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週刊AWS – 2026/7/27週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの杉山です。今週も 週刊AWS をお届けします。

みなさんは AWS Builder Center を活用されていますか? AWS Builder Center は、世界中のビルダーが書いた記事や動画などのコンテンツ、コミュニティ、学習リソースがひとつに集まったプラットフォームです。トピックごとにコンテンツがまとまっているのが便利で、例えば agent-to-agent のトピックページでは、AI エージェント同士を連携させる A2A に関する記事を一覧で読むことができます。気になる技術分野のトピックをフォローしておくと、最新のノウハウを効率よくキャッチアップできるので、ぜひ覗いてみてください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2026年7月20日週の主要なアップデート

  • 7/20(月)
    • KNFSD File Cache のプレビュー提供を開始
      AWS は NFS キャッシュソリューション KNFSD File Cache のプレビュー提供を開始しました。Apache-2.0 ライセンスのオープンソースで、オンプレミスや別リージョン、他クラウドの NFS サーバーをマウントし、AWS 内の NFS クライアントに再エクスポートします。頻繁に読み取られるデータをメモリとローカル NVMe にキャッシュし、高レイテンシー回線を越えるアクセスを 1 回に抑えて VPC 内速度で配信します。Linux カーネル標準の nfs-kernel-server と FS-Cache を利用し、Packer で AMI を構築後 Terraform でクラスターをデプロイします。全 AWS リージョンで利用でき、ライセンス費用はかからず消費した AWS リソースにのみ課金されます。
    • Amazon CloudWatch が Coding Agent Insights を発表
      Amazon CloudWatch は、AI コーディングエージェントの利用状況を可視化する Coding Agent Insights を発表しました。Claude Code、OpenAI Codex、GitHub Copilot の OpenTelemetry (OTel) メトリクスを CloudWatch に取り込み、組織/部門/チーム/ユーザー単位で利用状況やコストを確認できます。Claude apps gateway for AWS と連携すると、追加の計装なしで Claude Code のテレメトリを収集できます。ダッシュボードは CloudWatch コンソールの GenAI Observability 配下に自動で表示され、料金は標準の CloudWatch OTel メトリクス取り込み料金が適用されます。
    • Amazon WorkSpaces Applications がマルチセッションフリートで Microsoft OneDrive と Google Drive に対応
      Amazon WorkSpaces Applications のマルチセッションフリートで、永続ストレージオプションとして Microsoft OneDrive for Business と Google Drive が利用できるようになりました。従来はマルチセッションフリートで Amazon S3 バックエンドの home folder のみが選択肢でしたが、今回のアップデートでユーザーは自身の OneDrive / Google Drive アカウントを接続し、ストリーミングセッション内でクラウドファイルを直接参照・保存・同期できます。マルチセッションフリートは 1 つのフリートインスタンスを複数ユーザーで共有してセッション密度を高める構成で、コストを抑えながらクラウドストレージ体験を提供できます。機能の追加料金はなく、標準の WorkSpaces Applications 利用料金のみが適用されます。有効化には 2026 年 6 月 29 日以降にリリースされたエージェントを含むイメージが必要です。
    • Amazon Connect のエージェント型音声機能を対応言語と発話制御の拡張により強化
      Amazon Connect は、agentic voice (エージェント型音声) 機能で 50 以上のロケール (言語) と 100 を超える音声オプションに対応しました。Spanish、French、Italian、Japanese、Korean、Portuguese、Thai などが含まれます。発話のペーシング、話者交替 (turn-taking) の精度向上に加え、速度/音量/感情を調整できる発話制御 (speech controls) を利用できます。この機能は Amazon Connect Customer のデフォルト音声プロバイダーとして提供され、米国/欧州/アジアパシフィックの 9 リージョンで利用できます。
    • AWS CloudTrail で ID 別にネットワークアクティビティイベントを選択的にログ記録
