Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2023/7/10週
みなさん、はじめまして。ソリューションアーキテクトの杉山です。
今まで小林と下佐粉の 2 名体制で執筆してきた 週刊AWS ですが、新たに 2 名加わり 4 名体制となりました。杉山ともう 1 名が新たに執筆者として参加します。
AWS の日々のアップデートによるメリットを、読者の視点で簡潔にわかりやすくお届けしてまいります。今後ともよろしくお願いいたします!
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2023 年 7 月 10 日週の主要なアップデート
- 7/10(月)
- Amazon RDS for SQL Server now supports self-managed Active Directory
Amazon RDS for SQL Server で、オンプレミスの仮想マシンや EC2 などで稼働している Active Directory と直接連携ができるようになりました。元々、RDS for SQL Server にアクセスする際に、Active Directory 上のユーザーで認証できる機能がありました。この機能を利用して、オンプレミスなどの Active Directory サーバーと連携したい場合は、AWS Managed Microsoft AD と信頼関係を結ぶ構成が必要でした。今回のアップデートで、直接 Active Directory サーバーと連携が出来るようになり、AWS Managed Microsoft AD は必須ではなくなりました。 - AWS Elemental MediaLive now publishes 1-second metrics
AWS Elemental MediaLive が 1 秒間隔で CloudWatch にメトリクスを収集できるようになりました。元々 1 分間隔だったものが、より短い間隔でメトリクスを収集できるようになったため、入力フレームレートや出力フレームのドロップなどのメトリクスをより詳細に確認できるようになりました。また、1 秒間隔のメトリクスによって、CloudWatch Alarms を以前よりも素早くトリガーできるようになりました。 - Amazon OpenSearch Service now supports OpenSearch version 2.7
Amazon OpenSearch Service で Version 2.7 がサポートされました。OpenSearch 2.7 では、可観測性、セキュリティ分析、インデックス管理、および地理空間機能にいくつかの改善が加えられました。新機能を一つピックアップすると、OpenSearch Dashboards で地図を使った可視化を行う際に、視覚的なフィルタリングがやりやすくなりました。OpenSearch Dashboard は、地図上でデータをプロットし、俯瞰する機能があります。以前のバージョンでは、特定の地域に限定したデータを表示したい場合、検索クエリーを組み立てることで実現できました。今回のアップデートで、地図上でマウスを使用して特定の地域を範囲選択することで簡単にフィルタリングができるようになりました。詳細を確認したい方は What’s new のページをご参照ください。
- Amazon RDS for SQL Server now supports self-managed Active Directory
- 7/11(火)
- Amazon Location Service now supports publishing device position updates on EventBridge
Amazon Location Service で、デバイスの位置情報が更新されたことを契機に、 EventBridge で定義したアクションを実行できるようになりました。Amazon Location Service は、デバイスの位置情報をトラッキングする機能があり、最新の位置情報の更新や、位置情報履歴の取得などができます。このアップデートで、位置情報の更新を契機に EventBridge で定義したアクションが実行できるようになり、位置情報アプリケーションをより実装しやすくなりました。例えば、位置情報を更新したときに、EventBridge 経由で Lambda 関数を呼び出すことで、より柔軟な処理の実装が可能となります。
- Amazon Location Service now supports publishing device position updates on EventBridge
- 7/12(水)
- 大きなアップデートはありませんでした。
- 7/13(木)
- AWS Lambda now detects and stops recursive loops in Lambda functions
AWS Lambda で、Lambda 関数の再帰ループを検出して停止できるようになりました。Lambda は Amazon SQS や Amazon SNS などのサービスと連携して、イベント駆動型アプリケーションを構築します。しかし、リソースの設定ミスや意図しないソースコード実装によって、Lambda 関数で処理したイベントを、呼び出し元のサービスに再度送信してしまうことがあります。これによって、再帰ループが発生して、意図しない処理や費用が発生する可能性がありました。今回のアップデートで、サポートされている AWS SDK を利用することで、Lambda は Amazon SQS、AWS Lambda、Amazon SNS 間の再帰的な呼び出しを 16 回行った時点で停止するようになりました。 - Amazon QuickSight launches unified color experience for analysis and dashboards
