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週刊AWS – 2026/4/27週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。
2026 年の AWS Summit Japan がいよいよ近づいてきましたね!今年は Agent AI の進化が目覚ましく、今週のアップデートを見ても Amazon Bedrock AgentCore や Amazon Quick など、AI エージェント関連の発表が盛りだくさんです。Summit ではこれらの最新技術を体感できるデモ展示やセッションが多数予定されていると思うと、今からわくわくが止まりません。みなさんも会場でぜひ最新の Agent AI を体験してみてください!
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2026年4月27日週の主要なアップデート
- 4/27(月)
- Amazon EC2 M8in および M8ib インスタンスを発表
EC2 でカスタム第6世代 Intel Xeon Scalable プロセッサ (Granite Rapids) を搭載した M8in (ネットワーク最適化) および M8ib (EBS 最適化) インスタンスの一般提供を開始しました。M8in.96xlarge は 600 Gbps のネットワーク帯域幅を提供し、これは enhanced networking に対応した EC2 インスタンスの中で最も高い値です。M8ib.96xlarge は 最大 300 Gbps の EBS 帯域幅を提供し、非アクセラレーテッドコンピュートインスタンスの中で最高の EBS 性能を実現します。前世代 M6in/M6ib と比較して最大 43% の性能向上を実現しています。 - AWS Billing Conductor が Billing Transfer ユーザー向けに Passthrough Pricing Plan を提供開始
AWS Billing Conductor は AWS の料金請求をカスタマイズして、独自の料金体系を作りたい方向けのサービスです。Billing Transfer は、AWS Organizations の管理アカウントが外部アカウントに請求管理を委譲できる機能となるのですが、この機能で Passthrough Pricing Plan を提供開始しました。Passthrough Pricing Plan を選択すると、ビリンググループ内のすべてのアカウントが、AWS の請求額をそのまま反映したデータを確認できます。独自の割引を保護したり、請求データをカスタマイズする必要がない Direct Customers や Channel Partners は、無料でこのプランを利用できます。この機能は US East (N. Virginia) リージョンで利用可能です。 - Amazon Redshift Serverless の AI-driven scaling がすべての新しいワークグループでデフォルトに
Amazon Redshift Serverless は、すべての新しいワークグループで AI-driven scaling and optimization をデフォルトで有効にしました。この機能は機械学習を使用してコンピュートニーズを予測し、クエリがキューに入る前に自動的にリソースを調整します。また、Base RPU の範囲を従来の 32-512 RPU から 8-512 RPU に拡大し、AI-driven scaling の利用開始コストを削減しました。price-performance slider により、コスト、パフォーマンス、またはその両方のバランスを選択でき、手動チューニングなしで優れた価格対性能を実現します。
- Amazon EC2 M8in および M8ib インスタンスを発表
- 4/28(火)
- Amazon Quick がチャット内でのドキュメントとビジュアル作成をサポート
Amazon Quick は、チャット内で Word、Excel、PowerPoint、PDF などのドキュメントと、インフォグラフィックやチャートなどのビジュアルを自然言語で作成できる機能を追加しました。ユーザーはツールを切り替えることなく、会話の中でドキュメントを作成、編集、ダウンロードできます。ドキュメント作成機能は Amazon Quick が利用可能な全リージョンで提供され、ビジュアル作成機能は US East (N. Virginia) と US West (Oregon) でプレビューとして提供されます。また、Amazon Quick には Free プランが追加され、AWS アカウントやクレジットカードなしで quick.aws.com から無料で利用を開始できます。 - Amazon Quick で自然言語を使用したカスタムアプリケーション構築機能 (プレビュー)
Amazon Quick で、自然言語でカスタムウェブアプリケーションを数分で作成できる新機能 Apps in Amazon Quick をプレビュー版として提供を開始しました。従来は開発者リソースや技術スキルが必要だった社内ツールやウェブアプリケーションの構築を、コーディング不要で実現しやすくなります。個人的に良いなと思っているのは、Amazon Quick の仕組みの中でアプリケーションを操作できるようになるので、Amazon Quick にログイン出来る方にのみ限定した公開が出来るという点です。組織内で好きにアプリケーションの実装を許すと、セキュリティのガバナンスが利かせられにくくなり、思わぬ外部公開になってしまうことがあります。Apps in Amazon Quick でアプリケーションを作成すると、Amazon Quick にログインできる方のみアクセスを提供できる仕組みが実現できるのが、素敵なポイントですね。 - Amazon Quick が macOS と Windows 向けデスクトップアプリケーション (プレビュー版) として利用可能に
