Amazon Elastic Block Store (EBS) は、Amazon Elastic Compute Cloud (EC2) と共に使用するために設計された、スループットとトランザクションの両方が集中するどんな規模のワークロードにも対応できる、使いやすい高性能なブロックストレージサービスです。Amazon EBS には、リレーショナルデータベースや非リレーショナルデータベース、エンタープライズアプリケーション、コンテナ化されたアプリケーション、ビッグデータ分析エンジン、ファイルシステム、メディアワークフローなど多種多様なワークロードが幅広くデプロイされています。
6 種類のボリュームタイプから選べるので、最適な料金とパフォーマンスのバランスを維持できます。SAP HANA など高性能なデータベースワークロードでは 1 桁ミリ秒のレイテンシーを実現し、Hadoop など大規模でシーケンシャルなワークロードではギガバイト毎秒のスループットの達成が可能です。ボリュームタイプの変更やパフォーマンスの調整、ボリュームサイズの増加は、重要なアプリケーションを中断することなく実行できるので、必要に応じて、コスト効率よくストレージを維持できます。
ミッションクリティカルなシステム向けに設計されているので、EBS ボリュームは、アベイラビリティーゾーン (AZ) 内でレプリケーションし、ペタバイト規模のデータに簡単にスケールできます。また、EBS スナップショットを自動化されたライフサイクルポリシーと共に使用することで Amazon S3 内のボリュームをバックアップし、同時にデータとビジネス継続性の地理的な保護を確実にします。
利点
あらゆるワークロードで優れたパフォーマンスを発揮
EBS ボリュームは、SAP、Oracle、Microsoft 製品などのミッションクリティカルなアプリケーションを含む、最も要求の厳しいワークロードでその性能を発揮します。SSD でバックアップされたオプションには、高性能アプリケーション向けに設計されたボリュームや、ほとんどのワークロードに優れた料金/パフォーマンスを提供する汎用のボリュームが含まれます。より高いパフォーマンスを実現したいお客様は、EBS ボリュームを Amazon EC2 R5b インスタンスにアタッチして、最大 60Gbps の帯域幅と 260K IOPS (1 秒あたりの入出力操作) のパフォーマンスを実現できます。これは、EC2 で最速のブロックストレージパフォーマンスです。ビッグデータ分析エンジン、ログ処理、データウェアハウジングなどの大規模なシーケンシャルワークロードをお求めのお客様は HDD タイプのボリュームを使用できます。Fast Snapshot Restore (FSR) を使用して、スナップショットから EBS ボリュームを作成するための最高のパフォーマンスを、簡単に手に入れてください。
高可用性および高耐久性
Amazon EBS のアーキテクチャはミッションクリティカルなアプリケーションに信頼性をもたらします。EBS ボリュームは、アベイラビリティーゾーン (AZ) 内でレプリケーションされることで障害を防ぐように設計されており、99.999% の可用性を達成します。EBS は、特にビジネスクリティカルなアプリケーションで 99.999% の耐久性を必要とするお客様に、高い耐久性ボリューム (io2) を提供します。他のすべての EBS ボリュームは、99.8%~99.9% の耐久性を提供するように設計されています。簡素で堅牢なバックアップのため、EBS スナップショットを Amazon Data Lifecycle Manager (DLM) ポリシーと共に使用し、スナップショット管理を自動化できます。
コスト効率が高い
EBS には 6 つのボリュームがありそれぞれに料金やパフォーマンスのベンチマークが異なっているので、コストを最適化し、アプリケーションが必要とする正確なレベルのストレージに投資することができます。ギガバイトあたりのコスト効率がきわめて高いボリュームから、ミッションクリティカルなワークロード向けに設計された高い IOPS と高いスループットを備えた高パフォーマンスのボリュームまで、幅広い選択肢が用意されています。gp3 ボリュームは、gp2 よりも GB あたり最大 20% 低い料金で高性能 SSD ストレージを提供し、またストレージ容量を追加せずに追加 IOPS をプロビジョニングできます。さらに、EBS スナップショットを使用した EBS バックアップは増分的で、データを複製しないのでストレージコストを節約できます。
使いやすさ
Amazon EBS ボリュームは作成、使用、暗号化、保護が簡単です。Elastic Volumes の機能性により、ストレージの増加、パフォーマンスの微調整、ボリュームタイプの変更を、ワークロードを中断することなく行えます。EBS スナップショットを使用することで、ボリュームを簡単にバックアップし、データを地理的に保護することができます。Data Lifecycle Manager (DLM) は、追加のオーバーヘッドやコストなしにスナップショット管理を自動化する使いやすいツールです。
実質的に制限のないスケーラビリティ
Amazon EBS を使用すると、重要なワークロードを中断することなくストレージを増やし、1 GB のストレージしか必要としないアプリケーション、あるいはペタバイト規模のデータまでスケールアップ可能なアプリケーションを、わずか数クリックで構築できます。スナップショットを使うと、1 つのリージョンのアベイラビリティーゾーン全体で新しいボリュームをすばやく復元でき、迅速なスケールが可能になります。
安全性
