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【開催報告】ガバメントクラウドワークショップ 2026 春 ~ AI で実践する開発・モダナイズ・運用 ~
こんにちは。ソリューションアーキテクトの東 健一です。普段はパブリックセクター技術統括本部で中央省庁のお客様の技術支援を担当しており、主にガバメントクラウドや医療 DX に関わるご支援を担当しております。
2026年5月19日(火)に、AWS 目黒オフィスにて「ガバメントクラウドワークショップ 2026 春 ~ AI で実践する開発・モダナイズ・運用 ~」を開催しました。
本ワークショップは、ガバメントクラウドに携わる事業者様を対象に、移行を進める上で必要となる技術を深く学び (Dive Deep)、案件で直面するリアルな課題や他官公庁/自治体の取り組みを共有し、参加者同士の交流を楽しむ (Have Fun) ことを目的とした技術イベントです。
今回のワークショップでは、「AI を使った開発・モダナイゼーション・運用」をメインテーマに掲げ、事例セッション・デジタル庁様セッションに加え、参加者の皆様にあらかじめ関心のあるテーマを選択いただいたうえで、手を動かしながら学ぶ 4 つのテーマ別ワークショップを実施しました。当日は会場が満席となり、総勢150名以上の方々にご参加いただく盛況なイベントとなりました。さらに夜の部として、AWS ユーザーコミュニティ「JAWS-UG」の公共分野支部である Gov-JAWS との懇親会を併催し、日中のセッションを振り返りながら参加者同士の交流を深める時間としました。
なお、前回の開催内容について気になる方は下記のブログをご参照ください。
イベント概要
本ワークショップは以下のような形で実施しました。
- 日時: 2026年5月19日(火)13:00 – 18:30(12:30 受付開始)
- 懇親会・Gov-JAWS: 18:30 – 21:00
- 場所: アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 目黒オフィス
- 参加対象: ガバメントクラウドに携わる全ての方々
| 時間 | セッション・ワークショップ名 |
| 13:00-14:00 | 中央省庁担当 事業者様登壇 |
| 14:00-14:30 | 自治体担当 事業者様登壇 |
| 14:30-15:30 | デジタル庁様登壇 |
| 15:30-15:40 | 休憩 |
| 15:40-18:30 | 各テーマに分かれて Workshop |
| 18:30-21:00 | 懇親会 / Gov-JAWS |
イベント構成
オープニングおよび事例セッション・デジタル庁セッションを全体で実施した後、参加者の皆様にあらかじめ選択いただいた以下 4 つのテーマに分かれて、各部屋でハンズオン形式のワークショップを実施しました。
- AI エージェントを開発する(Strands Agents / AgentCore)
- AI を使ってシステムをモダナイズする(AWS Transform / Kiro)
- AI を使ってシステムを開発する(Kiro IDE 実践)
- AI を使ってシステムを運用する(生成 AI を用いた AWS 環境のトラブルシューティング効率化)
各セッションの概要と発表資料は以下をご覧ください。
事例セッション・デジタル庁セッション ハイライト
Step Functions で実現するフルマネージド・ジョブ開発 — ガバメントクラウド開発における 設計/開発・運用時の「理想と現実」のギャップ
発表資料:Step Functions で実現する フルマネージド・ジョブ開発(杉元)
NTT データ 杉元様より、ジョブ管理ツールを AWS Step Functions を中核に据えてフルマネージドなジョブ機能として作り変えた取り組みについて、設計・開発・運用のリアルな学びとともにご紹介いただきました。「依存関係の表現」「再実行 / リラン」「リトライや補償」「並列実行」「監視・通知」「権限分離」といった “ジョブ管理っぽさ” を、Step Functions のステートマシンとしてどのように実装で落とし込んだかを共有いただきました。
あわせて、移行時に直面した設計/開発時の理想と現実(苦悩)のギャップ、稼働後に見えてきた運用時の理想と現実のギャップを、失敗事例も含めて整理いただきました。ジョブ管理ツールの置き換えを検討している方や、ワークフローを “運用できるジョブ基盤” にしたい方にとって、現実的な設計判断と運用設計の勘所を持ち帰れるセッションとなりました。
