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Category: Thought Leadership

英国 国防省がAWSに言及しつつ、「パブリッククラウド」のメリットを説くブログを公表しました

英国の国防省(Ministry of Defence)より、「More secure in the public cloud(パブリッククラウドで、よりセキュアになる)」と題した公式ブログが公開されました。ブログ中、AWSにも具体的な言及があり、クラウド、特に「パブリッククラウド」と明示したかたちで、そのメリットが説かれています。今回のブログでは、AWSジャパン・パブリックセクターより、全文の翻訳と読み取られるべきインパクトについて、ご紹介します。

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AWSも協力し、教育分野でのパブリッククラウド導入拡大を謳う「政策提言ペーパー」が発表されました

本日(2021年1月12日)付で、一般社団法人 日本パブリックアフェアーズ協会理事である岩本隆氏(慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授)は、政策提言レポート『教育機関におけるパブリッククラウド導入拡大に向けた考察~ポストコロナ時代に求められる初等中等教育環境整備のあり方~』を発表しました。この政策提言レポートの執筆・発表に際しては、レポート中の「第5章」にも記載のある通り、AWSも全面的に協力をしております。

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本日閣議決定された『デジタル・ガバメント実行計画』を”クラウドのレンズ”で読み解く

本日令和2年(2020年)12月25日、『デジタル・ガバメント実行計画』が閣議決定に至りました。 今回のブログでは、335ページの大部の政策集となった『デジタル・ガバメント実行計画』(以下、『実行計画』。全文はこちら)を、クラウドの観点から読み直すことで、特に政府部門・公共部門の各お客様にクラウド導入をご検討いただく判断の一助となることを目指します。昨年版から120ページ以上も大幅加筆された最新の『実行計画』では、何が謳われているのでしょうか?

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AWSが支えるCOVID-19との闘い④──宮田裕章教授が語る「データ駆動型社会」という未来 ―「誰一人取りこぼさない」を実現するためのAWSの役割とは?

