Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/9/8週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。
AWS Summit Japan 2025 の動画アーカイブが YouTube に公開されています。もともと、AWS 登壇セッションが公開されていましたが、少し前にお客様の登壇セッションが追加されています。実際に活用いただいているお客様の発表内容は、貴重な経験を基にしたお話となっており、大変参考にいただける話が多いです。ぜひご覧ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年9月8日週の主要なアップデート
- 9/8(月)
- Amazon CloudFront が IPv6 オリジンのサポートを発表
Amazon CloudFront で、オリジンサーバーへの IPv6 接続のサポートを開始しました。これまで、クライアントからの接続は IPv6 を受け付けていましたが、オリジンサーバーへは IPv4 でのみ接続が可能でした。今回のアップデートにより、オリジンサーバーへの接続も IPv6 通信が可能になり、IPv6 ネットワーク環境でのパフォーマンス向上や IPv4 アドレス枯渇問題の解決に貢献します。設定は IPv4 のみ、IPv6 のみ、デュアルスタックから選択でき、すべての商用リージョンで利用可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon CloudFront が IPv6 オリジンのサポートを発表
- 9/9(火)
- Amazon EC2 R8g インスタンスが追加リージョンで利用可能に
Amazon EC2 R8g インスタンスが大阪リージョンとカナダ中部リージョンで利用開始となりました。最新の AWS Graviton4 プロセッサを搭載し、従来の Graviton3 ベースと比べて最大 30% の性能向上を実現しています。データベースやインメモリキャッシュなどメモリを大量に使うアプリケーションに最適で、従来の R7g と比べて最大 3 倍の vCPU とメモリを提供します。詳細はこちらをご参照ください。 - Amazon ElastiCache が追加の AWS リージョンで M7g および R7g Graviton3 ベースノードをサポート
Amazon ElastiCache で Graviton3 ベースの M7g と R7g ノードが、大阪、香港、パリなど 13 の新しいリージョンで利用可能になりました。従来の Graviton2 と比較して、スループットが最大 28 % 向上し、レイテンシが最大 21 % 改善されます。特に Redis を使用するアプリケーションで高いパフォーマンスが期待でき、ネットワーク帯域幅も最大 25 % 向上します。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon EC2 R8g インスタンスが追加リージョンで利用可能に
- 9/10(水)
- AWS がセキュリティ分析強化のための CloudTrail MCP Server を開始
AWS Labs MCP オープンソースリポジトリ に CloudTrail MCP Server をリリースしました。この新機能により、AI エージェントが自然言語でセキュリティ分析を実行できるようになります。従来は複雑な API 統合が必要でしたが、今回のアップデートで会話形式での操作が可能となり、90日間の管理イベント履歴検索や CloudTrail Lake での最大 10年間のデータ分析が簡単に行えます。詳細はこちらの GitHub リポジトリをご参照ください。 - Amazon Bedrock AgentCore Gateway が AWS PrivateLink 呼び出しと呼び出しログ記録をサポート
Amazon Bedrock AgentCore Gateway で 「AWS PrivateLink 対応」と、「Amazon CloudWatch、Amazon S3、Amazon Data Firehose を通じた呼び出しログ記録」をサポートしました。これにより VPC 内から直接アクセスでき、パブリックインターネットを経由せずセキュアに AI エージェントツールを利用できます。また CloudWatch や S3 を通じてログ記録が可能になり、エージェントの動作監視や監査が容易になりました。現在 AgentCore は Preview となっており、バージニア北部、オレゴン、シドニー、フランクフルトリージョンで利用可能です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - AWS CDK Refactor (プレビュー) の紹介
AWS CDK で新機能「cdk refactor」コマンド (プレビュー版) が利用可能になりました。インフラのリファクタリングを安全に実行できる機能で、コンストラクトの名前変更やスタック間でのリソース移動、CDK アプリケーションの再編成が可能です。従来は論理 ID の変更によりリソース置換のリスクがありましたが、この機能によりデプロイ済みリソースの状態を保持しながらコード構造を改善できます。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。
