Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2025/10/13週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。
AWS Bedrock AgentCore の一般提供開始を受け、私たちリテールチームは、店舗への導入ですぐに価値を発揮できるソリューションとして、マルチ AI エージェントによる販売支援を提案しています。実際に実機のデジタルサイネージを用いたデモをイベントなどで展示し、その内容をブログにまとめました。ぜひこちらもご覧ください。
マルチ AI エージェントが創る新しい店舗体験 〜Amazon Bedrock AgentCoreによる販売支援〜
こちらのデモは、10/28(火)-30(木)で開催される Gartner IT Symposium での展示予定となっております。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2025年10月13日週の主要なアップデート
- 10/13(月)
- Amazon CloudWatch で生成 AI オブザーバビリティが一般提供開始
Amazon CloudWatch で生成 AI オブザーバビリティ機能が一般提供開始となりました。AI アプリケーション全体の監視が可能になり、レイテンシーやトークン使用量、エラーをリアルタイムで把握できます。LangChain や LangGraph などのフレームワークにも対応し、問題の迅速な特定が可能です。追加料金なしで利用できます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Bedrock AgentCore が一般提供開始
Amazon Bedrock AgentCore が一般提供開始されました。このサービスは AI エージェントを簡単に構築・運用できるプラットフォームです。従来は複雑だったエージェント開発が、インフラ管理不要で実現できるようになりました。最大 8 時間の長時間実行や VPC サポートによる安全なプライベート環境での運用が可能です。CrewAI や LangGraph などの人気フレームワークに対応し、CloudWatch で運用状況を監視できます。東京リージョンを含む 9 リージョンで利用でき、従量課金制で初期費用は不要です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon SageMaker AI Projects がカスタムテンプレートの S3 プロビジョニングをサポート
Amazon SageMaker AI Projects で、Amazon S3 からカスタム ML プロジェクトテンプレートをプロビジョニングできるようになりました。これまで管理者は標準的な ML プロジェクトテンプレートの管理が困難でしたが、今回のアップデートにより S3 上でテンプレートを管理し、データサイエンティストが SageMaker AI Studio から直接アクセスできます。組織の要件に合った標準化された ML 開発ワークフローを簡単に構築でき、全社的な ML プロジェクトの品質向上とガバナンス強化が実現します。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon CloudWatch で生成 AI オブザーバビリティが一般提供開始
- 10/14(火)
- Amazon MSK Connect が 10 の追加 AWS リージョンで利用可能に
Amazon MSK Connect が 10 の新しいリージョン (ジャカルタ、香港、大阪、メルボルンなど) で利用可能になりました。MSK Connect は Apache Kafka のデータ連携を完全マネージドで実現するサービスです。データベースやファイルシステムなどの外部システムと Kafka 間でデータを移動するコネクターを、インフラ管理不要で簡単にデプロイできます。従来は自分でサーバーを管理する必要がありましたが、これで使った分だけの課金で自動スケールが可能になります。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Route 53 Profiles が AWS PrivateLink をサポート開始
Amazon Route 53 Profiles が AWS PrivateLink をサポート開始しました。従来はパブリックインターネット経由でのアクセスが必要でしたが、今回のアップデートでプライベートネットワーク経由での安全なアクセスが可能になりました。Route 53 Profiles は複数の VPC に統一された DNS 設定を適用できるサービスで、今回セキュリティが大幅に向上しました。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon AppStream 2.0 がライセンス込み Microsoft アプリケーションの提供を発表
Amazon AppStream 2.0 で Microsoft Office や Visio、Project 2021/2024 がライセンス込みで利用できるようになりました。これまでは別途ライセンスの準備が必要でしたが、今回のアップデートにより AWS が提供するライセンス込みバージョンを直接利用可能です。リモートワークや在宅勤務で Microsoft アプリケーションを安全にクラウド経由で提供したい企業にとって、ライセンス管理の手間が大幅に削減されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- Amazon MSK Connect が 10 の追加 AWS リージョンで利用可能に
- 10/15(水)
- Amazon Aurora PostgreSQL と Amazon SageMaker のゼロ ETL 統合が利用可能に
Amazon Aurora PostgreSQL が SageMaker Lakehouseとの zero-ETL 統合をサポート開始しました。これまで複雑な ETL プロセスが必要だったデータ分析が、リアルタイムに近い形で可能になります。PostgreSQL のデータを自動的にデータレイクハウスに同期し、Apache Iceberg 互換形式で SQL や Spark、機械学習ツールから直接利用できます。ノーコードで設定でき、本番環境への影響もありません。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon Bedrock がサーバーレス基盤モデルの自動有効化によりアクセスを簡素化