これまで本連載では、ビッグデータを活用した感染防止プロジェクトの目的や、主に慶應義塾大学の研究室において、どのような課題を解決しながらデータ分析をしてきたかなど、実際の担当者の方々にお聞かせいただきました。シリーズ最後の第4回では、今一度プロジェクトを発案された宮田裕章教授にご登場いただき、プロジェクト全体の成果、そして教授が描く今後のデータ駆動型社会のビジョンについてお話いただきます。今回も前回に引き続き、当社執行役員の宇佐見 潮がお話を伺いました。 ビッグデータ活用が新型コロナ第二波の抑制に貢献 神奈川県が開設する「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」は、県民が自らの体調や症状に応じ感染症に関わる情報を入手するサービスとして、現在も広く活用されています。その上で、同県では得られた情報分析の結果を、県内の感染状況の把握や対策の立案に活かしました。そもそも「EBPM(証拠に基づく政策立案)」を目指してスタートしたプロジェクトです。当然、宮田教授は集めたデータがどれだけ判断の基となることができたかにこだわりました。 「実際、PCR検査で陽性判定を受けた人の情報と、パーソナルサポートにより得られた情報の分析結果を突き合わせてみると、データの精度は一定のレベルに達しており、感染者の現状を推計できることが確認できました」と宮田教授は一定の評価を下しています。 それだけに神奈川県のアプローチは、全国の各自治体でも大きな注目を浴び、最終的に同様のサービスを提供する自治体は33都道府県にのぼりました。宮田教授は、「まだまだ収束の見通しはなく、コロナ対策においては全く油断できる段階ではない」とするものの、次のように意義も感じているといいます。 「パーソナルサポートやその後の全国調査を通じたデータ収集・分析によって、多くの方にデータ活用の重要性を伝えることができました。感染リスクの高いエリアや業態などの情報を踏まえ、リスクマネジメントの取り組みが各所で行われました。これは今後の命と経済を両立させる取り組みを行う上でも重要な情報です」(宮田教授) 社会にあるさまざまなデータの適切な整備が急務 このようにプロジェトの意義を語った宮田教授ですが、もちろんまだやるべきことは多々残されているといいます。今回まさにリアルタイムに統計を分析していくというこれまでにない取り組みでしたので、AWSとしても基本的なところでデータが標準化されていない点では苦労をしました。今後、相互運用可能なシステムの構築や、活用可能なデータの共有方法を社会全体で考えていく必要があると思います。宮田教授も、リアルタイムでデータに価値を持たせることができれば、さまざまな社会課題解決の糸口になると次のように語られています。 「象徴的なのは商品の在庫管理です。今回、いくつかの商品に関しては不安から起こる買い占めがおこり、必要な人が入手できなくなりました。特に2月、3月のトイレットペーパーにおいては実は総体としては広く行きわたる量がメーカーから供給されているにもかかわらず、消費の偏りによって不足が生じました。マスクにおいても同様で、在庫をデータでリアルタイムに管理できれば、例えばエッセンシャルワーカーやハイリスク者には1ヵ月分在庫を保証し、一般の人々には1週間保証するなど、個別最適で必要な人に届けることができます。データを適切に使えないことで、総量としての資源が同じ量でも、満足度が大きく異なってきます」(宮田教授) 先ごろ発足した菅義偉内閣では、その目玉政策としてデジタル庁を新たに創設しました。今回のようなパンデミック対策に限らず、防災や安全保障など行政上のさまざまな観点から、国として社会にある多種多様なデータを適切に整備し活用していくことが望まれます。 また、宮田教授は、今後急務となるのが、人々の国境をまたがる移動の円滑化だと指摘します。これについては、世界経済フォーラムとの連携のなかで設立された非営利組織「コモンズ・プロジェクト」が今まさに取り組みを進めているところです。宮田教授もグローバル評議員、日本代表として参画されています。 「コモンズ・プロジェクトで今進めているのが、渡航者の健康状態が受入国の入国基準を満たしているかをいかに証明できるかです。PCR検査あるいは将来的にはワクチン接種歴などを含む履歴をデジタル証明するための仕組の整備に取り組んでいます。先行きは不透明であるとはいえ次期オリンピック開催の当事国である日本にとっては、特に緊急性をもって推進すべきテーマだといえます」(宮田教授) 感染症の早期収束が期待できない中では、ロックダウンではなく、経済を動かしながら感染リスクを抑えるためにも「データ活用が必須」と宮田教授は訴え、「これからはデータ駆動型社会になる」とビジョンを明示します。 「最大“多様”の最大幸福」へのパラダイムシフト では、「データ駆動型社会」になると、どのように世の中は変わっていくのでしょうか?宮田教授は、それは、産業革命以来その役割を担ってきた「石油」から「データ」へとシフトしていくことであり、つまりは「所有」から「共有」へと価値観がドラスティックに変化していることを指摘します。 「石油は使用すると価値を消失する『消費財』であり、排他的に『所有』される資源でるため、企業や国家による争奪戦の対象となってきました。