Amazon Web Services ブログ
農林中央金庫様、情報系システムをAmazon Auroraへ移行し、13年間で100億円以上削減へ(Part 3/3)
PART3:Oracle DatabaseからAmazon Auroraへの移行 -運用編-
PART1では、農林中央金庫が Amazon Aurora の採用に至った経緯・評価点を解説しました。PART2では、農林中央金庫とNTT データで Amazon Aurora の採用に伴う非互換対応や性能試験に実施された内容を解説しました。PART3では、Amazon Aurora へ移行した後の実運用経験を踏まえ、これから Amazon Aurora へ移行検討されている方に向けて農林中央金庫・NTT データのコメントをご紹介させて頂きます。
Amazon Aurora で運用してみた感想
AWS および Amazon Auroraを活用することで、以下のような点で対応が楽になり、便利に感じられています:
- 基本的にパラメータはデフォルト設定で運用可能であり、特別なチューニングの必要性を感じていない
- テスト利用として、特にポイントインリカバリやバックアップ・リストア機能が便利
- AWS 移行によってクラウド上の他システムとの接続・連携が格段に容易になり、データ活用につながっている
- 運用上アドホックなクエリを流すタイミングがあるが、SQL単位でのメモリ使用量をトラッキングする仕組みがなかった為、問題のあるアドホッククエリの特定が難しかった。 (※Aurora PostgreSQL 15.4 以降の 15 バージョン、14.9 以降の 14 バージョンにて対応済)
Amazon Aurora への移行を検討されている方へ
本プロジェクトを通じた気づきとして、Amazon Aurora への移行には大きなメリットがある一方で、注意点もいくつか明らかになりました。Amazon Aurora への移行をご検討される際は、以下の点に留意されることをおすすめします。
- システム構成(特にAZを跨ぐ構成)について、その性能や可用性への影響を十分に見極めて設計する
- オンライン処理の性能確認は更改前の実測値を基準とし、準リアル処理においても実測値を基準としつつ、 本番の業務に相当するワークロードを仮想的に実行する仕組みを用意し、処理集中を意識した確認を行うことが必要
※本プロジェクトでは、SQLの規約が整備されていたことで、想定外の事象が少なかったと考察 - システム全体を見渡した上で、本番環境に近いトランザクション量での試験走行を実施することが重要
これらの点に留意しつつ、Amazon Auroraの大きなメリットを最大限に活かせるよう、移行検討を進めていただければと思います。
関連情報
本件の導入事例ページ
https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/nochu-bank/
NTTデータの支援プログラムのページリンク
あすぽす | デジタルテクノロジーディレクター® (ndigi.tech)