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Amazon Connect を使用してリモートワークのコンタクトセンターのエージェントをすばやくセットアップする方法

長年にわたり、ナレッジワーカーは(オフィスや自宅など)どこにいても容易に仕事ができるメリットを享受してきました。通常、ナレッジワーカーは柔軟に仕事ができるよう、適切なツールやテクノロジー(携帯電話、ノートパソコン、インターネット接続など)を利用することができます。

しかしながら、従来のコンタクトセンターの従業員はそれほど恵まれてはいませんでした。従来のコンタクトセンターの従業員は、多くの場合、物理的な電話の制約を受けてオフィスのデスクに固定されています。彼らはほとんどの場合、コンタクトセンターの技術上の制約により、リモートでの作業は難しいのが現状でした…今までは。

Amazon Connect を使用すると、企業は事実上どこからでもアクセス可能な、完全な機能を備えたコンタクトセンターを持つことができます。エージェント、スーパーバイザー(SV)、マネージャー、管理者は、自宅で勤務しながらコンタクトセンターの毎日のアクティビティをすべて実行することができます。エージェントはインバウンドコールを受信し、アウトバウンドコールまたはチャットでのやり取りを行うことができます。SV は、エージェントが全員同じオフィスにいるかのようにリアルタイムでモニタリングし、コーチングすることができます。マネージャーは、ダッシュボードの表示、レポートの実行、サービスレベルの監視、通話録音のモニタリング、コンタクトセンターのパフォーマンスの追跡をすべて自宅から行うことができます。これを実現するために必要なのは、Amazon Connectのインスタンス、ノートパソコン、インターネット接続だけです。

本ブログ投稿では、Amazon Connect を使用して顧客や従業員をサポートするために、リモートエージェントを数分でセットアップする方法についてご説明します。

リモートエージェントのサポートが求められるオンプレミスのコンタクトセンター

オンプレミスのコンタクトセンターソリューションでは、エージェントの在宅勤務を実現するためは複雑な技術要件をクリアしなければなりません。要件として、VPN ハードウェアデバイス、SIP 電話、またはエージェントの自宅で固定電話が必要となり、ネットワーク、セキュリティ、電話機器チームによる出張サポートが必要となる場合もあります。さらに、リモートエージェントの着台研修を行うためには、エージェントをオンラインに保つための個別のメンテナンスが必要であり、コストが増加し、エージェントの効率が低下します。

Amazon Connect で素早く、コスト効率よく対応する

オムニチャネルのクラウドコンタクトセンターソリューションとしてAmazon Connect を使用すると、エージェントは追加の設定を必要とせずに在宅勤務ができます。エージェントは、インターネット接続が利用可能な場所であれば、どこからでも接続できます。 サポートされているブラウザ と USB ヘッドセットのみが必要です。

コンタクトセンターをセットアップし、 Amazon Connect で最初の入電を受けられるようになるまでにかかる時間はわずか数分です。Amazon Connect で通話やチャットを開始するためにブラウザのプラグインやアプリケーションを追加でインストールする必要はありません。Amazon Connect は、OPUS コーデックを使用して高品質のオーディオを提供するように設計された、 WebRTC ベースのソフトフォンを使用します。

Amazon Connect では、 お客様が接続した時間に対してのみ分単位で料金が発生します。署名が必要な契約やユーザーごとのライセンスはありません。Amazon Connect でコンタクトセンターを起動し、テストし、必要に応じてスケールアップおよびスケールダウンできます。

在宅勤務のコンタクトセンターの業界リーダーである Direct Interactions は、リモートワーカーに電話をルーティングするために Amazon Connect を活用しています。Direct Interactions の CEO である Jonas Nicholson 氏は、次のように語っています。「Amazon Connect のおかげで、諸事情により在宅勤務せざるを得ない方々のために雇用機会を創出できています。私たちにとって、それは障害を持つ人々、軍人の配偶者、経済的に落ち込んでいる地域の方々を意味します。」 また、「在宅勤務が唯一の選択肢である場合、子ども達が同じ家庭内のネットワークで Netflix をストリーミング視聴したり、ゲームをしている場合であっても、Amazon Connect はきちんと動作しています。」と述べています。