これに対しデータは使用しても消費されることはなく、より多くの量が蓄積されればそれだけ、多様かつ高度な価値を生み出せるのです。つまり、特定の国や企業の所有に帰することなく、広く社会の『共有財』として活かしていくことができるという側面もあります。大きく社会の価値を変えていくのです」と宮田教授は語ります。 例えば、今回のコロナ禍にあって、国では各世帯に10万円×世帯人数の定額給付金を支給しましたが、世帯ごとに経済格差もあれば、新型コロナによって受けた経済的ダメージの大きさもそれぞれに異なります。にもかかわらず、世帯一人あたり一律の金額を支給することが、果たして公正といえるのかという指摘もあります。こうした局面でも、データを活用すれば新たなアプローチを提案することが可能になると宮田教授はいいます。 「これまでの行政サービスを含む社会システムは、人々の平均像を想定した『最大多数の最大幸福』という理念の上に成り立ってきました。これに対し、一人ひとりにかかわるさまざまなデータを収集し、AIなどの技術を使って分析を行えば、多様性を重んじながら誰一人取りこぼさない『最大“多様”の最大幸福』のシステムに変えていくことが可能になるはずです。そして、そのために必要なシステム的な基盤は、AWSをはじめとして、すでに整っているといってよいでしょう」(宮田教授) データ駆動型の社会を目指す中で我々は、石油など所有物を奪い合うというかつてのシステムから脱却し、相互信頼に基づいてデータを共有して、価値の共創を図っていくというマインドセットへとシフトしていく必要があります。こうした点では、時代の先端をいくグローバル企業がこぞって、社会貢献をビジネスの軸に据えることを表明しているという事実とも符号するわけです。これに関し、今年、米国シアトルにあるAWS本社を訪れた宮田教授からは次のようなコメントを頂戴しています。 「シアトルの本社では、ヘルスケア、ライフサイエンス領域のリーダーの方々とお話しする機会をいただきましたが、その中で“最もお客様を大切にする企業”であると同時に、業界全体で一緒に成長しようという意思を強く感じました。日本のAWSの方々が良い方でニュートラルかつフェアなのかと思っていたのですが、本社に伺ってコーポレートポリシーとして根づいているものだと実感しました。これからの時代、“所有”から“共有”に価値が動く中で“ニュートラル”であることは非常に重要なこと。まさに時代の先端をAWSは歩んでおり、データ駆動型社会を実現するサポートを期待しています」(宮田教授) これまで、宮田先生との対談を通じて「新型コロナ対策パーソナルサポートへの取組み」、「データが共有される社会ではどのような価値観の転換がおきるのか」などをご紹介してまいりました。また、番外編としてLINEとAWSでの協業プロジェクトをご紹介いたしました。これからもAWSはテクノロジーを通じて、社会課題の解決に貢献してまいります。 * * * * このブログは、 慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室 教授 宮田裕章氏へのインタビューを、アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社 執行役員 パブリックセクター 統括本部長の宇佐見 潮が取材・執筆を担当しました。 今後とも日本の公共部門ブログ(日本語)やウェブサイト、又AWS 公共部門ブログ(英語版)等 AWS の最新ニュース・公共事例をぜひご覧いただき、デジタル化の推進にお役立ち頂ければ幸いです。 AWSが支えるCOVID-19との闘い ブログシリーズ ①LINEパーソナルサポートプロジェクトは、なぜAWSクラウドでなければならなかったのか? 発案者・宮田裕章教授に訊くAWSの魅力 https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/covid-19_response1_profmiyata/ ②科学的知見を社会に発信ープロジェクト分析リーダ・慶應義塾大学 野村准教授に訊く舞台の裏側 https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/covid-19_response2_profnomura/ ③刻々と変わる可視化ニーズをAWSクラウドでどう実現したか?― IQVIAジャパンに訊くELT処理・BIダッシュボードの実装・運用 https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/covid-19_response3_iqvia/ ④宮田裕章教授が語る「データ駆動型社会」という未来―「誰一人取りこぼさない」を実現するためのAWSの役割とは? https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/covid-19_response4_profmiyata/ 番外編 AWSとLINEが推進する3つのDX支援~企業のDX、自治体のスマートシティ、医療ICTの社会実装~ https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/covid-19_responseextra_line/ 公共機関における AWS 導入のためのお役立ちサイト […]

