Amazon Web Services ブログ
週刊生成AI with AWS – 2025/12/08 週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの三厨です。先週の re:Invent 2025 、みなさまはいかがお過ごしでしたか? 現地に来てくださった方も、オンデマンドで視聴いただいた方も、何か学びになるものを身につけていただけましたなら幸いです。
そして、毎年おなじみ 1 時間で振り返る re:invent 速報を今年も開催いたしました。忙しくてなかなかキャッチアップできなかった方もこちらのページからキャッチアップをお願いいたします。
先日 2つの新しいプランを追加した「AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム」も非常に多くの申し込みをいただいています。引き続き募集中ですのでよろしくお願いします。
それでは、12 月 08 日週の生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。re:Invent 2025 で発表された内容が続々と日本語化されています。ぜひお役立てください。
さまざまなニュース
お客様事例
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- AWS生成AI国内事例ブログ: エスツーアイ株式会社様、Kiro を活用した経費精算システムの迅速な開発
エスツーアイ株式会社様は、愛知県に本社を置く製造業向けシステムインテグレーションサービス企業です。同社では、経営層が AI コーディングの重要性を認識していたものの、現場エンジニアが日々の業務に追われ、新しい技術に取り組む余裕がない状況でした。この課題を解決するため、AI IDE「Kiro」を活用して出張経費精算システムの開発に取り組まれました。ベテランエンジニアが実働約 10 日間(1 日 1〜2 時間の作業)で基本機能を実装し、従来手法と比較して大幅な期間短縮を実現されました。特に Kiro の「Vibe」と「Spec」の使い分けにより、コード生成とドキュメント作成の両方を効率化できたことが成功のポイントでした。 - AWS生成AI国内事例ブログ: 明治ホールディングス株式会社様、Amazon Q Developer 導入により 80-90% の生産性向上を実現
明治ホールディングス株式会社様のグループ DX 推進部 AWS 事務局では、300 を超える AWS アカウントを 20 名のメンバーで管理する中で、開発・運用効率化が課題となっていました。Amazon Q Developer を段階的に導入し、ドキュメント・設計資料の自動化、Infrastructure as Code 開発の効率化、運用・トラブルシューティングの高度化、組織全体の管理基盤整備を実現されました。その結果、AWS 事務局全体で 80-90% の生産性向上を達成し、30 名超が継続的に活用されています。特に Model Context Protocol サーバの利用により、素早く正確な情報へのアクセスと調査、ドキュメント生成が可能になりました。 - AWS生成AI国内事例ブログ: 地方病院がシステムの内製化に挑戦、IT 知識ゼロから始めた生成 AI による業務効率化への 90 日
兵庫県立リハビリテーション中央病院様と熊本中央病院様が、ANGEL Dojo 2025 プログラムに参加し、IT 知識ゼロの状態から 90 日間で生成 AI を活用したシステム開発に取り組まれました。兵庫県立様は Amazon Bedrock を用いたリハビリスケジュール自動化で 60% の自動化を実現し、月当り約 36 単位(88,200 円)の収益増加を見込んでいます。熊本中央病院様は退院サマリ等の文書作成に生成 AI を活用し、月 800 時間の文書作成時間削減を確認されました。企業とパートナーによる共創型内製化により、医療機関でも AI を活用したシステム開発が現実的になることを実証されています。
- AWS生成AI国内事例ブログ: エスツーアイ株式会社様、Kiro を活用した経費精算システムの迅速な開発
技術記事
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- ブログ記事「Amazon Nova 2 Sonic の紹介: 会話型 AI 向けの新しい音声変換モデル」を公開
2025 年 12 月 2 日に発表された Amazon Nova 2 Sonic は、自然でリアルタイムな音声対話をアプリケーションにもたらす音声変換の基盤モデルです。この記事では、業界トップクラスの会話品質と価格設定を実現する Nova 2 Sonic の特徴を詳しく解説しています。多言語サポートの拡張(ポルトガル語とヒンディー語を追加)、ポリグロット音声による言語切り替え機能、自然なターンテイキング、クロスモーダルインタラクション、非同期ツール呼び出しなど、実用的な音声 AI アプリケーション開発に役立つ機能が紹介されています。 - ブログ記事「高速で費用対効果の高い推論モデル、Amazon Nova 2 Lite の紹介」を公開
Amazon Nova 2 Lite は、日常のワークロードに対応する高速で費用対効果の高い推論モデルとして 12 月 2 日にリリースされました。この記事では、拡張思考(Extended Thinking)機能による段階的な推論、100 万トークンのコンテキストウィンドウ、ウェブグラウンディングとコードインタープリターの組み込みツールなど、Nova 2 Lite の特徴を紹介しています。ビジネスアプリケーション、ソフトウェアエンジニアリング、ビジネスインテリジェンスなど幅広いユースケースでの活用方法も解説されています。 - ブログ記事「新しい AWS Security Agent は、設計からデプロイまでアプリケーションをプロアクティブに保護します(プレビュー)」を公開
2025 年 12 月 2 日に発表された AWS Security Agent は、開発ライフサイクル全体を通じてアプリケーションを積極的に保護するフロンティアエージェントです。この記事では、設計セキュリティレビュー、コードセキュリティレビュー、オンデマンド侵入テスト機能を提供する AWS Security Agent の詳細を解説しています。AI を活用した自動セキュリティレビューと状況に応じた侵入テストにより、開発の早い段階で脆弱性を防ぐことができ、従来の手動プロセスと比較して大幅な時間短縮を実現します。 - ブログ記事「Amazon Bedrock を活用した太陽光発電データの異常検知・分析システムの構築事例」を公開
