Amazon Web Services ブログ
週刊AWS – 2026/7/27週
みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの古屋です。今週も 週刊AWS をお届けします。
はじめに、7月28日に熊本県で発生した地震(令和8年熊本地震)により被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。被災された皆様の安全と、一日も早い復旧を心よりお祈りしております。
話題は変わりますが、AWS 認定をこれから取得したい方、あるいはスキルアップを考えている方に向けたキャンペーンのご案内です。現在、AWS 認定 AI スキルアップキャンペーン が実施されており、AWS Certified AI Practitioner (AIF-C01) を 2026 年 9 月 30 日までに受験すると試験料が 50% 割引になります。さらに合格すると、AWS Certified Cloud Practitioner (CLF-C02) を無料で受験できます。この夏、AI 分野の認定取得にチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう!
2026年7月27日週の主要なアップデート
- 7/27(月)
- Amazon RDS for SQL Server が Multi-AZ インスタンスでの TDE データベース復元に対応
Amazon RDS for SQL Server で、TDE (Transparent Data Encryption) を有効にした SQL Server データベースを Multi-AZ インスタンスおよび同一リージョン内のリードレプリカを構成したインスタンスに復元できるようになりました。ネイティブバックアップ・リストア機能を使用します。従来は Single-AZ インスタンスでのみ TDE 有効データベースの復元が可能で、暗号化データを復元するには TDE を無効化するか Single-AZ 構成への移行が必要でした。今回の対応により、保存時暗号化 (TDE) と Multi-AZ の高可用性の両方を必要とする移行・復旧のワークフローを簡素化できます。この機能は Amazon RDS for SQL Server が提供されるすべての AWS リージョンで利用できます。 - AWS Security Hub MCP App で、エクスポージャー検出結果を自然言語で調査可能に (プレビュー)
AWS Security Hub MCP App のパブリックプレビューが開始されました。これは Claude Desktop 内で動作するローカルの Model Context Protocol (MCP) サーバーで、Security Hub のエクスポージャー検出結果について、攻撃パスの深掘りや修復方法の提案などを自然言語で調査できます。すべてのツールは読み取り専用 (read-only) で、環境に変更を加えずに利用できます。Security Hub の利用者は追加費用なしで使うことができます。 - Amazon EKS がクラスター OIDC エンドポイント向けの AWS PrivateLink に対応
Amazon EKS が、クラスターの OIDC ディスカバリおよび JWKS エンドポイント向けの AWS PrivateLink に対応しました。インターフェイス型 VPC エンドポイント (サービス名 `com.amazonaws.[リージョン名].oidc-eks`) を作成することで、VPC 内の eksctl や Terraform、独自のトークン検証ツールが、IAM roles for service accounts (IRSA) のセットアップやトークン検証を、インターネットに出ることなく閉域 VPC 内で実行できるようになりました。追加料金はなく、標準の AWS PrivateLink 料金のみが適用されます。
- Amazon RDS for SQL Server が Multi-AZ インスタンスでの TDE データベース復元に対応
- 7/28(火)
- Amazon S3 Tables が Apache Iceberg V3 の Variant データ型に対応
Amazon S3 Tables が Apache Iceberg V3 仕様の Variant データ型に対応しました。JSON などの半構造化データを事前にスキーマを固定せずに直接書き込めます。書き込み時に Iceberg V3 対応エンジンが Variant データを隠しカラムに分解 (shredding) し、Parquet のカラム統計を生成します。クエリエンジンはこの統計を使ってファイルプルーニングを行い、分析クエリがスキャンするデータ量を減らします。S3 Tables は Variant カラムに対してもコンパクションを含むテーブルメンテナンスを継続実行します。東京を含む、15 の AWS リージョンで利用できます。 - AWS DataSync Enhanced mode が HDFS、Azure Blob、オブジェクトストレージのロケーションと Hyper-V エージェントに対応
