Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/2/17週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの根本です。
今週も週刊AWSをお届けします。
関東は寒い風の強い日が続きますが体調いかがでしょうか?花粉の飛散量予報はまだ多くなさそうに見えるのですが、私は先週から花粉症に似た症状が出ており・・・暖かくなるのに戦々恐々しております。
さて、日本時間の今朝、AnthropicのClaude 3.7 Sonnetがリリースされましたね。週刊AWSでも次週取り扱うと思いますがAmazon Bedrockでもサポートされているので、ぜひ試してみてください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年2月17日週の主要なアップデート
- 2/17(月)
- Amazon Aurora PostgreSQL zero-ETL integration with Amazon Redshift now available in 18 additional regions
Amazon Aurora PostgreSQL互換とAmazon RedshiftへのZero-ETL機能が大阪を含む18のリージョンで新たにサポートされました。Zero-ETL機能は名前の通り複雑なETLパイプラインを構築することなく、RedshiftでAuroraのデータをほぼリアルタイムに利用できる機能で、ニアリアルタイム分析や機械学習(ML)などでご活用いただけます。Zero-ETLについてはこちらもご確認ください。今回のリージョン追加でAmazon Redshiftがサポートされているすべての商用リージョンでこの機能が利用可能になりました。
- AWS Price List API supports AWS PrivateLink
AWS Price List APIがAWS PrivateLinkをサポートしました。AWS Price List APIはAWS サービスの製品と価格のカタログを提供するものです。PrivateLinkはオンプレミスやVPCからのアクセスを容易にする機能で、VPCエンドポイントとプライベートIPアドレス経由でプライベートネットワーク内からAPIを呼び出すことができます。この機能はAWS Price List APIが利用できるバージニア北部、ムンバイ、フランクフルト、中国 (寧夏)でご利用いただけます。
- Dynamically update your running EMR cluster with reconfiguration for instance fleets
Amazon EMR on EC2でインスタンスフリートのアプリケーション設定をリアルタイムに更新できるようになりました。これまで設定変更にはクラスターの終了や再起動が必要でした。今回の機能によりSparkのメモリ設定、YARNのリソース割り当て、HDFS設定などをデータ処理とパフォーマンス要件に合わせて動的に変更可能です。この機能はEMR 5.21以降でAWS GovCloud (米国) リージョンを含むすべての AWS リージョンで利用可能です。詳細はドキュメントもご確認ください。
- Amazon Aurora PostgreSQL zero-ETL integration with Amazon Redshift now available in 18 additional regions
- 2/18(火)
- Amplify Hosting announces support for IAM roles for server-side rendered (SSR) applications
AWS Amplify Hostingでサーバサイドレンダリング(SSR)アプリケーションから、AWS リソースにIAM ロールを使ってアクセスできるようになりました。RDSやDynamoDBへの接続、アプリケーション認証情報の管理など様々な場面で権限管理が容易になります。この機能は東京、大阪リージョンを含め、AWS Amplify Hostingが使える20リージョンすべてで利用可能です。詳細はドキュメントのほか、ブログもご確認ください。
- Amazon Timestream for InfluxDB Adds Read Replica support
Amazon Timestream for InfluxDBがリードレプリカをサポートしました。これによりリアルタイム分析や監視ソリューションなど読み取りが多いワークロードにおいてパフォーマンスと可用性を向上させることができます。この機能は東京を含む14のリージョンでご利用いただけます。詳細はドキュメントをご確認ください。
- AWS WAF enhances Data Protection and logging experience
AWS WAFのデータ保護機能が拡張され、ログをAmazon Security LakeやCloudWatchなどに転送する前に選択したリクエストログフィールドを暗号化ハッシュもしくは事前定義された静的文字列に置き換えることができるようになりました。これによりデータ管理を簡素化し、ログデータから情報が参照できてしまう偶発的なデータ漏洩リスクを減らすことができます。また、このアップデートに合わせてログ設定の管理コンソール画面が簡素化されています。この機能はAWS WAFがサポートされるすべてのAWSリージョンとエンドポイントで利用可能です。詳細についてはドキュメントをご確認ください。
- Amplify Hosting announces support for IAM roles for server-side rendered (SSR) applications
- 2/19(水)
- AWS Network Firewall introduces automated domain lists and insights
AWS Network Firewallで自動ドメインリストとインサイトの機能がサポートされました。この機能は過去30日間のHTTPおよびHTTPSトラフィックログを分析し、可視化するものです。ドメインリスト作成を自動化することで、アクセスがあるドメインの特定やニーズの変化を取得する労力を削減して、観測されたトラフィックパターンに基づいたルール作成・運用が可能です。この機能はAWS Network Firewallが利用可能なすべてのAWSリージョンでサポートされ、追加料金はかかりません。詳細はドキュメントをご確認ください。