Amazon Bedrock で、サーバーレス基盤モデルへのアクセスが自動で有効化されるようになりました。従来は手動でモデルアクセスを有効化する必要がありましたが、今回のアップデートで全商用リージョンにおいて即座に AI モデルを利用開始できます。Amazon Bedrock コンソールや AWS SDK から直ちにアクセス可能で、開発効率が大幅に向上します。ただし Anthropic モデルのみ初回利用時に一度だけ使用フォームの提出が必要です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Anthropic の Claude 4.5 Haiku が Amazon Bedrock で利用可能に
Amazon Bedrock で Claude Haiku 4.5 が利用可能になりました。Claude Sonnet 4 並みの高性能でありながら、大幅にコストを抑えて高速処理を実現しています。リアルタイムのカスタマーサポートやチャットボットなど、レスポンス速度が重要なアプリケーションに最適です。従来は性能とコストのどちらかを諦める必要がありましたが、両方を兼ね備えた AI モデルが使えるようになりました。
- Amazon Aurora PostgreSQL と Amazon SageMaker のゼロ ETL 統合が利用可能に
- 10/16(木)
- AWS Security Hub CSPM が CIS AWS Foundations Benchmark v5.0 をサポート開始
AWS Security Hub CSPM で CIS AWS Foundations Benchmark v5.0 がサポート開始されました。この業界標準のベンチマークには 40 のコントロールが含まれ、AWS リソースのセキュリティ設定を自動チェックできます。従来版から最新のセキュリティ要件に対応し、組織全体のアカウントで一括有効化も可能です。セキュリティ設定の見落としを防ぎ、コンプライアンス対応が効率化されます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon EC2 がライセンス込みインスタンスの CPU オプション最適化をサポート
Amazon EC2 でライセンス込み Windows インスタンスの CPU オプション最適化が可能になりました。これまで固定だった vCPU 数やハイパースレッディングを調整できるようになり、Microsoft SQL Server などの vCPU ベースライセンス費用を大幅削減できます。例えば r7i.8xlarge インスタンスでハイパースレッディングを無効にすることで、32 vCPU を 16 vCPU に削減し、ライセンス費用を 50% 節約しながら、メモリ 256 GiB と IOPS 40,000 の性能は維持可能です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - Amazon Location Service が強化されたカスタマイゼーションのための新しいマップスタイリング機能を導入
Amazon Location Service で新しい地図スタイリング機能が利用可能になりました。地形の可視化、等高線表示、リアルタイム交通情報、交通手段別ルーティングなどが追加され、用途に応じたカスタマイズが可能です。物流アプリではトラック専用ルートの制限情報を表示したり、アウトドアアプリでは標高や地形の詳細を可視化できます。従来の基本的な地図表示から、より実用的で詳細な地図アプリケーションの開発が実現できるようになりました。詳細はこちらの Developer Guide をご参照ください。
- AWS Security Hub CSPM が CIS AWS Foundations Benchmark v5.0 をサポート開始
- 10/17(金)
- AWS Systems Manager Patch Manager が Windows 向けセキュリティ更新通知を開始
AWS Systems Manager Patch Manager で Windows 向けセキュリティ更新通知機能がリリースされました。この機能により、パッチベースラインで承認されていないセキュリティ更新を AvailableSecurityUpdate 状態として識別できます。これまで ApprovalDelay などを使用する際に、意図せずインスタンスがパッチ未適用のままになるリスクがありましたが、デフォルトで Non-Compliant として明確に表示されるため、セキュリティパッチの見落としを防げます。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。 - Amazon EC2 Capacity Manager の発表
Amazon EC2 Capacity Manager が一般提供開始されました。これまで複数のアカウントやリージョンにまたがる EC2 容量の管理は煩雑でしたが、単一のインターフェースで一元管理できるようになりました。On-Demand、Spot、Capacity Reservation の使用状況をダッシュボードで可視化し、履歴トレンドや最適化の機会も確認できます。全商用リージョンで追加コストなしで利用可能です。詳細はこちらの Blog 記事をご参照ください。 - CloudWatch Database Insights でタグベースアクセス制御をサポート開始
Amazon CloudWatch Database Insights で、タグベースアクセス制御がサポート開始されました。これまで RDS や Aurora インスタンスに設定したタグが Performance Insights のメトリクスに適用されず、データベースリソースごとに個別で権限設定する必要がありましたが、今回のアップデートでインスタンスのタグが自動評価されるようになりました。IAM ポリシーでタグベースアクセス条件を定義でき、複数のデータベースを論理的にグループ化した権限管理が可能です。詳細はこちらのドキュメントをご参照ください。
- AWS Systems Manager Patch Manager が Windows 向けセキュリティ更新通知を開始
もうすぐ 今年もラスベガスにて、AWS re:Invent が開催されます。私は、BuildersFair のコーナーにて、LLM を活用したロボットのデモ展示対応をしております。ぜひ遊びにきてください。
それでは、また来週お会いしましょう!