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コンタクトセンターのワークフォース管理を最適化する Amazon Connect の予測、キャパシティプランニング、スケジューリング機能 (2025 年第 2 四半期)
ワークフォースマネジメント (WFM) は、コンタクトセンターの成功に不可欠です。通話量に応じた適切な人員配置により、顧客の待機時間と運用コストを削減できます。効果的な WFM は、適切なスキルを持つ適切なエージェントが、顧客の問い合わせ量に対応するために常に利用可能な状態を実現できます。スケジューリングへの体系的なアプローチにより、エージェントの生産性と顧客満足度の両方が最大化できます。
Amazon Connect の機能である Amazon Connect の予測、キャパシティプランニング、スケジューリングは、過剰な人員配置を最小限に抑えながら、運用目標を達成するために必要な人数のエージェントを適切なタイミングで配置できるよう予測、計画、検証を支援します。AI を活用した機能により、コンタクトセンターの管理者は問い合わせ量と平均処理時間を高精度に予測し、最適な人員レベルを決定、エージェントのスケジュールを最適化し、スケジュールの順守状況を追跡することが容易になります。この機能はクリック一つで有効化でき、カスタムアプリケーションを構築したり、高価なサードパーティソリューションをコンタクトセンターに統合したりする必要はありません。これらの機能は、内部運用の最適化、サービス目標の達成、エージェントと顧客満足度の向上に役立ちます。
これらのメリットを念頭に置いて、コンタクトセンターが人員を最適化する方法を変革する Amazon Connect のゲームチェンジングな機能を探ってみましょう。
1. 就業アクティビティのカスタマイズ
就業アクティビティのカスタマイズは、Amazon Connect におけるワークフォース管理機能の強化を求める組織にとって重要な機能です。従来のアプローチではデフォルトの「仕事」アクティビティのみが提供されていましたが、現代のコンタクトセンターでは、さまざまなタイプのエージェント業務を分類およびスケジュールする、より細かい制御が必要です。このカスタマイズにより、組織は WFM を実際のビジネス運営により適合させ、運営効率を向上させることができます。
Amazon Connect では、エージェントスケジュール用の就業アクティビティのカスタムラベルがサポートされるようになり、エージェントがスケジュールされている業務のタイプを特定しやすくなりました。この機能のリリースにより、カスタムラベル付きのアクティビティを作成し、曜日ごとにエージェントスケジュールに割り当てることができます。この機能は、顧客対応および非顧客対応の両方のアクティビティにわたる複数のスケジューリングシナリオに対応します。例えば、エージェントが管理業務に従事している場合や、サードパーティアプリケーションで業務している場合、これらは生産的なアクティビティとしてラベル付けされますが、これらのアクティビティに費やされた時間は Connect での予測需要に関係しません。
例えば、月曜日の業務アクティビティとして「注文処理」を、火曜日には「返品管理」を、そして残りの週には「仕事」(既存のデフォルトアクティビティ)を割り当てることができます。これにより、マネージャーは誰がどのタイプの作業にスケジュールされているかを簡単に特定できるようになり、体験が簡素化されます。このリリースは、エージェントが自分の時間がどのように配分されているかを把握できるようになるため、エージェントの体験も向上させます。
このカスタマイズ機能は、臨時のスタッフや契約社員を含む多様な雇用形態の従業員を管理する組織にとって特に価値があります。この機能により、企業はクリーンなデータ分離を維持しながら、カスタムラベルを使用して異なる就業活動を作成できます。これは正確な労働力分析にとって重要です。異なる活動に費やされた時間を正確に追跡することで、組織は予測された需要に合わせた正確なスケジューリングを維持しながら、労働力計画とリソース配分を改善できます。これにより、顧客対応業務と管理業務の両方で適切なカバレッジが確保され、生産的な時間と非生産的な時間の間に明確な可視性が生まれます。多様な作業ストリームとスケジュールを管理するこの包括的なアプローチは、カスタム作業活動が運用効率を向上させながら複雑なワークフォース管理シナリオにどのように対処できるかを実証しており、多様なスタッフィング体制と複雑なスケジューリングニーズに対処する現代のコンタクトセンターにとって不可欠なツールとなっています。
2. UI を通じた予測の編集
コンタクトセンターでは、顧客とのやり取りやサービス時間の予想される変動に合わせて、システムが生成した予測を調整する必要があることがよくあります。これらの変更は、サービス需要に影響を与える製品発売、マーケティング施策、または季節的なイベント中によく発生します。正確な予測を維持することは、運用パフォーマンスと顧客満足度の両方に直接影響し、不可欠です。
この機能以前は、予測担当者は手動で CSV テンプレートをダウンロードし、計算を実行し、データを入力し、完成したテンプレートを再アップロードする必要がありました。これは、異なるビジネスニーズを持つ複数の予測グループを管理するコンタクトセンターにとって特に負担となります。
新しい UI 経由での予測編集機能は、いくつかの重要な方法でコンタクトセンターの運用を強化します。手動計算の時間とエラーを削減することで効率性を向上させ、同時に企業が変化するニーズに迅速に適応できるようにします。組織は、予想される顧客ボリュームにスタッフレベルをより適切に合わせることができ、顧客サービス向上のためのピーク時間中の適切なカバレッジを確保できます。
Amazon Connect では、UI を使用して予測を調整する 3 つの簡単な方法が提供されるようになりました。パーセンテージによる調整、数値の加算/減算、または特定の数値によるシステム生成予測の置き換えです。これは、ビジネス全体、特定のキュー、またはチャネル(電話やチャットなど)ごとに予測を微調整できるスマートリモコンを持っているようなものです。例えば、ホリデープロモーションを実行している場合、他の予測は変更せずに、セールス予測グループのみで予想されるチャットボリュームを 20% 迅速に増加させることができます。