- Amazon ECS increases the CPU limit for ECS tasks to 192 vCPUs
Amazon ECSのタスクをAmazon EC2にデプロイする際にサポートされるCPU制限が、これまでの10vCPUから最大192vCPUと大幅に増加しました。CPU制限は1つのタスクが過剰にリソースを消費するのを防いでくれます。今回サポートコア数が増えたことで大規模なEC2インスタンスで複数のタスクを起動する際にもリソース競合を防ぎ、より効率的なタスク配置が可能になります。この機能はAmazon ECSを利用可能なすべてのリージョンでご利用いただけます。詳細はドキュメントをご確認ください。
- AWS Network Firewall introduces automated domain lists and insights
- 2/20(木)
- Amazon Bedrock now available in Asia Pacific (Hyderabad) and Asia Pacific (Osaka) regions
Amazon Bedrockが大阪およびハイデラバードの2つリージョンで新たに利用可能になりました。現時点ではクロスリージョン推論(Cross-region inference)機能でClaude 3.5 Sonnetが利用可能です。これにより大阪をメインに使うお客様がAmazon Bedrockを使うために東京リージョンで準備する必要性は減りましたが、現時点では両リージョンで使えるモデルや機能に差がある点はご注意ください。
- AWS announces Backup Payment Methods for invoices
AWS の支払い方法に関して、請求書での支払いに失敗した際のバックアップ方法を設定できるようになりました。これまでも手動で支払い方法の変更はできましたが、事前に設定可能になったことで支払い漏れや遅延のリスクがさらに軽減されます。設定方法等の詳細はドキュメントをご確認ください。
- AWS CodePipeline adds native Amazon EKS deployment support
AWS CodePipelineにAmazon EKSにデプロイする新しいアクションが追加されました。今回のアップデートによりプライベートなVPCにあるEKS クラスターに対してもアクションからクラスター名を指定することで自動的に接続を確立し、簡単にデプロイが可能になります。詳細についてはドキュメントをご確認ください。この機能はAWS GovCloud (米国) リージョンと中国リージョン以外のAWS CodePipelineがサポートされるすべてのリージョンで利用可能です。
- Amazon Elastic Beanstalk now supports Windows Server 2025 and Windows Server Core 2025 environments
AWS Elastic BeanstalkがWindows Server 2025とWindows Server Core 2025をサポートしました。これらの環境には.NET Framework 4.8.1に加え.NETの最新の長期サポート(LTS)である.NET 8.0も予めセットアップされています。このサポートはAWS GovCloud (米国) リージョンを含む Elastic Beanstalkがサポートされるすべての商用リージョンでご利用いただけます。
- Amazon Bedrock now available in Asia Pacific (Hyderabad) and Asia Pacific (Osaka) regions
- 2/21(金)
- Certificate-Based Authentication is now available on Amazon AppStream 2.0 multi-session fleets
Amazon AppStream 2.0が、Active Directoryに参加するWindows OSのマルチセッションフリートで証明書ベースの認証(CBA)をサポートしました。AppStream 2.0のマルチセッションフリートはインスタンスを最大50人の複数ユーザーでシェアして使う方法です。今回サポートされたCBAを使うとSAML 2.0 IdP等と連携して個別にパスワードを入力せずともAppStream 2.0 リソースにアクセスできるので、ユーザー体験を向上しつつ、コスト効率よくAppStream 2.0を利用できます。この機能は追加料金なしで、AppStream 2.0がサポートされるすべてのリージョンで利用可能ですが、2025年2月7日以降にリリースされたエージェントを利用するイメージ、もしくは2025年2月11日以降にリリースされたManaged AppStream 2.0 イメージアップデートを使用する必要があるのでご注意ください。
- AWS CodePipeline adds native Amazon EC2 deployment support
AWS CodePipelineに新しいアクションが追加され、ロードバランサーの後ろにあるEC2へのデプロイをネイティブにサポートしました。これまではEC2にパイプラインからデプロイする場合CodeDeploy経由で行う必要がありましたが、今回のアップデートでCodeDeployを使わずともデプロイできる様になりプロセスが簡素化されます。詳細についてはチュートリアルとドキュメントをご確認ください。この機能はAWS GovCloud (米国) リージョンと中国リージョン以外のAWS CodePipelineがサポートされるすべてのリージョンで利用可能です。
- Amazon MSK adds support for Apache Kafka version 3.8
Amazon MSKがApache Kafka version 3.8をサポートしました。Amazon MSKが利用可能なすべてのAWS リージョンで利用可能です。v3.8にはバグ修正のほか圧縮レベル設定のサポートなどが含まれていますが、詳細はApache Kafkaのリリースノートをご確認ください。
- Certificate-Based Authentication is now available on Amazon AppStream 2.0 multi-session fleets
それでは、また来週!
ソリューションアーキテクト 根本 裕規