Amazon Quick のネイティブデスクトップアプリケーション (macOS/Windows 対応) がプレビュー版として提供開始されました。Web ブラウザ版の機能に加え、ローカルファイルへの直接アクセス、OS レベルの通知、バックグラウンドエージェント、ブラウザ自動化、知識グラフなど、デスクトップ統合機能を提供します。開発者向けには Model Context Protocol (MCP) によるローカルツール連携をサポートし、コーディングエージェントとの統合が可能です。現在は US East (N. Virginia) リージョンの Free/Plus プラン、Professional/Enterprise プランの全サブスクライバーが利用できます。なお、Amazon Quck on desktop を利用した際に、データが AI モデルのトレーニングに利用されない点が Document に記載されています。 - Amazon Bedrock で OpenAI モデル、Codex、Managed Agents を提供開始 (Limited Preview)
AWS と OpenAI がパートナーシップを拡大し、Amazon Bedrock 上で 3 つの新機能を Limited Preview として提供開始しました。1 : OpenAI の最新モデルが Bedrock 経由でアクセス可能になります。2 : OpenAI のコーディングエージェント Codex が AWS 環境内で利用可能になり、CLI、デスクトップアプリ、VS Code 拡張機能から AWS 認証情報で実行できます。3 : OpenAI を活用した Amazon Bedrock Managed Agents により、本番環境対応の AI エージェントを迅速にデプロイできます。すべての利用は既存の AWS クラウドコミットメントに適用可能で、IAM、AWS PrivateLink、暗号化、CloudTrail ログなどのエンタープライズ管理機能を継承します。 - Amazon Connect Talent による AI を活用した採用ソリューション (Preview 提供開始)
Amazon Connect Talent は、AI エージェントを活用した採用ソリューションで、Preview として提供が開始されました。Amazon の数十年にわたる採用をしてきた経験に基づき、構造化された音声面接、科学的裏付けのある評価、一貫性のあるスコアリングを AI エージェントが実行します。候補者は 24 時間 365 日、あらゆるデバイスから面接を受けることができ、採用担当者は AI チームメイトが生成したスコア、トランスクリプト、詳細な候補者評価をレビューして、より迅速かつ客観的な採用判断を行うことができます。US East (N. Virginia) および US West (Oregon) リージョンで利用可能です。 - Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Node.js のダイレクトコードデプロイに対応
Amazon Bedrock AgentCore Runtime が Node.js をマネージド言語ランタイムとしてサポート開始しました。従来の Python に加えて、Node.js が追加サポートされた形です。TypeScript プロジェクト (JavaScript へコンパイル後) や Strands Agents SDK などのエージェントフレームワークで構築したエージェントもデプロイ可能です。Node.js を利用した Agent でセッション分離、SigV4 と OAuth 2.0 による認証、双方向ストリーミング、マネージドセッションストレージ、Amazon CloudWatch による observability などの AgentCore の各機能を利用できます。
- Amazon Quick がチャット内でのドキュメントとビジュアル作成をサポート
- 4/29(水)
- Amazon QuickSight で Filter Controls のカスタムソートをサポート
Amazon Quick の QuickSight (BI 機能) にある Filter Controls で、Quick カスタムソート機能が追加されました。Filter Controls は、ダッシュボードに表示するデータのフィルターが行えます。従来はドロップダウンなどに表示される表示順がアルファベット順でしたが、独自の並び順に変更できるようになりました。例えば、「Critical, High, Medium, Low」という業務上の優先順位に合わせた並び順を指定できるようになりました。QuickSight がサポートされる全リージョンで利用可能です。 - Amazon CloudFront がキャッシュタグによる無効化をサポート
