AWS Startup ブログ

Amazon Interactive Video Service でユーザ体験の向上とエンジニア工数を削減 – THECOO社の AWS 活用事例

THECOO(ザクー)株式会社は、ファンコミュニティアプリ「Fanicon(ファニコン)」を主軸とした BtoC 事業、インフルエンサーマーケティングを主軸とした BtoB 事業を展開するスタートアップ企業。「できっこないに挑み続ける」というビジョンを掲げ、常に失敗をおそれずチャレンジし続けるカルチャーを確立し、メンバー事業共に拡大中です。2020年3月には、コロナ禍による活動自粛を余儀なくされたエンタテインメント業界に向け、チケット制ライブ配信サービスの提供、2020年7月には総額7億の資金調達を実施しました。また、2021年の3月には配信専用スタジオ(オンライン配信対応)「BLACKBOX3(ブラックボックス)」をオープンし、オンライン・オフラインの両面から、エンタメ業界のさらなる活性化を目指しています。

今回はそんな THECOO のリードエンジニアである城 弾 氏に AWS スタートアップ事業部の堀田と同社 Elemental チームの大橋がお話を伺いました。

THECOO株式会社の城 弾 氏(リードエンジニア)

「エンターテイメント x テクノロジー」の領域でプレゼンスが徐々に向上

城:Fanicon は、2017年12月に提供開始したファンコミュニティサービスです。ローンチ当初はファンとアイコン(Fanicon を利用されているタレント、アーティスト、インフルエンサーなど)をつなぐコミュニティ機能からスタートし、チケット・グッズ販売、ウェブサイト作成などの既存ファンクラブの主な機能をカバーした上で、スクラッチくじやギフティング、ライブ配信などの新機能を開発してきました。

3年の歳月を経てフォロワー100万人を超えるような国民的アーティストをはじめ、ミュージシャン・俳優・スポーツチームなど、多種多様な業種の、ファンに愛される人たち = アイコン に使っていただけるサービスへと成長してきています。

Fanicon – あなたとファンをつなぐファンコミュニティ

 

Amazon Interactive Video Service 活用のきっかけ

堀田:今回どうして Amazon Interactive Video Service (以下 Amazon IVS) を導入しようと思われたのでしょうか?

城:オンラインファンクラブサービスの機能のひとつとして、アイコンとファンが熱量高くやりとりができるライブ配信機能があります。ただ、当初から画質向上や接続の悪さ改善などがユーザの声として挙がっていました。

堀田:世界クラスの配信プラットフォームが生活者の身近にある中で、どうしてもそのサービス基盤としてのクォリティが比べられてしまうわけですね。

城:はい、ユーザからの声も日ごとに強くなっていき、ついに2020年の夏頃には経営課題として、ユーザ体験の向上に取り組むことが迫られていました。当時は3名のエンジニアで、ファンやアイコンに喜んでもらえるような新機能の開発を進めており、その体制で自前のライブサーバも運用していたのですが、事あるごとにライブサーバのメンテナンスに一人がかかりきりになるようなことが起こっていました。ユーザが求める機能をいち早くお届けしたいという想いを持ちながらも、保守に工数を取られるだけではなく、自前で配信品質の向上を担えるような人材の確保も難しいというもどかしい状況でした。

そのような矢先、ちょうど Amazon IVS がリリースされたことを知り、活用することを決定しました。

AWS Elemental チームの大橋

大橋:活用にあたり意思決定はスムーズだったのでしょうか?

城:はい、AWS の事例セッションで特徴を把握し、その手頃な価格感で、世界レベルの配信品質を実現できることに非常に魅力を感じました。実際に先行して利用していた社外エンジニアなどからの評判も良いことも安心材料となり、迅速な意思決定が出来ました。

大橋:作業期間はどれくらいだったのでしょうか?

城:社内検証のためのプロトタイプは1日でさくっと実現できました。そこから iOS/Android アプリの本実装に1営業日、サーバー側の実装及び、QA、リリース調整を含めておよそ10営業日程の全体作業で Amazon IVS への移行が完了しました。大きな手間やトラブルなく移行ができたのは当初の想定よりもとても良かったです。

堀田:導入後はどのような効果がありましたか?

城:ユーザの方々から「画質が良くなった」「地方などの地域でも繋がりにくさが解消された」と反響をいただいています。規模の小さなスタートアップ企業でも、世界の大規模配信サービスと遜色のないユーザ体験を提供できることに非常に満足しています。また、AWS のフルマネージードなサービスにより、限られたエンジニアの時間をより、自社独自の付加価値の高い仕事へと振り分けられるようになったことの効果は大きいと感じています。

堀田:ヒト/モノ/カネ/情報が常に不足するスタートアップにとって、フルマネージドサービスによって素早く簡単に最新技術を取り入れ、よりユーザ価値へと繋がることにフォーカスできるのは重要ですね。

AWSスタートアップ事業部の堀田

今後の事業展望と THECOO の開発組織

堀田:より付加価値の高い仕事へと注力できるようになった現在ですが、今後の貴社事業展望やエンジニアチームの取組について教えていただけますか?

城:今後、Fanicon の世界展開など現状の10倍を超える事業のスケールを目指しています。そのためには、より一層のエンジニアチームの強化が必要となってきます。

堀田:絶賛エンジニアの募集中ということですね。エンジニアの方が貴社で働くうえでの魅力はどういったところがあるのでしょうか?

城:プロダクト開発が大好きな人が集まっている環境で、サービスをより良くしていこうという志をもったメンバーと同じ目線で協力して働けるのはとても刺激的だと思います。また、事業フェーズとしても、まだまだ発展途上の段階であるため、積極的にユーザへの提供価値へと繋がる新機能開発に挑戦したいという方にはチャンスの多い環境となります。開発部署の文化としても、先の Amazon IVS への移行事例のように、必ずしも自分たちの経験のある技術だけを運用していくのではなく、ユーザへの価値提供につながるのであれば外部の最新知見も積極的に取り入れていくような姿勢があるチームとなっております。プロジェクトとしても Fanicon 事業だけではないため、目の前に大きく広がる世界のエンタメ市場を DX する仲間を積極募集中です。エンジニアとしてプロダクト作りに熱中できる環境となっているので、少しでもご関心がある方はまずはカジュアルにでも交流させていただきたいです。

堀田:今後、イベントご登壇機会の提供などを通じて採用面でも貢献できれば幸いです。ありがとうございました!

 


Amazon Interactive Video Serviceとは

Amazon Interactive Video Service (IVS) はマネージド型のライブストリーミングソリューションです。Twitch を機能させているものと同じ技術を採用しているので、セットアップも素早く簡単に行えます。お客様は、Twitch が生み出し十年以上にわたり改良を続けたものと同じ革新的テクノロジーを活用できるようになります。標準的なストリーミングソフトウェアを使用してライブストリームを Amazon IVS に送信するだけで、その動画を世界中で視聴できるようにするために必要なすべてを、このサービスが実行します。お客様は、このライブ動画を活用したインタラクティブなエクスペリエンスの構築に集中できます。お客様は、Amazon IVS プレーヤー SDK と、タイムドメタデータ用の API を利用することで、視聴者エクスペリエンスを容易にカスタマイズし強化できます。ご自身のウェブサイトやアプリケーションを通じ、視聴者との間により価値のある関係を築くことが可能になります。