- AWS がセキュリティ分析強化のための CloudTrail MCP Server を開始
- 9/11(木)
- Amazon Athena がドライバーでのシングルサインオンサポートを開始
Amazon Athena で、 AWS IAM Identity Center の信頼できるアイデンティティ伝播を通じて、JDBC および ODBC ドライバーのシングルサインオン (SSO) 対応が開始されました。これまでは各ツールで個別に認証情報を管理する必要がありましたが、企業の認証情報を使って BI ツールや SQL クライアントから直接 Athena にアクセスできるようになります。Lake Formation で設定したアクセス権限も自動適用されるため、データガバナンスを保ちながら分析作業を効率化できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon Athena がドライバーでのシングルサインオンサポートを開始
- 9/12(金)
- Amazon SageMaker Unified Studio が VS Code からのリモート接続をサポート
Amazon SageMaker Unified Studio で VS Code からのリモート接続機能が提供開始されました。これまでローカルの VS Code 環境とクラウドの ML 開発環境は別々でしたが、今回の機能により慣れ親しんだ VS Code の設定やワークフローをそのまま維持しながら SageMaker のスケーラブルなコンピュートリソースにアクセスできるようになりました。AWS Toolkit 拡張機能を使った簡単な認証でデータ処理や ML ワークフローを実行でき、開発効率が向上します。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon RDS Proxy がエンドツーエンド IAM 認証のサポートを発表
Amazon RDS Proxy で、エンドツーエンド IAM 認証がサポートされました。これまでデータベース接続時に Secrets Manager での認証情報管理が必要でしたが、今回のアップデートにより IAM 認証のみでの接続が可能になりました。認証情報のローテーション作業が不要となり、運用負荷が軽減されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - S3 向けマルウェア保護がファイルサイズとアーカイブスキャン制限を拡張
GuardDuty Malware Protection for S3 のスキャン機能を強化しました。従来は 5GB までのファイルしかスキャンできませんでしたが、今回のアップデートで 100GB まで対応可能になりました。また、アーカイブファイル内の処理可能ファイル数も 1,000 個から 10,000 個に拡張されています。これにより、大容量の動画ファイルや大量のファイルが含まれた ZIP アーカイブなども安全にスキャンできるため、より包括的なセキュリティ保護が実現できます。この機能強化は全サポートリージョンで自動的に有効化されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon EC2 M4 および M4 Pro Mac インスタンスの一般提供開始を発表
Amazon EC2 で M4 と M4 Pro Mac インスタンスの一般提供が開始されました。M4 は従来の M2 と比べて最大 20% 、M4 Pro は M2 Pro と比べて最大 15% のアプリケーションビルド性能向上を実現します。iOS や macOS など Apple プラットフォーム向けアプリの開発・テストに最適で、複数の Xcode シミュレータを並列実行することで開発サイクルを大幅に短縮できます。バージニア北部とオレゴンリージョンで利用可能です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon ECS Service Connect がクロスアカウントワークロードのサポートを追加
Amazon ECS Service Connect がクロスアカウントワークロードに対応しました。AWS Resource Access Manager (RAM) との統合により、異なる AWS アカウント間でのサービス通信がシームレスに実現できます。従来は同一アカウント内でのみ利用可能でしたが、今回のアップデートで複数アカウントにまたがる大規模な組織でも効率的なサービス間通信が可能になりました。プラットフォームエンジニアは共通の名前空間を使用して複数アカウントのサービスを管理でき、運用負荷の軽減とリソースの重複回避が期待できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon SageMaker Unified Studio が VS Code からのリモート接続をサポート
AWS Japan の技術職の方を中心とした、Zenn Publication を新たに作りました。AWS Japan の従業員が持つ知識や経験を元にした記事を出していくスペースとなっており、よろしければこちらも活用いただけると幸いです。
それでは、また来週お会いしましょう!