Amazon Web Services ブログ
re:Invent 2018に向けて 2018年11月後半アップデートのまとめ 第二弾
みなさん、こんにちは。アマゾン ウェブ サービス ジャパン、プロダクトマーケティング
エバンジェリストの亀田です。
サンフランシスコの空港に到着し、ラスベガス行きの飛行機を待っています。ラスベガスでは空港でre:Invent2018へのチェックインができるようになっています。会場でもできますので、ご無理なさらず皆さんのご都合の良い場所でチェックインをしてくださいね。
さて、第一弾に続き、2018年11月後半アップデートのまとめをお届けします。
Amazon SageMaker が Object2Vec と IP Insight の組み込みアルゴリズムをサポートするようになりました。
Object2Vecは、類似の単語、フレーズ、および文章があるアプリケーションで使用される教師付き学習アルゴリズムです。例えば、文書分類システムの構築、ユーザーの格付けが紐づく映画推薦システムなどで使われます。
IP Insightsは、リクエストのIPアドレスを分析して不審なオンライン動作を識別する新しい教師なし学習アルゴリズムです。アルゴリズムは統計モデリングとニューラルネットワークを使用して、例えば、銀行のアカウントへのユーザーのアクセス履歴からIPv4アドレスを識別し攻撃の検知等に用いられます。
AWS CodePipeline の実行速度が向上し、かつステージごとにより多くのパイプラインアクションをサポートしました。
パイプラインアクション間の遷移時間を短縮し、パイプラインの実行時間が短縮され、ビルドとテストの結果がすぐに得られ、機能をより迅速に反復することができるようになりました。すべてのアクションタイプに対してステージあたりのアクションのデフォルト制限が最大20から50になりました。
AWS CloudTrail が AWS Organizations をサポートしました。
組織全体でAWS CloudTrailを1つのアカウントから作成、管理、展開することができるよになり、組織内の各メンバーアカウントに自動的に適用される統一イベントロギング戦略を定義できるようになりました。
Amazon EMR が Jupyter Notebook をベースとしたマネージド分析環境である、EMRノートブックをリリースしました。
EMRノートブックはSpark用に事前設定されており、Sparkのマジックカーネルをサポートしているため、PySpark、Spark SQL、Spark R、Scalaなどの言語で書かれたEMRクラスタ上でSparkジョブを対話的に実行することができます。これらのライブラリをインポートしてデータを操作し、豊富なグラフィカルなプロットで計算結果を視覚化することを可能にするCondaのオープンソースライブラリがノートブックに付属しています。さらに、各ノートブックにはSparkの監視機能が組み込まれており、ジョブの進行状況を監視し、ノートブックから直接コードをデバッグすることができます。
Amazon Connect が コンタクトフローの設定に、Loop (ループ)ブロックをサポートしました。
ループブロックを使用すると、コンタクトフローのセグメントを繰り返すことができ、例えば、クレジットカード、口座番号、社会保障番号などの難しい入力を、顧客が簡単に入力できるようになります。また、悪天候のために会社が閉鎖されていることを知らせる際など、指定した回数だけ電話をかける処理ができるようになります。
Amazon Transcribe が リアルタイムの文字書き起こし(トランスクリプション)に対応しました。
ライブ・オーディオ・ストリームからテキスト・トランスクリプトをリアルタイムで受信できる機能が加わり、リアルタイムトランスクリプションが可能となりました。
AWS Lambda が Python 3.7 をサポートしました。
既にサポートされている2.7と3.6のバージョンに加えて、Python 3.7を使用してAWS Lambda関数を開発できるようになりました。既存のPython関数は、ランタイムを “python3.7″に設定し、新しいランタイムと互換性があるように必要な変更を加え、関数の設定を編集することによって新しいランタイムに切り替えることができます。
Amazon WorkMail がメール送信時にLambdaを実行できる用になりました。
アウトバウンドメールルールを使用してLambda関数の実行が可能となり、組織内のコミュニケーションに関する分析を実行したり、送信されたメッセージの監査証跡を記録したりすることができます。また、送信される電子メールに応じて、追加のカスタムアクションをトリガすることもできるため、例えば、Lambda関数を使用して、Amazon Chimeやテキストメッセージなどの追加の通信チャネルを介して電子メールの受信者に緊急の電子メールを通知することができます。
Amaozon ElastiCache for Redis が自動フェイルオーバーとT2ノードのバックアップ/リストアに対応しました。
T2ノードタイプの自動フェイルオーバーとバックアップ/リストアをサポートするようになり、汎用Mおよび計算最適化されたRノード環境と同等の設定を持つ、T2ノードを開発およびテスト環境に構築できます。T2ノード上で動作するRedisクラスタ用のElastiCacheのスナップショットを作成し、復元操作に使用することができます。さらに、ElastiCacheのマルチAZ自動フェイルオーバーを有効にして、マスター障害時に自動的に読み取りレプリカにフェイルオーバーすることができます。
Amazon SageMaker の自動モデルチューニングがハイパーパラメータチューニングのWarmスタートに対応しました。
