Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2023/10/23週
みなさん、こんにちは。AWS ソリューションアーキテクトの小林です。
10月もまもなく終わりですね。11月にさしかかると、常に意識に上がってくるのはAWSの世界最大の学習型カンファレンス、AWS re:invent 2023ですね。たくさんのサービスアップデートや先進的な事例が発表されますイベントですので、是非チェックしてください。キーノートと一部のコンテンツはオンラインで無料で視聴いただくこともできます。
そして毎年恒例のAWS BlackBelt Online Seminarのre:Inventまとめ回ですが、今年も配信いたします。日本時間で12/1のお昼休み、12:00-13:00に可能な限り全てのサービスアップデートをざっくりとご紹介します。無料でご参加いただけますが、こちらもお申し込みが必要になります。(10/30 17時頃追記:申込みページできました!)
それでは、10 月 23 日週のアップデートを振り返ってみましょう。
2023 年 10 月 23 日週の主要なアップデート
- 10/23(月)
- Amazon ECSで予期できない負荷が発生した際の挙動を改善
Amazon ECSのタスクスケジューリング機能が強化され、予測できない負荷が発生した場合にもより回復力を高めるように動作するようになりました。ECSで稼働するタスク(コンテナ)はヘルスチェックが行われ、応答がない場合はそれが終了され代わりのタスクが起動されます。今回のアップデートで、新たにタスクを起動しサービスに組み込んだ後に、応答がないタスクを終了するような動作をするようになります。突発的な負荷が発生すると過負荷によってタスクがヘルスチェックに応答できず終了され、一時的に全体のキャパシティが低下してしまう、といったケースの回避につながることが期待できます。 - Amazon RDS for SQL ServerがSQL Server 2019の新しいマイナーバージョンをサポート
Amazon RDS for SQL ServerでSQL Server 2019 CU22 – 15.0.4322.2をサポートしました。Express, Web, Standard, Enterpriseの各エディションでご利用いただけます。
- Amazon ECSで予期できない負荷が発生した際の挙動を改善
- 10/24(火)
- Amazon OpenSearch Serverlessで時刻ベースのデータ削除に対応
Amazon OpenSearch Serverlessで時刻に基づいた自動データ削除が可能になりました。この機能はインデックスライフサイクルポリシーを設定することで有効化できます。不必要になったデータを削除するといった、ハウスキーピング処理を容易に実現できます。 - Amazon Aurora PostgreSQLでpgvector v0.5.0を利用可能に
PostgreSQL互換のAmazon Auroraでpgvector v0.5.0を利用できるようになりました。機械学習モデルで利用されるエンベディング(埋め込み)データを格納し、効率的に類似するデータを検索することが可能です。HNSWによる近傍探索のためのインデクシングもサポートされており、特に生成系AIの分野で利用されるデータストアとしての利用が容易になります。pgvector v0.5.0はPostgreSQL 15.4, 14.9, 13.12, 12.16互換のAurora PostgreSQLでご利用いただけます。 - Amazon Aurora PostgreSQLで新しマイナーバージョンをサポート
PostgreSQL互換のAmazon AuroraでPostgreSQL 15.4, 14.9, 13.12, 12.16, 11.21がサポートされました。このアップデートにはBabelfish for Aurora PostgreSQL 3.3のようなアップデートも含まれています。 - Amazon EKSでクラスタのサブネットとセキュリティグループの設定変更が可能に
Amazon Elastic Kubernetes Service(EKS)で、クラスタに紐付けられたサブネットとセキュリティグループを変更できるようになりました。VPCの設定を変更する必要が発生した場合も、クラスタを作り直すことなしに変更内容に柔軟に追従させることができます。 - Amazon EKSがカスタマーマネージドIAMポリシーをサポート
Amazon EKSでユーザが作成した独自のIAMポリシー(カスタマーマネージドIAMポリシー)を利用できるようになりました。Kubernetesクラスタが引き受けることができるIAMの権限をきめ細かく制御することが可能になり、コンプライアンスやガバナンス要件を満たすことが容易になります。 - Amazon SQSのFIFOキューの高スループットモードにおける上限を引き上げ
Amazon SQLにおいて、順序と同じデータが重複して取り出されない事を保証するFIFOキューのスループット上限が引き上げられました。リージョンによって異なりますが、東京リージョンでは高スループットモードで最大9,000トランザクション毎秒まで対応可能です。リージョン毎の上限値についてはドキュメントを確認してください。
