Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2021/2/15週
みなさん、こんにちは。AWSソリューションアーキテクトの小林です。
先週のアップデートを振り返ってみましょう。
2021年2月15日週の主要なアップデート
- 2/15(月)
- Amazon DynamoDB Accelerator(DAX)が次世代のバースト可能な汎用インスタンスT3ファミリをサポート
Amazon DynamoDB Accelerator(DAX)でT3ファミリのインスタンスを利用できるようになりました。T3ファミリはCPU、メモリ、ネットワークのリソースがバランス良く配分されています。無制限にバースト可能なモードに設定されているため、負荷が継続している場合は追加料金を支払うことで継続してバースト時のパフォーマンスで稼働させることができるようになっています。今回のローンチではt3.smallとt3.mediumを利用でき、東京リージョンにも対応しています。 - AWS Direct Connectの一部ロケーションでネイティブな100Gbps接続を利用可能に
東京に存在するDirect ConnectロケーションであるCC1やTY2を含む、一部のロケーションでネイティブな100Gbpsの接続を利用できるようになりました。従来はLink Aggregation Group(LAG)で複数の10Gbps接続を束ねる必要がありましたが、この手間が不要になるのがポイントです。100Gbps接続が利用可能なロケーションについてはこちらのリンクをご確認ください。(本ポスト執筆時点では翻訳が追いついていないため、英語版への切り替えをお願いします)
- Amazon DynamoDB Accelerator(DAX)が次世代のバースト可能な汎用インスタンスT3ファミリをサポート
- 2/16(火)
- AWS Graviton2ベースのインスタンスが利用可能なリージョンがさらに拡大
NVMe SSDベースのインスタンスストレージを備えたM6gd/C6gd/R6gdインスタンスが東京リージョン、北カリフォルニアのリージョンで利用可能になりました。なお、インスタンスストレージのないタイプは以前から利用可能でした。同時に、M6g/C6g/R6gインスタンスがストックホルムのリージョンで利用可能になっています。 - AWS Fargateのデフォルトのサービスクォータが500から1000に拡大
AWS Fargateで上限緩和申請を行うことなく、最大で1000個のリソースを利用できるようになりました。これまでよりも大規模なAmazon ECSタスク群や、Amazon EKSポッド群、Fargate SPOTによるコンテナ群を申請なしに実行できるようになります。今回の変更は自動的に反映されるため、ユーザ側でのアクションは不要です。個別に1000よりも大きいクォータが設定されている場合は、その値が引き続き適用されます。 - Amazon EKSとEKS DistroでKubernetes version 1.19のサポートを開始
Amazon EKSでKubernetes 1.19がご利用いただけるようになりました。既存のクラスタをアップグレードする方法についてはEKSのドキュメントをご確認ください。また、Kubernetes 1.19をビルドしたAmazon EKS DistroがECR Public GalleryとGitHubで入手可能になっています。
- AWS Graviton2ベースのインスタンスが利用可能なリージョンがさらに拡大
- 2/17(水)
- AWS Glue StudioでAmazon S3からカタログ化されていないデータの読み取りとスキーマ推定が可能に
AWS Glue StudioにおいてAWS Glueデータカタログに情報を登録すること無く、Amazon S3のデータを読み取ることができるようになりました。これによってS3をデータソースとするETLジョブの開発を素早く開始することができるようになります。スキーマを自動的に推測する機能を持っているため、Glue StudioのGUIを利用してETLジョブを容易に定義することが可能です。 - 東京をはじめ14のリージョンでAmazon SageMakerのml.Inf1インスタンスが利用可能に
東京リージョンをはじめ14のリージョンのAmazon SageMakerでml.Inf1インスタンスが利用可能になりました。Inf1インスタンスは機械学習の推論ワークロードを高速化するためにAWSによって開発されたカスタムチップ、AWS Inferentiaを搭載するインスタンスタイプです。Inf1が利用可能になったことで要件に最適なインスタンスタイプを選択する上での選択肢の幅が広がることになります。 - Amazon Redshift Query Editorの機能拡張を発表
COPY/UNLOADオペレーションの全てのトラフィックがVPCを経由するように強制する拡張VPCルーティングを有効にしている場合でも、Amazon Redshift Query Editorを利用できるようになり、マネジメントコンソールから直接Redshiftクラスタにクエリを行えるようになりました。同時に全てのノードタイプでも利用可能になるとともに、最長24時間までのクエリを実行可能にもなっています。また、接続情報・認証情報を保護するためにAWS Secrets Managerがサポートされています。 - Amazon Elasticsearch Serviceで分散トレース機能、Trace Analyticsを発表
開発者と運用者が分散アプリケーションのパフォーマンスと可用性の問題を解決するため、エンドツーエンドでインサイトを得ることができるTrace Analytics機能をローンチしました。OpenTelemetry SDKやX-Ray SDK、Jaeger、Jipkin SDKなどからのデータ収集をサポートているとともに、AWS Distro for OpenTelemetryを利用してAmazon Elasticsearch Serviceや、トレースデータについてはAWS X-Rayと、メトリクスについてはAmazon CloudWatchと連携することも可能です。Trace AnalyticsはElasticsearch 7.9以上を実行するAmazon Elasticsearch Serviceのドメインで利用可能です。
- AWS Glue StudioでAmazon S3からカタログ化されていないデータの読み取りとスキーマ推定が可能に
- 2/18(木)
- 大きなアップデートはありませんでした。
- 2/19(金)
- Amazon RDSのMulti-AZ構成に関する新たなイベント通知が利用可能に
Amazon RDSでMulti-AZ構成を取っている際に、自動的にデータベースのフェイルオーバーが行われた際の原因を通知する新たなイベントが利用可能になりました。イベントログを確認することでフェイルオーバーが発生した原因を把握することができます。また、今回のアップデートでコンピューティングリソースのスケーリングやメンテナンスウィンドウでの更新適用など運用上の理由によるフェイルオーバーについても情報を取得可能になっています。どういった原因が通知されうるのかについてはドキュメントをご確認ください(日本語版でそれらしい記述が見当たらない場合は、翻訳が追いついていませんので英語版に切り替えてごらんください)。 - Amazon SageMaker Studioで任意の有効期限を設定可能な事前署名付きURLが利用可能に
Amazon SageMaker Studioは機械学習向けの統合開発環境のサービスです。今回のアップデートで、組織内のユーザにSageMaker Studioドメインへのアクセスを可能にするための、事前署名付きURLを生成することが可能になりました。これを利用すると、利用者はリンクをクリックするだけで開発環境にアクセスすることが可能になります。このURLにはアクセス保護のために有効期間を設定することが可能です。最短で5秒となり、特に設定しない場合はデフォルトで5分間が有効期間となります。なお、セッションのタイムアウトは別設定ですのでご注意を。
- Amazon RDSのMulti-AZ構成に関する新たなイベント通知が利用可能に
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)