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AWS Migration Hub Journeys を用いて VMware から AWS へのマイグレーションを加速する

2024 年 1 月、マイグレーションとモダナイゼーションを加速させるためのガイドツールとして、Migration Hub Journeys を導入しました。ジャーニーは、エキスパートによるガイダンス、専用ツール、チーム間のコラボレーションを備えたタスクベースのテンプレートを通じて、計画、実行、追跡を最適化し、シームレスなマイグレーションとモダナイゼーションを可能にします。この度、AWS for VMware の新しいマイグレーションジャーニーテンプレートを公開しました。このテンプレートによって、オンプレミス、他のクラウド、VMware Cloud on AWS の VMware ワークロードから、AWS ネイティブサービスへの迅速なマイグレーションとモダナイゼーションを可能にします。

AWS Migration Hub Journeys とは

AWS Migration Hub Journeys は、マイグレーションプロジェクトをテンプレート化して、社内外のプロジェクト関係者間でタスクを調整するために設計されています。ジャーニーはユーザーに包括的なマイグレーションジャーニーを提供することで、マイグレーションを最初から最後まで実行および追跡できるようにします。エキスパート、プロセス、ツールを結集して、マイグレーション作業を効率化することができます。

図 1 : Migration Hub Journeys の概要

ジャーニーの主な機能には以下のようなものがあります:

  1. マイグレーション計画: クラウドマイグレーションを計画するための構造的な方法を提供します。
  2. 規範的ガイダンス: マイグレーションテンプレートの形式でガイダンスを行います。
  3. 実行と追跡: マイグレーションタスクを管理し、進捗のモニタリングを行って、途中で発生した問題に対処することができます。マイグレーション状況をリアルタイムに確認することができます。
  4. コラボレーションとガバナンス: マイグレーションに関して、さまざまなステークホルダーが協力しやすくなります。

Migration Hub Journeys の新機能

VMware ベースのワークロードを AWS へ速やかにマイグレーションするための新しいテンプレートを追加しています。これらのテンプレートは AWS Migration Methodology に沿って設計されており、効率的に AWS にマイグレーションできるようにタスクのパイプラインを提供します。これらのテンプレートから作成されるマイグレーション関連タスクのパイプラインであるジャーニーは、必要な情報を収集することでインフラストラクチャの現状を評価して、現在のライセンス資産を把握するプロセスをガイドします。また、必要なネットワーキング、セキュリティ、ガバナンスコントロールを備えたランディングゾーンを作成して、リソースを AWS へマイグレーションのためのタスクもガイドします。さらに、AWS クラウドネイティブサービスへマイグレーションするためのタスクもガイドします。

図 2 : Migration Hub のマイグレーションテンプレート

AWS for VMware マイグレーションテンプレート

VMware から AWS EC2 へのマイグレーションテンプレートは、アセスメント、モビライズ、マイグレーション、モダナイゼーション、オペレートの各フェーズに分類された一連のタスクです。各フェーズはいくつかのモジュールに分かれており、さらにタスクとサブタスクに分かれています。効率的にマイグレーションを実行および追跡できるように、テンプレートで特定のタスクに関連する VMware のガイダンスが表示されます。

例えばアセスメントフェーズのタスクでは、RVTools を使用してサーバー使用率情報を収集し、ビジネスケースに反映させるためのガイダンスが表示されます。さらに、AWS にはマイグレーションアセスメントプログラムとパートナーソリューションがあり、アセスメントフェーズ中に正確なマイグレーションビジネスケースを提供できます。また、現在のアプリケーション / ベンダーライセンスを理解し、コストパフォーマンスを向上させるために AWS をどのように活用できるかをタスクでガイダンスします。マイグレーションフェーズのタスクでは、AWS Application Migration Service (MGN) レプリケーションの使用など、マイグレーションシナリオに特化したツールの選択に関するガイダンスが表示されます。この情報は必要なコンテキストでタスクを実行できるように、それぞれのタスクで提示されます。

図 3 : マイグレーションフェーズのタスクボード

同様に他のフェーズについても、いくつかのモジュール、タスク、サブタスクに分解されています。推奨されるフローに従うことで AWS へのマイグレーションを成功させるために必要なすべてのステップが示され、マイグレーションの実行と追跡が容易になります。