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re:Invent 2020 Liveblog: 公共部門セッションのサマリーをお届けします

AWS最大の年次カンファレンスであるre:Inventでは、数百のセッションが開催され、連日新しい発表が相次いでいます。(re:Inventに参加登録をいただくと、本日紹介するセッションや他のキーノートも含めてオンデマンド視聴が可能となります。) 今回のブログでは、日本時間の2020年12月10日(木)に配信された「From complexity to clarity: The strategic value of AWS」と題された、テレサ・カールソン(Vice President, Worldwide Public Sector and Regulated Industries)のセッションの内容を速報でご紹介します。各国の政府部門・公共部門のお客様にとって、AWSの提供する価値をどういった点で高く評価いただいているのか、AWSが各組織のミッションをどのように加速しているのか、3つの機関からお客様にもご登壇の上、語っていただいています。

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AWSが支えるCOVID-19との闘い 番外編──AWSとLINEが推進する3つのDX支援~企業のDX、自治体のスマートシティ、医療ICTの社会実装~

シリーズでご紹介してきた「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」プロジェクトは、そもそもビッグデータを集める上でもLINE社の尽力がなければ成り立たない取り組みでした。AWSでは、今回のプロジェクト以外にも同社との協業プロジェクトを複数実施しております。今回のブログでは番外編としてその内3つのプロジェクトをご紹介いたします。 ユーザー接点拡大とセキュアなデータ活用を実現 「LINE DX Program with AWS」 最初に紹介する「LINE DX Program with AWS」は、高いセキュリティ環境でスピーディーなシステム構築を実現できるAWS、そして月間利用者数8,600万人(2020年9月現在)のユーザー基盤と優れたUXをあわせ持つLINEを活用することで、企業のDXを支援するためのプログラムです。デジタル活用の岐路に立っている多くの企業は、DXの取り組みの中でまったく新しいビジネスモデルやサービスを生み出し、これまでとは異なるユーザー層や市場へアプローチすることが必要になります。例えば、オフラインを前提としたビジネスを、非接触を意識したオンラインとオフライン併用のビジネスに変えることが考えられます。その際に、オンラインとオフラインの融合や新たな体験価値の創出、市場認知を高めるための幅広いチャネルやマーケティング活動を基本とした顧客中心のサービスデザインをすることが不可欠です。 「LINE DX Program with AWS」プログラムは、オンラインとオフラインの両面でタッチポイントを持つLINE上でサービスを公開することで、APIによる技術提供の範囲を超えて、企業のDX実現における課題解決と新しい顧客体験の創造をサポートします。LINE社 マーケティングソリューションカンパニーの佐藤将輝氏は、本プログラムの意義を次のように説明しています。 「本プログラムの参画企業は、システム面においては『AWSによってクラウドシフトされた高いセキュリティレベルと柔軟性』、サービス面においては『多くの人がオンライン・オフラインで日常的に利用するLINEをベースとした自然なユーザー体験』を満たすソリューションを提供できます。DXは小さなチャレンジの積み重ねの上に成り立ちますが、AWSとLINEを使うことでハードルを低くしてDXにチャレンジできます」 本プログラムをはじめ、AWSでは技術とビジネスの両面で支援メニューを充実させて、AWSパートナーネットワークの拡大やAWSパートナー同士のつながりを促進しています。例えば、LINE社主催による、クライアント・パートナーとともに最新のCX(顧客体験)を考えるオンラインイベント「LINE CX DAY 」でも、AWSのパートナーであるACCESS社、アイレット社、サーバーワークス社が参画を発表。その後、アクセンチュア社、ゆめみ社など参画企業が増加しています。AWSの岡﨑貴紀も、次のようにサービスの抱負を語ります。 「AWSはパートナーと共に企業のDXを支える基盤として幅広く支援をしています。本プログラムによって、AWSパートナーが両社のプラットフォームの橋渡しをすることで、DXの取組みが浸透し、社会がより良いものに変わっていくことを期待しています」  福岡市モデルを地方自治体向けに汎用化&ソースコードを無償提供 続いて紹介する「LINE SMART CITY GovTechプログラム」は、自治体が汎用的に活用できるLINE公式アカウントの機能を開発し、ソースコードを無償提供するというものです。LINE Fukuoka社が主導しており、バックエンドシステムの標準クラウド環境としてAWSが選定されています。きっかけとなったのは、2018年からLINE Fukuoka社とLINE社が福岡市とともに進めてきた市のスマートシティ化に向けた取り組みです。その中核となる「福岡市LINE公式アカウント」において、市民と行政のコミュニケーションをサポートする機能を開発・提供してきました。例えば、自分が欲しい情報だけを受け取ったり、市民が道路や公園などの損傷を報告したり、粗大ゴミの収集依頼を申請・決済したりできる機能などです。その利便性が評価され、福岡市LINE公式アカウントの友だち数は170万人を超えています。 この福岡市の事例に対し、他の自治体からも同様の取り組みをしたいとの要望が多数寄せられました。