AWS 学生対抗ロボコン予選レポート ~ 9/15 本戦開催へ向けて

2020-06-01
How to be a Developer

Author : 河田 卓志, 竹崎 雄紀

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みなさまこんにちは ! AWS Japan マーケティングの竹崎です。

2020 年 2 月に募集を開始して以来、全国の高校、高専、大学、大学院、専門学校から全 118 チームが参加して行われている、AWS 日本初開催となる学生対校ロボコン「AWS Robot Delivery Challenge」。アプリケーションを使ってロボットをバーチャルコース上で走らせ、タイムを競った予選は 4 月 30 日に終了し、上位 12 チームが本戦進出チームとして選出されました。

本戦は、9 月 15 日、AWS Summit Online 内にて実施されることが決定し、学生の方々は実際のロボットを自身のアプリケーションを使ってミニチュアの街をリモートで走らせ、そのタイムを競います。

本コンテストの技術支援を行う AWS ソリューションアーキテクト河田からのコメントと合わせて、本戦に進出したチームからのコメントをお届けします。

予選を振り返って

AWS ソリューションアーキテクトの河田です。先日 AWS Robot Delivery Challenge 予選が終了し、上位チームのみなさまにはより良いタイムを出すためにどのような工夫を行ったのかを伺いました。

本戦進出を勝ち取った皆さんの創意工夫は想像以上でした。

みなさまからの報告を見る限りスタートしてすぐにハンドルを左にきるコース中央のルートではなく、障害物が多くあり、比較的走行が困難な直進ルートを選択された方が比較的好成績を収められたようです。

時間短縮のための様々な工夫を確認することができました。

あるチームは環境の地図情報を編集し走行禁止ルートを作ることで自動計算される走行ルートがより確実に最適解を導き出せるようにしました。またあるチームは、決められた通過点を通過させることで最適な走行ルートを走行させるようにしました。また、衝突回避のための安全機能を働かせずに最短ルートを走行させるためにはセンサーの閾値も下げる必要がありました。

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いくつかの決勝進出チームからは走行中の様子をビデオでお送りいただきましたが、閾値をギリギリまで下げたロボットが壁スレスレを通過しながら最短コースを攻める姿はシミュレーションの中でも迫力がありました。ルートの自動計算機能に頼らず、ゴールまでの移動パターンを完全に設計し、タイムの短縮に挑んだチームもおられました。

決勝戦では複数のチェックポイントを目指します。しかも動かすのはシミュレーションの中のロボットではなく、本物のロボットです。

今回本戦に残った 12 チームは間違いなく技術、チームワークその両面で一流です。みなさまが本戦でどのような戦いをみせるのか、今からとても楽しみです。


学生からのコメント (順位は予選通過順位)

1 位 : 大坂 康裕さん / 高橋 拓光さん / 岸本 朋也さん / 小田島 直哉さん チーム (芝浦工業大学)

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工夫した点 :
緊急事態宣言のもと、外出の自粛はもとより大学への入構が禁止されたため、メンバーが集まって話し合うことはほとんどできませんでしたが、Zoom によるオンラインミーティングや、Slack による連絡を密にすることによって進めました。

本戦へ向けて : 
コンテスト本選出場を目指し、チームメンバーと互いに意見しあった甲斐あって本選に出場でき、とてもうれしいです。本選はシミュレーションではなく実機を使用しての速度計測ということで、シミュレーションでは起こらなかったことが起こる可能性もありますが、チームメンバ一丸となって調整に取り組み、1 位を目指します。

2 位 : 野末 健志さん / 曲 謙二郎さん / 向 洋太さん / 松倉 祐輔さん チーム (芝浦工業大学)

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工夫した点 :
ロボットの障害物回避に関するパラメータの調整を行い,ロボットが障害物と判定する範囲を小さくし,障害物にぶつかる直前まで回避を行わないようにしました。初期設定では狭すぎるために通行できないと判定される道を通行してタイムの短縮を行いました。
また,経由地点を細かく設定してロボットの走行経路を指定しました。これにより安定した走行が可能となり,速度を上げてもゴールすることができました。

