Amazon Web Services ブログ

週刊AWS – 2026/8/31週

みなさん、こんにちは。ソリューションアーキテクトの戸塚です。今週も 週刊AWS をお届けします。

9月に入り、秋の気配を感じ始めた方も多いのではないでしょうか。今週は AWS Interconnect への Microsoft Azure 接続プレビューや Amazon Linux 2027 のパブリックプレビューなど、幅広いアップデートが揃いました。さて、ちょっと変わったイベントのお知らせです。5体の AI エージェントでチームを組み、自然言語で戦術を指示してサッカーの試合で対戦する「AWS Agentic Football Cup」のバーチャルリーグが 9/14(月) に開幕します。Amazon Bedrock AgentCore を使ったマルチエージェント体験を楽しみながら、勝ち上がると AWS re:Invent(11/30〜12/4、ラスベガス) の決勝に招待され、渡航費サポートに加えて優勝賞金 30,000 USD の賞金プールも用意されています。参加無料・コーディング経験不問ですので、腕試しにぜひ登録してみてください。

それでは、先週の主なアップデートについて振り返っていきましょう。

2026年8月31日週の主要なアップデート

  • 8/31(月)
    • Automated Security Response on AWS がカスタム修復向け AI Toolkit を追加
      AWS ソリューションの Automated Security Response on AWS (ASR) がバージョン 4.0.0 (2026 年 8 月 26 日リリース) で 4 つの新機能を追加しました。任意の AI アシスタントで ASR 準拠のカスタム修復を生成できる AI Remediation Toolkit、Amazon Inspector / GuardDuty / Macie の検出結果の自動修復、アカウント・OU・リージョン・タグ単位でスコープ設定できる強化版 Web コンソール、Email / Slack / Jira / ServiceNow 向けのマルチチャネル通知アダプターです。カスタム修復の開発期間は数週間から数時間に短縮され、100 以上のセキュリティコントロールを Web コンソールから一元管理できます。
    • AWS Workload Credentials Provider が Linux および Windows 向けにワンクリックインストールで利用可能に
      AWS Secrets Manager は、AWS Workload Credentials Provider (AWCP) のワンクリックインストールを発表しました。AWCP は Secrets Manager のシークレットをメモリ内にキャッシュし、ローカル HTTP エンドポイント経由でアプリケーションに提供するエージェントで、AWS Certificate Manager (ACM) からの証明書取得にも対応します。従来は GitHub リポジトリのクローンから Rust でのビルドまで約 6 ステップが必要でしたが、Amazon Linux 2023 では dnf コマンド 1 つでインストールできるようになりました。Linux (x86_64、ARM64) と Windows (x64) 向けのコード署名済みビルド済みバイナリも公開ダウンロード URL から取得できます。Secrets Manager が利用可能な全リージョンで、Secrets Manager の標準料金以外の追加費用なしで利用できます。
    • Amazon WorkSpaces Applications が新たに 3 つの AWS リージョンで利用可能に
      Amazon WorkSpaces Applications (旧 AppStream 2.0) が、チューリッヒリージョン、大阪リージョン、カルガリーリージョンの 3 リージョンで利用可能になりました。これにより利用可能リージョンは GovCloud を含む従来の 20 リージョンから 23 リージョンに拡大します。アプリケーションストリーミングはネットワークレイテンシーの影響を受けやすく (推奨 250 ms 以下、100 ms 未満が最良)、エンドユーザーに近いリージョンへの展開で操作の応答性が改善されます。また、日本、スイス、カナダ西部のデータレジデンシー要件やコンプライアンス要件への対応にも利用できます。
    • AWS Interconnect – Microsoft Azure とのマルチクラウド接続をプレビューで発表
