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週刊AWS – 2026/8/10週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。

お盆も明け、まだまだ暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。休暇中に溜まったアップデートを一気にキャッチアップされている方も多いかもしれませんね。

さて、生成AI開発の現場に身を置いていると、ここ最近「作る」こと自体のハードルがどんどん下がっているのを実感します。エージェントに任せられる作業が増え、これまで手作業だったコード生成やドキュメント作成、分析までもが数クリックで動き出す──そんな時代になってきました。一方で、便利になればなるほど「誰が・何に・どれだけ使っているか」を把握し、安全に統制する仕組みの重要性も増しています。今週は、まさにその「開発を加速させる機能」と「安心して使うためのガバナンス機能」が両輪で登場した、バランスの良い一週間でした。

それでは、2026年8月10日週の主要なアップデートを見ていきましょう。

2026年8月10日週の主要なアップデート

  • 8/10(月)
    • AWS Identity and Access Management が account access manager によるワークフォースユーザーへの IAM ロール割り当てを提供開始
      AWS IAM に account access manager という新機能が追加されました。これまで、AWS アカウントへのワークフォースアクセスを付与するお客様は、2 つの代替的なアクセス管理アプローチのいずれかを使用できました。1 つは、各 AWS アカウントにユーザーを個別にフェデレーションし、各 AWS アカウント内の IAM ロールを使用してユーザーアクセス許可を細かく定義する方法です。もう 1 つは、IAM Identity Center を通じてユーザーを 1 回のみフェデレーションし、AWS マネージドアクセス許可セットを調整してプロビジョニングすることで、アクセスを一元的に管理する方法です。 本機能によりこの二つを両立できるようになりました。追加料金なしで、デフォルト有効の AWS 商用リージョンすべてで利用できます。
  • 8/11(火)
    • AWS Glue が AWS コンソールから SageMaker Unified Studio へのワンクリックアクセスを追加
      AWS Glue コンソールから Amazon SageMaker Unified Studio をワンクリックで開けるようになりました。Glue コンソールでカタログテーブルを閲覧したり ETL ジョブを構築したりしているユーザーが、同じ IAM ロールのまま Unified Studio に移動し、データのクエリ、データ品質チェック、パイプライン構築、SageMaker Notebooks での分析を開始できます。今回の対応により、S3 Tables、Athena、EMR、Redshift、Glue の 5 つのコンソールから Unified Studio へ直接アクセスできるようになりました。未セットアップのユーザー向けには、IAM コンソールへ移動せずに必要な IAM ポリシーを作成・設定できるインライン権限パネルが提供されます。SageMaker Unified Studio が利用可能な全 15 リージョンで提供されます。
    • AWS Secrets Manager が Jenkins と SonarQube の managed external secrets 対応を追加
      AWS Secrets Manager の managed external secrets に、Jenkins API Token と SonarQube Token が追加されました。これにより、Lambda 関数によるカスタムローテーションコードを書かずに、AWS コンソールからこれらのサードパーティ認証情報を自動ローテーションできます。Jenkins では新トークンの動作検証後に旧トークンを失効させるため、CI/CD ジョブを中断せずにローテーションできます。SonarQube では User Token、Global Analysis Token、Project Analysis Token の 3 種類に対応します。managed external secrets 自体は 2025 年 11 月に Salesforce、Snowflake、BigID の 3 パートナーで開始された機能で、追加料金なしで利用できます。
    • Amazon Bedrock が IAM プリンシパルによるコスト配分を bedrock-mantle エンドポイントに拡張