本戦へ向けて : 
私は研究テーマとして自立移動ロボットに関する研究を扱っているのですが,今回のロボットを動かすアプリケーションはベースとなる部分がほとんど同じものであったため,スムーズにタイムの短縮を行うことができました。本選ではパラメータと経由地点の調整が重要だと考えています。1 位を取るために頑張ろうと思います。

3 位 : 佐藤 凌雅さん (長岡技術科学大学)

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工夫した点 :
今回の予選のルールではあらかじめコースの地図や障害物位置がわかっていたため、事前に定めた走行ルートをトレースする方法が最速であると判断しました。そのため、走行ルートの作成を行うアプリケーションを開発し、ロボットの加速度などの制約条件を考慮したルートを生成できるようにしました。経路生成の段階で予想タイムも算出できるため、シミュレーションを行う回数もへり、効率的に開発を行うことができました。

本戦へ向けて : 
本戦では、さらにロボットの自律性が試されるルールとなっています。今まで使用してきたロボットの意思決定過程、経路生成のアルゴリズムを見直していきます。さらに、実機でも確実に動作できるように、経路追従制御にも磨きをかけていきます。今回、チームではなくソロでの参加で少々心細いですが、優勝できるように努力していきたいと考えています。

4 位 : 上田 高寛さん / 東郷 拓弥さん / 浪崎 誠也さん チーム (宮崎大学)

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工夫した点 :
メンバー全員 AWS や ROS を使ったことが無かったので、全員で理解を深めるためモブプログラミングを導入しました。走行の際は、旋回値をロボットの目標角度と現在の角度の差分を用いた比例制御を行い、任意の座標に移動するノードを実装しました。走行経路となる座標を地道に調整し、タイムの向上を図りました。また、AWS IoT MQTTClient を用いて、スタートの検知し走行を開始するノードを作成しました。

本戦へ向けて : 
本選への出場が決まり、嬉しく思います。
当初の予定よりも開発期間に余裕ができたので、まだ理解が不十分な ROS や関連技術への理解を深め、満足のいくプログラムを作成したいです。今後卒業研究や趣味などで、ROS や AWS を使う予定があるので、とても良い機会だと思っています。
リモートでの開催となったのは残念ですが、本選では更に良い結果が出せるようチーム一丸となって頑張ります !

5 位 : 池邉 龍宏さん / 渡部 蒼也さん / 高橋 秀太さん チーム (千葉工業大学)

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工夫した点 :
今回このチャレンジに参加して工夫したこととしては、常に情報を共有をすることです。これは slack というチーム開発におけるコミニケションツールを導入したことです。私たちはこのチャレンジに参加する前、slam や navigation についての仕組みやソフトウェアの扱い方など一つも理解していませんでした。なのでみんなでネットや参考書から得た有益な情報を slack のチャンネルに集めていました。そうすることでチーム全体でのレベルアップができました。

本戦へ向けて : 
今回参加している大会はとても貴重な体験です。私たちが自律移動ロボットについて学んでいくにあたり、大きな一歩となりました。次は本線であり実機を使った競技になります。シュミレーションでは想定できなかったことが起こるかもしれませんが、適宜情報をチームで共有し入賞を目指したいと思っています。

6 位 : 大西 史弥さん / 是方 諒介さん / 松尾 瑛さん / 柴原 尚紀さん チーム (慶應義塾大学)

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工夫した点 :
ROS の navigation stack を用いて経路生成、追従を行い、このパラメーターを調整することで狭い通路を通過できるようにしたり適切な経路生成がなされるようにしました。この際、サンプルとして与えられたファイルには一部のパラメーターしか記載されていなかったため、自分たちで適宜パラメーターを追加しより詳細なロボットの設定を行いました。