Amazon CloudFront は、キャッシュタグによるオブジェクト無効化機能を追加しました。この機能により、URL パスが異なっていたとしても、キャッシュコンテンツを 1 回のリクエストで無効化できます。従来は個別の URL を追跡するか、広範なワイルドカードパターンで無関係なコンテンツまで無効化する必要がありましたが、タグベースの無効化によりキャッシュ無効化の範囲を限定しやすくなります。タグを付与するためには、CloudFront のオリジン側で、タグを付与します。例えば、response.headers[‘x-amz-meta-cache-tag’] = ‘user001’ こういった形で事前にタグを付与することで、特定のタグに紐づくキャッシュデータを無効化できます。 - Amazon RDS for MySQL が Preview Environment で MySQL Innovation Release 9.6 を発表
Amazon RDS for MySQL は、RDS Database Preview Environment で MySQL コミュニティ Innovation Release 9.6 のサポートを開始しました。MySQL 9.6 は 2026年1月20日にリリースされた最新の Innovation Release で、Foreign Key 制約処理の SQL レイヤー移行、Audit Log Component の追加、JSON Duality Views DML Tagging などの新機能があります。Preview Environment は最新機能の評価専用環境であり、DB インスタンスは作成後 60日間で自動削除されるので、本番環境ではなく検証としてご利用ください。
- Amazon QuickSight で Filter Controls のカスタムソートをサポート
- 4/30(木)
- Amazon Quick が Microsoft Excel、PowerPoint 拡張機能を追加、Word 拡張機能を更新 (Preview)
Amazon Quick は Microsoft 365 環境向けの拡張機能を強化し、Excel と PowerPoint の新規拡張機能、および Word 拡張機能のアップデートをプレビュー提供開始しました。これにより、AI を活用して、ドキュメントの修正作業、財務モデルの構築、プレゼンテーション資料の作成などの複雑なタスクを Microsoft 365 アプリケーション内で直接実行できます。現在 7 リージョンで利用可能で、無料アカウントでの利用が可能です。 - AWS Lambda が Ruby 4.0 をサポート
AWS Lambda が Ruby 4.0 のサポートを開始しました。Ruby 4.0 は最新の長期サポート (LTS) リリースで、2029年3月までセキュリティアップデートとバグ修正が提供されます。マネージドランタイムとコンテナベースイメージの両方に対応し、AWS が自動的にアップデートを適用します。また、Ruby 4.0 ランタイムでは Lambda Advanced logging controls に対応し、JSON 構造化ログ、ログレベルの設定、CloudWatch ログ グループのカスタマイズが可能になりました。全リージョンで利用可能です。 - Amazon Bedrock AgentCore の最適化機能をプレビュー版として提供開始
Amazon Bedrock AgentCore に、AI エージェントのパフォーマンスを継続的に改善する 3 つの最適化機能 (Recommendations、Batch evaluations、A/B tests) が追加されました。これにより、本番環境で稼働する AI エージェントの「観測 → 評価 → 改善」を実行しやすくなります。Recommendations は CloudWatch Logs のトレースデータを分析し、AI が自動的に最適化された system prompt や tool descriptions を提案します。Batch evaluations で事前定義したテストケースによる検証を実行し、A/B tests で本番トラフィックに対する統計的検証を行います。 - Amazon Bedrock AgentCore Identity で On-Behalf-Of (OBO) トークン交換をサポート
Amazon Bedrock AgentCore Identity が OAuth 2.0 の On-Behalf-Of (OBO) トークン交換機能の一般提供を開始しました。この機能により、エージェントは認証済みユーザーの代わりに保護されたリソースにアクセスする際、ユーザーに複数回の同意フローを求めることなくアクセスできます。例えば、カスタマーサポート担当者が AgentCore 上の AI Agent を通じて、複数の顧客管理システムから情報を取得したいとします。各システムに個別にログインするのは大変なので、OBO トークン交換を組み込むことで、担当者は一度の認証だけで複数システムに透過的にアクセスできるようになります。 - Amazon ECS Managed Instances で NVIDIA GPU メトリクスをサポート
Amazon ECS Managed Instances で NVIDIA GPU メトリクスが利用可能になりました。CloudWatch Container Insights の enhanced observability を通じて、GPU の総数、CPU 利用率、GPU のメモリ使用率、ハードウェアヘルス、温度などのメトリクスを取得できます。これにより、AI/ML トレーニングや推論などの GPU アクセラレーテッドワークロードのトラブルシューティングと最適化が可能になります。すべての商用 AWS リージョンで利用可能です。 - Amazon EKS が CloudShell を介したワンクリッククラスターアクセスに対応
