お客様事例/コンピューター&エレクトロニクス/英国

2020 年
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Arm は、AWS Arm ベースの Graviton インスタンスを使用することにより、特性評価の所要時間とコストを削減します

Arm は Amazon EC2 A1 インスタンスを使用して、ワークロードの特性評価の所要時間を数か月から数週間に短縮し、概算評価の余分なコストの支払いを回避します。 

数か月間から数週間に短縮

特性評価の所要時間を数か月から数週間に削減

EDA 環境の拡張

5,000 コアから 30,000 コアまで、EDA 環境を必要に応じて迅速にスケーリング可能

柔軟性が向上

大まかな評価で追加コストを回避できる柔軟性

開発者向けに実験と

イノベーションを可能に

コストを 30% 削減

Arm ベースの Graviton インスタンスにより、ロジック特性評価のワークロードのコストが 30% 削減

概要

Arm は、数十億ものデバイスで使用されているインテリジェントなシステムオンチップの半導体 (シリコン) 知的財産 (IP) の主要なテクノロジープロバイダーです。Arm は、テクノロジーパートナーが半導体集積回路の開発に使う IP を提供しています。世界の人口の 70% が使用するスマートデバイスや電子機器で、自社技術が使われていると、同社は考えています。

長年 Arm は、EDA (Electronic Design Automation) ワークロードのサポートをオンプレミス環境に依存しており、コンピューティングキャパシティの限界が来ることを予測していました。「Physical Design Group のビジネスの性質上、高度にダイナミックなコンピューティング環境や、急な変更にも柔軟に対応できることが求められます」と Arm Physical Design Group デザインイネーブルメント部門バイスプレジデントの Philippe Moyer 氏は言います。「これまでのオンプレミスのコンピューティングでは、処理が必要になるまでアイドル状態になることがしばしばあります。クラウドのスケーラビリティと俊敏性が、私たちのビジネスに合っているソリューションである理由がここにあります」。

機会

開発スケジュールを維持するために、Arm はもっと素早く動けないだろうかと模索していました。「私たちのオンプレミス環境では、データセンターのスケーラビリティに制約がありました。追加のコンピューティングキャパシティを導入する場合、いつも承認に 1 か月、さらにハードウェアの調達と設置に少なくとも 3 か月はかかっていました」と、Arm のシステムエンジニアリング部門のバイスプレジデント Vicki Mitchell 氏が言います。「納期はきつく、そんなに待っていては、プロジェクトがどうにかなってしまいそうでした」。

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AWS を使用することで、EDA ワークロードの特性評価の所要時間が数か月から数週間に短縮されました」

Philippe Moyer 氏
Arm Design Enablement 部門 副社長

EDA ワークロードを AWS クラウドに移行する

2017 年、Arm は俊敏性とスケーラビリティの必要性から EDA ワークロードの一部を Amazon Web Services (AWS) に移行することを選択しました。「AWS を選択することは、私たちにとって理にかなっていました。AWS は市場をリードしていましたし、AWS は半導体の現場を良く理解していました」と Mitchell 氏は言います。「さらに、一緒に作業した AWS のソリューションアーキテクト達が持つ、EDA についての知識にも感銘を受けました」。

初めに Arm Physical Design Group 部門では、Intel プロセッサベースの Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) インスタンス上で、EDA ワークロードを実行しました。また EDA のデータストレージとして、Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) で Amazon Elastic File System (Amazon EFS) を使用していました。Arm ベースの Graviton プロセッサを搭載した Amazon EC2 A1 インスタンスが利用可能になったと AWS が発表したときに、Arm Physical Design IP チームは、EDA ワークロードを部分的に A1 インスタンスで実行し始めました。「Graviton インスタンスの利用により、Arm アーキテクチャで EDA エコシステムの開発に貢献するという機会が得られました」と Moyer 氏は言います。さらに Arm では、すべてのワークロードで Amazon EC2 スポットインスタンスを使用しています。スポットインスタンスは、オンデマンドインスタンスに比べ、最大で 90% の割引料金で利用できる、予備のコンピューティングキャパシティです。

特性評価の所要時間を数か月から数週間に削減する

AWS により、Arm Physical Design IP チームの EDA 環境は、必要に応じて 5,000 コアから 30,000 コアまで、素早くスケールアップまたはスケールダウンすることができます。「AWS がこのスケーラビリティと柔軟性をもたらし、所要時間をより短くしたのです」と Moyer 氏は言います。「AWS を使用することで、EDA ワークロードの特性評価の所要時間が数か月から数週間に短縮されました」。

実験とイノベーションを可能に

Arm のオンプレミス環境では、エンジニアがコンピューティングリソースが導入されるまでプロジェクトに取り掛かかれないことがありました。現在、エンジニアはオンデマンドのコンピューティングキャパシティにより、自由にイノベーションを起こすことができます。「私たちのエンジニアにとっては、クラウドの方がプロトタイピングや実験をずっとやりやすいのです」と Mitchell 氏は言います。「彼らがちょっとしたロジックを検証したり、新機能を作りたいと思ったりしたときは、Amazon EC2 スポットインスタンスを利用してジョブを登録し、即座にスケジュールを設定できます。しかもプロジェクトのフローを壊さずにすみます。結果として、より迅速に動くことができるようになりました」。

AWS のコストを 30% 削減

Arm ベースの Graviton インスタンスで EDA ワークロードを実行することで、Arm は AWS の運用コストを低く抑えています。Graviton プロセッサファミリーにより、同じスループットでのロジック特性評価のワークロードにおける AWS のコストを、Intel 製プロセッサを使用したインスタンスと比べて、物理コアあたり 30% 削減できます。

Arm は現在、64 ビット Arm Neoverse コアから成る Graviton2 プロセッサを搭載した、次世代の Amazon EC2 Arm インスタンスの使用を検討しています。「Graviton2 は、より高いパフォーマンスとスケーラビリティを提供し、より多くの種類の EDA ワークロードに対応します」と Moyer 氏は言います。「この AWS プロセッサを使用して、より高いパフォーマンスを実現し、さらなるコスト削減ができることを楽しみにしています」。

Arm について

イギリスのケンブリッジに拠点を置く Arm は、インテリジェントなシステムオンチップ向けに、シリコン IP を設計、製造しています。センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータに至るまで、さまざまな製品に搭載された 1 千 900 億以上のチップにおいて、同社プロセッサがインテリジェントなコンピューティングを可能にしてきました。

利用している AWS のサービス

Amazon Elastic File System

Amazon Elastic File System (Amazon EFS) は、AWS クラウドサービスおよびオンプレミスリソースで使用するための、シンプルでスケーラブル、かつ伸縮自在な完全マネージド型の NFS ファイルシステムを提供します。

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Amazon EC2 スポットインスタンス

Amazon EC2 スポットインスタンスを使うと、AWS クラウド内の使用されていない EC2 キャパシティーを活用できます。スポットインスタンスは、オンデマンド料金に比べ最大 90% の割引価格でご利用いただけます。 

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Amazon S3

Amazon Simple Storage Service (Amazon S3) は、業界をリードするスケーラビリティ、データ可用性、セキュリティ、およびパフォーマンスを提供するオブジェクトストレージサービスです。

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その他の電子機器のお客様事例

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