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デフォルトでの Amazon EC2 インスタンスメタデータサービス IMDSv2
2024 年半以降、新しくリリースされた Amazon EC2 インスタンスタイプは EC2 インスタンスメタデータサービス (IMDSv2) のバージョン 2 のみを使用します。また、IMDSv2 を AWS マネジメントコンソールのクイックスタートやその他の起動経路のデフォルト選択肢にするために一連のステップが実施されています。
背景
このサービスには、EC2 インスタンス内から固定 IP アドレス (IPv4 の 169.254.169.254 または Nitro インスタンス上の IPv6 の fd00:ec2::254) でアクセスできます。これにより、ユーザー (またはインスタンス上で実行しているコード) は、インスタンスの起動に使用された AMI の ID、ブロックデバイスマッピング、インスタンスにアタッチされたロールの一時的な IAM 認証情報、ネットワークインターフェイス情報、ユーザーデータを始めとする豊富な静的および動的データにアクセスできます。詳細については、「インスタンスメタデータのカテゴリ」を参照してください。
このブログで詳細に説明されているように、v1 サービスはリクエスト/レスポンスのアクセス方式を使用し、v2 サービスはセッション指向の方法を使用します。どちらのサービスも完全に安全ですが、v2 では IMDS へのアクセスを試みる際に悪用される可能性のある 4 種類の脆弱性に対する追加の保護レイヤーが提供されます。
多くのアプリケーションやインスタンスが既に IMDSv2 を使用して、多くののメリットを活用していますが、完全なメリットは、AWS アカウントレベルで IMDSv1 が無効化されている場合にのみ利用できます。
移行計画
IMDSv2 を新しい AWS インフラストラクチャのデフォルトの選択肢にするために実施された重要なステップと今後予定されているステップを以下に示します (2023 年と 2024 年の日付に若干のずれがあります)。
2019 年 11 月 – IMDSv2 がローンチされ、これを使用して徹底的な防御を追加する方法が紹介されました。
2020 年 2 月 – AWS Marketplace の出品者と AWS パートナーから新たに公開されたすべての製品が IMDSv2 をサポートしていることの検証が開始されました。
2023 年 3 月 – すべてのローンチにおいてデフォルトで IMDSv2 を使用する Amazon Linux 2023 がローンチされました。
2023 年 9 月 – IMDSv2 のメリットを最大限に活用し、AWS インフラストラクチャ全体で IMDSv1 を無効にする方法を紹介するブログ記事が公開されました。
2023 年 11 月 – 本日より、すべてのコンソールのクイックスタートローンチで IMDSv2 のみが使用されるようになります (Amazon とパートナークイックスタート AMI はすべてこれをサポートします)。次の図は、これをインスタンスの起動時に EC2 コンソールの高度な詳細で指定する方法を示しています。
2024 年 2 月 – アカウントレベルで IMDSv1 の使用をデフォルトとして制御できる新しい API 機能が導入される予定です。現在、IMDSv1 の使用は、IAM ポリシーでの制御 (既存のアクセス許可の取り消しと制限) に加えて、アカウント、組織単位 (OU)、または組織全体にグローバルに適用される SCP として制御することが可能です。IAM ポリシーの例については、「インスタンスメタデータの使用」を参照してください。
2024 年半ば – 新しくリリースされた Amazon EC2 インスタンスタイプは、デフォルトで IMDSv2 のみを使用します。移行をサポートするために、これまで同様に、インスタンス上での起動時または起動後に再起動や停止/開始を必要とせずに IMDSv1 を有効化できます。
対処
完全なメリットを取得する方法を解説したブログ記事を参照して IMDSv1 から IMDSv2 への移行を開始できます。IMDSv2 への移行に役立つツール、および同じページで紹介されている推奨パスについても理解しておいてください。このページでは、ツールの推奨に加えて、IMDSv1 の使用を無効にする IAM ポリシーの設定方法、および MetadataNoToken
CloudWatchメトリクスを使用して残りの使用量を検出する方法も示されています。
もう 1 つの便利なリソースが AWS re:Post にあります (「Systems Manager オートメーションを使用して、Amazon EC2 インスタンスからインスタンスメタデータにアクセスするために IMDSv2 のみを使用するように強制するにはどうすればよいですか?」)。
この移行がお客様とお客様の顧客にとって可能な限りスムーズなものとなることを望んでいます。追加のサポートが必要な場合は、 AWS サポートにお問い合わせください。
– Jeff;
原文はこちらです。