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【開催報告&資料公開】2023 年 5 月 Amazon Braket Monthly Workshop

2023 年 5 月 31 日に開催されました、Amazon Braket Monthly Workshop についてご報告させていただきます。

イベント概要

Amazon Braket はフルマネージド型の量子コンピューティングサービスで、科学的な研究や量子ソフトウェア開発に役立てることができます。本ワークショップでは、Amazon Braket の基礎知識から Hybrid Jobs などの機能について、実践的な演習を通してご紹介しました。本ワークショップは、米国時間で英語にて毎月実施しておりご要望の多かったワークショップを、日本語で開催したものになります。なお、対象者は量子コンピューティングの利活用を検討されている企業・大学・研究機関のエンジニア・研究者や、量子スタートアップ企業の皆さまです。

資料

座学

冒頭のセッションでは、AWS の量子技術における取り組みを紹介し、Amazon Braket のサービス概要と最新アップデートを説明しました。Amazon Baket では、マネージドの Jupyter Lab 開発環境であるノートブックインスタンス量子回路シミュレータ量子コンピュータ実機 (QPU) が利用可能です。QPU は、ビルトインの error mitigation をサポートする IonQ Aria も利用可能です。ハイブリッドアルゴリズムの実行環境 Hybrid Jobs といった発展的な機能や、典型的なユースケース・事例についても紹介しました。

ハンズオンコンテンツ

本ハンズオンでは、Amazon Braket ノートブックインスタンスを立ち上げて、上記の GitHub リポジトリに公開されているコンテンツを一部抜粋して実施しました。実施内容は以下になります。

  • Amazon Braket の基本
    • GitHub: workshop/0_Getting_started-workshop.ipynb から workshop/3_Grover.ipynb まで
    • Amazon Braket の基本的な説明になります。複数量子ビットがエンタングルした状態を生成する量子回路を作ります。さらに量子回路をシミュレータ上で実行したり、実機で実行したりする方法を学べます。
  • Cost Tracker
    • GitHub: workshop/4_Cost_tracker.ipynb
    • Amazon Braket の機能の一部である、Cost Tracker について学べます。Cost Tracker を用いることで、Amazon Braket で課金される料金をほぼリアルタイムで把握することができます。
  • Qiskit-Braket provider
    • GitHub: workshop/qiskit
    • Amazon Braket の機能の一部である、Qiskit-Braket provider について学べます。Qiskit-Braket provider を用いることで、Qiskit のコードを Amazon Braket のゲートベースのデバイスで実行することができます。
  • Hybrid Jobs
    • GitHub: workshop/hybrid_jobs
    • Amazon Braket の機能の一部である、Hybrid Jobs について学べます。Hybrid Jobs はフルマネージドな量子・古典ハイブリッドアルゴリズムの実行環境をご提供します。

注意

本ワークショップに事前にお申し込みいただいた方には、ワークショップ開催時に無料のハンズオン用 AWS アカウントを準備させていただきました。お客様自身のアカウントで実行する際には、利用したリソースに応じて、料金が発生することにご注意ください。Amazon Braket の料金ページもご参考ください。

著者

Yuto Takaki

高木 裕登 (Yuto Takaki)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 ソリューションアーキテクト
大阪大学大学院で修士号 (工学) を取得後、2021年に入社。修士論文は量子ニューラルネットワークを用いた時系列予測。現在は主に製造・小売業界のお客様を担当。好きなものはアニメと漫画。最近はワインに興味を持っています。

hariby

針原 佳貴 (Yoshitaka Haribara)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 シニア スタートアップ 機械学習・量子 ソリューションアーキテクト
主にスタートアップ企業の担当として、量子技術や機械学習をはじめとした幅広いワークロードにおける、AWS の活用を支援してます。東京大学で量子光学を用いた組合せ最適化の研究を行い博士(情報理工学)を取得した後、2018年に AWS に入社しました。趣味はドラムです。