Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2025/9/22週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの西村です。
今週も 週刊AWS をお届けします。

2025 年 10 月 6 日(月) に 「Trainium x モデル開発最前線! – カラクリ、Upstage、AWS 3社合同セミナー」というイベントが開催されます。普段 AI を利用されている方は多くいると思いますが、LLM 開発をするといった機会はそう多くないと思います。本セミナーでは、AWS が最新世代の AI 学習チップ「Trainium2」の技術アップデートと性能優位性から始まり、Upstage 社の先進的な AI Solution と Karakuri 社と開発した最新版の LLM 詳細、そして Trainium でコスト効率良く学習させた技術ノウハウがお聞きいただけます。これからのAI時代に先駆け、AI 導入を具体的に検討している企業の方にとって技術選定の判断材料などの知識を得られる機会となります。ぜひご登録ください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2025年9月22日週の主要なアップデート

  • 9/22(月)
  • 9/23(火)
    • Amazon EC2 R8gb インスタンスが一般提供
      Amazon EC2 R8gb インスタンスが一般提供されました。AWS Graviton4 プロセッサを搭載し、従来の Graviton3 と比較して最大 30% のコンピューティング性能向上を実現します。最大 150 Gbps の EBS 帯域幅により、高性能データベースや NoSQL データベースのワークロードで優れたパフォーマンスを発揮できます。最大 768 GiB のメモリと 200 Gbps のネットワーク帯域幅を提供し、大規模なアプリケーションにも対応可能です。バージニア北部リージョンとオレゴンリージョンで利用できます。
    • Amazon RDS がリージョン間およびアカウント間スナップショットコピーを発表
      Amazon RDS で、スナップショットの別リージョン・別アカウントへのコピーが 1 回の操作で実行できるようになりました。従来は 2 段階の操作が必要でしたが、今回のアップデートで中間スナップショットが不要となり、コスト削減と復旧時間の短縮を実現できます。ランサムウェア攻撃やリージョン障害時のデータ保護に特に有効で、カスタムスクリプトによる監視も不要になります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
    • AWS License Manager が AWS Managed Active Directory における複数アカウントの共有機能サポート開始
      AWS License Manager で複数のAWSアカウント間でのAWS Managed Active Directoryの共有をサポートしました。これまで各 AWS アカウントごとに Active Directory を設定する必要がありましたが、複数アカウント間で一つの Directory を共有できるようになります。Microsoft Office や Visual Studio のライセンス管理を一元化でき、IT 運用の負荷軽減とコスト削減が期待できます。詳細はこちらのユーザーガイドをご参照ください。
  • 9/24(水)
    • Amazon EC2 Auto Scaling でインスタンスリフレッシュの強制キャンセルをサポート
      Amazon EC2 Auto Scaling で、インスタンスリフレッシュの強制キャンセル機能が追加されました。従来はインスタンスの起動や終了処理の完了を待つ必要がありましたが、今回のアップデートにより即座にキャンセルできるようになりました。アプリケーションデプロイでサービス障害が発生した際など、緊急時に素早く別のデプロイを開始できるため、システムの復旧時間を大幅に短縮できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
    • AWS が EC2 I8g および I7i インスタンスで無制限のネットワークバースト期間を発表
      AWS が EC2 I7i と I8g インスタンス (4xlarge より大きいサイズ) でネットワーク帯域幅のバースト時間制限を撤廃しました。従来はクレジット方式で一定時間のみ最大性能を発揮できましたが、今回のアップデートで常時安定した高速ネットワーク通信が可能になります。データベースやリアルタイム分析など、継続的な高スループットが必要なワークロードで予測可能なパフォーマンスを実現できます。
  • 9/25(木)
  • 9/26(金)
    • Amazon EBS が汎用 (gp3) ボリュームの最大サイズとプロビジョンドパフォーマンスを増加
      Amazon EBS の汎用 SSD (gp3) ボリュームが大幅にパワーアップしました。容量は従来の 16 TiB から 64 TiB へ 4 倍に、IOPS は 16,000 から 80,000 へ 5 倍に、スループットは 1,000 MiB/s から 2,000 MiB/s へ 2 倍に拡張されています。これまで複数のボリュームを組み合わせて使っていた大容量アプリケーションも、単一の gp3 ボリュームで対応可能になり、運用がシンプルになります。コンテナ環境や単一ボリューム構成のアプリケーションに特に効果的です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
    • Amazon RDS for Db2 でリザーブドインスタンスの提供を開始
      Amazon RDS for Db2 で Reserved Instances の提供が開始されました。On-Demand と比較して最大 47% のコスト削減が可能です。サイズフレキシビリティ機能により、同じインスタンスファミリー内であれば購入した Reserved Instance の割引が自動的に異なるサイズのインスタンスにも適用されます。例えば db.r7i.2xlarge の Reserved Instance を購入すると、2 つの db.r7i.xlarge インスタンスに割引が適用されるため、柔軟な運用とコスト最適化を両立できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
    • AWS Clean Rooms が AWS Entity Resolution による増分 ID マッピングをサポート
      AWS Clean Rooms で AWS Entity Resolution を使った増分 ID マッピング処理がサポートされました。これまでは全データを処理する必要がありましたが、新規・変更・削除されたレコードのみを処理できるようになり、リアルタイムでのデータ同期が可能になります。測定事業者が広告主や出版社との共同分析において、オフライン購入データを常に最新状態で維持でき、キャンペーン効果の継続測定とコスト削減を同時に実現できます。

徐々に涼しくなったとはいえ、いきなり暑くなったりとまだまだ残暑は続きそうです。体調管理に気をつけてお過ごしください。

それでは、また来週!

著者について

Tadami Nishimura

西村 忠己(Tadami Nishimura) / @tdmnishi

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、小売・消費財業種のお客様を担当しています。データガバナンスの観点から、お客様がデータ活用を効果的に行えるようなデモンストレーションなども多く行っています。好きなサービスは Amazon Aurora と Amazon DataZone です。趣味は筋トレで、自宅に徒歩0分のトレーニングルームを構築して、日々励んでいます。