VMware から AWS へのマイグレーションの実行

このシナリオでは VMware から AWS EC2 へのマイグレーションテンプレートを使用して、マイグレーションジャーニーを作成します。ジャーニーを作成したら、タスクの追加、変更、削除を行って、ニーズに合わせてジャーニーをカスタマイズし、他のユーザー (パートナーや AWS 担当者を含む) を招待してコラボレーションを行うことができます。また、ニーズだけに基づいてカスタムジャーニーを簡単に作成することもできます。権限に基づいてユーザーが個々のタスクをエキスパートに割当て、遅延やブロックされたタスクの自動通知を受取ったり、コンテキストが失われないように一箇所に成果物をアップロードできます。ジャーニーを作成する画面を参照してマイグレーションジャーニーの構造を理解してください。

図 4:テンプレートからのジャーニーの作成

ジャーニーが作成されるとジャーニーのダッシュボードにリダイレクトされます (図 5 )。ここではジャーニーの概要と詳細のセクションが表示されます。管理者は、マイグレーションスペースの他のメンバーや、マイグレーションスペースのチーム、さらには AWS 担当者やパートナーなど、マイグレーションスペース外のメンバーを招待することで、コラボレーションを促進することもできます。

図 5:ジャーニーダッシュボード

ダウンタイムをほぼゼロにして VMware サーバーを AWS にマイグレーションする方法は複数ありますが (ブロックレベルのレプリケーション、VM Import/Export、パートナーソリューション)、AWS Application Migration Service (MGN) が VMware ベースのワークロードを AWS クラウドにリホストするための主要なマイグレーションサービスとして推奨されています。

例えば AWS MGN は、オンプレミスから AWS へのサーバーレプリケーションにエージェントベース (図 6 ) とエージェントレス (図 7 ) の両方のアプローチをサポートしています。エージェントは Windows と Linux の両方のサーバーにインストールできます。AWS Application Migration Service でレプリケートしたい各ソースサーバーに AWS Replication Agent をインストールする必要があります。

図 6 : AWS MGN エージェントベースのマイグレーションアーキテクチャ

エージェントレスアプローチではエージェントレスレプリケーション機能によって、エージェントをインストールせずに vCenter からソースサーバーを追加することもできます。AWS MGN vCenter Client がインストールされると、vCenter 環境内のすべての仮想マシンを検出して AWS MGN に追加します。

図 7 : AWS MGN エージェントレスマイグレーションのアーキテクチャ

Migration Hub Journeys テンプレートのタスクとサブタスクは、エージェントベースまたはエージェントレスの方法でマイグレーションプロセスをガイドします。マイグレーション中に必要なすべてのステップ、タスクの所有者、タイムライン、問題、アクションを追跡し、マイグレーションを成功に導きます。

まとめ

VMware ベースのワークロードを AWS に迅速にマイグレーションし、最適化できるようにするために、AWS for VMware の新しい Migration Hub Journeys テンプレートを発表しました。これらのテンプレートを利用することで、ステークホルダー、AWS 担当者、パートナー間のコラボレーションを促進し、クラウドへのスムーズなマイグレーションを確保するために効率的な計画と実行ができるようになります。さらに、AWS の広範なグローバルインフラストラクチャによって、スケーラビリティの確保、高いセキュリティ、信頼性の向上、パフォーマンス改善を行うことができます。

AWS Migration Hub Journeys でマイグレーションジャーニーを始めましょう。今すぐ AWS Builder ID を使用してサインインしてください。

また、ワークショップに参加して、ジャーニーの包括的な理解を深し、マイグレーションプロセスをどのように変えることができるかを学ぶこともできます。

翻訳をソリューションアーキテクトの Furuya が担当しました。原文はこちらです。

Migration Hub Journeys と VMware ワークロードの AWS へのマイグレーションに関する追加情報については、以下を参照してください:

計画から実行まで ー AWS Migration Hub を活用してマイグレーションとモダナイゼーションを加速する

VMware 仮想マシンを AWS Application Migration Service レプリケーションエージェントを利用して Amazon EC2 に移行する

Agentless snapshot based replication for vCenter source environments

Accelerate vCenter Migration using AWS Migration Service Agentless Migration

AWS VMware Migration Accelerator

著者について

Hemanth Vemulapalli

12 年以上の業界経験を持つマイグレーション専門の AWS ソリューションアーキテクト。企業がワークロードを AWS クラウドにシームレスにマイグレーションすることを支援しています。信頼できるアドバイザーとして深い技術的専門知識を活用し、ビジネス変革を推進する革新的なソリューションを設計および実装しています。余暇には、テレビ鑑賞、ハイキング、ランニング、家族との時間を楽しんでいます。

Mangesh Budkule

AWS のシニア Microsoft 専門ソリューションアーキテクト。AWS サービスのアーキテクチャガイダンスと技術支援を提供し、AWS を利用するうえでソリューションの価値を向上させるために、顧客と協働しています。2003 年から IT エキスパートとして業界の様々なベンダーの多様な技術をカバーしています。