そこで、他の自治体が汎用的に利用できるように機能を再開発し、開発したソースコードを誰でも利用できるように無償提供したものが「LINE SMART CITY GovTechプログラム」です。LINE Fukuoka社 GovTech推進チームの乾友輔氏は、本プログラムの企画背景を次のように説明しています。 「自治体向けのLINE公式アカウント活用については、LINE社が『地方公共団体プラン』を提供していますが、福岡市のように機能を十分に活用できている例は多くありません。そこで、より活用を促進させるために今回のプログラムを企画しました。開発にあたっては、セキュリティ水準の担保、コストの最適化、柔軟性・可用性向上の観点からクラウドサービスの利用を前提としました。AWSを利用する場合は、自治体や開発事業者は本プログラムで提供するソースコードを改変する必要がないため、導入工数や導入期間の削減が期待できます」 AWSでは、バックエンドシステムの標準クラウド環境を提供するとともに、各地のAWSのパートナー、開発企業と連携して導入支援も行っていきます。AWS パブリックセクター技術本部 部長の豊原啓治は、次のようにコメントしています。 「システム開発に際し、自治体として地元企業を活用したいという要望も多いことから、AWSとしては全国レベルのAPNパートナー、開発企業への支援、教育を推進していきます。コロナ禍での社会経済活動を支援するため、自治体にもかつてないほどの迅速性が求められています。限られた時間で思考錯誤を繰り返しながら、まずは新しいサービスをローンチし改善を繰り返していくことが必要とされており、本プログラムはその一助になると考えています」  コロナ禍で急進する医療・ヘルスケアICTの社会実装 最後に紹介するのは、2020年9月12、13日に開催された「モバイルヘルスシンポジウム2020」です。「医療・ヘルスケアICTの社会実装に向けた最新動向と課題」をテーマに、先端分野への取組みを加速している医療関係者、それを技術的に支える専門家や有識者が集い、網羅的なディスカッションを行いました。議論の結果を踏まえ、現在、政策提案の作成が進められています。 本記事の執筆を担当したAWS遠山仁啓も実行委員として参加するとともに、「AWSの医療ICT分野における取り組み」と題した講演で国内外の最新トピックスやクラウドのメリット、スタートアップ企業やゲノム領域での活用事例を紹介しました。 本シンポジウムを主催するITヘルスケア学会では、日本における国民の医療・健康の増進に資する効果的なICT利活用のあり方について議論してきました。2019年11月にも、オンライン診療をめぐる国内外の動向をテーマにした「モバイルヘルスシンポジウム2019」を開催。同年12月には政策提案を公表していましたが、正直なところ当時は、日本での医療ICT化の推進が社会に定着していくにはまだまだ時間がかかると見られていました。ところが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって、日本でもオンライン診療の時限緩和が行われるなど大きく状況が変わったのです。 本シンポジウムはそうした事態を受けて、本格的な医療・ヘルスケアICTの社会実装と課題を早急に議論するために急遽開催されました。私とともに実行委員として参加したAWS 公共政策部 シニアマネジャーの矢野敏樹は、次のようにコメントしています。 「コロナ禍で自粛が続く中、AWS公共政策チームでは社会のために何か貢献できないかと議論を重ねていました。そして、LINE社の公共政策室とのつながりから、ITヘルスケア学会の力をお借りして、オンライン診療の時限緩和の恒久化など、テクノロジーを用いた医療サポートを加速させる議論の場を設け、さらに提案書を作って政府に働きかけることになりました。現在、政策提案を取りまとめ中で、出来上がり次第、政策決定に関与される方などを回り、現場からの提案を行いたいと考えています」 また、実行委員としてともにシンポジウムの開催・運営に携わったLINE社からは、コロナ禍に対するスマートフォンを活用したデータ収集・解析という観点での講演やLINEヘルスケア社によるオンライン診療サービス「LINEドクター」の説明などがありました。LINE社 公共政策室の原田光輝氏は次のように話します。 「本シンポジウムは、コロナ禍の影響によりオンライン診療の時限措置が行われるという、ヘルスケア業界において劇的な変化が起こった中での開催でした。LINEヘルスケア社としても、オンライン診療サービス『LINEドクター』を講演の2日前に公表したばかりで、非常にタイムリーなタイミングでもありました。現在、国を挙げてデジタル化を推進しようとする大きな動きがあり、オンライン診療の恒久化を始めとする「医療・ヘルスケアICTの社会実装」の進展に向け、今回のシンポジウムが少なからず貢献できたものと考えています」 なお、シンポジウムには、本シリーズでお話を伺った慶應義塾大学医学部 宮田裕章教授にも登壇いただきました。多忙を極める宮田教授は通常、シンポジウムなどには登壇されませんが、今回は会の趣旨に賛同されての参加でした。「日本では初診のオンライン診療が認められたばかり。今回のコロナ禍の対応として一時的な措置と見る向きもありますが、定着化させるべき」との見解を示されています。そのためには、安定感のあるプレーヤーが成果を出すことが重要であり、LINEユーザーという大きな規模感でオンライン診療を進め、価値を証明することが重要とサービスへの期待も寄せられています。AWSとしても、ぜひ、宮田教授の期待に応えられるようテクノロジーを用いた日本での医療サポートを加速させていきたいと考えております。 多くの企業や団体がサービスをAWS上で提供しています。また、LINE社はモバイルアプリケーションとして、日本における消費者チャネルの基盤を保有しています。LINEとAWSの間をAWSパートナーが橋渡しすることで、今回紹介してきたように企業や自治体、医療など、さまざまな分野でDXが進み、社会をより良いものに変えていくと信じています。 […]

