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週刊AWS – 2026/9/7週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。

みなさんは、AWS Japan が開催しているイベントをどこで探していますか。AWS のイベント情報は英語のものが多く、日本語で参加できるものを見つけにくいと感じている方もいるのではないでしょうか。そんなときに便利なのが AWS Experience のイベント一覧ページ です。開催地を日本に絞って表示できるので、国内で開催されるセミナーやイベントだけをまとめて確認できます。「こんなイベントがあったんだ」という発見があると思いますので、ぜひ一度のぞいてみてください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2026年9月7日週の主要なアップデート

  • 9/8(火)
    • Amazon S3 Object Lock がイベントホールドによる可変リテンションをサポート
      Amazon S3 Object Lock に可変リテンションが追加されました。S3 Object Lock は、オブジェクトに「この日までは削除も上書きもできない」という保持期限日を付けて WORM 保護する機能です。この期限日は後から延ばすことはできますが、手前に戻すことはできません。そのため「契約終了後 5 年保持」のように書き込み時点で終了日が決まらない要件では、これまでは期限日を長めに置いて余分な保持コストを払うか、短めに置いて期限切れ前に延長し続けるかの 2 つの方法がありました。今回の可変リテンションでは、オブジェクトに「イベントホールド」の ON と保持期間 (例: 5 年) を設定します。ホールドが ON の間、S3 は期限日を「現在時刻 + 5 年」として動的に前進させ続けるため、利用者が延長操作を繰り返す必要はありません。契約終了や監査完了などのイベントが起きた時点でホールドを OFF にすると、その時刻を起点に「解除時刻 + 5 年」で期限日が固定され、そこから指定期間の WORM 保護が続きます。全リージョンで追加料金なしで利用できます。
    • Amazon EMR が旧リリースから移行中の顧客向けに追加費用なしでサポートを延長
      Amazon EMR は、旧リリースから現行リリースへ移行中の顧客に対し、追加費用なしでサポート期間を延長しました。EMR 5.36 および 6.6 から 6.15 は 2027 年 6 月 30 日までベストエフォートで重大なセキュリティ修正を受けられ、EMR 7.0 から 7.10 は 2027 年 8 月 31 日まで Standard Support 相当のサポートを受けられます。延長を受けるには、移行計画を添えて AWS Support に連絡する必要があります。Amazon RDS や Amazon EKS の Extended Support が有償であるのに対し、EMR のこの延長は無償である点が特徴です。EMR on EC2、EMR on EKS、EMR Serverless のすべてのデプロイモデルと全リージョンが対象です。
    • Amazon API Gateway がバックエンド統合向けの mutual TLS をサポート
      Amazon API Gateway の REST API が、バックエンドへの接続時に AWS Certificate Manager (ACM) の証明書をクライアント証明書として提示できるようになりました。従来は API Gateway が生成する自己署名証明書しか使えませんでしたが、既存 PKI からインポートした証明書や AWS Private Certificate Authority が発行した証明書を利用できます。ACM 上で証明書が更新・再インポートされると API Gateway が自動的に反映するため、ステージの再デプロイやダウンタイムは発生しません。既存のインバウンド mTLS と組み合わせることで、クライアントから API、API からバックエンドまでの両区間で相互認証を構成できます。
    • OpenAI GPT-6 Astra が Amazon Bedrock で一般提供開始
      OpenAI の最新かつ最上位モデルである GPT-6 Astra が Amazon Bedrock で一般提供を開始しました。最大 100 万入力トークンのコンテキストウィンドウ、推論能力の向上、コンピュータ操作・ブラウザ操作機能を備え、自律エージェントの構築や大量文書の分析に使えます。Bedrock API から直接呼び出せるほか、ChatGPT Work と Codex の推論先として Bedrock 上の本モデルを指定できます。あわせて、ChatGPT Work のブラウザ操作を業務アプリケーションに広げるエンタープライズプラグインも発表されました。IAM によるアクセス管理、CloudTrail によるモデル呼び出しの監査など、既存の AWS の統制がそのまま適用されます。
  • 9/9(水)
    • Amazon Quick デスクトップアプリが macOS と Windows で一般提供開始
      Amazon Quick のデスクトップアプリが macOS と Windows で一般提供を開始しました。ブラウザ版では扱えなかったローカルファイルをアップロードなしで直接分析でき、カレンダー、メール、ビジネスアプリにバックグラウンドで常時接続します。会話、コンテキスト、エージェントはデスクトップとモバイルアプリ間で同期され、PC を閉じた後もエージェントはバックグラウンドで実行を継続します。東京リージョンを含む 7 リージョンで利用でき、AWS SLA と企業向けのガバナンス・管理機能を備えます。
    • AWS Lambda が Lambda Managed Instances で Graviton5 搭載 EC2 インスタンスをサポート
      AWS Lambda の Lambda Managed Instances が、最新世代 AWS Graviton5 プロセッサを搭載した C9g、C9gd、M9g、M9gd インスタンスに対応しました。Graviton5 は Graviton4 比でコンピュート性能が最大 25% 向上しており、Web アプリケーションで最大 35%、データベースで最大 30%、機械学習推論で最大 35% の高速化が見込めます。capacity provider 作成時にインスタンスタイプとして Graviton5 世代を明示指定できるほか、default 設定のままでも関数のアーキテクチャ、メモリサイズ、メモリ対 vCPU 比率に基づいて Lambda が Graviton5 インスタンスを選択候補に含めます。料金は EC2 インスタンス料金 + 15% の管理料金というモデルのため、性能向上がそのままコスト効率の改善につながります。
    • AWS Lambda が Lambda Managed Instances で 90 分の関数タイムアウトをサポート