本戦へ向けて : 
僕たちは同じサークルに所属していて、ROS の勉強も兼ねてこのコンテストに参加しました。予選でのシミュレーションを通じて ROS に関する知識やロボットの自律走行についての理解を深めることができ、また予選突破までできたのでよかったです。本選では実際のロボットを扱うので、予選と異なり何十回も繰り返し計測できず、またスリップなど何が起こるか分からないため、できるだけロバストな制御を目指して頑張りたいです。

7 位 : 酒部 佑介さん / 虻川 翔哉さん / 小田康平さんチーム (関西大学)

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工夫した点 :
私たちはチームで参加したのですが、チームで取り組むことの利点はより多くの施行を行うことができることです。その一方で試行内容が重複するなどの無駄が増えるという不利点があります。そこで無駄をできるだけ減らせるように、例えばマップ作成のチューニングの手法をチーム内で分担して試行する、ベストスコアが出た際はその時に使用したマップや、パラメータの値を共有する、といった工夫をしました。

本戦へ向けて : 
ROS は今まで使用したことがなく、分からないことが多くて戸惑いばかりでしたが、チームメイトと協力することで 2 ヶ月間に渡る予選を通過し、本戦に参加することができました。
これからは本戦に向けてチームとの連携をより密にし、ROSに関する理解をより深めたいと思います。そして、より良いアプリケーションを作りあげ、順位を上げたいと思います !

8 位 : 小嶋 匠実さん / 清水 琢也さん / 勝山 翔紀さん / 井上 瑛資さん チーム (海城高等学校)

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工夫した点 :
自動運転技術の実装に加えて、手動コントローラをアプリケーション内に仮想化した形で埋め込み、各種パラメータのチューニング時に、手動でロボットの細かな動きを調整できるようにすることで、自動運転アルゴリズムの核心には関わらないメンバーも、手動コントローラを用いて最短ルートを探して、タイムの短縮に貢献できるようにしました。

本戦へ向けて : 
この 2 ヶ月間、工学の専門教育を受けたことのない身として知識や技術の不足をひどく痛感してきました。それでもシミュレーション予選では、結果提出締切の直前まで諦めずに、自分たちの編み出した方法を信じて取り組んだことで、本戦に出場することができました。柔軟さと粘り強さ。この2つをキーワードに、残りの数ヶ月全力を尽くして、本戦では優勝を狙います。

9 位 : 高山 周太郎さん / 山崎 陸さん チーム (筑波大学)

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工夫した点 :
一つは強力な直線追従です。パラメータの選定とゲインのチューニングを工夫したことで、ほとんど思い通りの軌跡を辿ることができます。
もう一つは柔軟なソフトウェア設計です。点を指定するだけで辿るコースを変えられるため、トライ&エラーを素早く行うことができます。決勝では走行コースが変わりますが、その変化にも柔軟に対応することができます。

本戦へ向けて : 
予選では 9 位と少し不本意な結果に終わってしまいましたが、決勝では優勝を目指します。
僕たちは元々ロボット畑の人間ではないため、ROS やシステム制御に関してはあまり詳しくありません。ですが、今回 Robot Delivery Challenge に出場するにあたって勉強や開発をすすめる中で少しずつ知識を深め、決勝に出場する機会をいただけました。決勝でも新たな技術を学ぶことを楽しみながら頑張ろうと思います。

10 位 : 播磨 朋紀さん (豊田工業高等専門学校)

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工夫した点 :
工夫したポイントは、ロボットの寸法のパラメータを変更したことです。走行用のプログラムはサンプルプログラムをもとに作成しました。サンプルプログラムではロボットは交差点を大回りに曲がっていましたが、ロボットの寸法のパラメータを変更したことで、ロボットが交差点を小回りで、素早く曲がることができるようになりました。

本戦へ向けて : 
私は出場チームの中でも数少ない個人での参加となりました。休校期間中の学習として参加しましたが、予選を通過し驚いています。ROSやプログラムに触れるのはほとんど初めてで、知識が乏しいので、本選までに学習したいと思います。複数人の方の所属するチームに比べると少し寂しいですが、全力で頑張ります。

11 位 : 田中 勇真さん / 須郷 賢さん / 藤本 雄太郎さん / 新田 隼也さん チーム (徳山工業高等専門学校、大阪大学)

