Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2026/7/13週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。
AWS Summitが終了し、各チームからはAWSブログを通じて、より詳しい解説が公開されています。ぜひチェックしてみてください。
私が所属する流通小売事業部のブースでは、飲食店舗などで活用できるソリューションとして、AmiVoiceと連携したデモを出展しました。こちらは、AmiVoiceを提供されているアドバンスト・メディア様との共著でブログ「音声 AI エージェントで実現するセントラルキッチンのハンズフリーオペレーション」として公開しています。
飲食店舗に限らず、「音声認識 × Agentic AI」を検討されている方にとって参考になる内容ですので、ぜひご一読ください。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。
2026年7月13日週の主要なアップデート
- 7/13(月)
- Amazon SageMaker HyperPod が Slurm クラスターでカスタム AMI をサポート
Amazon SageMaker HyperPod が、Slurm でオーケストレーションするクラスターでカスタム AMI (Amazon Machine Image) を利用できるようになりました。ユーザーは HyperPod の性能最適化済みベース AMI をもとに、セキュリティエージェントやコンプライアンスツール、専用ライブラリ、ドライバーをイメージに組み込めます。これまでライフサイクル設定スクリプトで起動後に実行していたセットアップ処理を AMI 側に取り込めるため、クラスターの起動時間を短縮でき、ノード間の構成の不整合を抑えられます。カスタム AMI は CreateCluster / UpdateCluster / UpdateClusterSoftware の各 API で指定でき、HyperPod がサポートするすべての AWS リージョンで利用できます。 - OpenAI privacy-filter による PII 検出とマスキングが Amazon SageMaker JumpStart で利用可能に
OpenAI が開発した PII 検出・マスキング用モデル privacy-filter が Amazon SageMaker JumpStart で利用できるようになりました。テキスト中の個人識別情報 (PII) を検出する双方向トークン分類モデルで、1 回の forward pass で入力全体にラベルを付与します。アカウント番号・住所・メールアドレス・氏名・電話番号・URL・日付・secret の 8 カテゴリを検出できます。SageMaker Studio の Models セクションまたは SageMaker Python SDK から数クリックで自分の AWS アカウントにデプロイでき、データサニタイズ (無害化) のワークフローを構築できます。 - Voxtral-Mini-4B-Realtime をリアルタイム音声文字起こし向けに Amazon SageMaker JumpStart で提供開始
AWS は Mistral AI のリアルタイム音声文字起こしモデル Voxtral-Mini-4B-Realtime-2602 を Amazon SageMaker JumpStart で利用できるようにしました。 このモデルは音声を逐次処理するストリーミングアーキテクチャを備え、500ms 未満の遅延で文字起こしを出力できます。 13 言語に対応し、文字起こしの遅延を 240ms から 2.4s の範囲で設定してレイテンシと精度のバランスを調整できます。 SageMaker Studio の Models 画面または SageMaker Python SDK から数クリックで自分の AWS アカウントにデプロイできます。 - Gemma-4-E2B-it が Amazon SageMaker JumpStart で利用可能に
AWS は 2026 年 7 月 13 日に、 Google DeepMind の gemma-4-E2B-it を Amazon SageMaker JumpStart で提供開始しました。 このモデルはテキスト・画像・音声を入力として受け取り、 テキストを出力するマルチモーダルの指示調整済みモデルです。 ステップごとに思考する reasoning モードを内蔵し、 有効パラメータ 2.3B (埋め込み込みで 5.1B) という小型構成でエッジ寄りの効率的な実行に最適化されています。 SageMaker Studio の Models セクションまたは SageMaker Python SDK から数クリックでデプロイできます。 - OpenAI GPT-5.6 Sol、Terra、 Luna が Amazon Bedrock で一般提供開始
OpenAI の GPT-5.6 ファミリー (Sol、Terra、Luna) が Amazon Bedrock で一般提供 (GA) されました。3 モデルはフラッグシップの推論特化 (Sol)、バランス型 (Terra)、 高速低コスト型 (Luna) という 3 階層で構成され、いずれも `bedrock-mantle` エンドポイント上の Responses API 経由で利用します。コンテキストウィンドウは 272K トークンで、prompt caching により再利用コンテキストのキャッシュ読み取りが 90% 割引になります。料金は OpenAI の first-party レートと同等で、 利用額は既存の AWS コミットメントに算入されます。
- Amazon SageMaker HyperPod が Slurm クラスターでカスタム AMI をサポート
- 7/14(火)
- AWS Security Hub が組織全体の AI アセットを可視化する AI インベントリの提供を開始
AWS Security Hub に AI インベントリ機能が追加されました。 この機能は組織全体の AI アセット (エージェント、 モデル、 パイプライン) を継続的に検出し、 そのセキュリティ状態を中央のセキュリティチームが確認できるようにするものです。 検出は AWS Config リソース、 Amazon Inspector の SBOM 分析、 Amazon GuardDuty の DNS テレメトリという 3 つの方法で自動的に行われます。 検出された各アセットは基盤インフラにマッピングされ、 GuardDuty の脅威検出を含むセキュリティ検出結果と関連付けられます。 この機能は Security Hub Essentials に含まれ、 追加費用はかからず、 新たな有効化操作も不要です。 - Amazon GuardDuty AI Protection を発表 (AWS AI ワークロード向け脅威検知)
