ハンズオンの「腹落ち問題」を改善する 5 Tips

2021-03-02
How to be a Developer

Author : 吉田 慶章

builders.flash 読者の皆さん ! こんにちは ! シニアテクニカルトレーナーの吉田慶章です。

2020 年 9 月までは「技術用語を比喩から学ぼう !」という記事を連載していました。

皆さんは「ハンズオン」を実施したときに「問題なく動いた・・・! だけど・・・! なぜ動いているのかはわからない・・・!」と感じた経験はありませんか ? 私はこういう状態のことを「腹落ち問題」と個人的に呼んでいます。今回の記事ではこの「腹落ち問題」を改善する 5 Tips を紹介します。

Here We Go ===┌(・_・)┘


ハンズオンを探そう !

AWS を学ぶ方法はいろいろありますが、実際に AWS を操作しながら学べる「ハンズオン (ワークショップやチュートリアルと呼ばれることもあります)」が好きな方も多いのではないでしょうか?そして AWS では多くのハンズオンを公開しています。よく知られているものだと「Amazon ECS Workshop」や「Amazon EKS Workshop」や「AWS CDK Intro Workshop」などでしょうか ?

そして、皆さんが学びたいハンズオンを検索できるサイトもあります。特に「AWS Workshops」は、技術カテゴリーで絞り込みができたり、レベルも確認できるため、便利です。他には日本語で学べる「実践的チュートリアル」や「AWS 初心者向けハンズオン」もありますし、ハンズオンに特化したサービスとして「Qwiklabs」もあります。

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クリックすると拡大します


「腹落ち問題」を改善しよう !

さて、既に紹介した通り、ハンズオンを実施したときに「問題なく動いた・・・! だけど・・・! なぜ動いているのかはわからない・・・!」という状態になってしまうことを「腹落ち問題」と呼んでいます。皆さんは経験したことがありますか ? 私自身は何度も経験しています。

多くのハンズオンは手順書とスクリーンショットから構成されることが多く、基本的には手順書通りに画面操作をしたり、コマンドを実行すると、期待通りに動くようになっています。しかし、実行した「シェルスクリプト」や、実行した「AWS CloudFormation テンプレート」や、取得した「GitHub リポジトリ」に関する解説や意図まで詳しく書かれていることはあまり多くありません。

この「腹落ち問題」を改善していきましょう !


Tips 1 : ふと気になったことをメモに残して次に進もう !

ハンズオンを実施しているときに、もっと詳しく調べてみたくなったり、実行しているシェルスクリプトが理解できなくなったり、気になることが多く出てくると思います。その度に立ち止まり、調べることも重要ですが、気になることが多いとキリがなく、ハンズオンが終わらなくなってしまうかもしれません。Yak Shaving と言ったりしますよね !

そして、ハンズオンが終わらないこともモチベーションの低下に影響することもあるため、まずはハンズオンを終わらせることに集中しつつ、ふと気になったことをメモに残しておくのはいかがでしょうか ? 目の前の問題を一時的に退避するという意味で「パーキングロット」と呼ぶこともあります。

ハンズオンが終わってから、メモを読み返しながら、気になったことを調べてみましょう。

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Tips 2 : 2 周目に挑戦しよう !

ハンズオンは 1 度実施したら終わりにしてしまうことが多いのではないでしょうか ? ハンズオンに限った話ではありませんが、理解度や習熟度によって「腹落ち度」は変わります。

Tips 1 とも関連しますが、メモを調べたあとに「2 周目」に挑戦してみるのはいかがでしょうか ?「1 周目」よりも理解しやすくなっているかもしれませんし、また別のことが気になるかもしれませんね。ハンズオン概要に書いてある所要時間を最初から 2 倍ぐらいで見込んでおくと良いでしょう。

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Tips 3 : 理解度クイズを作ろう !

Tips 1 と Tips 2 によって、ハンズオンの内容がより理解できるはずです。次は「理解度クイズ」を作ってみるのはいかがでしょうか?

「4 択クイズ」でも良いですし「なぜ○○という操作が必要なのですか ?」というオープン・クエスチョンも理解が深まります。他には「もし○○という機能を追加したい場合はどうしますか ?」というソリューションを考えるのも面白いです。ポイントは理解度クイズを作る過程で、ドキュメントを読んで調査をしたり、ソリューションを考えるために試行錯誤を繰り返すことになり、結果的に「腹落ち度」が高まることです。作った理解度クイズを、これから同じハンズオンを実施する同僚に共有してみたり、GitHub リポジトリに公開してみるのも面白いかもしれませんね !

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Tips 4 : アーキテクチャ図を描いてみよう !