AWS DataSync の Enhanced mode が、エージェント経由での HDFS (Hadoop Distributed File System)、Microsoft Azure Blob Storage、および自己管理型オブジェクトストレージへの転送に対応しました。あわせて Enhanced mode のエージェントを Microsoft Hyper-V 上に展開できるようになりました。HDFS 転送では複数 NameNode 構成 (High Availability) と Kerberos 認証を用いた TDE (Transparent Data Encryption) に対応します。これにより規制業界の組織が、可用性を維持したままペタバイト級の暗号化 Hadoop データを移行できます。この機能は DataSync が提供されているすべての AWS リージョンで利用できます。 - AWS DataSync Enhanced mode が Amazon EFS および Amazon FSx for Lustre をサポート
AWS DataSync の Enhanced mode が、転送元・転送先として Amazon EFS と Amazon FSx for Lustre に対応しました。従来これらのストレージへの転送は Basic mode に限定されていましたが、今回のアップデートで Enhanced mode を選択できるようになりました。Enhanced mode はデータを並列に処理し、ファイル数の上限がなく、詳細な転送メトリクスを提供します。大規模なデータ移行や AI/ML の学習データ準備、HPC、ゲノム解析、メディアレンダリングといったワークロードで利用できます。AWS DataSync が提供されているすべての AWS リージョンで利用可能です。
- Amazon S3 Tables が Apache Iceberg V3 の Variant データ型に対応
- 7/29(水)
- IAM Identity Center が Identity Center ディレクトリのマルチリージョン対応を拡張
AWS IAM Identity Center が、ID ソースとして Identity Center ディレクトリを使用する組織インスタンスでもマルチリージョンレプリケーションに対応しました。これまで外部 IdP 接続のインスタンスに限られていた機能が拡張されています。プライマリリージョンで有効化したインスタンスを、デフォルトで有効化されている 17 の商用リージョンから選んだリージョンへ複製できます。ユーザー ID、権限セット、割り当て、セッションなどが自動でレプリケートされ、プライマリリージョンで障害が発生してもプロビジョニング済みのアクセスを維持できます。利用にはマルチリージョン対応の customer managed KMS key (CMK) が必要です。 - AWS Interconnect – multicloud (Oracle Cloud Infrastructure 対応) が一般提供を開始
AWS は AWS Interconnect – multicloud の Oracle Cloud Infrastructure (OCI) 対応を一般提供 (GA) しました。この機能を使うと、AWS の VPC と OCI の VCN (Virtual Cloud Network) の間に、専用帯域を持つプライベート接続を短時間で作成できます。従来は複数クラウド間の相互接続を自前で構築する必要がありましたが、その運用負荷を AWS と接続先プロバイダーが肩代わりします。GA 時点では OCI と Google Cloud に対応し、米国東部 (バージニア北部) リージョンで利用できます。Microsoft Azure は 2026 年後半に対応予定です。 - AWS Glue の REST API コネクタが VPC 接続、フィルタプッシュダウン、パーティションに対応
AWS Glue の REST API コネクタに 3 つの機能が追加されました。プライベートサブネットや VPN、AWS PrivateLink 経由の非公開 REST API に接続できる VPC 対応、クエリ条件を API ネイティブのパラメータに変換して転送量を減らすフィルタプッシュダウン、大規模データを複数の Spark ワーカーに分割して並列読み取りするパーティション対応です。これにより REST API を持つ任意のデータソースから、カスタムコードを書かずに ETL パイプラインを構築できます。
- IAM Identity Center が Identity Center ディレクトリのマルチリージョン対応を拡張
- 7/30(木)
- AWS Managed Microsoft AD が Standard から Enterprise Edition へのアップグレードに対応