      AWS は CloudTrail のネットワークアクティビティイベント (VPC エンドポイント向け) に対して、IAM ユーザー ID に基づくイベントフィルタリングを追加しました。API を呼び出した ID を条件にして、ログを記録するイベントを絞り込めます。例えば信頼済み IAM ロール以外からの VpceAccessDenied イベントだけを記録する、といった設定ができます。これにより、承認済みプリンシパルからの正常なトラフィックを除外し、ログ量とコストを抑えられます。この機能は AWS Management Console、AWS CLI、AWS SDK から利用でき、CloudTrail ネットワークアクティビティイベントが対応する全リージョンで使えます。
  • 7/21(火)
    • Amazon RDS for SQL Server が Microsoft SQL Server 2025 に対応
      Amazon RDS for SQL Server が Microsoft SQL Server 2025 (Enterprise、Standard、Developer の各エディション) に対応しました。RDS で提供される最新マイナーバージョンは 17.0.4045.5 (CU5) です。SQL Server 2025 は T-SQL から外部 REST エンドポイントを呼び出す機能をデータベースエンジンに組み込んでおり、Amazon Bedrock や Amazon SageMaker、Amazon S3、AWS Lambda といった AWS サービスとアプリケーションを再設計せずに連携できます。また native vector データ型による埋め込みベクトルの格納/検索に対応し、Standard Edition は最大 32 コア/256 GB バッファプールへ拡張され Resource Governor も利用できるようになりました。既存の RDS インスタンスは DB エンジンバージョンの変更でアップグレードでき、オンプレミスからの移行も可能です。
    • Amazon ECS が Action Logs を提供開始 (デプロイとオーケストレーションの可視化)
      Amazon ECS は、サービスデプロイと ECS Managed Daemon 更新の際に ECS がユーザーに代わって実行する操作を、タイムスタンプ付きで記録する Action Logs を提供開始しました。従来は開始状態と終了状態しか観測できなかった中間操作 (コンテナイメージのダウンロード、ロードバランサー登録、セキュリティグループ設定など) を確認できるようになりました。ログはクラスターレベルで opt-in し、CloudWatch Logs、Amazon S3、Amazon Data Firehose のいずれかへ配信できます。Amazon Q が Action Logs と連携し、circuit breaker によるロールバックなどの原因分析をコンソール内で提供します。AWS GovCloud (US) を含む全 AWS リージョンで利用できます。
    • Amazon SES が料金プランを導入
      Amazon SES は、個別のアドオンとして販売されていたメール到達性関連の機能を 3 段階の料金プラン (Essentials、Pro、Enterprise) にまとめて提供する仕組みを導入しました。各プランは下位プランの機能をすべて含み、上位ほど機能が増えます。従来の従量課金と比べて割引が適用されます。プランはアカウント単位かつ AWS リージョン単位で選択し、中東 (UAE) および中東 (バーレーン) を除く Amazon SES 提供リージョンで利用できます。新規アカウントは 2026 年 7 月 21 日以降 Essentials から開始します。
  • 7/22(水)
    • Amazon EKS の EKS Auto Mode と Karpenter で EFA と Placement Group をサポート
      Amazon EKS の EKS Auto Mode とオープンソースの Karpenter で、ノードプールの EC2 Placement Group (配置グループ) と Elastic Fabric Adapter (EFA) のネットワークインターフェース設定に対応しました。NodeClass または EC2NodeClass の定義から、EFA-only インターフェースの構成と、cluster / spread / partition の 3 種類の配置戦略を指定できます。EFA-only インターフェースは IP アドレスを消費しないため、VPC 内の IP 使用量を抑えながら EFA の帯域を利用できます。分散学習や分散推論のスループット最適化と、本番サービスの障害範囲 (blast radius) 縮小の両方に対応します。この機能は Amazon EKS が利用可能なすべての AWS リージョンで使えます。
    • Network Load Balancer がカスタムトラフィックルーティング向けのリスナールールに対応