Amazon GuardDuty に AI Protection が追加され、 Amazon Bedrock と Amazon SageMaker AI のワークロードを対象とした脅威検知に対応しました。CloudTrail の管理イベントとデータイベントを解析し、 異常なモデル呼び出し、 コストハーベスティング攻撃、 プロンプトインジェクションの 3 種類を検出します。検出結果は AWS Security Hub に集約され、 AWS Organizations で組織全体に一元的に有効化できます。GuardDuty 利用者は 30 日間の無料トライアルで利用を開始できます。 - AWS Lambda コンソールにコーディングエージェント向けワンクリックセットアッププロンプトを追加
AWS Lambda コンソールに、コーディングエージェントを 1 クリックでサーバーレス開発向けに構成するセットアッププロンプトが追加されました。このプロンプトは AWS Serverless skills と Serverless Model Context Protocol (MCP) server をエージェントにインストールするよう指示します。従来は複数のドキュメントを参照する必要があったエージェント設定の手間がなくなります。Claude Code、 Kiro、 Cursor、 GitHub Copilot、 Codex、 Devin Desktop、 OpenCode の 7 種類のエージェントに対応します。AWS GovCloud (US) を含む Lambda 提供リージョンで利用でき、 Middle East (Bahrain) と Middle East (UAE) は対象外です。
- AWS Security Hub が組織全体の AI アセットを可視化する AI インベントリの提供を開始
- 7/15(水)
- AWS Lambda が self-managed code storage に対応
AWS Lambda は、関数のデプロイパッケージをユーザー自身の Amazon S3 バケットから直接参照する self-managed code storage に対応しました。従来 Lambda は関数や layer の作成時にコードを Lambda 管理ストレージへコピーしていましたが、`S3ObjectStorageMode` を `REFERENCE` に設定することでコピーを行わず S3 上のコードを直接参照します。これによりコードストレージの上限が実質的に S3 バケットの容量まで拡張され、コピー処理が省かれるため関数の作成/更新後の有効化時間が短縮されます。あわせて Lambda 管理ストレージのデフォルト上限が 75GB から 300GB per Region に引き上げられました。self-managed code storage の利用に Lambda 側の追加料金は発生せず、S3 の標準料金のみが発生します。 - Amazon Cognito がパスワードハッシュ付きのユーザーインポートに対応
Amazon Cognito の CSV ユーザーインポートで、パスワードハッシュを含めてユーザーを取り込めるようになりました。 従来は CSV でインポートしたユーザーは初回サインイン時にパスワードリセットが必須でしたが、本機能によりインポート済みユーザーは既存の認証情報でそのままサインインできます。 対応アルゴリズムは bcrypt、scrypt、Argon2id、PBKDF2 with SHA-256 の 4 種類です。 Amazon Cognito が利用可能な全 AWS リージョンで使えます。 ただし、本機能のリリース前に作成された一部の user pool ではパスワードハッシュのインポートを利用できません。
- AWS Lambda が self-managed code storage に対応
- 7/16(木)
- Amazon S3 が S3 Standard-IA および S3 One Zone-IA への移行における 30 日間の最低保持期間を撤廃
Amazon S3 は、オブジェクト作成後 S3 Standard に 30 日間保持してから S3 Standard-IA および S3 One Zone-IA へ移行するという従来の制約を撤廃しました。これにより S3 Lifecycle ルールで作成後 0 日 (作成当日) からこれらの Infrequent Access クラスへ移行できます。両クラスは S3 Standard と比べて最大 40% 低いストレージコストで、必要時にはミリ秒単位でアクセスできます。バックアップ、ログ分析、コンプライアンスなど数時間から数日で低頻度アクセスになるデータで効果があります。なお、IA クラス自体の 30 日間の最低課金保持期間は引き続き適用される点に注意が必要です。 - AWS Sustainability に取水量 (water withdrawals) データを追加
AWS は AWS Sustainability サービスにおいて、従来の炭素排出量データに加え、ワークロードに関連する年間取水量 (water withdrawals) データを確認できるようにしました。データは AWS リージョン別、サービス別、AWS アカウント別に年次で提供され、コンソールと API の両方から参照できます。取水量はデータセンター運用のために取り込まれた水の総量を表し、効率改善は取水量の減少として反映されます。このデータは対象リージョンすべてで追加料金なしに利用できます。 - Amazon S3 Event Notifications がシステム生成タグを含むように
Amazon S3 Event Notifications が、 バケットに付与された system-generated tags (AWS サービスが自動付与するタグ) をイベントメッセージに含めるようになりました。 対応先は Amazon EventBridge、 Amazon SQS、 Amazon SNS、 AWS Lambda の全てです。 これにより、 数千個のバケットを個別に列挙せず 1 つの EventBridge ルールでタグを条件にイベントをフィルタリングできます。 追加料金はなく、 全 AWS リージョンで利用でき、 既存の設定変更も不要です。 - Billing and Cost Management Dashboards に Cost Efficiency ウィジェットを追加
AWS Billing and Cost Management (BCM) Dashboards に Cost Efficiency ウィジェットが追加されました。コスト効率スコアの推移を、Cost Explorer、Budgets、Savings Plans/Reserved Instance のカバレッジ・使用率レポートと同じ 1 枚のダッシュボードで確認できます。ウィジェットは Cost Optimization Hub のコンソールに直接リンクし、節約の推奨事項があればそのまま対処できます。全ての AWS 商用リージョンで追加料金なしで利用できます。
- Amazon S3 が S3 Standard-IA および S3 One Zone-IA への移行における 30 日間の最低保持期間を撤廃
それでは、また来週お会いしましょう!