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AWSが支えるCOVID-19との闘い③─刻々と変わる可視化ニーズをAWSクラウドでどう実現したか?― IQVIAジャパンに訊くELT処理・BIダッシュボードの実装・運用

全4回に渡ってお届けする連載ブログ「AWSが支えるCOVID-19との闘い」。前回に引き続き、第3回では、システム実装を担当したIQVIAジャパン様に実装の工夫、AWSクラウドによるサーバーレスな実装の詳細についてご説明いただきます。 プロジェクトへの参画と難局打開を志すデータサイエンティストによるチーム結成 「LINEパーソナルサポートに集積された情報を解析して都道府県にフィードバックしたいが、これを手伝ってもらうことは可能か?」と宮田先生から電話いただいたのは土曜の朝でした。新型コロナウィルスという難局の打開に貢献したいと思っていた矢先だったので即決で快諾しました。 すぐに社内のデータサイエンティストや技術者に声をかけたところ、休日だったにも関わらず、皆から参加表明の返信があったのに感動したのを覚えています。 まずは都道府県へのフィードバック内容を決める必要があったので、慶應義塾大学の先生方と打ち合わせを繰り返しながら、フィードバックレポートのイメージ(図1参照)を数日で作り上げました。 図1:実装前の議論に利用したフィードバックレポートの提案資料 当初は週単位でのレポートでのフィードバックを想定していましたが、陽性患者数が急増するという切迫した状況だったため、「日単位での更新」「都道府県のユーザーによる自由解析」が望ましいというのが関係者の総意となりました。 そこで、IQVIAジャパンは医療ビッグデータの解析ツールを多く開発していたので、そのノウハウを活かしたBIツールによるダッシュボード開発を慶應義塾大学に提案し、その方針について快諾いただいたところから開発が始まりました。 各都道府県に迅速に展開できるBIツール/ダッシュボードの選定 開発にあたってまず決断しなければならなかったのは、各都道府県に公開するダッシュボードを何で作るか、ということでした。社内に豊富なナレッジが蓄積されたBIツールを中心に検討していたところ、AWS に造詣の深い部門からAmazon QuickSight (WEB/ブラウザベースのクラウド駆動の高速なビジネスインテリジェンスサービス)の機能および、SPICE (インメモリ計算エンジン) によるパフォーマンス向上について情報共有をしてもらったことをきっかけに、QuickSight に興味を持つようになりました。データ処理基盤と同じプラットフォームのサービスの一つとして運用できる点にも魅力があり、プロトタイピングという位置づけで QuickSight を使ったレポートを作り始めました。 実際に作業を始めてみると、Web ベースでありながら、動作はデスクトップのソフトウェアと同じくらい軽快で、操作結果がリアルタイムにフィードバックされるので、開発効率という観点では嬉しい驚きでした。また、ダッシュボード、チャート、フィルタなどの機能は他の BI ツールと遜色なく、一部の複雑なビジュアルを除いて機能面で困ることはありませんでした。このため、当初想定していたよりも形になるスピードが速く、また各方面からのフィードバックが良かったこともあって、QuickSight で開発を維持することに決めた、という経緯がありました。 都道府県の担当者の方々からは、公開当初から「直感的で分かりやすい」というフィードバックをいただいていました(図2参照)。アマゾン ウェブ サービス ジャパンのコンサルタントから、QuickSight 自体、ユーザーが直感的・探索的に操作できることを重視してデザインしていると伺いましたが、今回はこのデザインポリシーがうまく機能した好例と言えます。 この分かりやすさを最大化するため、表示する内容にもこだわりました。1つのダッシュボードに掲載する情報を都度十分に吟味し、回答者数・有症率・推定感染率という指標を、デモグラフィック・時系列・地理の3つの観点に分類して表示することで、1つ1つのダッシュボードが明確なメッセージを提供するようになっています。 図2:Quicksightにより各都道府県の担当者へ提供したダッシュボード(サンプル) 一方、各都道府県が他県のデータが見られないようにしたい、というセキュリティ要件もありました。これについては QuicksightのRLS機能(Row-Level Security:行レベルセキュリティ)や QuickSight の動的パラメータ機能を使うことで実現でき、わずか数クリックの設定だけで実装できるため、優位性がある機能だと思います。 ビジュアル面では、プリセットされたテーマの中から「Midnight」を選択し、ダークネイビーをバックにネオン系のアクセントカラーという今風のテーマのおかげで、デザイナーが設計したかのようなモダンなダッシュボードを数クリックで作ることができました。 ダッシュボードの裏側のデータ処理は、データの規模や開発効率、運用のしやすさを考慮して、Amazon Relational Database Service(RDS)(クラウド上で稼働するリレーショナルデータベース) を使用した SQL ベースの ELT処理 (Extract:抽出、 Load:書き出し、Transform:変換 )で実装し始めました。33都道府県向け(11月末時点:自治体や省庁の公式アカウント一覧)のダッシュボードに必要な機能のうち、実に3分の2を、ボランティアの開発者2~3名と少ないメンバーでかつ、開始から2ヶ月というスピードで提供できたのは、QuickSight のWEBベースで開発/共有できる使い勝手の良さとインメモリエンジンSPICEによる動作の軽さ、形にこだわらず結果を出力し、先生方のフィードバックをすぐに反映する事を優先した実装メンバーの方式選択の賜物と言えます。ただ、その裏でバッチ処理のコントロールはすべて手動で行っていました。想定外のデータの混入によるエラーなどで開発者が夜間や土日を使ってサポートしていたこともあり、その負担の軽減が大きな課題でした。 運用負荷低減やユーザニーズへの柔軟な対応の為にサーバーレスアーキテクチャへ移行 開発がひと段落したところ見計らって、AWS の Solution Architect にアドバイスをいただきながら、AWS Step […]