      Amazon Bedrock の IAM プリンシパル (IAM ユーザーおよびロール) 単位のコスト配分機能が、`bedrock-runtime` エンドポイントに加えて `bedrock-mantle` エンドポイントでも利用できるようになりました。`bedrock-mantle` は OpenAI 互換の Responses API / Chat Completions API や Anthropic Messages API を提供する推論エンドポイントです。IAM ユーザーやロールに team、project、cost center などのタグを付与してコスト配分タグとして有効化すると、AWS Cost Explorer や CUR 2.0 で `bedrock-mantle` 経由の推論コストをユーザー、チーム、プロジェクト単位で分析できます。呼び出し元の識別 (IAM プリンシパル ARN の記録) はタグなしでも自動で行われ、アプリケーションコードの変更は不要です。
  • 8/12(水)
    • Amazon Quick が Microsoft Purview によるデータ損失防止に対応
      Amazon Quick が Microsoft Purview と統合し、データ損失防止 (DLP) ポリシーを Quick 環境全体に適用できるようになりました。Microsoft Purview で定義済みの秘密度ラベル (例: Public、Confidential、Highly Confidential) を Quick が読み取り、chat、spaces、knowledge bases の 3 つの機能でファイル共有を制御します。ラベルごとに Block、Warn、Allow の 3 種類の強制アクションを設定でき、Microsoft 365 で運用中のガバナンスポリシーを追加ツールなしで Quick に拡張できます。Amazon Quick の agentic capabilities が利用できるすべての AWS リージョンで提供されます。
    • Amazon Quick のカスタム権限にデフォルト拒否 (deny by default) を追加
      Amazon Quick のカスタム権限プロファイルに、ガバナンス設定として deny by default (デフォルト拒否) が追加されました。従来は Quick が新しい AI 機能をリリースすると、全ユーザーが即座に利用可能になり、管理者はリリース後に個別に制限する必要がありました。本機能を有効にすると、指定したカテゴリ (現時点では `AI` カテゴリのみ) に属する機能は、将来リリースされる新機能を含めてすべて自動的に拒否され、管理者が明示的に許可した機能だけがユーザーに提供されます。金融のモデルリスク管理 (MRM) やヘルスケアのコンプライアンス審査など、AI 機能の事前評価が必須の組織に向けた機能です。Amazon Quick が利用可能なすべての AWS リージョンで提供されます。
    • AWS IAM がロールマネージャーを提供、IAM ロールを自動でセットアップ可能に
      AWS は新機能ロールマネージャーの一般提供を発表しました。サポート対象のサービスコンソールでリソースを作成する際、必要な IAM ロールを AWS マネージドのロールテンプレートから自動作成、または既存の一致するロールを再利用します。ローンチ時点で AWS Lambda、Amazon EventBridge など 6 つのサービスコンソールに対応します。作成されるロールは通常の IAM ロールとして扱え、いつでも機能を無効化して IAM Access Analyzer で最小権限に絞り込めます。AWS GovCloud (US) と中国リージョンを除く全リージョンで利用できます。
    • Amazon Quick がユーザー単位のリソース制限に対応
      Amazon Quick で、管理者がユーザー単位の index storage (インデックスストレージ) と agent hours (エージェント時間) の上限を設定できるようになりました。再利用可能な「limit profile」を作成し、ユーザー・ロール・アカウントの 3 レベルで割り当てられます。Quick の index storage は支払いアカウント単位でプールされるため、従来は 1 人のヘビーユーザーが共有容量を使い切り、$5/GB/月 の超過課金が発生する可能性がありました。本機能により、超過課金の抑止とサブスクリプション枠の配分管理ができます。Professional および Enterprise プランで、Quick のエージェント機能が利用できる全リージョンで提供されます。
    • Amazon Quick が共有に対する承認ポリシーをサポート
      Amazon Quick に、アセット共有時の承認ワークフローを強制する「承認ポリシー」機能が追加されました。管理者がポリシーを作成すると、対象ユーザーがナレッジベース、スペース、カスタムチャットエージェントを共有する際に、指定した承認者グループによるレビューと承認が必須になります。承認者はアセットの中身を実際に確認してから承認・却下でき、Submit / Approve / Deny / Revoke の全イベントが AWS CloudTrail に記録されます。機密データを扱う組織が、共有操作を統制・監査可能にするためのガバナンス機能です。
  • 8/13(木)
    • Amazon S3 がアクセス拒否エラーメッセージにポリシーの詳細情報を追加