      AWS は、AWS Interconnect – multicloud の接続先として Microsoft Azure をパブリックプレビューで追加しました。AWS Interconnect – multicloud は、AWS の VPC と他のクラウドプロバイダーのプライベートネットワークを、マネージド型のプライベート接続で結ぶサービスです。従来はコロケーション施設や自前ルーターを組み合わせた DIY 構成が必要でしたが、AWS Management Console、CLI、API から数分で冗長構成の接続をプロビジョニングできます。すでに OCI と Google Cloud は一般提供 (GA) されており、Azure の追加により主要 3 クラウドとの接続が単一の管理体験に統合されます。プレビューはバージニア北部、北カリフォルニア、シドニー、フランクフルトの 4 リージョンで利用できます。
    • 一元的なエージェント検出とガバナンスのための AWS Agent Registry が一般提供開始
      AWS Agent Registry が一般提供 (GA) になりました。組織内のエージェント、ツール、スキル、MCP サーバー、カスタムリソースを登録・承認・検索できるプライベートカタログを提供するフルマネージドサービスです。GA では、プレビューの機能に加えて、AWS CloudFormation・Terraform・AWS CDK による IaC 管理、タグ付け、AWS RAM によるクロスアカウント共有、AWS Organizations 全体での AgentCore リソース自動検出、Amazon Quick 連携が追加されました。バージニア北部、オレゴン、アイルランド、東京、シドニーの 5 リージョンで利用できます。料金は従量課金で、月間 5,000 レコード、Search API 100 万回、List + Get API 200 万回までの無料枠があります。
    • Amazon Aurora serverless が 最大 30% の性能向上とスケーリング改善を追加リージョンで利用可能に
      Aurora serverless のプラットフォームバージョン 4 が、ニュージーランド、タイ、ケープタウン、ミラノ、メキシコセントラル の 5 リージョンで追加提供されました。プラットフォームバージョン 4 は、バージョン 3 と比較して最大 30% の性能向上と、複数タスクがリソースを奪い合うワークロードに対応する改良版スケーリングアルゴリズムを含みます。Aurora PostgreSQL と Aurora MySQL の両方が対象で、追加費用はかかりません。新規クラスター、リストア、クローンは自動的にプラットフォームバージョン 4 で起動し、既存クラスターは保留中のメンテナンスアクションの適用、停止と再起動、または blue/green デプロイのいずれかでアップグレードできます。
  • 9/1(火)
    • Anthropic の新しいフロンティアモデル Claude Fable 5.1 が AWS で利用可能に
      Anthropic の最上位フロンティアモデル Claude Fable 5.1 が AWS で一般提供を開始しました。コンテキストウィンドウ 1M トークン、最大出力 128K トークンで、数時間規模のコーディングやエージェントワークロード、ナレッジワークに向けた設計です。アクセス経路は Amazon Bedrock と、Anthropic が運用する Claude Platform on AWS の 2 つがあります。本モデルは「Covered Model」に指定されており、利用には 30 日間のデータ保持と AWS レビューへのオプトインへの同意が必須です。30 日間のデータ保持を受け入れられないお客様向けには、監視用データを自社管理の AWS 環境に保持したまま利用できる Enterprise Frontier Safeguards (EFS) が、対象のお客様から 2026 年秋以降段階的に展開される予定です。
    • AWS Marketplace がプライベートオファーの自動更新に対応
      AWS Marketplace で、プライベートオファーに自動更新 (auto-renewal) 条件を設定できるようになりました。契約期間の満了時に、交渉済みの価格と契約条件を引き継いだ新しい契約が自動的に作成されるため、再交渉や再購入の手続きが不要になります。販売者は「価格据え置き」「固定率の値上げ」「範囲内での値上げ」の 3 種類から更新時の価格ルールを選択でき、購入者はオファー承諾時および更新決定期限までの間、自動更新のオプトイン/アウトを変更できます。契約価格 (contract pricing) を使う直接プライベートオファーが対象で、すべての商用リージョンで追加設定なしに利用できます。
  • 9/2(水)
    • Amazon SageMaker Unified Studio CI/CD がノートブックプロモーションと AI 支援によるマニフェスト生成を追加