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re:Invent 2020におけるマネジメントとガバナンス関連セッションのご紹介

AWS re:Inventは、お客様と関わり合い、サービスや機能に関して学び、共有できる、エキサイティングな時期です。現在のパンデミックにより、今年のre:Inventは11月30日から12月18日までの 3 週間にわたって完全オンライン、無料で開催されます。そうです、あなたには参加する権利があるのです。 AWS re:Invent 2020はバーチャルで開催され無料です!!! このブログでは、AWSでのマネジメントとガバナンスに関するセッションのハイライトを紹介します。これらは、ビジネスの俊敏性とガバナンスコントロールの両者を維持しながら、AWS環境を有効化し、プロビジョニングし、そして運用するために、役立つセッションです。各セッションは、世界各地のお客様に向け複数回ブロードキャストされ、すべてあなたの家で快適な環境でご視聴いただけます。これらのセッションのメリットを享受するため、re:Inventに登録してください。

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セキュリティの実践とベストプラクティス -日本銀行様『クラウドサービス利用におけるリスク管理上の留意点』によせて-

本Blogは、クラウドにおける新しい常識”new normal”を考えるBlogの第五弾です。
多くのお客様は、より安全にサービスを提供するために多様なセキュリティを組み込み、また規制要件を満たしていくことで組織としての説明責任を果たそうとしています。
日本銀行様では、多くの金融機関のお客様がよりクラウドを活用したイノベーションをおこし、サービスを向上するために『金融システムレポート別冊』として「クラウドサービス利用におけるリスク管理上の留意点」(以下、本別冊とします)を発表しました。本Blogでは本別冊に基づき、組織がセキュリティを実践するために必要な考え方のいくつかを示してみたいと思います。

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AWSが支えるCOVID-19との闘い②ー科学的知見を社会に発信ープロジェクト分析リーダ・慶應義塾大学 野村准教授に訊く舞台の裏側

