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Amazon Connect アップデート まとめ – 2026年1月

こんにちは、Amazon Connect ソリューションアーキテクトの梅田です。2025 年 11 月・ 12 月合併号 はお読みいただけましたでしょうか。2026 年のアップデートをお届けする最初のブログ更新となります。本年も Amazon Connect の最新情報や有益な情報をお届けできるよう努めてまいります。皆さんのお役に立つ内容があれば幸いです!

今月は 以下の内容でアップデート情報をお届けします。

  1. Amazon Connect Starter Kit のご紹介
  2. 2026 年 1 月のアップデート一覧
  3. AWS Contact Center Blog のご紹介

1. Amazon Connect Starter Kit のご紹介

  • Amazon Connect で AI エージェントを活用したコンタクトセンターをすぐに構築・体験できるスターターキット(sample-amazon-connect-starter-kit-japan)をご紹介します。本パッケージの最大の特徴は、デプロイするだけで AI エージェントを活用したコンタクトセンター環境が即座に利用可能になる点です。Amazon Connect AI エージェントを中心に、音声・チャットの複数チャネルに対応した環境が自動的に構築されます。複雑な設定作業は不要で、付属のデプロイメントガイドに従うだけで環境が完成します。
  • 最新の AI エージェント機能を体感
    • Amazon Connect の AI エージェントは、従来の Amazon Q in Connect から進化した、より高度な自律型 AI です。顧客は「Connect アシスタント」と呼ばれる会話型インターフェイスを通じて AI エージェントとやり取りし、複雑でオープンエンドな問い合わせにも対応できます。ナレッジベースを参照した自動応答、複数の意図を含む問い合わせへの対応、コンテキストを維持した会話など、最新の Agentic AI 機能を実際に体験できます。
    • Amazon Connect では 最新のAgentic AI エージェントだけでなく、従来のAmazon Lex でのインテントベースの決定論的 AI も引き続き利用可能です。AI エージェントが複雑でオープンエンドなやり取りを処理する一方、決定論的 AI は事前定義されたインテントや特定の会話フローを処理します。この組み合わせにより、従来の決定論的 AI と自律的な Agentic AI の両方の長所を活用したセルフサービス体験を提供できます。
  • 日本語・日本リージョン対応
    • us-east-1(バージニア北部)と ap-northeast-1(東京)の両リージョンでのデプロイに対応しています。また、日本語での利用を前提とした設定やドキュメントが含まれており、日本のコンタクトセンター環境ですぐに活用できます。