3. 繰り返しアクティビティ
WFM スケジューラーは、Outlook や Google カレンダーで繰り返しミーティングを設定するのと同様に、エージェントスケジュール用の繰り返しアクティビティを作成できるようになりました。簡単な例で説明します。
100 名のエージェントがいるカスタマーサービスセンターのワークフォースのスケジューリングを担当する Sarah を想像してください。毎週月曜日の午前 9 時に、各チームリーダーとそのエージェントのために 30 分間のチームミーティングをスケジュールする必要があります。また、毎週水曜日の午後 2 時に、各エージェントとその上司との週次 1 対 1 コーチングセッションをスケジュールする必要もあります。
この機能が導入される前は、Sarah は毎週手動でこれらのミーティングを入力する必要がありました。100 名のエージェントに対して、これは毎週約 200 のカレンダーエントリを手動で作成することを意味し、約 2 時間かかる作業でした。また、ミスをしたり、一部のミーティングのスケジュール設定を忘れたりするリスクも高くなっていました。
この新しい繰り返しアクティビティ機能により、Sarah はこれらのミーティングを一度だけ設定し、「毎週繰り返し」としてマークできます。Amazon Connect が自動的に将来の週にミーティングを追加するため、設定にかかる時間は 15 分になりました。ミーティングは、彼女が変更を決定するまで、将来のすべてのスケジュールに自動的に表示されるようになります。
これは、自分のカレンダーで月次チームランチや週次ステータスミーティングを設定するのと似ています。一度設定すれば、将来のすべての日付に自動的に表示されます。このシンプルな自動化により、Sarah は月に約 8 時間の作業時間を節約でき、より重要なタスクに集中できるようになります。
この機能の主要な機能は以下の通りです:
- 定期アクティビティを追加する際:
- 公開されたスケジュールに加えられた変更は即座に有効になります
- 下書きスケジュールに加えられた変更は、有効にするために再公開が必要です
- 定期アクティビティは、特定の日付で終了するか、無期限に継続するかを設定できます
- 無期限に繰り返すように設定されたアクティビティは、将来のすべてのスケジュールに自動的に表示されます
- 定期アクティビティの単一の回または全シリーズのいずれかを変更できます。変更は将来の回のアクティビティにのみ影響し、過去の回には影響しません
- Actions ログには定期アクティビティのスケジュールと例外が表示されます。このログで進捗を追跡でき、ステータスが「In Progress(進行中)」から「Complete(完了)」に変更されます
- 定期アクティビティを作成する際、「Override rules(ルールの上書き)」をチェックすると、労働時間制限などの制限をバイパスできます。チェックしない場合、ルールに違反するエージェントにはアクティビティが割り当てられません。どのエージェントが除外されたか、その理由を Actions ログで確認できます
アクションを起こしましょう
Amazon Connect の予測、キャパシティプランニング、スケジューリングと Amazon Connect 分析データレイク機能について詳しく学びましょう。
Amazon Connect 管理者ガイドは Amazon Connect の使用開始に役立ちます。仮想コンタクトセンターのプロビジョニング、設定、監視、スケーリングの方法を学びましょう。
Amazon Connect Learning Plans and Badges で Amazon Connect の中核概念を学び、コミュニケーションスペシャリストおよび開発者としてのバッジを獲得しましょう。
ビジネス上の問題を解決するために使用できる実践的なスキル、技術、または概念を教えたり紹介したりするように設計された Amazon Connect のワークショップで実践的に学びましょう。
RSS フィードを購読して Amazon Connect のリリースノートを受信しましょう。これからも有益でインスピレーションに満ちた Amazon Connect のブログ投稿(英語・日本語)にご期待ください。
リリースノート
- Amazon Connect now supports custom work labels for agent schedules
- Amazon Connect launches forecast editing UI
- Amazon Connect now supports recurring activities in agent schedules
筆者紹介
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Vikas Prasad は、米国メリーランド州を拠点に Amazon Web Services で WWSO Applications を担当するスペシャリストソリューションアーキテクトです。余暇には旅行、サイクリング、トレッキング、読書、家族でのボードゲームを楽しんでいます。 |
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Lakshay Mutreja は、カリフォルニア州を拠点とする AWS のソリューションアーキテクトで、Amazon Connect とコンタクトセンターソリューションを専門としています。イノベーションへの情熱を持つ彼は、お客様と協力してコンタクトセンター運営を変革し、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供しています。Lakshay は、組織が Amazon Connect の機能を活用してビジネス目標を達成できるよう支援する一方で、カスタマーエンゲージメントと運用効率を向上させる最先端のアプローチを継続的に探求しています。 |
翻訳はテクニカルアカウントマネージャー高橋が担当しました。原文はこちらです。