EBS は、データコンプライアンスのため安全性を保つように設計されています。新規作成された EBS ボリュームは、自身のアカウントで 1 回設定を行えばデフォルトで暗号化されます。EBS ボリュームは、保管時のデータ、送信中のデータ、および全ボリュームのバックアップの暗号化をサポートしています。EBS 暗号化は、すべてのボリュームタイプでサポートされているうえ、組み込みのキー管理インフラストラクチャを含んでおり、パフォーマンスには一切影響しません。
io2 Block Express (プレビュー中) のご紹介
お客様はこれまで、高性能のブロックストレージを提供するために、オンプレミスのストレージエリアネットワーク (SAN) を利用する必要がありました。ただし、SAN は高価であることが多く、使用量に関係なく前払いの CAPEX を支払う必要があり、管理が困難です。io2 Block Express では、クラウド向けに構築された最初の SAN をご利用いただけるようになります。io2 Block Express は、クラウドで最高のパフォーマンスのブロックストレージを提供し、io2 ボリュームの 4 倍のスループット、IOPS、容量、およびミリ秒未満のレイテンシーを実現します。ボリュームあたり 4,000MB/秒のスループット、256K IOPS/ボリューム、最大 64 TiB のストレージ容量、1,000 IOPS/GB、99.999% の耐久性を実現するように設計された io2 Block Express は、Oracle、SAP HANA、Microsoft SQL Server、および SAS Analytics の最大かつ最も入出力量が多いミッションクリティカルなデプロイを実行するのに理想的です。io2 Block Express を使用すると、クラウド内の耐久性の高いブロックストアで SAN のパフォーマンスを実現し、必要な容量だけ拡張、プロビジョニング、および支払うことができます。
新しい gp3 汎用 SSD ボリュームのご紹介
お客様は、仮想デスクトップ、Microsoft SQL Server や Oracle などの中規模のシングルインスタンスデータベース、レイテンシーの影響を受けやすいインタラクティブアプリケーション、ブートボリューム、開発/テスト環境など、ワークロードの大部分に汎用ボリュームを使用しています。Amazon EBS gp3 ボリュームは、最新世代の汎用 SSD ベースの EBS ボリュームです。これにより、ストレージ容量に関係なくパフォーマンスをプロビジョニングできる一方、既存の gp2 ボリュームよりも GB あたり最大 20% 低い料金でご利用いただけます。gp3 ボリュームでは、追加のブロックストレージ容量をプロビジョニングすることなく、IOPS とスループットを拡張できます。つまり、お客様は必要なストレージに対してのみ料金を支払うことになります。
ユースケース
エンタープライズアプリケーション
Amazon EBS は、Oracle、SAP、Microsoft Exchange、Microsoft SharePoint、および VMware Cloud on AWS での VMware アプリケーションなど、ミッションクリティカルなアプリケーションを確実に実行する、高可用性と高耐久性を備えたブロックストレージを提供します。
リレーショナルデータベース
サポート対象が数百万人のゲームでも、あるいは数十億の e コマース取引であっても、Amazon EBS なら、そのパフォーマンスのニーズに合わたスケーリングができます。SAP HANA、Oracle、Microsoft SQL Server、MySQL、PostgreSQL などのデータベースは、広く Amazon EBS にデプロイされています。
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ビジネス継続性
Amazon EBS が提供する、データとログファイルを複数の地理的リージョンで定期的にバックアップする機能により、データの損失とリカバリ時間を最小限に抑えることができます。新規ボリュームをすばやく復元し、新しいリージョンでアプリケーションを起動できます。
NoSQL データベース
Amazon EBS ボリュームにより、Cassandra、MongoDB、CouchDB など NoSQL データベースの実行時に、一貫した低レイテンシーのパフォーマンスを実現できます。
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ビッグデータ分析エンジン
Amazon EBS は、データの永続性、パフォーマンスの動的な調整、そしてボリュームのデタッチや再アタッチの機能を提供します。これにより、Hadoop や Spark などビッグデータ分析エンジン向けにクラスターのサイズを変更することが可能になります。
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ファイルシステムとメディアワークフロー
Amazon EBS を使えば、増加するファイルシステムに対応するための追加ボリュームや、4 つのボリュームから選択しての料金とパフォーマンスの最適化により、簡単にスケーリングが行えるようになります。
Amazon EBS の最新情報
ブログ投稿と記事
Taking crash-consistent snapshots across multiple Amazon EBS volumes on an Amazon EC2 instance
Archana Padmasenan
2019 年 5 月 29 日
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