Amazon Bedrock で生成 AI 活用サービスをセキュアに構築する方法
発表資料:Amazon Bedrock で生成AI活用サービスをセキュアに構築する方法 – Speaker Deck
アクロクエストテクノロジー 鈴木様より、国土交通省様向けにAI書類審査ソリューションを構築支援したご経験などを踏まえ、AWS の生成 AI サービスである Amazon Bedrock を前提として、どのように基盤モデルのセキュリティ対応を実現するかのポイントをご紹介いただきました。
あわせて、RAG(Retrieval-Augmented Generation)や AI エージェントといった生成 AI 活用サービスを構築する上でのセキュリティ観点を、構成例を交えながら解説いただきました。日本の公共案件で生成 AI を活用する際に求められるセキュリティの考え方が整理されており、これから生成 AI 活用に取り組む事業者様が設計の指針として持ち帰れる実用的な発表内容でした。
自治体ガバメントクラウドにおける生成 AI 活用
NTT 西日本 三浦様より、自治体のお客様向けに生成 AI を導入された取り組みについてご紹介いただきました。AWS が公開している OSS の生成 AI 活用基盤 GenU の閉域オプションをベースに、Amazon Bedrock AgentCore を活用した独自 AI エージェントの開発を行っているとのお話で、自治体特有のセキュリティ要件を満たしつつ生成 AI 活用を進めるための実践的な設計・構築のポイントを共有いただきました。OSS をベースとしたうえで自社のユースケースに合わせて AgentCore で拡張するアプローチは、これから自治体向けに生成 AI 導入を検討する事業者様にとっても参考になる内容となっておりました。
GCAS ヘルプデスクについて 概要説明および活用方法のご紹介
デジタル庁 加藤様、萬谷様より、ガバメントクラウドにおける GCAS ヘルプデスクの役割と活動についてご紹介いただきました。GCAS ヘルプデスクの概要から、より効果的にご活用いただくための考え方や問い合わせ方法、実際のお問い合わせ事例やフィードバック、CSP (Cloud Service Provider) との連携内容、今後の改善に向けた方針までお話しいただきました。
GCAS ヘルプデスクが単なる問い合わせ窓口にとどまらず、利用者の声をガバメントクラウドの改善につなげる場であるというメッセージは、参加事業者様にとって今後の活用イメージを大きく広げるものとなりました。
ガバメントクラウドにおける生成 AI 利用環境「源内」の構築と展開
デジタル庁 荻原様より、政府職員の業務品質の向上と効率化を実現するために、ガバメントクラウド上に構築・展開している生成 AI 利用環境「源内」についてご紹介いただきました。現在、デジタル庁の職員のみならず、全府省庁約 18 万人の政府職員が生成 AI を利用できるよう、大規模実証事業を推進されています。
本セッションでは、ガバメントクラウドにおける「源内」のシステム概要と、大規模展開にあたって考慮した AI 特有の観点についてご説明いただきました。あわせて、行政業務に特化したアプリケーションの取り組みや、オープンソースソフトウェア (OSS) として公開された内容についてもご紹介いただきました。
ガバメントクラウド上での生成 AI 利用の最前線の取り組みを、構築・運用の双方の観点から伺えるセッションとなり、参加事業者様にとっても今後の生成 AI 活用案件に向けた貴重なリファレンスとなりました。
テーマ別ワークショップ
Strands Agents, AgentCore を使った AI エージェントのデプロイ(AI エージェントを開発する)
ワークショップ資料:AI エージェントハンズオン 〜 作って、動かして、体験する 〜
AWS ソリューションアーキテクトの松本より、オープンソースの AI エージェント開発フレームワークである Strands Agents を使ったエージェント開発の体験から、Model Context Protocol (MCP) を使った AI エージェントの動きの理解、そして AgentCore Runtime を使った AI エージェントのデプロイまでを、一連のハンズオンとして体験いただきました。
さらに後半では、AWS 公式 GitHub で公開しているサンプル実装である RAPID(生成 AI を活用した書類審査ソリューション)と Moca(マルチエージェントオーケストレーションのサンプル)を実際にお試しいただき、業務適用イメージを具体化していただきました。実装から本番デプロイ、さらにユースケース特化型のサンプル実装までをエンドツーエンドで体験できる内容となり、生成 AI を活用したサービス開発の第一歩として手応えを感じていただけたワークショップとなりました。
