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Amazon OpenSearch Service が Elasticsearch および OpenSearch バージョンの標準・延長サポート期間を発表
本記事は Senior Manager-Product の Arvind Mahesh、Senior Technical Program Manager の Kuldeep Yadav、Senior Principal Solutions Architect の Jon Handler により執筆された投稿の日本語版です。原文はこちらよりご確認いただけます。
Amazon OpenSearch Service は、19 のオープンソース Elasticsearch バージョンと、11 の OpenSearch バージョンをサポートしています。AWS は長年にわたり、新しいエンジンバージョンにおいて安定性、回復力、セキュリティを強化することで、お客様が OpenSearch Service からより大きな価値を得られるよう努めてきました。ソフトウェアのバージョンが古くなるにつれ、これらのバージョンが高いセキュリティと法令遵守の基準を満たし続けることを確実にする必要があります。Elasticsearch バージョン 1.5 や 2.3 などの OpenSearch Service でサポートされている多くのレガシーバージョンは、もはや積極的にサポートされていないサードパーティライブラリに依存しています。最新のエンジンバージョンに移行することで、お客様は新機能、改善されたコストパフォーマンス、そして OpenSearch に対する当社のセキュリティ改善から最大限の恩恵を得ることができます。
本日、Amazon OpenSearch Service で利用可能な以下のバージョンについて、標準サポートと延長サポートの終了時期を発表します。
- Elasticsearch 6.7 およびそれ以前のバージョン
- Elasticsearch 7.1 から 7.8
- OpenSearch 1.0 から 1.2
- OpenSearch 2.3 から 2.9
標準サポート期間内のバージョンについては定期的なバグ修正とセキュリティ修正を、延長サポート期間内のバージョンについては追加の定額料金 (正規化されたインスタンス時間) を支払うことで重要なセキュリティ修正とオペレーティングシステムのパッチが提供されます。延長サポートにより、利用者がより新しいエンジンバージョンへのアップグレードを計画している間に、重要なセキュリティ修正を、十分な期間利用できることを目指します。延長サポートの詳細については、よくある質問 をご覧ください。
Elasticsearch における各バージョンの標準サポートと延長サポートの終了時期
OpenSearch Service で利用可能な Elasticsearch の各バージョンにおける標準サポートと延長サポートの終了日については、以下の表をご覧ください。該当する Elasticsearch のバージョンを使用しているお客様には、最新の OpenSearch バージョンへのアップグレードをお勧めします。すべての Elasticsearch バージョンは少なくとも 12 ヶ月の延長サポートが提供されます。またバージョン 5.6 においては、最長で 36 ヶ月まで延長サポートが提供されます。延長サポートが終了すると、対象のバージョンを実行しているドメインに対しては、バグ修正やセキュリティアップデートの提供が行われなくなります。
ソフトウェアバージョン | 標準サポート終了日 | 延長サポート終了日 |
Elasticsearch 1.5, 2.3 | 2025 年 11 月 7 日 | 2026 年 11 月 7 日 |
Elasticsearch 5.1 から 5.5 | 2025 年 11 月 7 日 | 2026 年 11 月 7 日 |
Elasticsearch 5.6 | 2025 年 11 月 7 日 | 2028 年 11 月 7 日 |
Elasticsearch 6.0 から 6.7 | 2025 年 11 月 7 日 | 2026 年 11 月 7 日 |
Elasticsearch 6.8 | 未定 | 未定 |
Elasticsearch 7.1 から 7.8 | 2025 年 11 月 7 日 | 2026 年 11 月 7 日 |
Elasticsearch 7.9 | 未定 | 未定 |
Elasticsearch 7.10 | 未定 | 未定 |
OpenSearch における標準サポートと延長サポートの終了時期
Amazon OpenSearch Service で実行される OpenSearch については、対応するアップストリームのオープンソースの OpenSearch バージョンのサポート終了日から、少なくとも 12 ヶ月の標準サポート、または OpenSearch Service における次期マイナーバージョンのリリースから 12 ヶ月の標準サポートの、いずれか長い方が提供されます。すべての OpenSearch バージョンに対して、標準サポート終了日から少なくとも 12 ヶ月の延長サポートが提供されます。詳細については、オープンソース OpenSearch のメンテナンスポリシーをご確認ください。
OpenSearch Service で利用可能な OpenSearch の各バージョンごとの標準サポートおよび延長サポートの終了日については、以下の表をご覧ください。バージョンごとの標準サポートおよび延長サポートに関する今後のアップデートについては、サポートバージョンのページよりご確認ください。
ソフトウェアバージョン | 標準サポート終了日 | 延長サポート終了日 |
OpenSearch 1.0 から 1.2 | 2025 年 11 月 7 日 | 2026 年 11 月 7 日 |
