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Amplify JavaScript が新たに Vue 3 をサポート
この記事は、Amplify JavaScript releases support for Vue 3を翻訳したものです。
本日より、Amplify JavaScript は現在対応しているVue.jsバージョン2に加え、新たにVue.jsバージョン3へ対応します。オープンソースの Amplify Librariesは、あらゆるカテゴリのクラウドを使ったオペレーションに対し、ユースケース中心の、独自のスタイルを持った、宣言型で使いやすいインターフェイスを提供し、モバイル開発者やウェブ開発者がバックエンドと簡単にやり取りできるようにしています。これらのライブラリは AWS クラウド技術に支えられており、プラグイン可能なモデルのため、他のプロバイダを利用するよう拡張することもできます。ライブラリは、Amplify CLI を使用して作成された新規バックエンドおよび既存バックエンドリソースの両方で使用可能です。Amplify UI コンポーネントは、複数のフレームワーク向け UI コンポーネント内にクラウド接続部分のワークフローをカプセル化したオープンソースの UI ツールキットです。
このチュートリアルでは、以下を実行します。
- このチュートリアルのベースとして新しい Vue 3 アプリを作成
- Amplify の Interactions カテゴリの基本設定をセットアップ
- チャットボットコンポーネントを作成して Vue 3 アプリケーションに追加
前提条件
このチュートリアルを開始する前に、 Amplify ドキュメントの ウェブサイトにアクセスし、Prerequisites (前提条件) セクションに従ってください。前提条件を完了後、このチュートリアルを実行するための準備が整います。
AWS プロファイルを設定するときは、リージョンが Amazon Lex をサポートしていることを確認してください。サポートされているリージョンは、 こちらで確認できます。
新しい Vue アプリの作成
まず、 @vue/cli
を使用して新しい Vue アプリケーションを作成し、起動します。このCLIツールを使うことで、現在のベストプラクティスを適用して自動で Vue アプリケーションを作成します。次に、Amplify を追加し、新しいプロジェクトを初期化します。以下の手順で、このプロセスを説明します。
新しい Vue アプリを作成するには
プロジェクトディレクトリから、次のコマンドを実行します。
アプリを実行するには以下のコマンドを実行します。
サーバーを停止するには、 Ctrl+C
を押します。
新しいバックエンドを初期化する
これで Vue アプリが立ち上がりました。次に、アプリを支えるために必要なバックエンドサービスを作成するため、Amplify をセットアップします。プロジェクトのルートディレクトリから、以下を実行します。
Amplify を初期化すると、アプリに関するいくつかの情報の入力を求められます:
Amplify Librariesのインストール
クライアント側で Amplify を使用するための最初のステップとして、必要な依存関係をインストールします。
フロントエンドの設定
次に、バックエンドサービスとやり取りできるように、クライアント側で Amplify を設定する必要があります。src/main.js
を開き、最後の import の下に次のコードを追加します。
これで、Amplify および UI コンポーネントが正常に設定されました。Amplify CLI を使用してカテゴリを追加または削除し、バックエンド設定を更新すると、aws-exports.js の設定が自動的に更新されます。
Interactions カテゴリの追加
次に Vue アプリに追加する機能は、 Interactions (対話) カテゴリです。このカテゴリでは、 Amazon Lex を使用して AWS クラウドで会話ボットをホスティングします。
Vue アプリに Interactions を追加するには
プロジェクトディレクトリから、次のコマンドを実行し、表示される質問に回答します。
Amplify Vue プロジェクトにチャットボットを追加する
アプリケーションに Interactions を追加したので、次にチャットボットコンポーネントを追加します。src/App.vue
で、コードの template
を更新します。
利用可能な全てのプロパティ一覧は、 ドキュメントで確認してください。
yarn serve
でアプリケーションを実行します。以下のようなチャットボットが表示されるはずです。
テキストメッセージを送信するか、マイクボタンをクリックして話すことで、ボットとやり取りできます。
コンソールの警告について: 「failed to resolve component(コンポーネントの解決に失敗しました)」という警告が表示された場合は、アプリのディレクトリに vue.config.js
ファイルを作成し、 このGitHub Gist上のコード を使用することで警告を消すことができます。
チャットのフルフィルメント (応答) をリッスンする
次に、チャットがフルフィルメント(応答)後に起動するコールバック関数を登録しましょう。チャットセッションが終了するたびに、チャットボットは chatCompleted
イベントを発生させます。Vue のライフサイクルフックを使用してイベントをリッスンできます。src/App.vue
を開き、 script
タグ内に次のコードを追加します。
チャットを終了するたびに、またはチャットの応答が失敗するたびにポップアップが表示されるようになりました。実際には、データを活用してもっと多くのことを行いたいはずです。以下にいくつかのアイデアを示します。
- Amplify の
API
カテゴリを使用して DynamoDB テーブルに結果を追加 - Amplify の
Analytics
カテゴリを使用して注文の分析データを収集 - ユーザーが旅行する予定の都市の画像を表示
カスタマイズ
Amplify には、アプリケーションに合わせてコンポーネントをカスタマイズするための 2 つの主要技術(CSS変数とスロット)が用意されています。
CSS変数を使用したコンポーネントのスタイル設定
CSS変数 は、コンポーネント全体で再利用される特定のCSS値を含む変数です。これらの変数をコンポーネントのスタイルシートで割り当てて Amplify UI コンポーネントのスタイルを設定できます。例として、テキストの色やふきだしの背景色を変更してみましょう。
src/App.vue
を開き、次のCSS変数を追加します。
アプリケーションを更新すると、コンポーネントに適用された新しい色が表示されます。
お好きな色をお使いください。amplify-chatbot で利用可能な全てのCSS変数一覧は、 ドキュメントで確認してください。
スロットを使用したカスタムコンテンツの挿入
スロット は、任意のマークアップで埋めることができるコンポーネント内のプレースホルダーです。たとえば、チャットボットには、置き換えることができるヘッダースロットが用意されています。ロゴとカスタムヘッダーを追加してみましょう。ここでは amplify ロゴを使用しますが、代わりに任意のイメージを使用して src 属性に配置することもできます。src/App.vue
でテンプレートを更新します。
eslint
を無効にする行を追加していることに注意してください。これが有効だと、代わりに v-slot
を使用するよう提案してくるからです。これは、Vue コンポーネントスロットの仕様には当てはまりますが、今回使用するウェブコンポーネントスロットには当てはまりません。
最後に、いくつかCSSスタイルを追加して、ヘッダーを改善しましょう。src/App.vue
の style
に以下を追加します。
以上でアプリを更新すると、カスタマイズされたチャットボットコンポーネントが表示されます。
まとめ
このブログ投稿では、Amplify を使用して Vue 3 のウェブアプリケーションを作成しました。その後、Interactions カテゴリを設定し、会話チャットボットを表示させ、CSS変数とスロットをカスタマイズしました。
– William Lee
翻訳はDeveloper Relations Engineer(Mobile/Web)のDaijiro Wachiが担当し、ISV/SaaS Solutions ArchitectのKoya KimuraとPrototyping Specialist Solutions ArchitectのTakuya Mizumaが監訳しました。