御できます。
- AWS Direct Connect がインバウンドプレフィックス制御と経路数上限の拡張を発表
- 8/21(金)
- AWS Glue 6.0 と Iceberg v3 サポートを提供
AWS Glue 6.0 が一般提供を開始しました。従来比 30% の値下げに加え、ランタイムを Apache Spark 4.1.1、Python 3.13、Scala 2.13.17 に更新しています。オープンテーブルフォーマットは Apache Iceberg 1.11.0 (フォーマットバージョン 3 に対応)、Apache Hudi 1.1.1、Delta Lake 4.2.0 に更新されました。Iceberg v3 では VARIANT 型、deletion vectors、地理空間型 (Geometry / Geography) が利用でき、開発生産性の面では Spark Declarative Pipelines、サブ秒レイテンシーの Real-Time Mode、Arrow ネイティブ Python UDF が追加されています。すべての AWS 商用リージョン、AWS GovCloud (US)、中国リージョンで利用できます。 - Amazon EKS Capability for Argo CD がカスタム設定に対応
Amazon EKS Capability for Argo CD が、クラスタ内の ConfigMap を通じたカスタム設定に対応しました。アップストリーム Argo CD と同じキーと形式で設定を記述すると、capability がその内容を読み取ってマネージド Argo CD インスタンスに適用します。特に Custom Resource 向けの custom health check (Lua スクリプト) を定義できるようになり、リソースの準備完了を待ってから sync waves を進める制御が可能になりました。ACK (AWS Controllers for Kubernetes) と kro (Kube Resource Orchestrator) のリソースについては組み込みヘルスチェックが同梱されており、追加設定なしで正確なヘルス状態が報告されます。capability が利用可能なすべてのリージョンで設定できます。 - Amazon Bedrock、OpenAI GPT-5.6 Sol の値下げを発表
Amazon Bedrock 上の OpenAI GPT-5.6 Sol の API 価格が引き下げられました。Global クロスリージョン推論の Standard ティアで入力 $4 / 100 万トークン (20% 引き下げ)、出力 $20 / 100 万トークン (33.3% 引き下げ) となります。この価格は少なくとも 2026 年 11 月 21 日まで適用されます。GPT-5.6 Sol は OpenAI の最上位モデルで、エージェント型コーディングのベンチマークで高い性能を示しており、先行して値下げされた Terra および Luna に続く価格改定です。出力側の引き下げ幅が大きいため、出力トークン消費の多いコーディングエージェントや長時間の分析ワークロードでコスト削減効果が出やすい改定です。
- AWS Glue 6.0 と Iceberg v3 サポートを提供
それでは、また来週お会いしましょう!