OpenSearch 1.3 | 未定 | 未定 |
OpenSearch versions 2.3 から 2.9 | 2025 年 11 月 7 日 | 2026 年 11 月 7 日 |
OpenSearch 2.11 およびそれ以降のバージョン |
未定 | 未定 |
OpenSearch Service ドメインのアップグレード: OpenSearch Service から最大限の価値を得るために、OpenSearch ドメインを最新の バージョンにアップグレードすることをお勧めします。OpenSearch のマイナーバージョンアップグレードは、互換性を破壊する変更を含まないため、通常はシームレスに実行可能です。最新のマイナーバージョン、またはサポート終了がまだ発表されていないバージョンへの移行をお勧めします。例えば、OpenSearch バージョン 1.2 を使用している場合、1.x 系の最後のマイナーバージョンであり、現在もオープンソースコミュニティと AWS によってサポートされている OpenSearch バージョン 1.3 に移行できます。Elasticsearch バージョンを選択する場合で、以前の 6.x または 7.x バージョンを実行している場合は、バージョン 6.8 または 7.10 に移行できます。
クラスターを新しいバージョンにアップグレードする方法は複数あり、手順はドメインが実行しているバージョンとアップグレード先のバージョンによって異なります。ドメインを新しいバージョンにアップグレードする詳細な手順については、OpenSearch Service ドメインのアップグレードをご覧ください。また、新しいバージョンへのアップグレードには Amazon OpenSearch Service 用の移行アシスタントも利用可能です。
延長サポート料金の計算: 延長サポート中のバージョンを実行しているドメインには、正規化されたインスタンス時間 (Normalized Instance Hour = NIH) あたりの定額追加料金が課金されます。例えば、米国東部 (バージニア北部) AWS リージョンでは、0.0065 ドル/NIH の料金が発生します。リージョンごとの正確な料金については、料金ページをご覧ください。
NIH は、インスタンスサイズ (例:medium、large) とインスタンス時間数の要素として計算されます。例えば、米国東部 (バージニア北部) リージョンで、m7g.medium.searchインスタンスを 24 時間実行している場合、通常はインスタンス時間あたり 0.068 ドル (オンデマンド) で、1.632 ドル (0.068×24) を支払います。延長サポート中のバージョンを実行している場合、NIH あたり 0.0065 ドルの追加料金が発生し、これは 0.0065 × 24 (インスタンス時間数) × 2 (medium サイズインスタンスのサイズ正規化係数は2) として計算され、24 時間の延長サポートで 0.312 ドルとなります。24 時間の総額は、標準インスタンス使用料と延長サポート料の合計で、1.944 ドル (1.632 + 0.312 、ストレージコストを除く) となります。以下の表は、OpenSearch Service の各インスタンスサイズの正規化係数を示しています。
インスタンスサイズ | 正規化係数 |
nano | 0.25 |
micro | 0.5 |
small | 1 |
medium | 2 |
large | 4 |
xlarge | 8 |
2xlarge | 16 |
4xlarge | 32 |
8xlarge | 64 |
9xlarge | 72 |
10xlarge | 80 |
12xlarge | 96 |
16xlarge | 128 |
18xlarge | 144 |
24xlarge | 192 |
32xlarge | 256 |
まとめ
最新の OpenSearch バージョンには、新機能、パフォーマンスと回復力の改善、セキュリティの改善など、様々な新しい機能を追加しています。OpenSearch Service から最大限の恩恵を得るため、最新の OpenSearch バージョンへの更新をお勧めします。標準サポートと延長サポートのオプションに関する質問については、よくある質問 をご覧ください。その他の質問については、AWS サポートにお問い合わせください。
著者について
Arvind Mahesh は Amazon OpenSearch Service のシニアプロダクトマネージャーです。分析、検索、クラウド、ネットワークセキュリティ、通信など、様々な分野で約20年間の技術経験を持っています。
Kuldeep Yadav は、イノベーションの推進と複雑な問題解決に情熱を注いでいる Amazon Web Services のシニアテクニカルプログラムマネージャーです。チームや顧客と密接に協力して、運用の優位性を確保し、より少ないリソースでより多くの成果を上げることに取り組んでいます。仕事以外では、トレッキングといったあらゆるスポーツを楽しんでいます。
Jon Handler は、カリフォルニア州パロアルトを拠点とする Amazon Web Services のシニアプリンシパルソリューションアーキテクトです。OpenSearch と Amazon OpenSearch Service に深く携わり、検索やログ分析のワークロードを AWS クラウドに移行したいと考える顧客に対して、幅広くサポートとガイダンスを提供しています。AWS 入社以前は、ソフトウェア開発者としてのキャリアの中で、大規模な e コマース検索エンジンの実装に 4 年間従事していました。ペンシルベニア大学で文学士号を、ノースウェスタン大学でコンピュータサイエンスと人工知能の理学修士号と博士号を取得しています。