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京都に“熱量”が集う 3 日間|日本最大規模のスタートアップカンファレンス【IVS2026】

2026 年 7 月 1 日(水)から 3 日(金)の 3 日間にわたり、京都のみやこめっせ、ロームシアター京都、ホテルオークラ京都を会場に、日本最大規模のスタートアップカンファレンス「IVS2026」が開催されました。
IVS はかつて、投資家とスタートアップ経営者を中心とした招待制のクローズドカンファレンスとして創設されました。2023 年からは拠点を京都に移し、回を重ねるごとに規模を拡大。現在は起業家や投資家、事業会社、行政、学生など、立場の異なる人々が一堂に会する場となっています。
今年は「Japan is Back」をテーマに掲げ、日本のスタートアップエコシステムのさらなる飛躍に向けた多角的な議論やネットワーキングが行われました。本記事では、スタートアップに関連する展示エリアや注目セッションの模様をレポートします。
PARTNER BOOTH ZONE — 共創と事業成長が生まれるビジネスの最前線

「PARTNER BOOTH ZONE」は、スポンサー企業やスタートアップがブースを出展するエリアです。起業家や投資家、事業会社の意思決定者が集い、単なるサービス紹介に留まらず、事業提携や採用などに関する議論が行われていました。質の高い出会いと、実利的なビジネス接点を創出する場として機能していました。

同エリアにて、アマゾン ウェブ サービス ジャパンはクラスメソッド株式会社と共同出展しました。技術的なデモ展示に加え、酷暑の京都での開催に配慮したアイスクリームやアイスネックリングの配布など、参加者のホスピタリティを重視した施策も展開しました。

技術展示の目玉は、生成 AI の次なる潮流として注目される「Physical AI(物理実体を持つ AI)」を活用したロボティクスデモです。音声やテキストによる指示を AI が解釈し、ロボットアームが物理的なアクションを実行します。AWS ブースでは、アルファベットが書かれた積み木を「A」「W」「S」の順に並べるデモを披露しました。
Startup Market — 300 社超の個性がぶつかり合う展示エリア

会場内で、とりわけ多種多様なエネルギーが渦巻いていたのが「Startup Market」です。本エリアは「IVS2025」から始まった注目コンテンツであり、有力 VC や著名起業家からの推薦、あるいは厳しい審査を勝ち抜いた 300 社以上の気鋭のスタートアップが出展しました。
2026 年は 3 日間で延べ 340 社が参加。1 日あたり約 100 社が日替わりで入れ替わる仕組みにより、連日訪れても常に新しい技術やビジネスモデルに出会える、刺激的な空間となっていました。
特筆すべきは、各ブースに必ずスタートアップの代表者や事業責任者が立っている点です。単なるサービスの機能紹介にとどまらず、資金調達や事業提携といった経営に直結する「真剣なビジネス機会」を求める人々にとって、理想的な環境が整えられていました。
ブース前では、事業やサービスを紹介する企業担当者と、質問を投げかける参加者がいたる所で議論を交わし、まさに日本のスタートアップシーンの「今」が凝縮されたエリアとなっていました。

また、「Startup Market」の隣には、京都を代表する企業、大学、金融機関が集う「KYOTO ZONE」が設置されていました。「ディープテックスタートアップを起点に、京都から世界へ」を掲げるこのエリアは、最新技術を活用した事業を紹介するのみならず、東映・松竹ゆかりの日本映画発祥地・太秦の 100 周年を記念したピッチコンテストも開催されるなど、「京都ならでは」の空気感と活気に満ちていました。
各種セッション — 豪華登壇陣が語るスタートアップの未来

