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PGA TOUR が AWS クラウドを活用して TOURCast を日本で提供開始
PGA TOUR は、より良い統計データを収集し、広く普及、さらにはファンを競技に近づけるための施策として、2024年の ZOZO Championship で TOURCast を日本で初披露しました。これは CDW がサポートする革新的なスコアリングシステム ShotLink の新バージョンになります。PGA TOUR がこのような最新技術をアジアに持ち込めたのは今回が初めてで、Amazon Web Services(AWS) のクラウドの柔軟性とスケーラビリティを活用することで、実現に向けた課題を乗り越えることができました。
「私たちは過去 2 年間で、スコアリングシステムを完全に新しい AWS のソフトウェアスタックに置き換えました。それによってコース上の技術設置が非常に柔軟かつ機動力があるものになり、今大会で TOURCast を初めて実現できたのです」と、PGA TOUR のゴルフ技術責任者である Ken Lovell 氏は説明します。
この技術革新の中核には、入力ソースを区別しないクラウドベースのインフラストラクチャがあります。レーダーシステム、カメラ、手動入力といった様々なデータ収集手段からの情報を、システムはシームレスに処理できるのです。この柔軟性が、PGA TOUR が独自の制約に直面した ZOZO Championship での導入を可能にしました。
この新しいアプローチの革新性は、PGA TOUR が既存のインフラストラクチャとデータ統合の方法を試しているところにあります。「システムは入力方法を気にしません。座標と選手情報さえあれば、AWS ソフトウェアスタックが残りを処理してくれます」日本では、選手にトラッキングデバイスを装着させる代わりに、「フェアウェイごとに特殊な GPS 機器を持った要員を配置し、ショットの詳細を手動で入力しました」と Lovell 氏は明かします。「そして AWS 技術を活用したテクノロジースタックのおかげで、アイデアから実際の運用までわずか 4 か月でできたのです」。
この柔軟性は、PGA TOUR と AWS のパートナーシップの直接的な成果です。AWS のクラウド技術を活用することで、PGA TOUR は大会ごとの特性に合わせてスケールアップ/ダウンできるシステムを構築できました。Lovell 氏は次のように述べています。「AWS を選んだ大きな理由は、自分たちのビジネスが独自のものであることを理解していたからです。究極の モジュール性と柔軟性を求めていました」。
このクラウドベースのアプローチによる恩恵は柔軟性だけにとどまりません。PGA TOUR は、現地の小規模なチームだけで全体の運用を遠隔から管理できるようになりました。「フロリダ本社からこの大会のシステムを管理できました」と Lovell 氏は説明します。「全てクラウドベースなので、場所は関係ありません。デバイスレベルとソフトウェアレベルの両方で、通信障害に対処できるストアアンドフォワード機能を組み込んでいます」。
しかし、このグローバル展開には課題もあります。データ処理のため遠くまで移動する必要があり、レイテンシーが重要な懸念事項となっています。「データがどれくらい速く移動できるかを試しているところです」と Lovell 氏は認めます。チームは AWS Direct Connect などのオプションを検討しており、APACリージョンにエンドポイントを設ける可能性も探っています。AWS Direct Connect は、お客様のネットワークを AWS に直接接続し、一貫したパフォーマンスと低レイテンシーを実現するクラウドサービスです。
PGA TOUR はこの導入に慎重なアプローチを取っています。大会中は TOURCast をライブで提供しましたが、チームは大会後により詳細な結果を検証してから一般公開する予定です。この拡大は PGA TOUR にとって単なる技術的な成果以上の意味があります。より広範なグローバルカバレッジに向けた戦略的な一歩となるでしょう。
ゴルフがグローバルに成長を続ける中、柔軟なクラウドベースの技術への投資により、PGA TOUR は国際的なファンのニーズに対応できる体制が整いました。AWS を活用した TOURCast の展開により、PGA TOUR は、この取り組みを通じて、単にゴルフのスコアリングシステムを構築したにとどまらず、スポーツ分野におけるグローバルな技術革新を実現することに成功しました。
ビジネスの成長を加速させるためにAWSをどのように活用できるか、詳しくは AWS 担当者までご相談ください。
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参考リンク
AWS for Sports
AWS Media & Entertainment Blog (日本語)
AWS Media & Entertainment Blog (英語)
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このブログは AWS 山口が担当いたしました。原文はこちらをご覧ください。