      AWS Lambda は、Lambda Managed Instances 上で実行する関数について、非同期呼び出しや、Amazon SQS・DynamoDB Streams・Kinesis Data Streams などのメッセージキューと連携するイベントソースマッピング呼び出しの関数タイムアウトを最大 90 分 (5,400 秒) まで設定できるようになりました。従来の上限である 15 分 (900 秒) の 6 倍となります。使い方の例をいつくかあげると、メディアトランスコード、モンテカルロシミュレーションなどの金融計算、AI 推論、バッチ処理といった使い方が想定できます。同期呼び出しのタイムアウト上限は従来どおり 15 分です。
  • 9/10(木)
    • Amazon EVS が追加リージョンで利用可能に
      Amazon Elastic VMware Service (Amazon EVS) が、大阪リージョン、台北リージョン、スペインリージョン、テルアビブリージョンの 4 リージョンで利用可能になりました。Amazon EVS は VMware Cloud Foundation (VCF) を自身の VPC 内の EC2 ベアメタルインスタンス上で直接実行できるサービスで、今回の拡大により利用可能リージョンは東京を含む 22 リージョンになりました。VCF 9.0 / 9.1 サポートを含む既存のすべての機能が新リージョンでも利用でき、データレジデンシー要件への対応や、東京・大阪の 2 リージョンを使った国内ディザスタリカバリ構成が可能になります。
    • AWS Elemental Inference がライブ動画からコンテキストメタデータをリアルタイム生成
      AWS Elemental Inference が、ライブ配信中の映像を AI がその場で分析し、「今どんな場面か」を表すデータを自動生成できるようになりました。配信用の映像変換と並行して数秒遅れで映像を読み取り、広告業界の共通分類による場面カテゴリ (スポーツ、料理など)、広告を出すべきでない場面のフラグ (事故映像など)、映っている物と動作、場面の説明文を出力します。映像内の「ここから CM」の目印に AWS Elemental MediaLive がこの分析結果への参照を追記し、広告を差し込む AWS Elemental MediaTailor が直前の場面情報を取得して広告選択サーバーへ条件として渡すため、連携プログラムを開発せずに場面に合った広告配信ができます。過去映像の検索用データ付与にも使えます。
    • Amazon OpenSearch Serverless が v0 by Vercel で利用可能に
      AI コード生成プラットフォームである v0 by Vercel 上で、Amazon OpenSearch Serverless を利用したフルスタックアプリケーションを構築できるようになりました。自然言語プロンプトを入力するだけで、v0 がアプリケーションコードの生成、OpenSearch Serverless コレクションの自動プロビジョニング、データのインデックス登録、環境変数の設定までを行います。全文検索と RAG 向けベクトル検索の両方に対応し、バージニア北部、東京、大阪を含む 17 リージョンで利用できます。新規または既存の AWS アカウントに紐付けて利用でき、OpenSearch Serverless の利用料金は AWS から直接請求されます。
    • Amazon API Gateway が 1 MB の実行ログと設定可能な配信先をサポート
      Amazon API Gateway の REST API 実行ログ (execution logs) が、CloudWatch Logs delivery の仕組みに対応しました。従来は API Gateway 管理の CloudWatch Logs ロググループのみに配信され、ログイベントは 1 KB で切り捨てられていましたが、今回のアップデートで最大 1 MB のログイベントを、自分で管理する CloudWatch Logs ロググループ、Amazon S3 バケット、Amazon Data Firehose ストリームに配信できるようになりました。複数の配信先への同時配信にも対応し、たとえば S3 へは Apache Parquet 形式で長期保存しつつ、CloudWatch Logs へは JSON 形式でリアルタイムアラート用に配信するといった構成が組めます。AWS GovCloud (US) を含む、API Gateway REST API が利用できるすべてのリージョンで利用できます。料金は vended logs 料金が適用されます。
  • 9/11(金)
    • AWS DevOps Agent が Slack との双方向通信に対応
      AWS DevOps Agent が Slack との双方向通信に対応しました。従来は調査結果を Slack チャンネルに投稿する一方向通知のみでしたが、今回のアップデートにより、プライベートチャンネルで AWS DevOps Agent アプリを @メンションするだけで調査の開始・確認・誘導ができるようになりました。エージェントの調査結果、チームが提供したコンテキスト、推奨アクションが 1 つのスレッドに集約されるため、インシデント対応中のツール切り替えが不要になり、トリガーから緩和までの記録がそのまま監査証跡として残ります。本機能は AWS DevOps Agent が利用可能なすべての商用リージョン (東京リージョンを含む 11 リージョン) で提供されます。ドキュメント上のリリース日は 2026 年 9 月 1 日です。
    • AWS Lambda が Amazon S3 Files のダイレクトリード設定に対応
      AWS Lambda で、Amazon S3 Files のダイレクトリード (direct read) を関数ごとに有効化・無効化できるようになりました。Amazon S3 Files は、S3 バケットの中身を Lambda 関数から通常のファイルのように読み書きできる機能で、S3 の手前に高速なストレージ層 (high-performance storage) を持ちます。通常はこの層を経由して読むため小さな読み取りの応答が速く、「ダイレクトリード」はこの層を飛ばして S3 バケットから直接読む方式で、大きなデータをまとめて読む際の転送量を稼ぎやすくなります。これまではメモリ 512 MB 以上の関数だけ自動でダイレクトリードが有効になり、利用者は選べませんでしたが、今回からメモリサイズに関係なく関数の設定で切り替えられます。ダイレクトリードには実行ロールに s3:GetObject と s3:GetObjectVersion の権限が必要で、失敗時は自動で高速ストレージ経由に戻ります。追加料金はなく、ニュージーランドリージョン、バーレーンリージョン、UAE リージョンを除くすべての商用リージョンと AWS GovCloud (US) で利用できます。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Suguru Sugiyama

杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です。