      Network Load Balancer (NLB) が、送信元 IP アドレスタイプ (IPv4 / IPv6) に基づいて接続を別々のターゲットグループへ振り分けるリスナールールに対応しました。1 台のデュアルスタック NLB で IPv6 クライアントの通信を IPv6 ターゲットへ、IPv4 クライアントの通信を IPv4 ターゲットへ送り、両方のアドレスファミリでクライアント元 IP をエンドツーエンドで保持できます。従来はロードバランサーを 2 台に分ける方法か、プロトコル変換で元 IP を失う方法のいずれかを選ぶ必要がありましたが、この機能でその制約がなくなりました。既存のデュアルスタック NLB に作り直しなしでルールを追加できます。全 AWS 商用リージョンと AWS GovCloud (US) リージョンで追加料金なしで利用できます。
  • 7/23(木)
    • Amazon CloudWatch Logs が Application Load Balancer ログに対応
      Amazon CloudWatch Logs が Application Load Balancer (ALB) のログを vended logs として受け取れるようになりました。ALB のアクセスログ、接続 (connection) ログ、ヘルスチェックログの 3 種類を CloudWatch に直接配信し、Logs Insights クエリ、メトリクスフィルタ、Live Tail で分析できます。配信先は CloudWatch Logs のほか Amazon Data Firehose と Amazon S3 (Apache Parquet 形式対応) を選択できます。CloudWatch telemetry enablement rules を使うと、既存および新規の ALB に対してログ設定を自動適用できます。ALB と CloudWatch が利用可能なすべての AWS 商用および GovCloud リージョンで利用できます。
  • 7/24(金)
    • aws-bench (AWS 上の AI エージェント向けオープンソースベンチマーク) を発表
      AWS は 2026 年、AI エージェントが実際の AWS タスクをどれだけ正確かつ効率的に完了できるかを測定するオープンソースベンチマーク aws-bench をリサーチプレビューとして公開しました。実際の AWS 環境を都度払い出し、エージェントに調査・トラブルシューティング・インフラ作成のタスクを実行させて採点します。テストケースは自然言語クエリ、クラウドリソースの状態、正解データの 3 点で構成され、任意のエージェントやモデルを一貫した基準で比較できます。テスト環境の構築・実行・採点・リセットを行う CLI が同梱され、GitHub (Apache License 2.0) で入手できます。
    • AWS で Claude Opus 5 が利用可能に
      AWS は 2026 年 7 月 23 日に Anthropic の最新モデル Claude Opus 5 の提供を開始しました。コーディング、長時間稼働エージェント、文書量の多い業務での推論精度が向上しています。提供経路は Amazon Bedrock と Claude Platform on AWS の 2 つで、Bedrock 版はゼロデータ保持 (ZDR) がデフォルトで有効です。コンテキストウィンドウは 1M トークン、最大出力は 128K トークンで、東京リージョン (ap-northeast-1) からは Global クロスリージョン推論経由で利用できます。入力 $5 / 出力 $25 (100 万トークンあたり) の価格で、前世代 Opus 4.8 と同水準の単価に据え置かれています。
    • Amazon EC2 Dedicated Hosts がセルフマネージドライセンスなしでホストリソースグループに対応
      EC2 Dedicated Hosts のホストリソースグループ (Host Resource Groups, HRG) を、これまで必須だったセルフマネージドライセンス (Self-Managed Licenses, SML) の作成と AMI 関連付けなしで作成できるようになりました。ハードウェアレベルの分離だけを目的とする顧客や EC2 Mac インスタンスの顧客は、AWS License Manager でのライセンス設定手順を省略できます。BYOL (Bring Your Own License) ワークロードでは従来どおり SML 付きの HRG も作成でき、起動できる AMI の制限とホスト単位のライセンス消費追跡を継続できます。HRG がサポートされる全ての AWS リージョンで利用できます。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Suguru Sugiyama

杉山 卓(Suguru Sugiyama) / @sugimount

AWS Japan のソリューションアーキテクトとして、幅広い業種のお客様を担当しています。最近は生成 AI をお客様のビジネスに活かすためにアイデア出しやデモンストレーションなどを多く行っています。好きなサービスは仮想サーバーを意識しないもの全般です。趣味はゲームや楽器演奏です。