特定の顧客セグメントにメッセージ送信。「Amazon Pinpoint」の仕組みをグラレコで解説

2021-02-02
AWS 最新ドキュメント紹介

Author : 安田 茂樹

※ 本連載では、様々な AWS サービスをグラフィックレコーディングで紹介する awsgeek.com を、日本語に翻訳し、図の解説をしていきます。awsgeek.com は Amazon Web Services, Inc. プリンシパル・テクニカル・エバンジェリスト、ジェリー・ハーグローブが運営しているサイトです。

これまでのグラレコ解説はこちら »

「自社の顧客のうち、特定の顧客セグメント (住所、年齢、趣味などで細分化された特定のグループ) だけに E メールを送信したい」といった場合、簡単にできるツールがあれば良いのに…と思われたことはありませんか ?

今回ご紹介する「Amazon Pinpoint」は、そういったニーズにお応えする、特定の顧客セグメントだけにピンポイントでメッセージを送信できるサービスです。

特定の顧客セグメント (例 : 東京都に住む 30 代の猫を飼っている方) に対し、興味を持ってもらえる内容のメッセージを送信することで、送信したメッセージが開封され、アクション (メッセージ本文の URL リンクをクリックする等) を行なって頂ける確率が高まります。

本記事では、Amazon Pinpoint を使うことで、どのように特定の顧客セグメントに対しメッセージを送信できるのか、仕組みをご紹介します。


顧客エンゲージメント

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マーケティング用語で、企業が顧客と関係を強化するために顧客と積極的にやり取りを行うことを「顧客エンゲージメント」と呼びます。

Amazon Pinpoint を使って顧客エンゲージメント (= 顧客にメッセージを送信) を行う場合、図のように 3 つのステップを準備段階で行う必要があります。

最初のステップである「顧客分析」では、ユーザーの年齢・性別・居住地域などのデモグラフィック (人口統計学的) データや、興味・関心データといった顧客データを CSV または JSON 形式で Amazon Pinpoint にインポートします。あるいはユーザーのイベントデータ (エンゲージメントデータ) を AWS Mobile SDK で収集します。

インポートまたは収集されたデータは Amazon Pinpoint 上のダッシュボードに数分後に反映され、グラフ表示されます。その中から顧客エンゲージメントのターゲットとする顧客セグメントを、ユーザー全体の動向データ (メトリクス) を考慮に入れつつ検討・決定します。

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次に、上記ステップ 1 の決定に基づき、インポートまたは AWS Mobile SDK で収集したデータにフィルタをかけ、顧客エンゲージメントのターゲットとする顧客セグメントを確定、保存します。

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最後に、メッセージの送信経路を検討・決定します。図に記載の複数の経路 (マルチチャネル) から選択可能です。

また、図に記載されているチャネル以外にも「カスタムチャネル」を作成することで、Amazon Pinpoint が他のチャネル経由でメッセージを送信するように設定することもできます。具体的には、サードパーティーサービスを含む、API を持つサービスを通じてメッセージを送信できます。「カスタムチャネル」経由で送信する場合は、Webhook を使用するか、AWS Lambda 関数を呼び出して API を操作します。

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キャンペーンの作成

上記の 3 つの準備ステップが完了した後、Amazon Pinpoint コンソール画面上で「キャンペーンの作成」を行います。キャンペーンの作成では、上記ステップで検討・決定した「メッセージの送信経路」や「顧客セグメント」を選択し、メッセージの作成や送信スケジュールの設定を行います。

なお、メッセージを作成する際、テンプレート機能を使用してメッセージを作成することもできます。Amazon Pinpoint は、ユーザー毎にレコメンドを提供する機械学習サービスである Amazon Personalize と連携して使うこともできるため、顧客 1 人 1 人に合わせ Amazon Personalize が提供したレコメンド (おすすめアイテム) をテンプレートに挿入してメッセージを作成することも可能です。

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メッセージ送信後は、送信されたメッセージの開封率やメッセージ内のリンクがクリックされた回数などを確認できる分析機能を利用することで、キャンペーンの効果を測定できます。


データ分析・視覚化

Amazon Pinpoint のその他の機能として、AWS Mobile SDK 経由でイベントデータ (エンゲージメントデータとアプリケーション使用状況データ) を取得し、Amazon Kinesis Data Firehose 経由で AWS データストア (Amazon S3) やデータウェアハウス (Amazon Redshift)、分析ツールにストリーミングすることができます。

例えば図のように S3 にイベントデータがストリーミングされ保存された場合、クエリサービスである Amazon Athena を使って、Amazon S3 内のデータを標準的な SQLを使用してクエリし、データを分析できます。そして、分析したデータを Amazon QuickSight で可視化することで、マーケティング担当者はユーザーのアプリケーションの使用状況や行動履歴を視覚的に把握し、マーケティングに役立てることができます。

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料金

なお、Amazon Pinpoint の料金は、完全従量制の料金体系となっているため、顧客数に関わらずどなたでもお使いいただけます。

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顧客エンゲージメント関連サービス

顧客エンゲージメントに関連する AWS の主なサービスとして、Amazon Pinpoint の他に仮想コンタクトセンターサービスの Amazon Connect や E メール送信サービスの Amazon Simple Email Service (SES) があります。それらのサービスを Amazon Pinpoint と併用し、サービス間の連携や使い分けを行うことで、より効果的な顧客エンゲージメントを行うことができます。例えば、以下のような連携・使い分けが可能です。

  • 送信したメッセージの問い合わせ先として、Amazon Connect の仮想カスタマーコンタクトセンターを指定する
  • メールの受信を実装したい場合や、大量のメールを配信する場合は、Amazon Pinpoint ではなく Amazon SES を使用する
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最後に、全体の図を見てみましょう。

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今回は、特定の顧客セグメントにピンポイントでメッセージを送信できる Amazon Pinpoint をご紹介しました。どなたでも簡単なステップでご利用いただける、マーケティングに役立つサービスとなっています。

Amazon Pinpoint の料金や開始方法等、詳細に関しましては、こちら をご覧ください。

筆者プロフィール

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安田 茂樹

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 テクニカルコンテンツマネージャー。
2014 年にアマゾンジャパン合同会社に入社後、デバイス試験部門にて発売前の数多くの Amazon デバイスの試験に携わる。2019 年より現職。
趣味は新しいガジェットを試すこと、旅行、食べ歩き。

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