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2024 年

adidas、AWS で革新的な ERP を構築し、グローバルなコア事業運用を一元化

adidas は現在、世界規模の全社的な変革プロジェクトを進めており、中核となる SAP エンタープライズリソースプランニングシステムを AWS 上で統合、簡素化、自動化しています。

利点

45 の API

組み込まれた数 (レガシーシステムのほぼ 3 倍)

パフォーマンス向上

9 TB マシンで 448 の CPU を実行

59%

サービスレベルアグリーメントで要求される復旧時間の短縮率

プラン

2027 年までに 40 TB を超える S/4HANA システムを稼働

概要

世界的な小売業者である adidas は、自社史上最大規模の IT 変革プロジェクトに着手しました。このプロジェクトでは、クラウド上に最新鋭かつスケーラブルなインフラストラクチャを構築し、エンタープライズリソースプランニング (ERP) を信頼できる唯一の情報源へと再構築することを計画しています。これにより、グローバル運用に関するほぼリアルタイムのインサイトを取得できるようになります。社内コードネーム「TRANS4RM」と呼ばれるこのプロジェクトは、adidas のレガシーシステム、アプリケーション、製品 (SAP) システムを統合し、Amazon Web Services (AWS) 上に世界最大規模の SAP 4/HANA システムを構築するというものです。「これは、ソフトウェアを更新してすべてを最新にするような、単なる技術プロジェクトではありません」と adidas の Senior Director of Platform Engineering である Dominik Meier 氏は言います。「当社はまさに、社内のビジネスチームから顧客に至るまで、adidas の環境全体に大きな影響を与えるビジネス変革の真っ只中にいるのです」。

adidas は最終的に、SAP S/4HANA on AWS を使用して 40 TB を超える環境を構築することで、自社のグローバル運用に革命をもたらし、コンピューティングリソースを最適化する予定です。クラウド上で SAP ユーザーを支援する AWS for SAP を活用して、adidas は次世代の ERP および分析エンジンを構築し、クラウド上の高い拡張性を実現し、データ用の信頼できる唯一の情報源を確立しています。

Guangzhou, China-February 4 2018: adidas flagship store front in Guangzhou; Shutterstock ID 1027986541; purchase_order: adidas case study; job: AWS; client: case study; other: EMEA

adidas について

1949 年にドイツで設立された adidas は、世界的なスポーツアパレルおよびシューズ企業であり、その年間収益は 220 億 USD を超えています。

機会 | AWS で ERP を簡素化および自動化

数十年前に初めて SAP を導入した adidas ですが、当時は卸業者としてのみ事業を行っていました。2000 年代初頭までに、同社は小売、e コマース、フランチャイズの分野で数十億ドル規模のビジネスへと成長し、既存のソフトウェアを継続的にアップグレードする必要がありました。「私たちは最先端を走りたいのです。テクノロジーを駆使して、お客さまをワクワクさせるためには、さらなる努力が必要です」と Meier 氏は言います。「しかし、20 年前の基盤ではそれを達成することができません。私たちには変革が求められています。これは、ソフトウェアシステムを見直して、会社の中核を刷新するまたとない機会なのです」。

2021 年 11 月、adidas はグローバル運用の変革に向けた取り組みに AWS を採用しました。この取り組みは、SAP がレガシー ERP システムのサポートを終了する 2027 年までの遂行が求められています。スポーツ用品企業らしい考えかもしれませんが、adidas はこのプロジェクトをチームワークと見なしています。「フィールドではさまざまなポジションがあり、それぞれが協力して取り組む必要があります」と Meier 氏は述べています。「当社は e コマースや分析に関する既存のトピックを SAP ロードと結び付けるために、クラウドの俊敏性を必要としていました。ベアメタルサービスとしてホスティングするだけでなく、その他の主要機能も提供するため、AWS を使用して、システム全体のさまざまな点をつなぐことができることに気付きました」。

同社は、購買、サプライチェーン管理と財務、販売という 3 つのコア ERP システムを統合、簡素化、自動化するために、SAP S/4HANA on AWS を使用することにしました。AWS との連携の下、各イテレーションのテストが検証が行われました。