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工夫した点 :
ロボットに座標指示後に計測を始めゴールまでをカウント。パラメータはオブスタクルレンジとレイトレースレンジを狭くすることでロボットの障害物認識を甘くして、ポールの間をくぐることを可能にしました。斜め移動が速いことを悟りトラックの横を通るルートを選択。始めの直進を斜めにできないかと GIMP でマップの塗りつぶしました。

本戦へ向けて : 
まだスピード調整が出来てないのでドキュメントを見ながらなんとか実装したいと思います。ちなみにまだチームメンバーの半分が環境構築に詰まっているので、本戦までに皆の環境を揃えたいと思います。現状 11 位ですがこの辺りを修正して行けば他のチームとも対等に渡り合えることと思いますので、まずはそのスタートラインに立てることを目指して頑張ります (笑)。

12 位 : 長倉 広樹さん / 樋口 直俊さん / 羽鳥 優平さん / 二村 雅也さん チーム (芝浦工業大学)

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工夫した点 :
以下のパラメータ調整を行いました。
costmap_common_params_burger.yaml内
inflation_radius: 0.10
cost_scaling_factor: 2.0
footprint: [[-0.075, -0.075], [-0.075, 0.075], [0.021, 0.075], [0.021, -0.075]]

dwa_local_planner_params_burger.yaml内
max_trans_vel: 0.22
min_trans_vel: 0.22
max_rot_vel: 2.84
min_rot_vel: 2.84
occdist_scale: 0.005

また、Rviz の GUI 上でウェイポイントを複数指定し走行を行いました。
緊急事態宣言のもと、外出の自粛はもとより大学への入構が禁止されたため、チームメンバーと集まり討議などを行えませんでした。そのため、 Zoom によるオンラインミーティングや、Slack、Lineを用いた情報共有により、作業を進めました。

本戦へ向けて : 
多くの参加チームの中から本選に選出され、非常に光栄に思います。
コロナの影響で、チーム内での協働が困難ではありますが、オンラインミーティングなどを通して、チームメンバーと協力して本選への準備を行おうと思います。
本選は実機 TurtleBot3 での実施ということで、ミュレーションとの差や、問題が予想されますが、チームワークで乗り越え、良い記録を残したいと思います。


いかがでしたでしょうか。本戦に進出した学生のトライ&エラーを繰り返しながらアプリケーションの改善に取り組まれていたことが伝わったのではないかと思います。いよいよ 9 月 15 日の AWS Robot Delivery Challenge 本戦で優勝チームが決まります。当日はぜひ皆様もこの学生たちへ声援をお願いいたします !

筆者プロフィール

photo_kawata

河田 卓志
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
デジタルトランスフォーメーション本部
RoboMaker シニア・ソリューション・アーキテクト

2019 年 4 月アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社入社。前職はアマゾンで Alexa スキルのソリューションアーキテクト、また複数のロボット関連会社でマーケティングとエンジニアリングを担当。自律型ロボットや音声アシストデバイスのような新しいデバイスがより一般的になり、そのソフトウェア開発手法がより標準化され、誰でも扱える技術になることを目指し日々業務に取り組む。 

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竹崎 雄紀
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
Sr. Developer Acquisition Manager

2012 年 アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 (当時 アマゾン データ サービス ジャパン株式会社) 入社。デジタルマーケティング全般を担当する世界初のポジションとして日本でのデジタルマーケティング導入をリードするつもりが、イベントにも大幅に関わり、AWS Summit Tokyo や地方イベントでの演出・協力のほか、AWS マネジメントコンソールの日本語化、AWS ブランド広告企画、他の国の新たなデジタルマーケティング担当者サポートなどマルチタスクを極める貴重な体験をする。2019 年 11 月よりデベロッパーの皆様により AWS を身近なものに感じていただきたいという思いから、 builders.flash を立ち上げ編集長に。AWS 猫会所属。美味しい顔が得意だが、きゅうりとレバーが大の苦手。 

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