みやこめっせ、ロームシアター京都、ホテルオークラ京都の 3 会場・全 10 ステージ以上で、圧倒的なボリュームのセッションが実施されました。各フロアでは早朝から夕刻まで多数のプログラムが同時進行しており、参加者は自身の関心や事業フェーズに合わせて自由に視聴コンテンツを選択できる構成でした。
グローバル展開する大手企業から注目スタートアップにいたるまで、バリエーション豊かな豪華登壇陣が揃いました。セッションのテーマは、起業家のマインドセットといったソフトスキルから、IPO 戦略、グローバル展開といった経営実務まで多岐にわたります。会場では、昨今のビジネス環境の変化を鋭く捉えた議論が交わされました。
特に注目を集めたのは、最先端技術の社会実装です。世界的な AI 競争の激化を受け、「国内外における AI 開発のランドスケープや事業としての勝機」などが議論されました。
また、資金調達や成長戦略についても、市場の成熟を感じさせる変化が見られました。従来の IPO(新規上場)一辺倒ではない多様な出口戦略が模索され、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の活用や M&A など、最新のファイナンス手法を扱うセッションが盛況を博しました。
ディープテックに関するセッションも多数開催されました。「ノーベル賞級の発見をいかに産業に変えるか」「日本発のバイオテックが世界で勝つには」といった議論を通じ、研究成果を事業化し、ビジネス成果を出すための具体的な道筋が提示されました。
さらに、防衛領域におけるテクノロジー活用や、女性起業家のリアルな体験談など、スタートアップシーンの広がりを象徴するテーマも多く扱われました。2026 年の起業家が向き合うべき課題の多層化が明確になり、日本のスタートアップエコシステムが次のフェーズへと進んでいることを印象付けるセッションが続きました。
NETWORKING AREA — 偶発的な出会いをチャンスに変える

会場内には、参加者同士のマッチングや対話を促すためのエリアが数多く設けられていました。その中核を担うのが、参加者の目的の解像度に合わせて 2 種類のアプローチを用意したマッチング企画「AMA(Ask Me Anything)」です。
明確な目的を持つ層に向けた「AMA」は、特定ジャンルに関心を持つ方同士が直接的にマッチングする仕組みです。専用シートに具体的なニーズを記載し、「Investment(投資)」「Recruit(採用)」「Alliance(業務提携)」「Others(その他)」という 4 つのジャンルに基づいて活発な対話が行われていました。
一方、今回から新設されたのが「AMA 闇市」です。こちらは「GIVE(提供できるもの)」と「TAKE(ほしいもの)」を掲示する物々交換型のスタイル。例えば「起業家目線での AI トレンド」を提供する代わりに「資金調達の相談」に乗ってもらうといった、カジュアルな交流が生まれていました。
これらの施策は、情報の「受信者」になりがちな参加者を能動的な「発信者」へと変える、独創的な仕掛けとなっていました。
また、セッションの後に 30 分のネットワーキング時間を追加した「セッション別ネットワーキングエリア」も設置されました。60 分のセッション終了直後に、熱量を持ったまま登壇者や他の参加者と深く議論できる時間を確保。質の高い対話が生まれる環境が整えられていました。
他には、共通の関心事を持つ人々が集うテーマ型交流会「IVS Meetup」や、自由に内容を掲示できる「IVS Matching Wall」なども設置されました。このように、「IVS2026」では「出会いをきっかけとしたビジネスチャンス」を創出する仕組みが、数多く用意されていました。
おわりに
「Japan is Back」というテーマのもとで開催された「IVS2026」の 3 日間は、日本のスタートアップエコシステムの現在地と将来性を多角的に映し出す機会となりました。
本記事で紹介したコンテンツ以外にも、日本最大級のピッチイベント「IVS LAUNCHPAD」や 2,000 名以上の学生が集結した「SPIKES」、次世代のイノベーター育成を目的とした学生向け特別企画「IVS Youth」、経営者や投資家が集う完全招待制エリア「IVS CORE」、多彩なサイドイベントなど、数多くの催しが行われました。
こうしたリアルな接点から生まれたつながりが、次なるイノベーションを加速させるきっかけとなるのではないでしょうか。ぜひ読者のみなさまも、次回の IVS2027 に足を運んでみてください。