ソリューション | Amazon EC2 を使用して 40 TB のマシンをデプロイする計画

adidas は AWS のネイティブサービスを使用してイノベーションを推進し、高速でスケーラブルなシステムをデプロイする予定です。これにより、650 を超えるビジネスプロセス (75 TB を超えるトランザクションデータを含む) のデータを統合し、レポート作成を一元化できるようになります。ソリューションの基盤となる大規模な S/4HANA インスタンスは、Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) の処理能力に依存します。Amazon EC2 は、ほぼあらゆるワークロードに安全でサイズ変更可能なコンピューティング性能を提供します。2023 年 5 月までに、adidas は Amazon EC2 を使用し、20 を超えるサービスに対して 448 個の仮想 CPU と 9 TB のメモリマシンを実行しました。2023 年 5 月の時点で、TRANS4RM では 45 の API を備えており、これはレガシーシステムの API 数のほぼ 3 倍です。「まだ稼働していませんが、当社では現在 AWS 上で、インスタンスサイズ、ボリュームサイズ、処理速度、メモリ、CPU が最高記録を更新しています」と Meier 氏は言います。「AWS は当社のコーチであり、ファシリテーターでもあります。まるでトレーナーが準備を手伝ってくれるかのように、すべてを実行するために必要なものを提供してくれます。当社も、AWS のサービスの改善に役立つフィードバックを提供しています。また、機器やその最適な使用方法に関するトレーニングについても、AWS が頼りになると考えています」。 例えば、adidas と AWS はデベロッパー向けのスキルアップセッションを開催しています。セッションでは、AWS SDK for SAP ABAP の使用方法を学ぶことができます。これは、SAP のコーディング言語である ABAP の使用と、ABAP の AWS のサービスへの統合を簡素化する AWS の Software Development Kit (SDK) です。

初期ロードでは、adidas は 1 か月で 94 億件の財務取引データを SAP S/4HANA on AWS にロードしました。また、バックアップとストレージリカバリの厳しい要件を満たす必要があります。TRNS4RM プロジェクトの開始以来、AWS、SAP、そして AWS パートナーである NetApp との協力の下、ディザスタリカバリを自動化するアーキテクチャが構築されました。NetApp の ONTAP ファイルシステム上に構築されたフルマネージドの共有ストレージである Amazon FSx for NetApp ONTAP を使用することで、adidas は大規模な HANA データベースを迅速に復元し、HANA データをディスクからメモリにロードできます。リカバリ処理にかかる時間は 44 分で、サービスレベルアグリーメント (SLA) で要求される時間よりも 59% 短縮されています。「インフラストラクチャの圧倒的な速度を実感しています」と Meier 氏は言います。「システムの再起動とリカバリを驚くほど短時間で完了できます」。

スタック (インフラストラクチャ、アプリケーション、ネットワーク、サービス) をモニタリングするために、adidas は SAP HANA 用 Amazon CloudWatch Application InsightsSAP NetWeaver 用 Amazon CloudWatch Application Insights を使用しています。これらのアプリケーションは、アラーム、ログ、イベントデータを使用して自動アクションを実行し、システム障害から復旧までにかかる時間を短縮します。プロジェクトリーダーは技術的な知識を持っていなくても、SAP Solution Manager ダッシュボードを使用して迅速にインサイトを得ることができます。

成果 | SAP S/4HANA on AWS でイノベーションを推進

2023 年 11 月に adidas の Central Finance は稼働を開始し、2024 年までに財務と購買の全領域を稼働させる予定です。「私たちは、消費者のニーズへの迅速な対応、より優れた意思決定、ほぼリアルタイムでの報告能力など、企業の中核部分の未来を形作っているのです」と Meier 氏は言います。「次の各ラウンドに進み、レースを完走するまで、AWS が私たちと共に歩んでくれると信じています」。

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当社では現在、AWS 上でこれまでにない大きさのインスタンスサイズとボリュームサイズ、そしてかつてないほど多くのメモリや CPU を利用しているほか、処理速度も今までで最速となっています。AWS は当社のコーチであり、ファシリテーターでもあります

Dominik Meier 氏

adidas、Senior Director of Platform Engineering

開始方法

あらゆる業界のさまざまな規模の組織が AWS を活用してビジネスを変革し、日々ミッションを遂行しています。当社のエキスパートにお問い合わせいただき、今すぐ AWS ジャーニーを開始しましょう。
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