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クラウドベースの次世代バンキング

従来の銀行では、プロダクションサポートグループ、セキュリティ対応チーム、コンティンジェンシープランニング組織といった、労働集約型の人間中心の制御構造を主に利用しています。こうした制御構造は、責任を分散し、リスクを回避するセキュリティ体制を維持するのに必要であると考えられていました。残念ながら、この従来のモデルでは組織の特定分野のエキスパートと開発チームとの間に距離ができてしまうため、効率が低下し、イノベーションの妨げになります。

銀行などの金融テクノロジー (フィンテック) 企業は、最新世代の顧客のニーズを満たすためにより速く動く必要があることを認識しています。こうした顧客は、従来の銀行によるサービス提供が不十分な市場に身を置く顧客も含め、豊富なモバイルファーストのエクスペリエンス、一流の顧客サービス、幅広いサービスと製品へのアクセスを期待しています。彼らは小売よりもデバイスでの販路を好み、そのニーズに応える銀行をひいきにしたいと考えています。

AWS で稼働するバンキング
本日は、こうしたニーズに対応する AWS で稼働する 2 つの銀行についてお話ししたいと思います。両銀行ともクラウド上での挑戦から生まれたものであり、新しく興味深い方法で AWS の規模、パワー、柔軟性を活用しています。たとえば、両行は主にマイクロサービスを利用したり、新しいコードを 1 日に数十回から数百回デプロイしたり、分析とビッグデータを使用して顧客の理解をより深めたりしています。また、コンプライアンスや制御タスクにはオートメーションを適用したり、コミット時にコードの脆弱性をスキャンしたり、最小特権 IAM ロールの使用を体系的に付与、強制するシステムを作成したりもしています。

NuBank – ブラジルに本社を置き、1,000 万人以上の顧客にサービスを提供している NuBank は、Fast Company が世界で最も革新的な企業の 1 社として認めている企業です。2013 年に設立後、わずか 4 年でユニコーンステータス (評価額 10 億 USD) に達しました。最新の資金調達協議後、同社の評価額は 100 億 USD に跳ね上がりました。同社の AWS 活用方法の詳細については、以下のリソースを参照してください。

Starling – ロンドンに本社を置き、2014 年に設立された Starling は、3 億 USD を超える資金を調達しています。同社のモバイルアプリケーションでは、取引の即時通知を提供し、カードの凍結と凍結解除をサポートし、顧客サービス担当者とのアプリケーション内チャットを提供しています。同社の AWS 活用方法の詳細については、以下のリソースを参照してください。

両行ともオープンバンキングを非常に支持しており、サードパーティーの開発者がアプリケーションとサービスを構築できる API をサポートしています (NuBank APIStarling API の詳細をお読みください)。

2 つの動画 (How the Cloud… および Automated Privilege Management…) は、実に興味深いものでした。これらの動画では、権限管理の簡素化と、それぞれの銀行のセキュリティプロファイルの全体的な向上を視野にいれつつ、NuBank と Starling が Compliance as Code を実装した方法を詳しく説明しています。

次世代を担う 2 つの銀行が AWS をどのように利用しているかについて簡単にご紹介しました。お楽しみいただけたでしょうか。この記事にリンクを載せた動画には、多くの優れた技術情報が紹介されているので、興味を持ってご覧いただけることと思います。

Jeff;