AWS ワークショップシリーズ
.NET Immersion Day
~ ハンズオンで学ぶ、.NET on AWS ~
Author : 小杉 真一郎
AWS に限らず技術を学ぶ一番の方法は「触ってみる」ことですよね ? とはいえ、初心者の方が新しい技術を何もガイダンスなしで触ってみるのは少し難しいかもしれません。
ワークショップやハンズオンはそのような時にガイドに沿って「まずは触ってみる」ことができる便利な方法です。そのため、AWS も多くのワークショップを公開していますが、「自分が学びたいことのために何を選んだら良いかわからない」というお声も多く聞くようになりました。
このシリーズではそのような方のために、AWS の技術者がそれぞれおすすめのワークショップを紹介していきます。今回は、Solutions Architect 小杉 真一郎 による 「.NET Immersion Day」のご紹介です。
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はじめに
皆さん、ワークショップやハンズオンは好きですか ? AWS では AWS Summit や AWS re:Invent などで実施されているワークショップを皆さんが後から見て復習したり、ご自身の環境でお試しいただけるように Web ページで公開しています (一部対応していないワークショップもあります)。
AWS Workshops のページにいくとそのようなワークショップを探すことができます。また、日本語のコンテンツは日本の AWS メンバーの有志が JP Contents Hub というページでまとめてくれています。これらを使ってぜひ皆さんの興味や課題に応じたハンズオンを見つけ、勉強のお役に立てていただければ幸いです。
こんな人にオススメ !
このワークショップは、「様々な AWS のサービスとツールを活用した、.NET アプリケーションの開発・ビルド・デプロイを体験する」ためのワークショップです。特に、こんな人にオススメです。
- .NET アプリケーションを AWS にマイグレーションすることを検討している
- .NET アプリケーションのモダナイズを検討している
- 既に .NET アプリケーション をAWS 上で運用しており、運用の改善を検討している
- これから AWS 上で .NET アプリケーションを新規開発する
どんなことを学べるの ?
このワークショップでは、以下のセクションから構成されます。
- .NET アプリケーションを AWS の様々なサービスにデプロイする方法
- .NET アプリケーションから Amazon DynamoDB を利用する方法
- .NET アプリケーションから、AWS の AI/ML 関連サービスを利用する方法
- .NET アプリケーションのソースコード外に接続文字列、パラメータ、構成を安全に保存し、セキュリティを向上させる方法
- .NET アプリケーションやその基盤となるサービスの実行状況を把握し、パフォーマンスの問題やエラーの根本原因を特定して、トラブルシューティングを行う方法
- .NET アプリケーションから Amazon S3 を利用する方法
- .NET アプリケーション と Amazon Cognito を統合して認証と承認を行う方法
- コードでクラウドインフラストラクチャを定義し、AWS CloudFormation を介してプロビジョニングする方法
それでは、いくつかのセクションを具体的にご紹介してみたいと思います。
AWS での .NET アプリケーションのデプロイ
このセクションでは、AWS Toolkit を利用して、.NET アプリケーションを AWS にデプロイするための、さまざまなオプションとその手順を学習できます。
- ASP.NET Core アプリケーションを AWS Elastic Beanstalk にデプロイする
- ASP.NET Core アプリケーションを、サーバーレスのコンテナ実行環境である AWS Fargate を利用して、Amazon Elastic Container Service にデプロイする
- サーバーレスの .NET コードを、AWS Lambda にデプロイする
- ASP.NET Core アプリケーションをサーバーレスのアプリケーション実行環境である、AWS AppRunner にデプロイする
資格情報とパラメータをソースコード外に保存する
このセッションでは、AWS Secrets Manager や AWS Systems Manager パラメータストア を利用して、シークレットをアプリケーションコードから分離する手法を学習できます。アプリケーションパラメータや、データベース資格情報、シークレットといった機密情報をソースコードに直接保存すると、意図せずに情報が漏洩する可能性がありますが、シークレットをアプリケーションコードから分離することで、機密情報が意図せず漏洩したり、不正アクセスされるリスクを軽減し、全体的なアプリケーションのセキュリティ対策を強化できます。
- AWS Systems Manager パラメータストアを使用して、アプリケーションパラメータを保存および取得する方法。
- AWS Secrets Manager を使用して、データベース資格情報やシークレットを安全に保存および取得する方法。
AI/ML によるイノベーションの追加
このセッションでは、AWS の AI サービスを利用して、.NET アプリケーションに様々な AI 機能を追加する手法を学習できます。これにより、Amazon のビジネスで使われているものと同じ技術を基にした、高速で高品質な AI ツールの機能に簡単にアクセスすることができます。
- Amazon Rekognition を使用した顔およびシーンの検出
- Amazon Comprehend を使用してテキストからインサイトを検出する
- Amazon Translate を利用してテキストを翻訳する
- Amazon Polly を使用してテキストをリアルな音声に変換する
- Amazon Transcribe を使用して、音声認識を行う
自分で試すには ?
このワークショップを皆さんの手元で実際に試してみることもできます。その場合、ご自身の PC に Microsoft Visual Studio 2022 をインストールして頂き、ワークショップの冒頭にある「AWS Toolkit のセットアップ」の手順を実施してください。
一方で、いくつかの AWS サービスを利用しますので、AWS 利用料もかかってきます。不要なコストが掛からないよう、試したあとは必ずリソースを削除するようにお願いいたします。
時間やスキルは ?
このワークショップを全て完了させるためには、平均的なユーザーで約 8 時間の時間が必要です。ただ、ワークショップは複数のパートに分かれており、一部のみ実施することも可能です。スキルについては、基本的な AWS の知識があれば問題なく、.NET または .NET プログラミングのエキスパートである必要はありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか ?
このワークショップでは、開発者の方が、.NET アプリケーションを AWS 上で利用し、様々な AWS サービスと統合するための様々なノウハウを体験することができます。オンプレミス上の .NET アプリケーションをそのまま AWS 上に移行し、利用しているケースも多いと思いますが、本ワークショップで体験したように様々な AWS サービスと統合することにより、よりクラウドのメリットを享受することができます。
ぜひ、本稿の内容をお役に立ていただければ幸いです。
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筆者プロフィール
小杉 真一郎
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
マイクロソフトワークロード スペシャリスト ソリューションアーキテクト
国内 SIer にて主にマイクロソフトテクノロジーを利用したアプリケーション開発に従事後、日本マイクロソフト株式会社を経て、ソリューションアーキテクトとして、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社に入社し、Micorosft Workload on AWS のスペシャリストとして活動中。最近は毎日トラブルを引き起こす 3 人の娘の世話に忙殺されている。
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