      Amazon SageMaker Unified Studio (SMUS) のオープンソース CI/CD ツールキット (aws-smus-cicd-cli) に 2 つの機能が追加されました。1 つ目は generate-bundle-manifest エージェントスキルで、プロジェクトの接続・ストレージ・ワークフローを読み取り専用で調査し、デプロイマニフェストを自動生成します。2 つ目はネイティブ SMUS Notebook のプロモーション機能で、開発・テスト・本番の各環境へノートブックを冪等に同期し、実行履歴を保持したまま更新できます。どちらもオープンソースとして GitHub で公開されており、SMUS が利用可能なすべてのリージョンで使用できます。
    • Amazon Connect Customer が agentic CX designer の一般提供を開始
      Amazon Connect Customer は、AI を活用したセルフサービス体験を設計・展開するためのノーコードキャンバスである agentic CX designer の一般提供を開始しました。ビジュアルキャンバス上で、LLM が推論する agentic なステップと、適格性判定やコンプライアンス開示など正確さが必須の deterministic なステップを 1 つの会話の中で組み合わせられます。設計、外部システム統合、テスト、本番デプロイまでを同一の場所で完結でき、業務チームがコードを書かずに数週間で本番稼働まで到達できます。本機能は AWS が 2026 年に買収した会話型 AI 企業 NLX の技術を基盤としており、2026 年 6 月 22 日のプレビュー発表を経て GA となりました。東京リージョンを含む 9 リージョンで利用できます。
    • Amazon Quick がコネクタ向けの新しいツール設定と Model Context Protocol (MCP) 同期サポートを追加
      Amazon Quick のコネクタに、ツール単位の有効化/無効化、ツール実行前の同意 (consent) を制御する権限設定、外部 MCP サーバーの変更を自動反映する MCP sync の 3 機能が追加されました。コネクタは Outlook、Slack、Salesforce、Jira や自社開発の MCP サーバーを、チャット、エージェント、アプリ、フロー、ディープリサーチから利用するための仕組みです。従来は MCP サーバー側でツールが追加・変更されるとコネクタを削除して再作成する必要がありましたが、MCP sync によりこの運用が不要になります。管理者とコネクタオーナーは、承認済みツールのみをエンドユーザーに公開するガバナンスを構成できます。Amazon Quick が利用可能なすべてのリージョンで利用できます。
  • 9/3(木)
    • Amazon SES が S/MIME メール署名のサポートを開始
      Amazon SES が S/MIME (Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions) によるメールのデジタル署名に対応しました。署名用証明書を AWS Certificate Manager (ACM) に保存し、送信 ID に関連付けたうえで設定セットの S/MIME 署名を有効化すると、SES が送信時にサーバー側で自動的に署名を付与します。従来は送信者がメッセージを SES に渡す前に自前で署名する必要がありましたが、この作業が不要になります。受信者は From アドレスの保持者本人が送信したこと、および本文が転送中に改ざんされていないことを検証できます。本機能は SES が利用できるすべての AWS リージョンで利用できます。
    • Amazon Linux 2027 のパブリックプレビューを発表
      AWS は Amazon Linux の次期メジャーバージョンである Amazon Linux 2027 (AL2027) のパブリックプレビューを公開しました。AL2023 をベースラインとして、カーネル 7.1、GCC 16.1、Python 3.14 など主要コンポーネントを刷新し、SELinux をデフォルトで enforcing モードに変更しています。ポスト量子暗号 (PQC) がデフォルトで有効になり、AWS-LC による暗号処理の高速化と AWS Neuron ドライバのサポートも含まれます。プレビュー AMI は全商用リージョンで x86-64 / ARM の両アーキテクチャ向けに提供され、コンテナベースイメージは Amazon ECR Public Gallery から取得できます。サポート期限は 2032 年までと案内されており、AL2023 (2029 年 6 月サポート終了) からの移行先となります。
