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Oracle AI Database@AWS で Oracle Exadata on Exascale が利用可能に
本記事は 2026 年 8 月 12 日 に公開された「Introducing Oracle Exadata on Exascale for Oracle AI Database@AWS」を翻訳したものです。
Oracle AI Database@AWS 向けに Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructure (ExaDB-XS) が一般提供開始となりました。ExaDB-XS は、従量課金モデルで Exadata クラスのパフォーマンスと可用性を提供します。コンピューティングとストレージを小さな単位で個別にスケールでき、使用した分だけを支払います。専用インフラストラクチャを事前にプロビジョニングする必要はありません。AWS Marketplace のパブリックオファーまたはプライベートオファーで、最小 8 Elastic CPU (ECPU)、ストレージ 300 GB から始められます。
Oracle AI Database@AWS では、AWS アベイラビリティゾーン内で Oracle Exadata インフラストラクチャをネイティブに実行できます。AWS Marketplace から購入し、他のワークロードと並べて管理できます。Oracle Exadata や RAC のワークロードを再アーキテクチャなしで移行し、Oracle データベース資産を統合して、AWS の分析、AI、運用サービスに直接接続できます。データベースが AWS リージョン内で動作するため、AWS の幅広いサービスに低レイテンシーでアクセスできます。生成 AI と検索拡張生成 (RAG) には Amazon Bedrock、モニタリングとガバナンスには Amazon CloudWatch、AWS KMS、AWS IAM、AWS CloudTrail を利用できます。
お客様からは、専用インフラストラクチャのコストとコミットメントという壁なしに Exadata の機能を使いたいという声が寄せられていました。専用インフラストラクチャでは、開始時にデータベースサーバー 2 台とストレージサーバー 3 台が最低構成として必要で、初期投資は決して小さくなく、すべてのワークロードに見合うわけではありません。ExaDB-XS はこのコストとコミットメントの壁に直接応えます。RAC、Smart Scan、Hybrid Columnar Compression (HCC) を含む Exadata と同じパフォーマンス、可用性、セキュリティを、プールされた共有モデルで提供します。ECPU 単位、ギガバイト単位という小さな増分でスケールし、コンピューティングとストレージを個別に追加できます。大規模な初期インフラストラクチャのコミットメントなしに始めたい場合、新しい AWS リージョンへコスト効率よく拡張したい場合、容量効率の高い高速なデータベースクローニングを活用したい場合、Exadata Database Service on Dedicated (ExaDB-D) のクロスリージョン災害対策スタンバイをコスト効率よく運用したい場合に適しています。
Oracle AI Database@AWS ポートフォリオにおける ExaDB-XS の位置づけ
ExaDB-XS は Oracle AI Database@AWS ポートフォリオをあらゆる規模のワークロードに広げ、専用インフラストラクチャの下に空いていた領域を埋めます。同一の Exadata ハードウェア上で、Oracle のデプロイメント選択肢が一通り揃いました。
| サービス | モデル | お客様にとってのメリット |
| ExaDB-XS (新規) — Exadata on Exascale Infrastructure | 共有・プール型の Exadata コンピューティングとストレージ上で、お客様が管理する VM クラスター |
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| Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure (ExaDB-D) | 専用 Exadata インフラストラクチャ上で、お客様が管理する VM クラスター |
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| Oracle Autonomous AI Database on Dedicated Exadata (ADB-D) | 専用 Exadata インフラストラクチャ上のフルオートノマスデータベース |
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| Oracle Autonomous AI Database Serverless (ADB-S) | フルオートノマス、サーバーレス、マルチテナント |
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ExaDB-XS では、共有・プール型インフラストラクチャ上で ExaDB-D と同等の制御性とデータベース管理の使い勝手が得られます。Exadata の価値を支える機能を諦めることなく、小規模ワークロードまでスケールダウンできる Exadata の経済性を利用できます。
ExaDB-XS の新機能
ExaDB-XS は、Oracle Cloud Infrastructure (OCI) で利用できる Oracle Exascale の全機能と、Oracle AI Database@AWS がサポートする AWS 統合をリリース時点から備えています。つまり初日から本番ワークロードを ExaDB-XS に移行でき、最も重要な Oracle データベースに求められるセキュリティ、運用、コンプライアンスの機能もそのまま利用できます。以下の 3 つのセクションでは、ExaDB-XS が Oracle AI Database@AWS に追加する主な新機能を説明します。