AWS Directory Service は、AWS Managed Microsoft AD の Standard Edition ディレクトリを Enterprise Edition へ直接アップグレードする機能に対応しました。AWS Management Console、AWS CLI、API、AWS Tools for PowerShell から実行でき、新しいディレクトリへの移行や既存ワークロードのドメイン再参加は不要です。信頼関係、アプリケーション統合、グループポリシー、DNS 設定はそのまま維持されます。所要時間は 4 時間から 5 時間で、ドメインコントローラー (DC) を 1 台ずつ入れ替えるため、その間は性能低下とダウンタイムが発生する可能性があります。アップグレードは不可逆であり、以前のスナップショットはアップグレード後のディレクトリには使用できません。アップグレードには追加料金が発生するため、詳細は Directory Service の料金ページをご確認ください。 - AWS Transit Gateway のポリシーベースルーティングが一般提供開始
AWS Transit Gateway (TGW) でポリシーベースルーティング (PBR) の一般提供が開始されました。従来の宛先 IP アドレスのみによる転送判断に加えて、送信元 IP、宛先 IP、送信元ポート、宛先ポート、プロトコルの組み合わせでトラフィックを分類し、転送先の TGW ルートテーブルを選択できます。設定はポリシーテーブルという新しいリソースで行い、アタッチメントに関連付けます。ルールは番号の昇順に評価され、最初に一致したルールが適用されます (first-match-wins)。TGW が提供されているすべての商用リージョンで利用でき、標準の TGW 料金を超える追加課金はありません。ただしポリシーテーブルを関連付けたアタッチメントでは Site-to-Site VPN と Connect への BGP 経路広報が停止するため、導入前に影響確認が必要です。 - Amazon SageMaker Unified Studio が全プロジェクトツールで Git バージョン管理を拡充
Amazon SageMaker Unified Studio のリポジトリ機能が更新され、Query Editor、Visual ETL、Workflows、Notebooks の 4 ツールでファイル単位の Git バージョン管理に対応しました。従来の自動同期 (保存ごとにリモートへ force push する方式) を置き換え、コミットメッセージ付きの push とブランチ操作ができるようになりました。これまで Git 非対応だった Notebooks も対象に含まれます。リポジトリはプロジェクト作成時ではなく任意のタイミングで追加でき、1 つのプロジェクトから複数のリポジトリとブランチへ同時に接続できます。既存プロジェクトへの適用はオプトインで、プロジェクトの更新を実行して切り替えます。
- AWS Managed Microsoft AD が Standard から Enterprise Edition へのアップグレードに対応
- 7/31(金)
- Amazon CloudWatch がマネージド Prometheus コレクターを発表
Amazon CloudWatch が、エージェントを配置せずに Prometheus 互換メトリクスを収集するマネージドコレクターに対応しました。従来は自己管理の OpenTelemetry Collector を配置、スケール、保守する必要がありましたが、スクレイプ設定とサブネット、セキュリティグループを指定すれば AWS 側がプロビジョニングとスケーリングを行います。対応対象は Amazon EKS、Amazon EC2、Amazon ECS、Amazon MSK、Amazon OpenSearch Service です。収集したメトリクスは OpenTelemetry 形式で CloudWatch のデータセットに配信され、PromQL でクエリできます。AWS ベンダーメトリクスと同じ画面でアラームとダッシュボードを構成できます。 - Amazon RDS for Oracle が R8i および M8i インスタンスのリザーブドインスタンスを提供開始
Amazon RDS for Oracle で、R8i および M8i インスタンスに対する 1 年および 3 年のリザーブドインスタンス (RI) を購入できるようになりました。オンデマンド価格と比較して最大 53% のコスト削減となります。RI の割引は Multi-AZ 構成と Single-AZ 構成の双方に適用され、同一インスタンスクラスタイプ内であれば構成を変更できます。BYOL ライセンスモデルではサイズ柔軟性が働き、同一インスタンスファミリー内のどのサイズの使用量にも割引レートが自動適用されます。
- Amazon CloudWatch がマネージド Prometheus コレクターを発表
それでは、また来週お会いしましょう!