Amazon Web Services ブログ
週刊生成AI with AWS – 2026/3/9 週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの野間です。直前のご案内になりますが、3 月 25 日(水)に「AWS での Claude Code の買い方・使い方」という Claude Code を AWS 上で活用する手段や買い方をご紹介するイベントが開催されます。また翌日の 3 月 26 日(木)には「Amazon Quick で変わる業務の現場 — 活用企業・AWS社員による事例紹介」が開催されます。ご興味がある方はぜひご参加ください!
「AWS ジャパン生成 AI 実用化推進プログラム」も引き続き募集中ですのでよろしくお願いします。
それでは 3月 9 日週の生成 AI with AWS界隈のニュースを見ていきましょう。
さまざまなニュース
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- AWS生成AI事例ブログ「寄稿: 三菱電機が挑む製造業の商談変革 – AWS で実現した商談支援サービス「Memory Tech」」
三菱電機 名古屋製作所が、製造業の商談現場で発生する口頭コミュニケーションの認識齟齬という課題を解決するために、AI を活用した商談支援サービス「Memory Tech」を AWS 上で開発した事例が紹介されています。Memory Tech は Web ブラウザやスマートフォンで商談の音声を録音するだけで、Amazon Bedrock の生成 AI が 2 分以内に構造化された議事録を自動生成するサービスで、AWS Amplify Gen 2 を中核としたサーバーレスアーキテクチャにより、少人数のチームでも迅速な開発と 1,000 名超のユーザーに対応する安定運用を実現しています。生成 AI を活用するユーザーにとっては、Amazon Bedrock 上で Anthropic Claude と Amazon Nova を用途に応じて使い分けることでコスト最適化と応答速度を両立しており、現場の業務習慣を変えずに AI の力で業務改善を図る実践的な活用事例として参考になります。 - AWS生成AI事例ブログ「【寄稿】「12時間で PoC が完成」― サミット株式会社の情報システム部門が AI コーディングアシスタント Kiro で実現した、圧倒的スピードの内製開発」
スーパーマーケットチェーンのサミット株式会社が、AI コーディングアシスタント「Kiro」を活用して情報システム部門による内製開発を加速させた事例が紹介されています。従来であれば外部委託で 3 か月・数百万円規模のコストがかかる店舗データ分析ダッシュボードの PoC を、Kiro の Spec-driven Development 機能を活用して一人の担当者がわずか 12 時間で完成させるなど、開発スピードの大幅な向上を実現しました。生成 AI を活用した開発に取り組むユーザーにとっては、セッション情報の管理やステアリングの設定といった Kiro を効果的に使いこなすための実践的なノウハウに加え、レガシーシステムのリバースエンジニアリングやパートナーとの協業モデルの変革など、AI コーディングアシスタントの活用範囲を広げるヒントが得られる内容です。 - ブログ記事「「フィジカル AI 開発支援プログラム by AWS ジャパン」キックオフイベントを開催しました」
AWS ジャパンが、フィジカル AI の開発を支援する約 6 ヶ月間のプログラムのキックオフイベントを開催し、採択企業によるピッチや Amazon Robotics の事例紹介が行われた様子を報告しています。このプログラムでは、ソリューションアーキテクトによる技術支援、AWS クレジットの提供に加え、プロトタイピングを専門とする Prototyping & Cloud Engineering(PACE)チームが開発する Physical AI Scaffolding Kit(PASK)によるトレーニング環境のサンプル提供など、データ収集からモデル学習・実機デプロイまでの一連のパイプライン構築を包括的にサポートします。生成 AI を活用するユーザーにとっては、Vision-Language-Action(VLA)モデルなどのロボット基盤モデル開発を Amazon SageMaker HyperPod 上で実行する具体的なアプローチや、日本のものづくりの強みと生成 AI を融合させるフィジカル AI エコシステムの最新動向を知ることができる内容です。 - ブログ記事「月刊 AWS 製造 2026年3月号」
今月の月刊 AWS 製造では「Agentic AI × 製造業」を特集しており、BMW Group が Amazon Bedrock AgentCore と Strands Agents を活用してペタバイト規模のデータからインサイトを抽出する品質管理の事例や、Amazon Bedrock AgentCore による調達ワークフローの自動化、メック株式会社が Amazon Bedrock AgentCore Runtime と Amazon S3 Vectors で研究業務を効率化した事例など、製造業の各領域で Agentic AI を実践的に活用するコンテンツが充実しています。さらに、Toyota Motor Europe が Amazon Bedrock でレガシーメインフレームのドキュメント自動生成に取り組んだ事例や、三菱電機が Kiro と GitLab で開発ワークフローを標準化した事例など、生成 AI を活用した製造業の業務改善事例も多数紹介されています。製造業に関わる方にとって、生成 AI の具体的な活用パターンをまとめて把握できる内容ですので、ぜひご覧ください。 - ブログ記事「エンタープライズガバナンス:MCP サーバーとモデルの制御」
AI コーディングアシスタント「Kiro」に、エンタープライズ向けの 2 つの新しいガバナンス機能がリリースされました。1 つ目は MCP サーバーレジストリで、管理者が承認済みの MCP サーバーを JSON 形式の許可リストとして定義し、開発者が接続できるサーバーを一元管理できるようになります。2 つ目はモデルガバナンス機能で、組織内の開発者が利用できる AI モデルを管理者が制御でき、特にデータレジデンシー要件がある場合にグローバルクロスリージョン推論を使用する実験的モデルを無効化するといった対応が可能になります。生成 AI を活用した開発を組織的に推進するユーザーにとっては、セキュリティ・コンプライアンス要件を満たしながら AI コーディングツールの導入を拡大するための具体的なアプローチとして参考になる内容です。