- Amazon OpenSearch Serverlessで時刻ベースのデータ削除に対応
- 10/25(水)
- Amazon RDS for PostgreSQL, MySQL, MariaDBでM7g/R7gインスタンスを利用できるリージョンを拡大
東京リージョンを始め5つのリージョンにおいて、RDS for PostgreSQL, MySQL, MariaDBをGraviton 3プロセッサベースのM7g/R7gインスタンスでご利用いただけるようになりました。 - Amazon Aurora MySQL 3.04がLong term support(LTS)対象に
MySQL 8.0.28と互換のAurora MySQL 3.04がLTS(Long term support)対象になりました。LTSリリースが動作するクラスタでは、最低3年間は同じマイナーバージョンにとどまり続けることが可能です。この期間はセキュリティ問題の修正などが提供されますが、新機能は含まれません。 - Amazon Aurora MySQLのバージョン3.05が利用可能に
Amazon Aurora MySQLのバージョン3.05が一般利用開始になりました。このバージョンはMySQL 8.0.32と互換性を持っています。 - Amazon Aurora MySQLでデータベースの再起動時間を最大65%短縮
Amazon Aurora MySQLでバッファプールの初期化と検証の一部をデータベースがオンラインになった後に実行するよう最適化することで、予期しない再起動や計画的な再起動の双方について起動時間が最大65%短縮されました。この最適化はAurora MySQL 3.05以降でデフォルト有効になっています。 - Amazon EC2 M2 Macインスタンスが一般利用開始に
Amazon EC2で、M2プロセッサを搭載したMacインスタンスが利用可能になりました。iOS, macOS, iPadOSをはじめとするApple社のプラットフォーム向けの開発やテストにご利用いただけます。
- Amazon RDS for PostgreSQL, MySQL, MariaDBでM7g/R7gインスタンスを利用できるリージョンを拡大
- 10/26(木)
- Amazon OpenSearch ServiceがIPv6をサポート
Amazon OpenSearch ServiceでIPv4に加えてIPv6による通信を利用できるようになりました。 - Amazon EC2のI4iインスタンスで新たに2つのサイズが利用可能に
高いパフォーマンスを発揮するローカルストレージが利用できるI4iインスタンスで、新たにI4i.12xlargeとI4i.24xlargeというサイズをご利用いただけるようになりました。東京・大阪のリージョンでもご利用いただけます。 - Amazon AppStream 2.0のMicrosoft Windows環境がマルチセッション接続に対応
Amazon AppStream 2.0でWindows環境のマルチセッション接続をサポートしました。複数のユーザセッションを単一のインスタンスで処理できるようになり、コスト効率が向上します。 - Amazon EC2インスタンスに対して異なるVPCのENIをアタッチ可能に
Amazon EC2で、EC2インスタンスにアタッチされたプライマリのENIが所属するVPCと異なるVPCに所属するENIを、同じインスタンスにアタッチできるようになりました。コントロールプレーンとデータプレーンの分離や、異なるVPCに集約されたアプライアンスへのアクセスが必要な場合に便利な機能です。
- Amazon OpenSearch ServiceがIPv6をサポート
- 10/27(金)
- AWS NeuronがLlama-2 70bモデルとPyTorch 2.0をサポート
AWS Neuronは機械学習用のアクセラレータであるInferentiaとTraniumを搭載したEC2インスタンス向けのSDKです。今回バージョン2.15がリリースされ、Llama-2 70bモデルのトレーニングへの対応と、PyTorch 2.0のサポートが行われました。 - Amazon OpenSearch Serviceがk-NN FAISSエンジンによる効率的なクエリフィルタリングに対応
Amazon OpenSearch ServiceのOpenSearch 2.9を利用することで、k-NN FAISSエンジンを利用した効率的なクエリフィルタリングを活用可能になります。これを利用すると従来よりも低遅延で正確な結果を期待できるため、ベクトル検索を必要とするアプリケーションで便利にご利用いただけます。 - Amazon Security Lakeが大阪リージョンで利用可能に
セキュリティデータの分析を容易にするAmazon Security Lakeが大阪リージョンをはじめ、4つのリージョンでご利用いただけるようになりました。
- AWS NeuronがLlama-2 70bモデルとPyTorch 2.0をサポート
ソリューションアーキテクト 小林 正人 (twitter – @maccho_j)