Amazon EKS が AWS CloudShell を介したワンクリッククラスターアクセス機能を提供開始しました。EKS コンソールから「Connect」ボタンをクリックするだけで、kubectl が事前設定された CloudShell セッションが起動し、ローカルでの kubectl、AWS CLI、kubeconfig ファイルのインストールや設定が不要になります。パブリックおよびプライベート API エンドポイントの両方をサポートし、すべての EKS 利用可能リージョンで追加料金なしで利用できます。
- Amazon Quick が Microsoft Excel、PowerPoint 拡張機能を追加、Word 拡張機能を更新 (Preview)
- 5/1(金)
- Amazon RDS for SQL Server が追加ストレージボリュームでのクロスアカウントスナップショット共有に対応
Amazon RDS for SQL Server が、追加ストレージボリューム (最大 256 TiB) を使用するデータベースインスタンスのクロスアカウントスナップショット共有機能に対応しました。これにより、最大 256 TiB までスケール可能な追加ストレージボリューム構成でも、AWS アカウント間でスナップショットの作成、共有、コピーが可能になります。コンプライアンス要件に基づく分離されたバックアップ環境の構築や、本番環境の問題を別アカウントで診断する用途に活用できます。全ての AWS 商用リージョンで利用可能です。 - Amazon EKS が Elastic Fabric Adapter 向けに Kubernetes Dynamic Resource Allocation をサポート
Amazon EKS が EFA (Elastic Fabric Adapter) 向けに DRA (Dynamic Resource Allocation) をサポートしました。DRANET プロジェクトをベースにした EFA DRA ドライバーにより、トポロジー対応の EFA インターフェース割り当てと、複数 Pod 間でのインターフェース共有が可能になります。同じ PCIe バス上に存在する GPU と EFA を紐づけて EKS の Pod として稼働することで、データの受け渡し効率を向上でき、AI/ML/HPC ワークロードにおける高性能なノード間通信と RDMA を効率的に利用できます。Kubernetes 1.34 以降を実行する EKS マネージドノードグループまたはセルフマネージドノードで利用可能です。 - Amazon Bedrock AgentCore における AWS for SAP MCP Server の一般提供開始
AWS は Amazon Bedrock AgentCore 上で動作する AWS for SAP MCP Server の一般提供を開始しました。このソリューションは、AI エージェントが SAP ERP システム (SAP S/4HANA および SAP ECC) に直接アクセスを提供します。前提条件として、SAP 側で OData V2 が有効化されている必要がある点に留意ください。SAP ECC に SAP NetWeaver Gateway が標準的にはインストールされておらず、追加の設定が必要な場合があります。AWS for SAP MCP Server は、CloudFormation テンプレートを使用して AgentCore 上にデプロイが可能です。 - Amazon CloudFront が VPC Origins の WebSocket サポートを発表
Amazon CloudFront が Virtual Private Cloud (VPC) Origins を通じた WebSocket トラフィックのサポートを開始しました。これにより、リアルタイムアプリケーションをプライベートサブネット内にホストしたうえで、CloudFront 経由のアクセスを提供できます。従来は WebSocket サーバーをパブリックサブネットに配置し、ACL などで保護する必要がありましたが、現在は Application Load Balancer (ALB)、Network Load Balancer (NLB)、EC2 インスタンスをプライベートサブネット内に配置し、CloudFront 経由でのみアクセス可能にできます。VPC Origins でサポートされている全ての AWS Commercial リージョンで利用可能で、追加料金はかかりません。 - Amazon CloudWatch RUM の Web アプリケーション向け Session Replay 機能
Amazon CloudWatch RUM (Real User Monitoring) に、Web アプリケーション向けの Session Replay 機能が追加されました。フロントエンド側の実装で、aws-rum-web を import として、Session Replay 機能を有効化することで、実際のユーザーの操作内容に関するデータが Amazon CloudWatch RUM に送信されます。その後、Web アプリケーション開発者側で、ユーザーのブラウザ上での実際の操作(クリック、スクロール、ページ遷移、エラー)をビデオのように再生できるようになり、問題の確認がより簡単になるアップデートです。なお、ユーザー入力に関するテキスト入力とコンテンツはデフォルトでマスクされ、個人情報などのプライバシーは保護されます。
- Amazon RDS for SQL Server が追加ストレージボリュームでのクロスアカウントスナップショット共有に対応
それでは、また来週お会いしましょう!