Amazon Web Services ブログ
新しい Database Migration Playbook が公開されました—Microsoft SQL Server から Amazon Aurora MySQL への移行
Microsoft SQL Server to Amazon Aurora MySQL Compatibility Migration Playbook の初版を発表いたします。AWS Database Migration Service (AWS DMS) および AWS Schema Conversion Tool (AWS SCT) を使用すると、商用エンジンからオープンソースデータベースおよび Amazon が管理するデータベースへの移行に伴う労力を軽減できます。したがって、コストを削減し、ベンダーによるロックインを回避するのに役立ちます。このプレイブックは、既存の SQL Server データベースから Amazon Aurora with MySQL compatibility への移行を担当するデータベース管理者を支援するように設計されています。
このプレイブックは、AWS SCT の自動変換機能に焦点を当て、自動変換プロセスの制限事項に対する代替方法について説明します。SQL Server と Aurora MySQL の違い、非互換性、類似点を中心に説明し、幅広い種類のトピックを網羅しています。そうしたトピックとしては、T-SQL、構成、高可用性と災害対策 (HADR)、インデックス作成、管理、パフォーマンスチューニング、セキュリティ、物理ストレージなどが含まれます。このプレイブックには、ツールの機能の概要、移行の課題とその回避策、詳細な例が記載されています。
これは私たちが公開した 2 番目のプレイブックです。最初のプレイブック、Oracle to Amazon Aurora with PostgreSQL Compatibility Migration Playbook は、AWS ホワイトペーパーのウェブサイトで見つけることができます。
このプレイブックで何ができるか
Database Migration Playbooks とは、異種間データベース移行計画を成功させるためのベストプラクティスに焦点を当てた一連のガイドです。SCT および DMS を含めて、既存の自動化および半自動化された Amazon データベース移行ソリューションおよびツールを補完するものです。
Database Migration Playbook は AWS SCT ツールによって生成された個々のアクションコードを調べるためのリファレンスとして使用することができます。あるいは、非互換性の問題があると予想されるさまざまなトピックを調査するために使用することができます。
すべての異種間移行プロジェクトは、自動化されたツールと手動の変換の両方を使用することになり、DBA と開発者のノウハウが必要です。そうした中、このプレイブックは、DBA のノウハウを大量に取り込んで、移行の課題について検討し、コードの例を含む一般的な移行作業のベストプラクティスを提供します。
Database Migration Playbook の使用方法
移行ガイドとしての使用方法の概要が記載されているプレイブックの簡単な紹介部分を読むことをお勧めします。このプレイブックをどのように使う予定であるかに応じて、始めるのに適切なセクションへのリンクも提供します。
機能の互換性の表
機能の互換性の表 (11 ページ) には、プレイブック全体を通して詳細に説明されているすべてのトピックに関する高度な参照情報が記載されています。また、主な違いと 2 つの視覚的なインジケータ―についてもまとめています。
緑色と赤色のデータベースアイコンは、SQL Server と Aurora MySQL の間での機能の互換性を示しています。
歯車のアイコンは、AWS SCT が提供する移行の自動化レベルを示しています。
たとえば、ANSI SQL セクション (プレイブックの 13 ページ、次の図を参照) では、制約とテーブル作成コードの両方が 2 つのデータベース間で比較的互換性があることがすぐに分かります。また、制約とテーブル作成コードは SCT によって自動的に移行することもできます。さらに、CTE の移行には手動での変換が必要であることもわかります。リンクをたどると、関連するトピックに移動し、詳細な説明と回避策に関する推奨を見つけることができます。
このインデックスは、AWS SCT と AWS DMS を使用する予定があるか、すでに使用したことがあるかに関係なく、一般的な参考として最も役立ちます。
次の図は、13 ページの ANSI SQL 機能と自動化レベルを示しています。
AWS スキーマとデータ移行ツール
23 ページから始まるこのセクションでは、AWS SCT および AWS DMS を使用するためのプロセスの概要と視覚的な説明を提供します。
38 ページには、SCT アクションコードインデックスがあります。このインデックスを使用すると、データベースに対して AWS SCT によってレポートされたアクションコードを処理するのに役立ちます。SCT アクションコードインデックスは、SCT コードの機能と制限に焦点を当てています。こうしたアクションコードが関連付けられている SQL Server トピックへのリンクを提供します。関連する Aurora MySQL トピックが、必ずすぐに続きます。
このインデックスは、AWS SCT を実行した後、生成されたアクションコードを方法論的に扱うために最も役立ちます。
次の画像は、39 ページからで、制約を変換するための AWS SCT アクションコードを示しています。
移行についてのトピック
AWS SCT と DMS のセクションに続くのは、移行の詳細を説明する個々のトピックです。それぞれのトピックは、2 つのセクションに分かれています。
「Migrate from SQL Server: …」というタイトルが付いている最初のセクションでは、この機能が SQL Server でどのように使用されているかについて簡単に説明します。その後に「Migrate to Aurora MySQL: …」のセクションが続きます。ここでは、この機能が Aurora MySQL でどのように機能するか、移行に関する考慮事項、可能性のある回避策について説明します。たとえば、次のページでは、一意性制約に関する違いについて説明しています。
次の図は、58 ページの制約の移行を示しています。
関連する場合は、構文リファレンスとコードの例も提供されます。たとえば、データベースが TIMESTAMP 列または ROWVERSION 列を使用している場合は、次の移行例を使用できます。
著者について
Ami Levin は、20 年以上の経験を持つシニアインストラクター、データ層アーキテクト、データモデラー、データベース設計者、SQL 開発者です。 彼は、最も困難でミッションクリティカルなデータベース環境をいくつか設計、実装、レビュー、最適化しています。Ami は、経験豊富な講演者、インストラクター、メンター、ならびにホワイトペーパー、テクニカルガイド、記事の筆者でもあります。
Eran Schitzer は、アマゾン ウェブ サービスの Database Migration Services のプロダクトマネージャです。