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Amazon Nimble Studio でクラウドスタジオを構築しよう:#1 機能とアーキテクチャ

先日 Amazon Nimble Studio が東京リージョンで利用可能になりました。これから使い始める方向けにサービスのコンセプトと機能への理解を深めていただけるよう、ユーザーガイドを補足する記事をお届けします。

ユーザーガイドはこちらをご覧ください。

第1回は、Amazon Nimble Studio の機能とアーキテクチャをご紹介します。

Amazon Nimble Studio の機能

Amazon Nimble Studio は主にワークステーション、ファイルストレージ、レンダリングの三つの機能で構成されています。

ワークステーション

Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) を使用した仮想ワークステーションへのオンデマンドアクセスを提供します。リモートディスプレイプロトコルとして NICE DCV を使用し、アーティストはクライアントアプリケーションもしくはブラウザからワークステーションにアクセスします。管理者はワークステーションを起動プロファイルで定義し、用途に合わせたインスタンスタイプ、Amazon マシンイメージ (AMI) の選択や、ファイルストレージ、レンダリングファーム、ライセンスサーバーなどへのアクセスを制御します。

ファイルストレージ

ワークステーションとレンダリングファームがアクセスする共有ファイルシステムです。デフォルトで Windows のフルマネージド共有ストレージである Amazon FSx for Windows がデプロイされますが、その他ストレージサービスも利用可能です。

レンダリング

Windows、Linux、mac OSに対応し、80 を超える 3DCG 制作ソフトを使用可能なレンダリング管理ソフトウェアの AWS Thinkbox Deadline を提供します。Render Farm Deployment Kit でデプロイ、設定、管理され、EC2 Spot インスタンスでレンダリングすることでオンデマンドインスタンスと比較してコストを最大 90% 削減できます。

アーキテクチャ

Amazon Virtual Private Cloud (Amazon VPC) は論理的に分離された仮想ネットワークです。Nimble Studio では AWS-managed VPC と User-managed VPC にて複数のサービスを使用します。

AWS-managed VPC

Amazon EC2 GPU インスタンスでワークステーションが構成されます。ワークステーションは AWS が管理している Nimble Studio VPC 内に構築されるため、インスタンスの管理は EC2 のコンソールではなく Nimble Studio のコンソールで行います。

User-managed VPC

スタジオデプロイ時に作成される VPC で、ファイルストレージ、レンダリングファーム、ライセンスサーバー、Active Directory などが構成されます。オンプレミスネットワークと AWS VPN を使用して接続できます。

Nimble Studio ポータルへの安全なアクセスを AWS Single Sign-On (AWS SSO) が提供します。AMI は EC2 インスタンスの起動に必要な情報を含むテンプレートで、AMI に任意の 3DCG ソフトをインストールし、起動プロファイルで指定してワークステーションとして起動することやレンダーサーバーとして起動することができます。

インターフェース

ユーザーが Nimble Studio にアクセスする方法は三種類あります。

AWS Management Console の Nimble Studio Console

AWS Management Console は、管理者が AWS サービスにアクセスする際に使用するウェブアプリケーションです。管理者はクラウドスタジオを作成し、設定を管理します。例えば、リソースの追加や削除、起動プロファイルの追加、ユーザーおよびグループへの権限の付与を行うことができます。

StudioBuilder

管理者がスタジオデプロイ時に EC2 上で使用する Cloud Development Kit (CDK) アプリケーションです。コマンドラインインターフェイスでプロンプトに従ってファイルストレージやレンダリングファームなどのリソースを設定します。

Amazon Nimble Studio ポータル

アーティストと管理者向けの Nimble Studio 専用ポータルです。管理者はアーティストへの起動プロファイルの割り当て、アーティストはワークステーションの起動や接続を実行できます。

終わりに

第1回は Amazon Nimble Studio の機能とアーキテクチャについてご説明しました。デプロイ方法はこちらのユーザーガイドをご参照ください。第2回は AMI をカスタマイズしてワークステーションやレンダーサーバをセットアップする方法をご紹介します。

このブログは SA 門田が担当しました。

参考リンク

AWS Media Services
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)
AWS のメディアチームの問い合わせ先: awsmedia@amazon.co.jp
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