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クレジットプーリングで Kiro のクレジットをチーム全体で共有する

本記事は、2026 年 11 月 4 日に Shweta V A、Ranjith Ramakrishnan、Krishna Parab が公開した「Share Kiro credits across your team with credit pooling」を翻訳したものです。

AI 利用料が予算の課題になっている理由

AI コーディングツールが開発の重要な一部になるにつれて、AI のクレジット使用量は急速に増えています。ただし、AI の使われ方は開発者やチームによって一様ではありません。クレジットを個人のサブスクリプションごとに均等に割り当てる方式は、チームのクレジット消費の実態と合いません。その結果、クレジットの使い方に無駄が生じ、毎月の請求額も予測しにくくなります。多くの組織にとって、AI のコストを管理することは、予算計画を立てる際の最大の懸案事項になっています。

心当たりはありませんか。同じ課題を抱えているのはあなただけではありません。よくある状況は次のとおりです。

  • 一部のパワーユーザーがクレジットの大半を消費する一方、ライトユーザーはクレジットを使い切れずに失効させています。
  • AI エージェントが誰にも気づかれないまま、夜間に想定外の料金を発生させることがあります。
  • 個別のシートライセンスによって請求が分断されます。あるグループの未使用クレジットを、別のグループの超過利用に充てることはできません。
  • 利用上限を簡単に適用する方法がありません。

チームには、AI の購入、共有、ガバナンス、利用予測をより柔軟に行う方法が必要です。今回、この課題に直接取り組みます。クレジットプーリングは、AWS アカウントを通じて請求を行いながら、予測可能な AI 利用料に対するコスト効率、ガバナンス、利用の柔軟性を提供します。Kiro Enterprise のお客様向けに提供を開始しました。チームが AI の利用を共有して統制するための、より賢く経済的な方法です。

クレジットプーリングとは

クレジットプーリングは、Kiro の企業向け料金モデルです。組織全体の Kiro クレジットを 1 つの共有プールにまとめ、チーム全体で使えるようにします。クレジットは全員が引き出せる共有プールに追加されるため、パワーユーザーはライトユーザーが使っていない分のクレジットを利用できます。管理者は各ユーザーに利用上限を設定でき、その利用分は共有プールから差し引かれます。クレジットプーリングでは、購入、可視化、ガバナンスを一元管理できます。請求は AWS アカウントを通じて行われるため、Kiro の料金は他の AWS の支払いと一緒に表示されます。

仕組みと中核となるメカニズム

  • シートあたり月額 $20(最小 2 シート):請求サイクルの途中でシートを追加した場合、そのシート料金と、共有プールに追加される 500 クレジットは、残り日数に基づいて初月分が日割りされます。
  • シートごとに 500 クレジットを含む:各請求サイクルで共有プールに追加されます。毎月リセットされます。
  • 追加クレジットは 1 クレジットあたり $0.04:購入するとすぐにプールに追加されます。購入したクレジットは最長 12 か月間繰り越せます。そのため、1 回の購買手続きで必要な容量をまとめて確保でき、先々の計画も立てやすくなります。
  • スマートなクレジット消費:チームはまずシート料金に含まれているクレジットを使い、次に追加購入したクレジットを使います。購入分は有効期限が近いものから消費されます。あるチームの余剰分が、別のチームの繁忙期を支えます。
  • 二重請求は発生しません:ユーザーが複数のグループに所属していても、組織が支払うのは 1 シート分だけです。

クレジットプーリングにより、実際のコスト削減、より強固なガバナンス、AI 利用の柔軟性が得られます。

共有クレジットによる実際のコスト削減

クレジットプーリングの中核的な価値はシンプルです。どのチームでも、AI の使用量は一様ではありません。開発者は、スプリントの最中には多くのクレジットを使う一方、コードレビューに集中しているときは使用量が少なくなります。クレジットが個人のシートに紐づいていると、ライトユーザーのクレジットは使われないまま残り、ヘビーユーザーは不足して追加購入が必要になります。プーリングによって無駄が減ります。クレジットを共有すれば、メンバー間の使用量のばらつきを組織全体で吸収できます。あるチームの余剰分が、別のチームの繁忙期を支えます。

例:ある企業が 20 シートを購入し、毎月 10,000 のシート料金に含まれたクレジットを共有プールで得ているとします。エンジニアリング(9 人)、デザイン(5 人)、データサイエンス(6 人)のメンバーは、全員が同じプールから引き出します。クレジットプーリングがない場合、AI コーディングツールをほとんど使わない 3 人の開発者は、毎月合計 1,500 の含まれたクレジット(シートあたり 500)を使わないまま残す可能性があります。一方で、含まれたクレジットを使い切った他のメンバーは、追加クレジットを購入する必要が生じるかもしれません。クレジットプーリングでは、これら 1,500 のクレジットが共有プールに追加され、複雑なリファクタリングを実行しているパワーユーザーが自動的に利用できます。そのため、追加クレジットを購入する前に、これらを使えます。手動でのリバランスは不要です。

チーム間で自然に負荷が分散されることに加えて、グループ単位の購買を積極的に管理する組織では、緊急のクレジット購入が減ります。また、プールの容量を実際のチームの利用パターンに合わせて適正化できるため、さらなる節約につながります。