コンピューティングとストレージのエラスティックなスケーリング
ExaDB-XS はインフラストラクチャレベルでコンピューティングとストレージを分離します。まず、Exadata インテリジェントストレージを共有する単一の論理プール、Exascale Storage Vault をプロビジョニングします。次に 1 つ以上の VM クラスターをプロビジョニングし、Exadata のデータベース最適化コンピューティングの共有プールからコンピューティングを、Storage Vault からストレージを割り当てます。専用デプロイメントで使う Automatic Storage Management (ASM) ディスクグループとは異なり、Storage Vault は自動的にスケールし、オブジェクト単位で高冗長性を自動適用するため、ディスクグループの設計や容量分割は不要です。1 つの Storage Vault が複数の VM クラスターに対応できるので、ストレージはコンピューティング間で共有しつつ、ワークロード間の分離は保たれます。
コンピューティングは ECPU、ストレージは GB を単位とします。VM クラスターは 8 ECPU、ストレージ 300 GB から開始でき、その後はワークロードの変化に応じて各項目を個別に調整できます。スケーリングは AWS マネジメントコンソール、AWS Command Line Interface (AWS CLI)、AWS API から実行できます。
即時シンクローニング
ExaDB-XS では、Oracle AI Database@AWS でシンクローニングが使えるようになります。redirect-on-write 技術により、ストレージを複製せずにデータベースの即時コピーを作成できます。クローンを作成すると、Storage Vault 内の元のデータブロックへのポインタが作られます。クローンは完全に独立したデータベースとして見え、そのように動作しますが、作成直後は追加のストレージを消費しません。ストレージを消費するのは、クローン内のデータがソースから変化した分だけです。シンクローニングは、読み取り/書き込みデータベース、読み取り専用データベース、プライマリおよびスタンバイデータベース、プラガブルデータベース、さらには既存クローンのクローンでも機能します。
本番データに対して 10 本の開発ブランチを並行して動かすチームは、フルコピー 10 個分ではなく、データベース 10 個分の変更量に対して支払います。自動化された継続的インテグレーション/継続的デリバリー (CI/CD) パイプラインの一部として新しいデータベースクローンをプロビジョニングし、テスト完了後に破棄することもできます。
初日から使える AWS サービス統合と AI 対応
ExaDB-XS は、Oracle AI Database@AWS で利用できる AWS サービス統合をリリース時点からすべて備えています。データベースの自動バックアップは Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) に保存されます。AWS KMS がカスタマー管理キーによる暗号化を担います。Amazon CloudWatch と Amazon EventBridge がメトリクスとイベントのモニタリングを提供します。AWS IAM がアクセスを制御し、AWS CloudTrail が API 監査ログを記録します。ネットワーク接続の選択肢には AWS Transit Gateway、Amazon VPC Lattice、AWS Cloud WAN があります。ExaDB-XS は AWS Secrets Manager とも統合されており、作成/更新操作時にデータベースと Oracle Database Vault のパスワードをマネージドシークレットから安全に渡せます。機密性の高い認証情報をスクリプトや設定ファイルに置く必要がなくなります。
ExaDB-XS では、次世代の AI アプリケーションやエージェント型アプリケーションの中心に Oracle データベースを据えられます。Oracle AI Database 26ai では、AI Smart Scan が AI Vector Search を Exadata インテリジェントストレージにオフロードします。ベクトル検索と検索拡張生成 (RAG) は、分析やオンライントランザクション処理 (OLTP) を高速化するのと同じストレージ側のインテリジェンスを使い、運用データ上で動作します。データベースが AWS リージョン内で動作するため、生成 AI やエージェント向けの Amazon Bedrock、Amazon Bedrock AgentCore といったサービスをすぐ隣で利用できます。AI エージェントやアプリケーションは、最も価値あるビジネスデータを移動も複製もせずに低レイテンシーで利用できます。
ExaDB-XS を使い始める
ExaDB-XS は AWS Marketplace から、セルフサービス調達のパブリックオファーまたは個別交渉のプライベートオファーで利用できます。License Included (全オプション付きの Oracle Enterprise Edition) と Bring Your Own License (BYOL) の両方に対応しています。以下では AWS マネジメントコンソールで最初の ExaDB-XS 環境を作成する手順を説明します。AWS CLI と CloudFormation の手順は Oracle AI Database@AWS のドキュメントを参照してください。
ステップ 1: ODB ネットワークを作成する
Oracle AI Database@AWS を初めて使う場合は、まず ODB ネットワークを作成します。ODB ネットワークは、AWS アベイラビリティゾーン内で Oracle インフラストラクチャをホストするプライベートで分離されたネットワークです。AWS マネジメントコンソールで Oracle AI Database@AWS に移動し、[ODB Networks]、[Create ODB network] の順に選択します。アベイラビリティゾーン、クライアント接続とバックアップ接続用の Classless Inter-Domain Routing (CIDR) 範囲を指定し、必要に応じて Amazon S3 バックアップと Amazon Redshift ゼロ ETL 接続をネットワーク上で設定します。既存の Exadata Dedicated デプロイメントの ODB ネットワークがある場合は、その同じネットワークに ExaDB-XS リソースをプロビジョニングできます。