Amazon QuickSight で統一した色指定が出来るフィールドレベルカラーリング機能が追加されました。QuickSight の Author (作成者) ユーザーは、ビジュアルを作成する際にフィールドレベルで色を指定できるようになりました。これまでは、各ビジュアルごとに色を指定することで統一したカラーリングが出来ましたが、このアップデートによりフィールドレベルで 1 回指定するだけで、すべてのビジュアルで色が統一できるようになりました。より詳しく知りたい方は、こちらの AWS Document を参照ください。 - AWS Karpenter now supports Windows containers
AWS Karpenter で Windows がサポートされました。AWS Karpenter は Kubernetes クラスターでノードのオートスケールを柔軟に管理するための OSS です。アプリケーションの負荷に合わせて適切なサイズのコンピューティングリソースを迅速に起動することで、アプリケーションの可用性とクラスターの効率を向上させるのに役立ちます。今回のアップデートで、EKS 上で動作する Windows コンテナに関する自動ノードプロビジョニングがサポートされました。より詳しく知りたい方は こちらの Blog を参照ください - Amazon FSx for NetApp ONTAP supports write once, read many (WORM) protection with SnapLock
Amazon FSx for NetApp ONTAP で SnapLock がサポートされました。SnapLock は、ファイルに WORM (Write Once, Read Many) の特性を持たせることができ、意図しないデータ変更や悪意のあるデータ暗号化などを防止するのに役立ちます。これまでも AWS Backup を使った Vault Lock 機能でバックアップデータの WORM 対応が出来ました。このアップデートで、ファイルシステム上のファイルに直接 WORM の特性を持たせることができ、コンプライアンスのニーズ、ランサムウェア対策に活用できる選択肢が充実した形です。より詳しく知りたい方は こちらの Blog を参照ください
- AWS Lambda now detects and stops recursive loops in Lambda functions
- 7/14(金)
- Amazon EC2 M7g and R7g instances are now available in additional regions
Amazon EC2 で M7g と R7g インスタンスが東京リージョン・フランクフルトリージョン・シドニーリージョンで利用可能になりました。これらのインスタンスは、AWS Graviton 3 プロセッサを搭載しており、AWS Graviton 2 プロセッサと比較して最大 25 % 優れたパフォーマンスを持つ特徴があります。また、同等の他の EC2 インスタンスと比較すると、エネルギー消費量が最大 60 % 少なく、二酸化炭素排出量を削減できます。 - AWS DMS now supports Amazon Redshift Serverless as a target
AWS Database Migration Service で、新たに Amazon Redshift Serverless がターゲットとしてサポートされました。Redshift Serverless の移行モードは、フルロードと変更データキャプチャ (CDC) の両方がサポートされています。このアップデートにより、データを Redshift Serverless に蓄積するための選択肢が増え、データ活用するための環境を用意しやすくなりました。 - Amazon CloudFront announces support for 3072-bit RSA certificates
Amazon CloudFront で、3072-bit の RSA 証明書がサポートされました。元々、1024-bit or 2048-bit の RSA 証明書が利用できましたが、今回のアップデートで 3072-bit の RSA 証明書が利用できるようになり、より高いセキュリティレベルを実現できるようになりました。 - AWS Batch on AWS Fargate now supports Linux ARM64 and Windows x86 containers in CLI/SDK
AWS Batch on AWS Fargate の構成で、新たに Linux ARM64 と Windows x86 コンテナがサポートされました。コストを最適化する Linux ARM64 や、Windows コンテナを利用するお客様向けに選択肢が拡充された形です。ARM64 アーキテクチャのサポートにより、Fargate の Graviton インスタンスと同等のコストパフォーマンスを実現できるようになりました。
- Amazon EC2 M7g and R7g instances are now available in additional regions
最後に、AWS re:Invent 2023 の登録がオープンになっています。2023/11/27 から 2023/12/1 にかけて、ラスベガスで開催されます。AWS の最新情報や、関心のある技術的セッション、現地でのハンズオンなどが体験できます。気になる方はチェックしてみてください。
それでは、また来週お会いしましょう!
ソリューションアーキテクト 杉山 卓 (twitter – @sugimount)