Direct Interactions では、エージェントを準備する時間も短縮されました。Jonas 氏は、「以前のプロバイダーはライセンスモデルを使用していたため、当社のチームはエージェントの作業時間を減らす取り組みを行なっていませんでした。Amazon Connect の従量制料金により、Amazon Connect コンソールで新しいユーザーを作成するだけで新しいエージェントを追加でき、そうすることでコストを削減できます。」と述べました。 また、Jonas 氏は、エージェントが着台するまでにかかった時間に感銘を受けました。「Amazon Connect では、新しいエージェントの研修をするのに最も重要な部分は業務に関するコンテンツです。システムのトレーニングにかかる時間は 20 分未満です。当社のエージェントは、Amazon Connect がきわめて使いやすく、自宅環境内で生産性を高めることができると言っています。」

また、Jonas 氏は次のように付け加えています。「Amazon Connect は当社のビジネスにとって最良のものでした。当社のエージェントは、作業の柔軟性に満足しています。エージェントが快適な勤務環境を得られる機会を提供できることを嬉しく思います。また、エージェントの離職率が激減しています。」

Amazon Connect を使用すると、インフラストラクチャの管理が不要になり、必要に応じてコンタクトセンターを簡単にスケールアップまたはスケールダウンできます。ピーク時のビジネスサイクルにおけるピークに合わせて、数万のエージェントを迅速に着台させ、エージェントライセンスの数や最低利用条件について心配することなく、スケールダウンできます。

現在、オフィスで Amazon Connect を使用しているエージェントがいる場合、そのエージェントは自宅から同じインスタンスにシームレスに接続し、すぐに入電を受けることができます。また、Amazon Connectに 新しいエージェント をすばやく追加することもできます。ソフトフォンによる音声通話が選択肢に無い場合には、エージェントは 入電を自身の携帯電話などの PSTN 番号に転送することもできます。

自社開発のサービスデスクシステムなど、Amazon Connect Contact Control Panel(CCP) とやり取りする必要があるインターネットからアクセスできない社内アプリケーションがある場合などは、 Amazon Connect を仮想デスクトップインフラストラクチャ (VDI) 環境で使用することもできます。他のクラウドベースのアプリケーション要件によっては、エージェントは VPN や VDI などのリモートアクセスソリューションを利用せず、直接接続できる必要がある場合があります。

また、Amazon Connect を緊急対応チャネルとして活用して、従業員、顧客、または市民の音声通話を受けてトリアージするのに役立てることもできます。例えば、 アメリカ赤十字 は、ハリケーン・ハービーによる被害の最中、カスタマーサポートを拡張するために Amazon Connect コンタクトセンターインスタンスをすばやくセットアップしました。従来のコールセンターのアプローチのように数か月待つ事なく、48 時間以内に新しいコンタクトセンターを正常にセットアップできました。おまけに、スキルベースのルーティング、リアルタイムおよび履歴分析、AI による通話感情分析により、インテリジェントでモダンなコンタクトセンターアプローチをすばやく活用できました。

リモートエージェントを数分でセットアップ

Amazon Connect を使用して在宅勤務エージェントをセットアップするのはとても簡単です。エージェント用の追加の電話機器やネットワークインフラストラクチャ、オフィススペースといったものを購入したり、インストールしたり、セットアップしたりする必要がないため、Amazon Connect を使用するとより素早くスケールできます。 AWS 無料利用枠 の一環として、12 か月間無料で Amazon Connect の使用を開始できます。

これらのステップバイステップチュートリアルを試して、Amazon Connect でコンタクトセンターを作成し、在宅勤務エージェントで今すぐテストしてみてください。

翻訳はConnect Specialized CSM 坂田が担当しました。原文はこちらです。