      Amazon S3 は、HTTP 403 Access Denied エラーメッセージに、拒否の原因となった IAM および AWS Organizations ポリシーの ARN を含めるようになりました。対象は同一アカウントまたは同一 Organization 内からのリクエストで、明示的拒否 (explicit deny) の場合に SCP、RCP、アイデンティティベースポリシー、セッションポリシー、Permissions Boundary の 5 種類のポリシー ARN が表示されます。従来はポリシータイプと拒否理由までしか分からず、同タイプのポリシーが複数存在する場合は 1 つずつ確認する必要がありましたが、今後はエラーメッセージから原因となったポリシーを直接特定できます。AWS GovCloud (US) リージョンと中国リージョンを含む全リージョンで利用できます。
    • AWS Certificate Manager が E メール検証から DNS 検証への切り替えに対応
      AWS Certificate Manager (ACM) は、既存のパブリック TLS 証明書のドメイン検証方法を、証明書の再発行や ARN の変更なしに E メール検証から DNS 検証へ切り替えられるようになりました。背景には、CA/B Forum が 2025 年 11 月に決定した、2028 年 3 月 15 日付けのメール検証廃止があります。ACM は 2027 年 3 月 31 日に E メール検証証明書の新規発行を停止し、2027 年 9 月 30 日に更新も停止します。ARN が変わらないため、ロードバランサーや CI/CD パイプラインの既存の参照を修正せずに移行できます。ACM 証明書が利用可能なすべての AWS リージョンで利用できます。
    • Amazon Quick Microsoft 365 extensions が一般提供開始
      Amazon Quick の Microsoft 365 extensions (Excel、PowerPoint、Word、Outlook) が 一般提供開始されました。各 Office アプリのサイドパネルから Quick のエージェントを呼び出し、ドキュメントのレッドライン、財務モデル構築、テンプレート準拠のスライド作成、受信トレイ管理などのタスクをアプリ内で直接実行できます。Quick Sight ダッシュボードや Salesforce などの企業データソースを参照した成果物作成に対応し、Plus (月額 20 USD/ユーザー) 以上のプランで追加ライセンスなしで利用できます。Word/Excel/PowerPoint は管理者設定なしで利用開始できますが、Outlook のフル機能には Microsoft Graph API のテナント全体の管理者同意が必要です。
    • AWS Client VPN が CLI、管理コントロール、接続の高速化に対応
      AWS Client VPN のデスクトップクライアントが v6.0.x として再構築されました。新たに CLI (`aws-vpn-client`) が追加され、GUI と同等の全機能をコマンドラインから操作できます。これにより VPN 接続を CI/CD や IaC などの自動化ワークフローに組み込めます。また、企業向け管理コントロールにより、プロファイルのユーザー単位のスコープ設定、デバイス上の全ユーザー向けグローバルプロファイル、エンドユーザーのプロファイル管理権限の制御ができるようになりました。クライアントは OpenVPN3 ベースに再構築され、接続確立時間が改善されています。既存の Client VPN エンドポイントとの後方互換性は維持されており、エンドポイント側の変更は不要です。追加料金はありません。
  • 8/14(金)
    • AWS Billing and Cost Management が Managed Dashboards を発表
      AWS Billing and Cost Management (BCM) Dashboards に、AWS が事前構成・保守する読み取り専用ダッシュボード「Managed Dashboards」が追加されました。Cost Overview & Trends、Compute、Database、Reservations、Savings Plans の 5 種類が提供され、自分のアカウントデータが最初から反映された状態でダッシュボード一覧に表示されるため、設定作業なしでコスト分析を開始できます。任意のダッシュボードを複製して編集可能なカスタムコピーを作成でき、PDF / CSV でのエクスポートにも対応します。全ての商用 AWS リージョンで追加料金なしで利用できます。

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Tomoya Tozuka

戸塚 智哉(Tomoya Tozuka) / @tottu22

飲食やフィットネス、ホテル業界全般のお客様をご支援しているソリューション アーキテクトで、AI/ML、IoT を得意としています。最近では AWS を活用したサステナビリティについてお客様に訴求することが多いです。
趣味は、パデルというスペイン発祥のスポーツで、休日は仲間とよく大会に出ています。