Kiro IDE 実践ワークショップ(AI を使ってシステムを開発する)
ワークショップ資料:Kiro IDE 実践ワークショップ
AWS ソリューションアーキテクトの葉山より、生成 AI の概要解説からスタートし、生成 AI を使った開発体験、Kiro を活用した開発業務の効率化までを体験いただきました。仕様駆動開発(Spec-Driven Development)の考え方に基づき、要件定義からコード生成までを Kiro でどのように実現するかをハンズオンで学んでいただきました。「すぐにでも自分の業務で試したい」という声を多くいただいたワークショップとなりました。
生成 AI を用いた AWS 環境のトラブルシューティング効率化(AI を使ってシステムを運用する)
ワークショップ資料:生成AIを用いたAWS環境のトラブルシューティング効率化ワークショップ
ワークショップ補足資料:生成 AI を用いた AWS 環境のトラブルシューティング – Speaker Deck
AWS ソリューションアーキテクトの東より、AWS 上に構築したシステムにおいてトラブルシューティングを生成 AI を用いて効率化するための手法をご紹介し、ハンズオンとして体験いただきました。ガバメントクラウドで活用できる手法・サービスを紹介しつつ、一般の AWS 環境でも活用可能な手法も併せてお試しいただける内容となり、運用業務の効率化に向けた具体的な打ち手を持ち帰っていただけました。
AWS Transform, Kiro を使ったモダナイゼーション(AI を使ってシステムをモダナイズする)
AWS ソリューションアーキテクトの今坂より、AI エージェントによるレガシーコードの分析・バージョンアップグレード計画の自動生成を体験いただいた後、AI エージェントを活用したバージョンアップグレードを実際に体験いただきました。「これまで人手で時間をかけていたモダナイゼーション作業が、AI エージェントの活用でここまで自動化できるのか」という驚きとともに、自社案件への適用イメージを持ち帰っていただけたワークショップとなりました。
※ ワークショップ資料については「Kiro IDE 実践ワークショップ」と同じコンテンツをベースに実施しております。
Gov-JAWS
ワークショップと併せて、Gov-JAWS の活動も行われました。Gov-JAWS は、AWS のユーザーコミュニティ「JAWS-UG」の支部として、公共分野における AWS 利用に焦点を当てた新しいコミュニティです。政府や自治体が進める公共分野のクラウド利用に関連する知識やノウハウを共有するための場として設立されました。
イベント当日は夜の部として Gov-JAWS 第 5 回 Meet Up が開催され、懇親会と併せて多くの参加者が交流を深めました。このコミュニティを通じて、今後も公共分野でのクラウド活用に関する情報共有と横のつながりの拡大が期待されています。
詳細は Gov-JAWS 側のページをご覧ください。
まとめ
今回のガバメントクラウドワークショップ 2026 春では、「AI エージェント開発」「モダナイゼーション」「AI 駆動開発」「AI による運用効率化」という生成 AI を軸とした 4 つのテーマに加え、ジョブ基盤の実装事例、生成 AI のセキュアな構成、自治体システム標準化の取り組み、GCAS ヘルプデスクの活用といった、ガバメントクラウドに携わる事業者様にとって直近で必要となるテーマを幅広く取り扱いました。
ご参加いただいた皆様におかれましては、お忙しい中ご足労いただき誠にありがとうございました。また、ご登壇いただいた NTT データ様、アクロクエストテクノロジー様、NTT 西日本様、デジタル庁様にも、貴重な知見をご共有いただきましたことを心より御礼申し上げます。
AWS では、今後もガバメントクラウドに携わる事業者様向けのワークショップを継続して開催してまいります。次回開催のご案内をお待ちください。
ガバメントクラウドに関するお問い合わせ
AWS の公共チームではガバメントクラウド相談窓口を設けております。ガバメントクラウド利用全般に関するお問い合わせについて、担当の営業およびソリューションアーキテクトがご回答いたします。ぜひご活用ください。
https://aws.amazon.com/jp/government-education/worldwide/japan/gov-cloud-advisory-site/
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