AWS JAPAN APN ブログ

【大規模移行】MGN Migration Factoryを使用したAWSへの移行 ~Application Service Migration編~

「できるだけ早く、安全にサーバーをAWSに移行するにはどうしたら?」というお客様からのお問い合わせを受けられるAWSパートナーの皆様もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は、その1つの解としてAWS MGN(AWS Application Migration Service)およびMGN Migration Factoryをご紹介します。

お客様が移行を考える理由としては、

Ÿ   ・データセンターのリースの終了/更新時期

Ÿ   ・大規模な技術変革プログラムの第一歩(デジタルトランスフォーメーションの一環)

等があげられます。

移行は、数千台とは言わないまでも、数百台のサーバーを短期間で移行する必要がある場合、簡単な作業ではありません。AWSの大規模移行に使用できるサービスにAWS MGNがあります。AWS MGNは、サーバーを1台ずつ移行する機能を自動化することで、リホストによる移行に役立ちます。しかし、移行するサーバーが100台以上あり、多様なオペレーティングシステムのポートフォリオが存在する場合、どのように移行状況を管理し、オーケストレーションすることができるでしょうか?そんな時に活躍するのがMGN Migration Factoryです。

当記事では、まずMGN Migration Factoryを用いた移行の基盤となるAWS MGNをご紹介します。

AWS MGNとは?

まずAWS MGNは、高度に自動化された移行機能を無料で提供し、AWSへのリホスト移行を簡単に、迅速に行えるようにするサービスです。AWS MGNによる移行は以下のステップで実行されます。

1.      AWS Replication Agentの移行元マシンへのインストール

2.      移行元マシンからAWSへのレプリケーション

3.      移行テストの実施

4.      カットオーバーの実施

AWS MGNを用いた移行においては、まずAWS Replication Agentのインストールを実施します。AWS Replication Agentが移行元マシンにインストールされると、アプリケーションの中断やパフォーマンスへの影響なしに、ブロックレベルのデータを移行先AWSアカウントの指定されたステージングエリアに継続的にレプリケートします。このレプリケーションは、ポート1500経由で、移行元環境から移行先アカウントに既に確立されている既存の接続(AWS Direct Connectやインターネット経由のVPNなど)を使用して通信します。ブロックレベルでの継続的なデータレプリケーションのため、サポートされているオペレーティングシステムで実行されているすべてのアプリケーションとデータベースを移行できます。

移行テストまたはカットオーバーの準備ができたら、AWS MGNから移行先サブネット/環境に移行先マシンであるAmazon EC2インスタンスを起動できます。AWS MGNは、自動化された完全マネージド型のマシンイメージ変換とオーケストレーションプロセスを実行します。これにより、移行されたアプリケーションとデータベースを、高度なITスキルなしに移行先サブネット/環境に対して数分以内にAWSでネイティブに実行できます。完全マネージド型のマシンイメージ変換には、適切なAWSドライバの注入、ブートローダーに対する必要な変更、ネットワークアダプタの変更、AWS Key Management Service (KMS)を使用したオペレーティングシステムのアクティベーションが含まれます。移行テストではカットオーバーと同様に、Amazon EC2インスタンス起動を行うため、カットオーバー前に起動のテストができます。また、起動されたテストEC2インスタンスに対して独自のテストを実施することで、システム/プロジェクト固有の要件に基づいた動作確認を行うことができます。AWSではカットオーバーの一週間前までに移行テストを実施することを推奨しています。

図1. AWS MGNの動作メカニズム

CloudEndure Migrationとは何が違うの?

同様の移行サービス「CloudEndure Migration」とは何が違うのでしょうか?AWS MGNはCloudEndure MigrationのAWSネイティブバージョンであり、多くのCloudEndure Migrationと同様の機能が提供されますが、他のAWSサービスとの統合をよりシームレスに実施することができます。また、AWS MGNでは移行に伴うすべての通信をインターネットを用いない閉域ネットワークで実施し、よりセキュアな移行を実現することが可能となっています。CloudEndure Migrationを用いた移行についてはAWS JAPAN APN ブログ「CloudEndure Migration Factory を使用して AWS への大規模な移行を加速する」をご参照ください。

まとめ

当記事では、AWS MGN(AWS Application Migration Service)について紹介しました。

AWS MGNを用いることで、高度に自動化された移行機能が無料で提供され、AWSへのリホスト移行を簡単かつ迅速に実施することができます。さらに、「Migration Factory編」にて、AWS MGNの操作を含む手動プロセスを自動化し、AWSへの大規模なサーバーのリホストを迅速に実現するMGN Migration Factoryについてご紹介します。

参考リソース

AWS Application Migration Service

AWS Application Migration Service の料金

AWS Application Migration Service のよくある質問

ユーザーガイド

APIリファレンス

ネットワーク要件(ユーザーガイドより抜粋)

AWS Replication Agentのインストール要件(ユーザーガイドより抜粋)

オペレーティングシステムのBYOL(ユーザーガイドより抜粋)

この記事を書いた人:Lead Migration PSA Satish Upreti

こんにちは。Satish Upretiと申します。私はLead Migration PSAという立場でパートナーの皆様の移行に関する技術的な支援をしています。私がAWSに入ったのは2020年8月、以来AWSの大ファンとしてパートナーチームと協力して、MASSの移行に関する課題をできる限り解決し、パートナーの移行能力を高め、パートナーとより高いレベルを目指すことを楽しんでいます!

もし、MASSの移行作業について何か課題があったり、アドバイスが必要な場合は、AWSの担当までぜひご連絡ください。


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