全4回に渡ってお届けする連載ブログ「AWSが支えるCOVID-19との闘い」。前回に引き続き、第2回では、プロジェクト分析リーダである慶應義塾大学 野村准教授に、神奈川県を皮切りに始まったプロジェクトのローンチから、他県への展開、疫学的知見・分析手法・ノウハウを一般社会へ広く公開・還元したエピソードをご説明いただきます。 LINEアカウント「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」のローンチ 2020年3月5日、LINEを活用した新型コロナウイルスに対する個別情報提供システム「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」の運用を始めました。日本が新型コロナの感染拡大の入り口にあった当時、「今すぐ可能なアプローチで、できる限りのことがしたい」という趣旨の元、行政や民間、アカデミア等の有志が集まり、ローンチに至りました。 このプロジェクトはLINEを使って新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のハイリスク群や潜在的罹患者のスクリーニングとフォローアップ、軽症者支援を効率的に行うためのシステムです。さらに、ユーザーが入力したデータを集積し分析することで、感染拡大や風評等二次被害の防止、及び予防・治療を含む今後の感染症対策に資する対策を検討することも目的としております。 主体は神奈川県で、行政の情報提供、相談支援業務の一環として行なっています。LINE株式会社からは、本システムの開発と維持管理を提供して頂き、Amazon Web Services(AWS)には本プロジェクトのデータ保管スペースとしてAmazon Simple Storage Service (Amazon S3)を提供頂いており、ローンチ時に迅速な判断で対応して頂きました。神奈川県顧問として本プロジェクト進行を統括する一人である宮田裕章氏が主任教授を務める慶應義塾大学医療政策管理学教室が、アカデミアで取り組むデータ処理と対応策の検討を主に担っています。筆者は当教室の特任准教授としてアカデミアチームをリードしています。 ローンチまではわずか約2週間 プロジェクト実施におけるLINEシステムの負荷や県電話窓口業務の負担のシミュレーション、感染症専門的な観点からのユーザーへのフィードバック情報の適切性の検討、そして数理統計学的な観点からのアンケート項目や配信計画の設定など、関係有志の専門性を最大限に生かす形でプロジェクトは始動しました。そこからローンチまでは昼夜を問わずオンライン上で激しい議論を交え、わずか2週間でシステムの運用が始まりました。 アカデミアチームの編成と役割 データ処理については、疫学・公衆衛生学や社会科学からのアプローチという学際的な性格を持ち、高度な統計分析とコンピュータサイエンスに関する専門知識を擁するためのアカデミアチームが必要でした。今ではメンバーは10人以上おり、皆本業の大学・民間の所属組織で実務をこなしつつ、半数以上が博士号を持ち、研究・開発、提言やコンサルティング業を中心に、データ分析に特化した若手のチームです(本項下部にリスト)。 慶應義塾大学 研究室におけるプロジェクトメンバーとのディスカッション風景   ユーザーが入力した情報はAWSに蓄積され、アカデミアチームはそのデータを当時は毎週の頻度で分析・集計し、神奈川県の担当者らにフィードバック、必要に応じて知事会見用の資料作成の補助や内容確認を行い、最終的に分析結果を知事が会見等で発信しながら、県の感染拡大防止策に役立てて頂きました。 例えば、令和2年3月27日(金曜)の神奈川県知事の定例会見では、手洗いうがいなど、個人で出来る基本的な感染症対策は90%以上の回答ユーザーが行っている一方で、テレワークや時差通勤など、社会システムとしての実装が求められる対策は、ほとんど進んでおらず、わずか10%程度の実施率であったことが発表されました(参考1)。 (参考1 ) 出典:https://www.pref.kanagawa.jp/chiji/press-conference/2019/0327.html   また、令和2年4月1日(水曜)臨時会見では、回答ユーザーにおける発熱者割合が上昇傾向にあり、警戒を要することが発表されました。これらはAWS上の回答データをアカデミアチームが分析し、結果を県に提示し、知事が会見で発信する、という一連のシステム運用の事例です(参考2)。 (参考2) 出典:https://www.pref.kanagawa.jp/chiji/press-conference/2020/0401.html システムの他県への拡大と、データの可視化 一方で、神奈川県発祥の「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」は、そのシステム運用を今では33都道府県(11月末時点:自治体や省庁の公式アカウント一覧 )に展開しています。そしてそのほとんどが3月中にローンチされました。AWS上に収集される回答ユーザーのデータを、アカデミアチームが分析し、個別に県にフィードバックするというサイクルには限界があるため、IQVIA ジャパンにAWS上でのデータのビジュアル化を設計・実装頂きました。収集されるデータを直にビジュアル化することで、データサイエンスを専門としない都道府県の担当者によるデータ解釈を容易にすると同時に、各種会見や感染拡大・防止活動のための自由な資料作成を可能にします。アカデミアチームによる監修や、各県担当者との同時説明会を得て、4月末には実装されました。 科学的知見を社会に発信 アカデミアチームでは、本プロジェクトを通して得られた新型コロナウイルス感染症に関する疫学的知見や、分析手法・ノウハウを一般社会へ広く公開し、還元していくことに力を入れています。例えば、発熱症状と新型コロナウイルス感染には時間的、空間的に有意な相関関係があることを示し、ウイルス検査が全国的に迅速に受けられない状況では、LINEのようなSNSを活用した症状モニタリングが非常に有用であることをまとめました成果を、査読付きの国際的英字誌に発表しました(文献1,2,3)。 (文献1) 出典:https://www.thelancet.com/journals/lanwpc/article/PIIS2666-6065(20)30011-0/fulltext (文献1) 出典:https://www.thelancet.com/journals/lanwpc/article/PIIS2666-6065(20)30011-0/fulltext   また、社会的距離政策を後押しするエビデンスとして、テレワークの実施と発熱症状には相関があり得ること(文献4)、上述の神奈川県知事会見で発表された予防行動に関するデータ(個人でできる予防と社会的サポートが必要なテレワークのような予防対策にはその実施率に大きな乖離があること)(文献5)、自粛要請・緊急事態宣言に伴う新型コロナウイルスの感染経路の変化について議論(文献6)、さらに、新型コロナウイルス感染症に罹患されている人が身近にいる人ほど、不安を抱えている人が多い可能性(文献7)などを発表しています。 また、英医学誌The Lancet Regional Healthの新型コロナウイルス感染症の症状モニタリングシステムに関するコメンタリー が、この日本の「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」を大規模疫学モニタリングの事例として紹介し、国際的に高い評価を得ています(参考3)。 (参考3)  https://doi.org/10.1016/j.lanwpc.2020.100024 今後に向けて 「第3波」の流行に備えて日本では何が必要なのか、何を準備すべきかという点を個別具体的に考えるための一助として、「新型コロナ対策パーソナルサポート(行政)」から得られる知見を個人はもちろん、各自治体や政府、民間等に役立てて頂きたいと思っています。 アカデミアチームメンバー(五十音順敬称略 2020年10月現在) 瓜生真也、江口哲史、川島孝行、河村優美、史蕭逸、田上悠太、高柳慎一、野村周平、牧山幸史、松浦健太郎、宮田裕章、米岡大輔 アカデミアチーム発表論文(2020年10月現在) […]

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