図 1: クライアントサブネットとバックアップサブネットの範囲を指定して ODB ネットワークを作成する
図 2: ODB ネットワークのサービス統合を設定する
ステップ 2: Exascale Storage Vault を作成する
Storage Vault は、VM クラスターが容量を割り当てて使うプール型ストレージリソースです。コンソールで [Exascale Storage Vaults] に移動し、[Create Storage Vault] を選択します。初期ストレージ容量を GB で指定し、Storage Vault を ODB ネットワークに関連付けます。作成後はいつでも容量を拡張できます。
図 3: Exascale Storage Vault を作成しストレージ容量を設定する
ステップ 3: Exascale VM クラスターを作成する
Storage Vault を用意したら、[VM Clusters] に移動して [Create VM Cluster]、[Exascale] の順に選択し、VM クラスターを作成します。ECPU 数 (VM あたり最小 8)、GB 単位のストレージ割り当て (合計最小 300 GB)、Oracle Database のバージョン (19c または 26ai)、ライセンスタイプを指定します。あわせて ODB ネットワークを選択し、VM へのアクセスに使う Secure Shell (SSH) キーペアを指定します。
図 4: Exascale VM クラスターの一般設定と構成を確認する
図 5: 作成前に VM クラスターの接続設定と診断設定を確認する
ステップ 4: Oracle データベースを作成する
VM クラスターの準備ができたら、AWS マネジメントコンソールで VM クラスターの詳細ページに移動し、[Manage in OCI] を選択します。OCI コンソールが開き、そこで Oracle データベースを作成、管理します。Oracle Database のバージョンを選択し、Amazon S3 バケットへの自動バックアップを設定して、データベースを作成します。インフラストラクチャリソース (Storage Vault、VM クラスター、ODB ネットワーク) は AWS マネジメントコンソールと AWS API の両方から引き続き参照、管理できます。
図 6: OCI コンソールで VM クラスターから Oracle データベースを作成する
料金
ExaDB-XS の料金は従量課金です。VM クラスターが消費した ECPU とストレージに対して支払い、最低インフラストラクチャコミットメントはなく、1 秒あたりの I/O 操作数 (IOPS) への個別課金もありません。License Included と Bring Your Own License の両方が利用できます。料金は OCI 上の Oracle Exadata Database Service on Exascale Infrastructure と同じです。最新の単価は Oracle AI Database@AWS の料金ページを参照してください。
知っておきたいこと
提供リージョン。ExaDB-XS は、Oracle AI Database@AWS が利用可能な 22 の AWS リージョンすべてで利用できます。米国東部 (バージニア北部)、米国東部 (オハイオ)、米国西部 (オレゴン)、米国西部 (北カリフォルニア)、カナダ (中部)、南米 (サンパウロ)、欧州 (フランクフルト)、欧州 (アイルランド)、欧州 (ロンドン)、欧州 (ミラノ)、欧州 (パリ)、欧州 (スペイン)、欧州 (ストックホルム)、欧州 (チューリッヒ)、アジアパシフィック (ハイデラバード)、アジアパシフィック (ムンバイ)、アジアパシフィック (大阪)、アジアパシフィック (ソウル)、アジアパシフィック (シンガポール)、アジアパシフィック (東京)、オーストラリア (メルボルン)、オーストラリア (シドニー) です。
Storage Vault の容量。Exascale Storage Vault は 1 つあたり最大 100 TB のインテリジェントストレージに対応します。それ以上の専用容量が必要な場合は、同じ ODB ネットワーク内で Oracle Exadata Database Service on Dedicated Infrastructure も併用できます。
データベースバージョン。リリース時点では Oracle Database 19c と 26ai をサポートしています。対応バージョンは今後追加していく予定です。
モニタリング。ExaDB-XS のリソースは AWS/ODB 名前空間で Amazon CloudWatch にメトリクスを発行します。AWS CloudTrail は API 呼び出しを記録します。Amazon EventBridge のルールを設定して、プロビジョニング完了、パッチ適用、スケーリング操作といったデータベースのライフサイクルイベントに対する自動応答をトリガーできます。
今日から始める
ExaDB-XS は、世界中の Oracle AI Database@AWS 対応 22 リージョンすべてで本日から利用できます。Oracle AI Database@AWS のサービスページを確認するか、AWS マネジメントコンソールで Oracle AI Database@AWS に移動し、[Create Storage Vault] を選択して始めてください。
詳細は Oracle AI Database@AWS ドキュメントの Exascale セクション、または以下のリソースを参照してください。
著者について
この記事は Solutions Architect の 矢木 覚が翻訳しました。