構成概要
目的・用途:
AWS クラウドを使いコストを抑えた形でディザスタリカバリ用のバックアップサイトを準備したい
この構成での料金試算例:
19.50 ドル(月額)
Business Continuity Plan(BCP) 対策のための基本的な Disaster Recovery(DR) としてマルチAZを利用することは有用ですが、さらに物理的に離れた場所に DR サイトを構築する例です。 AWS では異なるリージョンを DR サイトとして利用することができます。
こちらの例でご紹介する構成では、メインサイトの東京リージョンで構築した Web システムを、DR サイトであるシンガポールリージョンで復旧します。Amazon EC2 や Amazon RDS は、AWS Backup を用いて定期的に AMI やスナップショットを取得し、DR サイトに転送することができます。DR サイトでの復旧では、AWS CloudFormation を用いることで VPC 等の基本的なネットワークインフラや Elastic Load Balancing の構築、メインサイトから転送されたスナップショットや AMI から、Amazon EC2 や Amazon RDS を復元する操作を自動化することで、障害時における復旧操作の確実性を高めることができます。必要な AWS リソースの復旧が全て完了した後に、Amazon Route 53 によって接続先を DR サイトに切り替えることで、サービスを復旧することができます。
例では、目標復旧時点(RPO)を 12 時間と定義し、AWS Backup によるバックアップを実施しています。復旧に要する時間、目標復旧時間(RTO)は数時間程度を想定しています。RPO/RTO を更に短縮する場合には、パイロットライトやウォームスタンバイ、ホットスタンバイ等のプランに発展させていくために、AWS リージョン間でのデータレプリケーションやアプリケーションへの設計変更等の検討を行う必要があります。

この構成での選択サービス
用途
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選択サービス
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ロードバランサー
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Web サーバー
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データベース
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Web サイトの名前解決
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バックアップの取得
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AWSリソースのプロビジョニング
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月額合計料金:19.50(USD)
この構成での料金試算例
サービス
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項目
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数量
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単価
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料金 (USD)
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AWS Backup
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AWS CloudFormation
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構成管理の実施 |
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課金はありません |
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Amazon Route 53
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メインサイトとして東京リージョン、DR サイトとしてシンガポールリージョンのご利用を想定しています。
Elastic Load Balancing/Amazon EC2/Amazon EBS/Amazon RDS は、既存のものを使う想定のため、料金には含まれません。
Amazon RDS のエンジンには MySQL の利用を想定しています。
構成管理の実施は、AWS CDK や手動操作(RTO 次第)等を選択することもできます。
サイトの DNS レコードは、Elastic Load Balancing へのエイリアスレコードとして設定します。
*1 EBS のスナップショットのサイズは、別途 EBS 料金ページで説明されているとおり、通常実際のボリュームサイズより小さくなりますが、実際のサイズは使用状況や保持する世代数により異なります。
*2 RDS のスナップショットは、別途 RDS 料金ページのバックアップストレージで説明されているとおり、リージョンの総データベースストレージの 100%に達するまで、バックアップストレージに対する追加料金は発生しないため、ここでは 0 USD としています。実際のサイズは使用状況や保持する世代数により異なります。
*3 AWS リージョン間のデータ転送には、別途 EC2 オンデマンド料金ページで説明されているデータ転送料金が発生します。
*4 DR サイトにおける RDS のスナップショットは、別途 RDS 料金ページのバックアップストレージで説明されているとおり、別リージョンに移動した場合には、移動先のリージョンのバックアップストレージが増加するため、課金が発生します。実際のサイズは使用状況や保持する世代数により異なります。
※ 2024 年 3 月 6 日時点での試算です