- AWS生成AI事例ブログ「寄稿: 三菱電機が挑む製造業の商談変革 – AWS で実現した商談支援サービス「Memory Tech」」
サービスアップデート
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- Kiro IDE 0.11 のリリース
Kiro IDE 0.11 がリリースされました。エンタープライズチーム向けに MCP サーバーアクセスとモデル利用のガバナンス機能が追加され、管理者が承認済みの MCP サーバーや利用可能な AI モデルを一元管理できるようになりました。また、チャットにドキュメント添付機能が追加され、PDF、CSV、DOC、XLSX、HTML、Markdown など多様なフォーマットのファイルをチャット入力にドラッグ&ペーストして、1 メッセージあたり最大 5 ファイルまでテキストや画像と組み合わせて AI に読み込ませることができます。生成 AI を活用した開発に取り組むユーザーにとっては、ドキュメントを直接チャットに渡して内容を推論させられるようになったことで、仕様書やデータファイルを参照しながらのコーディング作業がより効率的になるアップデートです。 - AI アシスタントによる構成管理を実現する新しい LZA MCP サーバー
Landing Zone Accelerator on AWS(LZA)の構成管理を AI アシスタントとの自然言語の対話で行える MCP サーバーがオープンソースとして公開されました。この LZA MCP サーバーは 20 種類の専用ツールを備えており、複数の LZA バージョンにまたがるドキュメント検索、構成管理、パイプライン監視、デプロイ失敗時の原因分析といった、これまで手作業で時間のかかっていた作業を効率化できます。Kiro、Amazon Q Developer、Claude Code などの IDE と互換性のあるコンテナ化された MCP エンドポイントとして動作するため、生成 AI を活用した開発環境を構築しているユーザーにとっては、マルチアカウント環境のガバナンス設定を自然言語で対話しながら管理できる実用的なツールとして活用が期待できます。 - Amazon Bedrock AgentCore Memory が長期メモリのストリーミング通知をサポート
Amazon Bedrock AgentCore Memory に、長期メモリのストリーミング通知機能が追加されました。長期メモリはエージェントとのやり取りからインサイトを抽出し、次回以降のインタラクションでパーソナライズされた体験を提供する機能ですが、これまでメモリの変更を検知するにはポーリング処理を自前で実装する必要がありました。今回のアップデートにより、メモリレコードの作成・変更時に Amazon Kinesis へプッシュ通知がストリーミングされるようになり、後続のワークフロー起動やアプリケーション状態の更新、メモリ変更の監査を自動化できるようになります。生成 AI エージェントを開発するユーザーにとっては、ポーリングロジックの実装が不要になることでアーキテクチャが簡素化され、よりリアルタイム性の高いパーソナライズ体験の構築が可能になるアップデートです。本機能は東京リージョンを含む 15 の AWS リージョンで利用可能です。 - Amazon Bedrock が初回トークンレイテンシーとクォータ消費のオブザーバビリティをサポート
Amazon Bedrock に 2 つの新しい Amazon CloudWatch メトリクスが追加されました。TimeToFirstToken はストリーミング API でリクエスト送信から最初のトークン受信までのレイテンシーを測定するメトリクスで、クライアント側の実装なしにレイテンシー劣化の監視や SLA ベースラインの設定が可能になります。EstimatedTPMQuotaUsage はキャッシュ書き込みトークンや出力バーンダウン乗数を含む Tokens Per Minute(TPM)のクォータ消費量を追跡するメトリクスで、クォータ上限に達する前にアラームを設定してレート制限を事前に回避できます。生成 AI アプリケーションを運用するユーザーにとっては、追加費用や API 変更なしに Amazon CloudWatch で推論パフォーマンスとクォータ使用状況を可視化できるようになり、本番環境の安定運用に役立つアップデートです。 - Amazon Connect が AI を活用したマネージャーアシスタント機能を発表(プレビュー)
Amazon Connect に、コンタクトセンターのマネージャーが自然言語で業務に関する質問をすると即座に回答を得られる、AI を活用したアシスタント機能がプレビューとして発表されました。エージェントのスケジューリング、セルフサービス体験、パフォーマンス評価を含む 150 以上の Amazon Connect メトリクスに対して自然言語でクエリでき、これまで手作業で数時間かかっていたデータ収集を数秒で完了できるようになります。さらに、サービスレベル目標の達成が危ぶまれるキューの特定や具体的な改善アクションの提案など、根本原因の診断も行えるため、生成 AI を活用してカスタマーサービスの品質向上に取り組むユーザーにとって、運用の意思決定を加速させる実用的なアップデートです。 - Amazon Quick Suite がチャットパーソナライゼーションのためのユーザー設定機能をリリース
Amazon Quick Suite に、チャット体験をユーザーごとにカスタマイズできるユーザー設定(User Preferences)機能が追加されました。チャットパネルのレイアウト設定、デフォルトのチャットエージェントやナレッジスコープの事前選択に加え、自分の呼び名や業務の注力領域を登録することで、AI がその情報をもとにレスポンスをパーソナライズしてくれるようになります。これまでセッションをまたいでチャット設定やエージェント選択、個人のコンテキストを保持する手段がなかったため、生成 AI を業務で日常的に活用するユーザーにとっては、毎回の設定の手間が省かれ、最初のやり取りからパーソナライズされた体験が得られるようになる便利なアップデートです。
- Kiro IDE 0.11 のリリース
今週は以上です。それでは、また来週お会いしましょう!