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AWS Skill Builder で AI 駆動開発ライフサイクル (AI-DLC) を学ぼう: 日本語版学習コースが公開されました
AI 駆動開発ライフサイクル (AI-DLC) の基礎を体系的に学べるコース「AI-DLC Foundations」の日本語版として「AI 駆動開発ライフサイクル (AI-DLC) ナレッジバッジ」が、AWS Skill Builder で公開されました。この記事では、コースの概要と全 8 モジュールの内容を紹介します。
コースの概要
AI 駆動開発ライフサイクル (AI-DLC) ナレッジバッジ は、AI-DLC について基礎から体系的に学べる全 8 モジュールのオンラインコースです。動画とスライドを使い、自分のペースで受講できます。概念の理解から始まり、原則、ワークフロー、ベストプラクティス、そしてインセプション・コンストラクション各フェーズの Deep Dive まで段階的に学びます。全モジュール完了後の Assessment に合格すると AI-Driven Development Lifecycle Knowledge Badge を取得できます。どなたでも無料で受講可能です。
AI 駆動開発ライフサイクル(AI-Driven Development Lifecycle, AI-DLC) とは
多くの企業が AI コーディングツールを導入していますが、「コーディング工程の時短は実現できても、開発ライフサイクル全体のアジリティには繋がっていない」という課題が聞かれます。AI-DLC は、この課題に対する AWS の回答です。
AI-DLC (AI 駆動開発ライフサイクル) は、AWS が提唱している、AI 駆動型ソフトウェア開発の方法論です。AI が開発プロセス全体をオーケストレーション (計画策定、タスク分解、アーキテクチャ提案など) し、人間が検証・意思決定・監督の責任を保持します。
これは、既存のプロセスに AI を狭い範囲で後付けする「AI 支援型 (AI-Assisted)」アプローチとも、AI が自律的にソフトウェアを構築する「AI 管理型 (AI-Managed)」アプローチとも異なります。AI-DLC では、AI がプロセス全体をオーケストレーションしながらも、人間が意思決定と監督に集中することで、開発速度・品質・アジリティのパラダイムシフトを実現します。

開発はインセプション (Inception) フェーズ、コンストラクション (Construction) フェーズ、オペレーション (Operation) フェーズの 3 つのフェーズで進みます。インセプションではビジネスの意図を精緻な要件・設計・作業計画に変換し、コンストラクションでは AI がコード・テスト・設計を生成して人間が検証し、オペレーションではデプロイ・監視・運用を自動化します。
AI-DLC の方法論について詳しくは「AI-DLC 入門 ― 開発の未来を形づくる新しいアプローチ」および「AI駆動開発ライフサイクル(AI-DLC)の本質は組織、文化、プロセスの変革 〜AI-DLC導入のアンチパターン〜」もご参照ください。

モジュールの一覧と概要
本コースは以下の 8 モジュールとAssessment で構成されています。
1. AI-DLC の概要: AI-DLC とは何か、なぜ必要なのか、AI-DLC の中核となる概念を学びます
AI コーディングツールが普及した今、なぜ組織全体のアジリティが上がらないのか – その問いへの答えから始まります。AI 支援型・AI 管理型とは何が根本的に異なるのかを明確にし、AI-DLC の中核であるワークフローの全体像を掴みます。