Warmスタートを使用すると、1つまたは複数の親チューニングジョブから学習された事前知識を使用して、新しいハイパーパラメータチューニングジョブを作成できます。これにより、自動モデルチューニングが短時間で完了し、チューニングコストが削減されます。
AWS IoT Device Management がフリートインデキシング (Fleet Indexing)機能をリリースしました。
フリートインデックスを使用すると、デバイスのメタデータや状態を簡単に照会することができ、一度に1つまたは複数のデバイスにリモートアクションを送信したり、デバイスへのジョブ展開を制御することができます。
デバイス接続のインデックス作成機能を使用することで、デバイスのAWS IoT Coreライフサイクルイベントのインデックスを作成し、デバイスが現在AWS IoTに接続されているかどうかを検出でき、Fleet Indexのデバイスのレジストリ、シャドウ、および接続データを検索できるようになります。例えば、デバイス接続インデックスを使用して、カスタマーサポートチームがお客様のデバイスのファームウェアバージョンと接続状態を検出し、問題を迅速に解決できるようにすることができます。
Amazon ElastiCache for Redis が最大250ノードをクラスタ単位でサポートするようになりました。
Redis Cluster環境を最大250のノードと250のシャードにまで拡張することができるようになり、16.6倍以上のメモリ内データを格納でき、170.6 TBという最大インメモリ・データ・サイズが可能となりました。デフォルトでは最大クラスタサイズは90に設定されていますので、こちらから、制限の緩和を申請してください。
Amazon Route53 が ハイブリッド環境向け新機能、Amazon Route 53 Resolverを発表しました。
ハイブリッドクラウド全体でシームレスなDNSクエリ解決を可能にすることで、オンプレミスデータセンターとAmazon Virtual Private Cloud(VPC)の間のDNSネームスペースを解決できるように、DNSエンドポイントと条件付き転送ルールの作成に対応しました。Route 53 Resolverのルールとエンドポイントを使用して名前がホストされている場所に関係なく、双方向のクエリ解決が可能になりました。
AWS Cost Explorer でコスト予測機能が拡張されました。
改善された予測エンジンを使用して、環境の複雑さにかかわらず、ニーズに合わせてより正確な費用予測を行うことができるようになります、個別の料金タイプ(オンデマンド使用、予約済みインスタンス使用など)に基づいて履歴データをセグメント化し、機械学習とルールベースのモデルを組み合わせて使用し、より高い精度でコスト予測を行います。
AWS Systems Manager がマルチアカウント、マルチリージョンの管理に対応しました。
マルチアカウントアクションとマルチリージョンアクションをサポートし、AWSリソースを集中管理できるようになりました。たとえば、パッチとセキュリティの更新を一元的に実装し、タグを使用してEC2インスタンスを停止するなどの主要リソースを構成し、VPC構成やS3バケットポリシーなどの構成をコンプライアンスポリシーに基づき修正することができます。
AWS Config が AWS Cloud Formation Stack のドリフト検知をサポートする新しい ルールに対応しました。
ドリフト検知はCloud Formation スタックが実際の構成が予想される構成と異なるかどうかを検知します。これにより、リソース構成の一貫性を向上させることができます。
AWS Elastic Beanstalk が Node.js 10 実行環境をサポートしました。
Node.js 10を使用してアプリケーション実行環境の構築ができるようになりました。最新のNode.js 10では、N-API(ネイティブアドオンを構築するためのAPI)、タイムトラベルデバッグ機能、新しいVisual Studioコード拡張やInspectorプロトコルのサポート、等多くの新機能が含まれています。
AWS Server Migration Service が AMIの暗号化をサポートしました。
AWS Server Migration Serviceは VMware vSphereおよびMicrosoft Hyper-V環境の仮想OSイメージをEC2用AMIに変換する機能を提供します。AWS KMS(Key Management Service)の顧客マスタキー(CMK)を使用してAMIを暗号化することができるようになりました。
AWS Server Migration Service が 失敗したレプリケーションジョブのレジュームに対応しました。
障害の発生した複製ジョブを再開できるようになり、ジョブの失敗時に修復作業を行い、失敗した時点から複製を再開できます。これにより、移行プロセスに回復力が加わり、効率的かつタイムリーな方法で大規模なサーバー移行が実現できます。
Amazon WorkSpaces がユーザー自身によるセルフサービスの管理機能をリリースしました。
新しいエンドユーザーセルフサービス管理機能により、IT担当者やヘルプデスクの助けを借りずに、WorkSpacesユーザーがワークスペースの再起動、再構築、バンドルタイプの変更、ボリュームサイズの変更、WorkSpacesクライアントの直接の実行モードの変更を行うことができます。勿論管理者のみがこれらの変更を保有する従来の運用を続けることもできます。
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量がまた多くなってきましたので、第二弾はこの辺りにしたいと思います。re:Invent本番までに第三弾の投稿を行いますので、お待ちくださいね。
– プロダクトマーケテイング エバンジェリスト 亀田