株式会社エナリス様および KDDI アジャイル開発センター株式会社様と共同で執筆した、Amazon Bedrock を活用した太陽光発電データの異常検知・分析システムの構築事例を紹介しています。この記事では、Amazon Bedrock Agents と Amazon Bedrock Knowledge Bases を組み合わせて、太陽光発電設備の運用データから異常を検知し、分析結果を自然言語で提供するシステムの実装方法を解説しています。生成 AI を活用したデータ分析の実践的な事例として参考になります。 - ブログ記事「Amazon Bedrock AgentCore には、信頼できる AI エージェントをデプロイするための品質評価とポリシーコントロールが追加されました」を公開
2025 年 12 月 2 日に発表された Amazon Bedrock AgentCore の新機能について解説した記事です。AgentCore のポリシー機能により、詳細な権限を持つポリシーを使用してエージェントアクションの明確な境界を定義できます。AgentCore Evaluations では、組み込みエバリュエーターを使用して実際の行動に基づいてエージェントの質をモニタリングします。また、AgentCore Memory のエピソード機能により、エージェントが経験から学び、将来の同様のタスクの一貫性とパフォーマンスを向上させることができます。 - ブログ記事「Amazon Bedrockは、開発者がより賢く、より正確なAIモデルを構築する方法を簡素化する強化学習によるファインチューニングを追加しました」を公開
Amazon Bedrock に新たに追加された強化学習ファインチューニング機能について詳しく解説した記事です。従来の大規模なラベル付きデータセットを必要とする手法とは異なり、フィードバックから学習してモデルを改善する新しいアプローチを紹介しています。基本モデルと比較して平均 66% の精度向上を実現し、深い機械学習の専門知識なしに高度なモデルカスタマイズが可能になることが説明されています。 - ブログ記事「MCP を用いた Amazon Connect の監視運用準備」を公開
Model Context Protocol (MCP) と生成 AI を活用して Amazon Connect の監視機能を強化する方法を紹介した記事です。MCP と Amazon Connect の組み合わせにより、フロー効率の分析や監視設定の最適化などが自然言語で直感的に行えるようになり、コンタクトセンターの運用準備体制の向上に役立つことが解説されています。 - ブログ記事「小売業の未来を読み解く:AI ショッピングエージェントの活用」を公開
AI を活用したショッピングエージェントが小売業界に与える影響と、Model Context Protocol (MCP) を活用した対応策について解説した記事です。AI エージェントが商品発見と購入方法を根本的に変革する中で、小売企業が AWS 上に MCP サーバーを構築することで、AI エージェントとの直接的な関係を築き、競争優位性を確保する方法を紹介しています。 - ブログ記事「AWS Transform discovery tool の紹介」を公開
VMware インフラストラクチャにデプロイする Open Virtual Appliance(OVA)として提供される AWS Transform discovery tool について解説した記事です。クラウド接続や外部依存関係を必要とせずにオンプレミスでデプロイできる自己完結型アプリケーションとして動作し、ワークロードからパフォーマンスデータとネットワーク接続データを収集します。厳格に規制された業界や、厳格なデータガバナンス要件を持つ組織での移行準備に適しています。 - ブログ記事「Amazon SageMaker AI の新しいサーバーレスカスタマイズにより、モデルのファインチューニングが加速します」を公開
Amazon Nova、DeepSeek、GPT-OSS、Llama、Qwen などの人気の AI モデル向けの Amazon SageMaker AI の新しいサーバーレスカスタマイズ機能について解説した記事です。強化学習などの最新ファインチューニング手法を簡単に操作できるインターフェイスを提供し、AI モデルのカスタマイズプロセスを数か月から数日に短縮できます。完全にサーバーレスで実行されるため、インフラ管理ではなくモデルのチューニングに専念できます。 - ブログ記事「Amazon SageMaker HyperPod でのチェックポイントなしかつ弾力的なトレーニングの紹介」を公開
Amazon SageMaker HyperPod における 2 つの新しい AI モデル訓練機能について解説した記事です。チェックポイントレストレーニングは、従来のチェックポイントベースのリカバリーの必要性を軽減し、数時間かかる復旧時間を数分に短縮します。エラスティックトレーニングは、リソースの可用性に基づいて AI ワークロードを自動的にスケールさせることを可能にし、クラスターの利用効率を最大化します。
- ブログ記事「Amazon Nova 2 Sonic の紹介: 会話型 AI 向けの新しい音声変換モデル」を公開
サービスアップデート
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- Amazon Quick Suite でレポート自動化のための Research と Flow の統合機能を発表
Amazon Quick Suite に、データ分析と研究ワークフローを自動化する新機能が追加されました。この機能により、複雑なデータ分析プロセスを自動化し、レポート生成の効率化が可能になります。生成 AI を活用したインサイト抽出と組み合わせることで、より高度なビジネスインテリジェンス機能を提供します。 - Amazon Aurora PostgreSQL で Kiro powers 統合を発表
Amazon Aurora PostgreSQL に、AI 開発プラットフォーム Kiro との統合機能が追加されました。この統合により、データベース操作と AI 開発ワークフローをシームレスに連携させることが可能になり、データドリブンな AI アプリケーションの開発効率が向上します。
- Amazon Quick Suite でレポート自動化のための Research と Flow の統合機能を発表
今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう!