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AWS Marketplace 販売者および顧客向けに現地通貨による支払いオプションを拡充
本記事は、2024 年 10 月 24 日に公開の「Expanding local currency payment options for AWS Marketplace sellers and customers」を翻訳したものです。
AWS Marketplace は、アマゾン ウェブ サービス (AWS) が提供する厳選されたデジタルカタログです。調達と管理を簡素化して、顧客はサードパーティー製のソフトウェア、データ、サービスを簡単に検索、テスト、購入、デプロイできます。AWS Marketplace 販売者は顧客向けに、米ドル (USD) に加えて、ユーロ (EUR)、英ポンド (GBP)、日本円 (JPY)、豪ドル (AUD) の 4 通貨で、契約料金の製品に対するプライベートオファーを直接作成できるようになりました。また、販売者は AWS Marketplace での売上金の支払いを現地銀行口座で受け取ることもできます。このため、販売者の現地での収益認識プロセスが簡素化し、グローバルな事業拡大を加速します。顧客は、為替変動の影響を受けることなく、希望する通貨で AWS Marketplace のプライベートオファーを取引できます。これにより、予算が立てやすくなり、購入プロセスが効率化されるとともに、顧客の既存の支払い方法に基づいて現地通貨による一貫性のある請求処理が可能になります。
この投稿では、AWS Marketplace 販売者および顧客が USD 以外の通貨でプライベートオファーを取引する方法を、ステップバイステップで紹介します。
AWS Marketplace で販売を行う AWS パートナーからの新機能に関する声
「AWS と Trend Micro を利用している世界有数のデベロッパーにとって、この通貨機能の追加は画期的です。現地通貨での取引により、新規および既存の顧客のプロセスが簡素化し、リスクが軽減して、さらに事業規模の拡大効率も向上します。これは AWS が提供する最も重要な機能の 1 つであり、サイバーセキュリティ業界で卓越したビジネス価値とイノベーションを生み出すという私たちのコミットメントを示すものです」
Trend Micro、Director of Cloud Alliance、David Burke 氏
「Tackle のお客様にとって、AWS がこれらの外国通貨に対応したことは非常に大きな意味を持ちます。お客様のニーズに応える上で重要なのは、お客様の購入プロセスを理解することです。AWS Marketplace の製品およびエンジニアリングチームと協力して、Tackle Prospect に新機能を実装したことで、ユーザーは英ポンド、ユーロ、日本円、豪ドルでプライベートオファーの取引を希望する見込み客を特定できるようになりました。これは、私たちにとって大きな前進です。この機能の立ち上げ初日から、パートナーとして参画できることを嬉しく思います」
Tackle、CEO、John Jahnke 氏
「最近、Siemens 傘下の Mendix が AWS Marketplace においてユーロでの取引を初めて行いました。私たちにとって、現地通貨で取引できる機能は画期的なものでした。この機能のおかげで契約が成立したことは、間違いありません。私たちは、Siemens Xcelerator の全ポートフォリオを AWS Marketplace で展開しており、現地通貨での取引によりそのプロセスを効率化し、リスクを軽減しています。AWS Marketplace での現地通貨機能の拡張に大いに期待しています」
Siemens、Global Sales, Marketing and Services、Executive Vice President、Bob Jones 氏
新規 AWS Marketplace 販売者向け
AWS Marketplace 販売者として登録することで、自社の製品やサービスを他の AWS Marketplace 顧客に販売できます。販売者として登録するには、銀行情報を入力する必要があります。販売者の登録に、現地銀行口座を使用できるようになりました。現地銀行口座の登録は、対象となる販売地域のいずれかに所在していれば問題ありません。これにより、支払いオプションが簡素化され、既存の銀行口座をそのまま支払いの受け取りに使用できるようになります。
AWS Marketplace 販売者向け
複数の現地銀行口座を使って、支払いを受け取ることができるようになりました。支払いは 1 つの銀行口座で 5 通貨すべてで受け取ることも、現地チームが現地銀行口座で現地通貨で受け取ることもできます。例えば、複数の銀行口座を使用する場合、ユーロでの支払いは EU 所在の新しい銀行口座で受け取り、豪ドルでの支払いはオーストラリア所在の別の銀行口座で受け取ることができます。AWS Marketplace では、収益の確認方法を柔軟に選択できます。
AWS Marketplace 顧客向け
契約料金のプライベートオファーについて、USD 以外の 4 通貨で販売者と直接交渉したり更新したりできるようになりました。契約料金のプライベートオファーを現地通貨で承諾すると、サブスクリプションの期間中は同通貨で請求が行われるため、為替変動の影響を受けることはありません。
ソリューションの概要
AWS Marketplace 販売者として USD 以外の通貨でプライベートオファーを作成するには、以下の手順に従います。
- 現地銀行口座と支払い受け取り方法を追加します。
- USD 以外の通貨でプライベートオファーを作成します。
- USD 以外の通貨で現在のプライベートオファーのサブスクリプションを更新または変更します。
AWS Marketplace 顧客として USD 以外の通貨でプライベートオファーを承諾するには、以下の手順に従います。
- USD 以外の通貨で契約料金のプライベートオファーを取引します。
前提条件
プライベートオファーを作成するには、AWS Marketplace の販売者アカウントとそのアカウントにアクセスするためのサインイン認証情報が必要です。
ソリューションの概要: AWS Marketplace 販売者および顧客向けに現地通貨による支払いオプションを拡充
USD 以外の通貨でプライベートオファーを取引するには、次のセクションの手順に従います。
AWS Marketplace 販売者として現地銀行口座と支払い受け取り方法を追加する
現地銀行口座を追加するには、次のスクリーンショットに示すように、指定されたフィールドに銀行口座の詳細と請求先住所を入力する必要があります。
- AWS Marketplace Management Portal にサインインし、[Settings] タブに移動します。[Payment information] の [Bank accounts] で新しい口座を追加できます。
- [SWIFT account] を選択します。[Bank account holder name] フィールドに銀行口座名義人の名前を入力します。
- 金融機関識別コード (BIC)、別名 SWIFT コードを入力します。これは、世界中の銀行や金融機関を識別する 8~11 文字のコードです。BIC は、ブラウザで検索したり、銀行に直接問い合わせたりするなど、さまざまな方法で調べることができます。
- 口座番号を入力します。
請求連絡先情報は、支払い方法に関連付けられた請求先住所を確認するために使用されます。請求または支払い関連のご連絡はこの連絡先に送信されます。
英国所在の銀行口座を使用する場合は、本人確認 (KYC) プロセスを完了し、ルクセンブルクを拠点とする AWS 事業体 AWS EMEA SARL (AWS Europe) を通じて販売を行います。詳細については、「AWS Europe に関する FAQ」をご覧ください。
現地銀行口座を追加した後、支払い受け取り方法として銀行口座に通貨を関連付けます。1 つの銀行口座には 1 つの通貨のみを関連付けることができ、同じ通貨を別の銀行口座に関連付けることはできません。1 つの銀行口座ですべての対応通貨で支払いを受け取る場合は、その口座が複数通貨での入金に対応しているかを銀行に確認してください。
AWS Marketplace 販売者として USD 以外の通貨でプライベートオファーを作成する
銀行情報を入力し、支払い受け取り方法を追加したら、対応現地通貨でプライベートオファーを作成できるようになります。現地通貨でプライベートオファーを作成できるのは、契約料金の製品に限られます。詳細については、「プライベートオファーの作成と管理」をご覧ください。
対応現地通貨でチャネルパートナープライベートオファー (CPPO) を作成するには、まず、希望する現地通貨での再販承認を独立系ソフトウェアベンダー (ISV) が発行する必要があります。これにより、チャネルパートナーはその現地通貨で CPPO を作成できるようになります。
USD 以外の通貨で現在のプライベートオファーのサブスクリプションを更新または変更する
顧客が契約料金のプライベートオファーで有効なサブスクリプションを利用している場合、現在のプライベートオファーを新しい通貨で変更または更新できます。顧客は変更後のオファーを承諾すると、新しい請求スケジュールに従って新しい通貨で請求されます。
AWS Marketplace 顧客として契約料金のプライベートオファーを USD 以外の通貨で取引する
プライベートオファーを現地通貨で承諾する前に、AWS 請求コンソールで支払い方法、希望する通貨、税金の設定を確認してください。希望する現地通貨でプライベートオファーを承諾すると、サブスクリプションの期間中、そのプライベートオファーに記載された契約通貨で請求されます。
まとめ
この投稿では、AWS Marketplace 販売者として、現地銀行口座と支払い受け取り方法を追加して、USD 以外の 4 つの現地通貨で契約料金のプライベートオファーを作成する方法、さらに AWS Marketplace 顧客として、為替変動のリスクなしに現地通貨でプライベートオファーを更新または承諾する方法を紹介しました。USD 以外の通貨で AWS Marketplace のプライベートオファーの取引を開始するには、販売者向けおよび購入者向けのステップバイステップチートシートを確認するか、AWS Marketplace 販売者ガイドをご覧ください。
著者について
翻訳はローカライゼーションチームが行い、公開を Partner SA 河原が担当しました。原文はこちらです。