ハンズオンの中にアーキテクチャ図が載っていることもありますが、観点や詳細度によって、アーキテクチャ図の完成形は異なります。

ハンズオンをやりながら、自分で「アーキテクチャ図」を描いてみるのはいかがでしょうか ? アーキテクチャ図を描くためには、サービスやコンポーネントの関係性を理解している必要があり、確認のためにマネジメントコンソールを見たりすることになるでしょう。その過程からも「腹落ち度」が高まります。個人的には A4 サイズの紙に適当にラフスケッチをしていくスタイルが好きですが、キレイに書きたい場合や、同僚に共有するような場合は、AWS シンプルアイコン を使うこともできますね !

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Tips 5 : ペアワークやモブワークでハンズオンを実施しよう !

最後はハンズオンを実施するスタイルです。皆さんは 1 人でもくもくとハンズオンを実施することが多いですか ? もしかしたら 1 人で実施するよりも、2 人 (ペアワーク) もしくは 3 名以上 (モブワーク) で操作の流れや思考や疑問を共有した方が腹落ち度や学習効率が良いかもしれませんね!気になったことをメモしておく Tips 1 を紹介しましたが、その疑問をその場で同僚が回答してくれたら嬉しいですよね ! もしくは同僚の疑問を皆さんが解決できるかもしれませんよね ! 相乗効果が高いスタイルと言えます。

このスタイルは、アジャイル開発などでよく知られた「ペアプログラミング」や「モブプログラミング」に似ています。私はハンズオンを実施するときに、一緒に実施してくれる人を探したり、私自身がモブワークのスタイルで実施するハンズオンを開催することもあります。もし「モブプログラミング」に興味を持たれたら、書籍「モブプログラミング・ベストプラクティス」を読んでみてください ! 私の大好きな 1 冊です。

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まとめ

今回の記事では「ハンズオン」を実施したときに「問題なく動いた・・・ ! だけど・・・! なぜ動いているのかはわからない・・・!」と感じてしまう「腹落ち問題」を改善する 5 Tips を紹介しました。

  • Tips 1 : ふと気になったことをメモに残して次に進もう
  • Tips 2 : 2周目に挑戦しよう !
  • Tips 3 : 理解度クイズを作ろう !
  • Tips 4 : アーキテクチャ図を描いてみよう !
  • Tips 5 : ペアワークやモブワークでハンズオンを実施しよう !

おまけ : How to be a Developer 著者おすすめのハンズオン !

最後におまけとして、builders.flash で一緒に「How to be a Developer」カテゴリーの記事を執筆している金澤さんと西村さんに、オススメのハンズオンをヒアリングしてみました!

西村 航 さん (テクニカルトレーナー / マネージャー)

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1 個目は Qwiklabs のハンズオンです。2021 年 2 月時点で無料のハンズオンで、NoSQL データベースを触ったことがない方の最初の第一歩にオススメです。2 個目は AWS の公式ドキュメントに載っているハンズオン (チュートリアル) です。あまり知られていませんが AWS の公式ドキュメントにはサービスの仕様だけでなく、ハンズオン (チュートリアル) も載っています。説明が丁寧なのでオススメです。3 個目はキャッシュの実装方法を学べるのでオススメです。吉田さんに主催いただいた社内勉強会でこのハンズオンを実施したことがあります。モブワークスタイル (Tips 5) で実施しつつ、気になったことをホワイトボード上のパーキングロットに書き残してハンズオンの後にディスカッションしたため (Tips 1)、キャッシュに関するモヤモヤが非常にクリアになった記憶があります。

  1. Introduction to Amazon DynamoDB(日本語版) | Qwiklabs »
  2. チュートリアル: Amazon S3 で AWS Lambda を使用する - AWS Lambda »
  3. Amazon ElastiCache for Redis を使い、MySQL データベースのパフォーマンスを向上させる - アマゾン ウェブ サービス »

金澤 圭 さん (ソリューションアーキテクト)

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昨今のオンライン需要もあり、動画配信系のご相談をよくいただきます。1 個目のハンズオンは AWS の Media サービスシリーズについて手を動かしながら学べるものとなっています。2 個目は IoT が絡むシステムを検討されているお客様によく紹介するハンズオンです。デバイスを持っていなくても擬似的に試すことができるので「まずは試してみる」フェーズにおすすめなコンテンツです。for Beginners シリーズはどれもおすすめなのですが、その中でひとつ挙げるのであればこの 3 個目のセキュリティ編です。アカウントを作った後にやるべきことがまとまっており、AWS 初学者の方に特におすすめなコンテンツです。

  1. AWSで動画配信をはじめよう »
  2. AWS IoT Core 初級ハンズオン »
  3. AWS Hands-on for Beginners - Security #1 | AWS »

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筆者プロフィール

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吉田 慶章
アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
AWS トレーニングサービス本部 シニアテクニカルトレーナー

ウェブエンジニア/プログラミング講師などの経験から AWS テクニカルトレーナーに。教えることを本職とし、効果的な学習メソッドを考え続けている。教えることは最高の学習である。Keep on Learning 👍

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