2. 従来の SDLC (ソフトウェア開発ライフサイクル) からの進化: ソフトウェア開発の方法論の歴史を振り返り、なぜ AI 時代に「再構築」が求められるかを学びます
ウォーターフォールからアジャイルへの転換は、ハードウェアの高速化やインターネットの普及がビジネスのスピードを変えた結果として現れました。同じ構造が今、AI によって繰り返されています。AI が数時間でコードを生成・検証できるのに、翌日のスタンドアップミーティングまで議論を待つ意味があるのか ? この問いを通じて、開発プロセスへの再構築が必要な理由を理解します。
3. AI-DLC の原則: AI-DLC を定義する 9 つの原則を学びます
AI-DLC は「既存プロセスを速くする」のではなく「AI 時代にネイティブな新しいプロセスを作る」という根本的な発想の転換に基づいています。このモジュールでは、AI がリードし人間が意思決定に集中する対話モデル、設計を方法論の DNA として組み込む考え方、AI の強みと限界に合わせてプロセスを最適化するアプローチなど、AI-DLC を支える 9 つの原則を一つずつ解説します。
4. AI-DLC ワークフローとコラボレーション: AI と人間の継続的なワークフローと、チームのコラボレーションパターンを学びます
AI が数時間で十分な実装を生成する世界では、チームが迅速で質の高い決定を下す能力がボトルネックになります。このモジュールでは、AI が計画を作成し人間が承認するサイクルの詳細と、プロダクトオーナー・開発者・セキュリティ・運用が一体となって意思決定を加速するコラボレーションパターンを学びます。Amazon のリーダーシッププリンシプルに由来する One-Way Door / Two-Way Door の意思決定フレームワークも扱います。

5. AI-DLC ベストプラクティス: 実践で検証された 7 つのベストプラクティスを学びます
AI-DLC を実プロジェクトで運用してきたチームが蓄積した知見をご紹介します。AI に一度にすべてを解決させようとしない、AI に渡すコンテキストの質を高める、AI が勝手に範囲を広げないよう境界を設定する、レガシーシステムを扱う際の注意点など、明日から使える実践的なガイドラインを学びます。
6. AI-DLC の準備、測定: 組織で AI-DLC を始めるための準備と、成功の測定方法を学びます
AI-DLC を組織で始めるには何が必要で、その効果をどう測るかを解説します。まず事前準備として、技術環境の整備、役割を横断した同じ場所での作業体制、ドメイン固有の知識の 3 つの要素を確認します。そして効果の測定では、各フェーズでの削減時間と、要件の精度・設計の安定性・コードの受け入れ率の 2 つの軸で評価する方法を学びます。重要なのは、作業ごとの AI のスピードではなく、開発ライフサイクル全体への影響を測定するという考え方です。
7. インセプションフェーズ Deep Dive: インセプション (Inception) フェーズを深掘りします
「何を作ろうか」という会話から、チーム全員が「何を作るべきか」を明確に共有するまでのプロセスを、従来の数日〜数週間から数時間レベルに圧縮します。チーム全員が AI と共にリアルタイムで要件を精緻化するモブエラボレーション (Mob Elaboration) や、インテント (意図) から作業ユニット (Unit of Work) への分解手法を具体的に学びます。
8. コンストラクションフェーズ Deep Dive: コンストラクション (Construction) フェーズを深掘りします
インセプションで定義した作業ユニットを、テスト済みでデプロイ可能なソフトウェアへ変換するフェーズです。従来のスプリントに代わる高速イテレーション「ボルト (Bolt)」の進め方、最初のボルトで End-to-End のアーキテクチャを証明する Walking Skeleton、そしてチーム全体がリアルタイムで設計に取り組むモブコンストラクション (Mob Construction) の実践方法を学びます。

Assessment: 全モジュール完了後に受験できる理解度確認テストです。合格すると AI-Driven Development Lifecycle Knowledge Badge を取得できます。
受講方法
- AWS Skill Builder に無料アカウントを作成 (または既存アカウントでサインイン)
- こちらのリンクからコースに直接アクセス、または「AI-DLC」で検索
- 各モジュールは動画+テキストコンテンツで構成されています。自分のペースで受講してください
まとめ
AI-DLC 学習コースの日本語版が無料で利用可能になりました。AI を活用した開発の新しいアプローチに興味がある方は、ぜひ受講してみてください。
AI-DLC のさらに詳しい実践方法に興味がある方は、「AI-DLC Workflow V1からV2へ:人間のボトルネックを解消する設計の進化」もご覧ください。