AI 利用をきめ細かく統制する

クレジットプーリングは、ガバナンスの仕組みとしても機能します。Kiro には、管理者が他の企業リソースと同じように AI 利用を管理できるよう、明確なポリシー、リアルタイムの適用、自動化されたガードレールが備わっています。

3 段階の利用上限の階層

管理者は、プロファイル、グループ、個人の 3 つのレベルで利用上限を設定できます。優先度は、プロファイル、グループ、個人の順に高くなります。複数のグループに所属するユーザーには、ユーザーに有利になるよう、最も高いグループの上限が適用されます。開発者が上限に達すると、管理者が追加クレジットを購入するまで、それ以上の利用はブロックされます。そのため、月末に予期しない料金が発生することはありません。

スマートなしきい値通知

Kiro は、クレジットの使用率が設定したしきい値に達すると、管理者に設定可能なアラートを送信します。初期設定では、次の 3 項目が 80% と 100% に達した時点で通知されます。各ユーザーの限度額に対するクレジット使用率、プールクレジットの限度額、および購入済みシート数に対する割り当て済みシート数の利用率です。管理者は、クレジットが枯渇する前に先手を打てます。

プールメンバーの管理

シートの照合は自動で行われます。グループは手動で作成することも、AWS IAM Identity Center(IdC)から取り込むこともできます。サードパーティの ID プロバイダーによるグループ管理も、近日中に利用できるようになります。請求サイクルの途中でシートを追加した場合も、クレジットは即座にプールに追加されます。ユーザーが退職したり役割を変えたりしても、請求を中断させることなくシートの割り当てが更新されます。

これらの管理機能に対する API は近日提供予定です。プログラムからガバナンスを管理できるようになります。

AWS コンソールの Kiro アクセス管理ページ。概要カードには、ユーザー合計 4 人、グループ 0 件、シート 6 件(空き 2 件)、利用可能なクレジット 1,371 と「Buy more credits」のリンクが表示されている。「Seats added to Kiro」パネルには、シート合計 6、空き 2、割り当て済み 4、シート未割り当てのユーザー 0、削除保留 0 が並ぶ。その下の「Users added to Kiro」テーブルには、4 人のユーザーがすべて「Seated」の状態で並び、各行に Remove、Set usage limit、Add seat、Add user の各ボタンがある。

可視性、柔軟性、予測可能性を高めて計画を立てやすくする

測定できないものは管理できません。クレジットプーリングは、組織のあらゆるレベルの AI 利用料をリアルタイムで管理者に示すとともに、利用状況の変化に合わせて支出を調整する柔軟性を提供します。

リアルタイムのモニタリングダッシュボード

プールレベルのダッシュボードには、組織全体で利用可能、消費済み、残りのクレジットの合計が表示されます。シート使用率の追跡により、どのシートが十分に使われていないかを確認できるため、プールの規模を適正化できます。

より良い計画の立案

クレジットプーリングを使うと、個々のサブスクリプションや割り当て量を都度調整しなくても、利用パターンの変化に対応できます。グループレベルの利用傾向は、長期的な計画に役立ちます。購入したクレジットは最長 12 か月間有効なので、先を見越して追加クレジットを計画的に購入できます。

AWS コンソールの Kiro ダッシュボード(Credit sharing タブ)。「Kiro usage this month」カードには、今月の月間クレジット使用量 2,002、追加クレジット使用量 1,377、合計使用量 3,379 が表示され、ドーナツグラフで残りクレジットが 29% と示されている。「Settings」カードでは Kiro Credit Sharing が有効で、月間の共有クレジットは 4,750 となっている。「Insights」の注記では、クレジットは 2027 年 8 月 18 日に枯渇する見込みとされている。週表示の「Daily projected consumption」折れ線グラフは、10 月 5 日から 11 月 14 日までのクレジット使用量の推移を示し、週平均は 577 クレジット、今月の残りは 5 日。下部の 3 つのドーナツグラフは、今月消費したクレジットが 71%、月間クレジットが 6 ユーザーで 2K / 3K、追加クレジットが 79%(1.4K / 1.8K)であることを示している。

クレジットプーリングを始める

クレジットプーリングは、企業のエンジニアリングチームが求めていた 3 つのことを実現します。共有クレジットによるコスト効率の向上、きめ細かな制御を備えた一元的なガバナンス、そして、チーム全体で AI 利用料を予測しやすくする利用の柔軟性です。

クレジットプーリングで得られるものは次のとおりです。

  • コスト効率:ライトユーザーの使われないクレジットを減らす、または無くすことです。パワーユーザーは、チーム全体のプールを利用できます。
  • ガバナンスの深さ:プロファイル、グループ、個人の各レベルで利用上限を設定できる点です。
  • 計画の確実性:利用状況のダッシュボードとしきい値アラートで、月末の予想外の事態を防げる点です。
  • 企業としての信頼:AWS ネイティブの請求統合と AWS IdC によるグループ管理により、組織全体での AI 利用を支える点です。

チーム内でクレジットを共有する準備はできましたか。新規の Kiro Enterprise のお客様では、クレジットプーリングがデフォルトです。既存の Enterprise のお客様も、準備ができたら有効にできます。チームでの利用を検討するには 料金ページ を参照してください。パイロット導入をご希望の場合は、お問い合わせください。詳しい設定手順は ドキュメント を参照してください。

翻訳は Solutions Architect の吉村が担当いたしました。