    • Amazon Quick Max を発表: Quick を最大限活用するパワーユーザー向けに 5 倍の使用量を提供
      Amazon Quick に新しい上位プラン「Quick Max」が追加されました。Max は Plus プランの 5 倍の使用量と 5 倍のインデックスストレージ (10 GB → 50 GB) を提供し、月をまたいで大規模なワークロードを中断なく実行したいパワーユーザーを対象としています。料金は年払いで月額 100 USD/ユーザー、月払いで月額 125 USD/ユーザー です。既存の Plus ユーザーは画面左ナビゲーション下部のユーザー名から「Upgrade plan」を選択するだけで切り替えでき、アップグレードは即時に有効になります。
  • 9/4(金)
    • AWS MCP Server が AWS Lambda 関数向けの serverless capability を追加
      AWS MCP Server に serverless capability が追加され、Claude Code や Kiro などのコーディングエージェントが Lambda 関数とその接続リソースの障害を診断できるようになりました。エージェントは 1 回のツール呼び出しで、7 日間ベースラインとの比較によるメトリクス異常検知、ログの構造化サマリー、デプロイ済み設定、変更タイムライン、X-Ray トレースの分析結果を取得できます。複数の API 呼び出しをエージェント側で組み立てる場合と比べて、トークン消費を抑えられます。serverless capability は追加料金なしで利用でき、AWS MCP Server 自体はバージニア北部リージョンとフランクフルトリージョンで稼働します。
    • Amazon Bedrock Managed Knowledge Base がデータソースコネクタの自動同期スケジュールに対応
      Amazon Bedrock Managed Knowledge Base で、データソースコネクタの自動同期スケジュールを設定できるようになりました。従来はソースデータの変更のたびに手動で同期を実行するか、EventBridge Scheduler などでカスタムの仕組みを構築する必要がありました。今回のアップデートにより、日次、週次、月次の 3 種類の頻度をデータソース単位で設定でき、Confluence や SharePoint、Amazon S3 などのネイティブコネクタ全てに適用できます。同期は増分処理のため、前回同期以降に追加、変更、削除されたドキュメントのみが処理されます。RAG アプリケーションのデータ鮮度維持にかかる運用作業を削減できます。
    • Amazon Bedrock Managed Knowledge Base が SharePoint、OneDrive、Confluence データソースのユーザー管理セットアップを導入
      Amazon Bedrock Managed Knowledge Base の SharePoint、OneDrive、Confluence データソースで、ユーザー管理セットアップ (3LO: 3-legged OAuth) が利用できるようになりました。従来はサービスアカウント方式 (2LO) の認証情報を第三者システム側で発行する必要があり、管理者権限を持たないユーザーは IT 部門との調整が必要でした。本アップデートにより、既存の Microsoft 365 アカウントや Atlassian アカウントでサインインするだけで、数分でデータソースの接続を完了できます。ただし 3LO は文書レベルのアクセス制御 (ACL) に対応しないため、本番ワークロードには引き続き Entra ID App-Only などのサービスアカウント方式が推奨されます。

今週は AWS Agent Registry の GA や Amazon Quick の新機能追加など、エージェント関連のアップデートも目立ちました。エージェントの検出・ガバナンスからツール管理まで、エージェント開発の土台が着実に整ってきている印象です。年末の re:Invent(11/30〜12/4)に向けてさらにアップデートが加速しそうですね。来週もお楽しみに!

それでは、また来週お会いしましょう!

著者について

Tomoya Tozuka

戸塚 智哉(Tomoya Tozuka) / @tottu22

飲食やフィットネス、ホテル業界全般のお客様をご支援しているソリューション アーキテクトで、AI/ML、IoT を得意としています。最近では AWS を活用したサステナビリティについてお客様に訴求することが多いです。
趣味は、パデルというスペイン発祥のスポーツで、休日は仲間とよく大会に出ています。