2. 2026 年 1 月のアップデート一覧

  • Amazon Connectが待ち時間予測の精度を向上 – 2026/01/31
    • Amazon Connect では、キューおよびキューに入っているコンタクトに対する待ち時間予測メトリクスが改善されました。これにより、コンタクトセンターは顧客に正確な待ち時間を伝えられるようになり、待ち時間が長い場合にはコールバックなどの便利なオプションを提供したり、複数のキュー間で業務負荷を効果的に分散したりできるようになります。改善された待ち時間予測メトリクスを活用することで、コンタクトセンターはキュー間でより戦略的なルーティング判断を行えるようになり、リソース計画のための可視性も向上します。たとえば、ピーク時に請求に関する問い合わせで15分の待ち時間が発生している場合、2分で対応可能なクロストレーニングされたチームにシームレスに転送することで、顧客は問題を繰り返し説明することなく、より早くサポートを受けられます。このメトリクスは、ルーティング条件やエージェントの習熟度設定とシームレスに連携します。
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  • Amazon Connect Cases に対するきめ細かなアクセス制御をサポート – 2026/01/28
    • Amazon Connect では、ケースに対してタグベースのアクセス制御を適用できるようになり、管理者はケースデータの閲覧と管理をより詳細に制御できるようになりました。この機能により、ケーステンプレートにタグを関連付け、セキュリティプロファイルを設定することで、特定のタグが付いたケースにアクセスできるユーザーを制御できます。たとえば、不正行為に関連するケースにタグを付け、不正対策のセキュリティプロファイルが割り当てられたユーザーのみがそれらのケースを閲覧または編集できるようにアクセスを制限することが可能です。これにより、社内統制の強化やデータアクセスポリシーの徹底が実現できます。
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  • Amazon Connect のステップバイステップガイドに条件分岐ロジックとリアルタイム更新機能が追加 – 2026/01/23
    • Amazon Connect のステップバイステップガイドが強化され、マネージャーはより動的で柔軟性の高いガイド体験を構築できるようになりました。ユーザーの操作に応じて変化する条件付きユーザーインターフェースを作成できるため、ワークフローの効率が向上します。たとえば、マネージャーはドロップダウンメニューを設定し、前の項目への入力内容に基づいて、フィールドの表示・非表示を切り替えたり、デフォルト値を変更したり、必須項目を調整したりすることができます。これにより、さまざまなシナリオに合わせたカスタマイズされた体験を提供できます。さらに、ステップバイステップガイドは、フローモジュールなどの Connect リソースから指定した間隔でデータを自動的に更新できるようになり、エージェントは常に最新の情報を使って業務を行えるようになりました。
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  • Amazon Connect が評価目的でのエージェントのコンタクトのランダムサンプルの自動選択を開始 – 2026/01/21
    • Amazon Connect において、エージェントの評価を目的としたコンタクトのランダムサンプリング機能が追加されました。この機能により、マネージャーはエージェントに対して適正なコーチングとフィードバックを提供できるようになります。マネージャーは、労働協約や社内ガイドラインに従って、エージェントごとに確認が必要なコンタクト数を指定できます。指定した数のコンタクトは、設定した期間からランダムに抽出されます。たとえば、先週の期間からエージェント 1 人あたり 3 件のコンタクトを自動的に選択することが可能です。さらに、新しいフィルター機能を使用することで、評価に適したコンタクトを確実に選択できます。音声録音、画面録画、トランスクリプトが含まれるコンタクトに絞り込んだり、過去に評価済みのコンタクトを除外したりすることができます。これにより、マネージャーは効率的かつ公平にエージェントのパフォーマンスを評価し、質の高いフィードバックを提供できるようになりました。
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  • Amazon Connect がデータレイクでのエージェントのスケジューリングメトリクスの提供を開始 – 2026/01/15
    • Amazon Connect がデータレイク内でエージェントのスケジューリングメトリクスを提供するようになり、このデータからレポートやインサイトを簡単に生成できるようになりました。たとえば、来月のスケジュール公開後に、Connect の分析データレイク内で、予測される人数、スケジュールされた人数、予想されるサービスレベルなど、15 分または 30 分間隔のメトリクスにアクセスできます。ビジネスユニット全体(予測グループ)の集計メトリクスを利用したり、特定の需要セグメント(需要グループ)別に分類したりすることが可能です。その後、Amazon QuickSight または任意の BI ツールでこのデータを可視化して、人員過剰や人員不足になっている期間を特定するなど、さらに詳細な分析を行えます。これにより、エージェントのスケジュールを手動で確認する必要がなくなり、スケジューラとスーパーバイザーの生産性が向上します。
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  • Amazon Connect で営業時間の定期的なオーバーライドの簡単な管理が可能に – 2026/01/14
    • Amazon Connect で、日、月、または年単位で一目で確認できるカレンダー表示を使用して、休日、メンテナンス期間、プロモーション期間などの定期的なイベントに応じたコンタクトセンターの営業時間を簡単に管理できるようになりました。毎週、毎月、または隔週の金曜日に自動的に有効になる定期的なオーバーライドをセットアップすることで、カスタマーエクスペリエンスをパーソナライズできます。すべての設定は自動的に適用されるため、手動で再確認する必要はありません。たとえば、エージェントの稼働状況を確認することなく、毎年 1 月 1 日に自動的に顧客へ「新年あけましておめでとうございます」という挨拶を送り、特別なホリデーメッセージに誘導できます。1 月 2 日には自動的にコンタクトセンターが通常業務に戻ります。
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  • Amazon Connect Cases が AWS CloudFormation のサポートを開始 – 2026/01/13
    • Amazon Connect Cases で AWS CloudFormation のサポートが開始され、Infrastructure as Code として Cases のリソースをモデル化、プロビジョニング、管理できるようになりました。今回のリリースにより、管理者は CloudFormation テンプレートを作成して、Amazon Connect インスタンス全体にわたって Cases の設定(テンプレート、フィールド、レイアウトなど)をプログラムによってデプロイおよび更新できます。これにより、手動でのセットアップ時間を短縮し、設定エラーを最小限に抑えることができます。
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  • Amazon Connect でエージェント画面録画の状況を追跡する機能の提供を開始 – 2026/01/13
    • Amazon Connect では、Amazon EventBridge を使用して CloudWatch でエージェントの画面録画の状況をほぼリアルタイムで表示できるようになりました。スーパーバイザーは画面録画を使用することで、顧客との通話を聞いたり、チャットの文字起こしを確認したりするだけでなく、問い合わせを処理する際のエージェントのアクション(音声通話、チャット、タスクなど)を監視できます。これにより、エージェントにコーチングが必要な領域(たとえば、ビジネスプロセスの違反など)を特定できます。Amazon EventBridge を使用すると、成功・失敗のステータス、失敗コードとその説明、インストールされているクライアントのバージョン、エージェントのウェブブラウザのバージョン、エージェントのオペレーティングシステム、画面録画の開始と終了の時刻など、各エージェントの画面録画の状況を CloudWatch から確認できます。Amazon EventBridge イベントバスの「Screen Recording Status Changed」イベントタイプにサブスクライブすることで、Amazon Connect 画面録画の状況追跡機能の使用を開始できます。
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  • ネストされた JSON オブジェクトとループ配列を格納する機能が Amazon Connect で提供される – 2026/01/03
    • Amazon Connect では、複雑なデータ構造をフローに保存して処理できるようになったため、社内のビジネスシステムから返される豊富な情報を使用する動的な自動化エクスペリエンスを簡単に構築できます。ネストされた JSON オブジェクトやリストを含む完全なデータレコードを保存し、JSON 形式で返された注文のリストから、特定の注文など、その中の特定の要素を参照できます。さらに、カスタマーサービスフロー内の項目のリストを自動的にループ処理して、ループ内の現在の位置を追跡しながら、各エントリを順番に処理できます。これにより、アイテムレベルの詳細に簡単にアクセスし、関連情報をエンドカスタマーに提示できます。たとえば、旅行代理店は、1 回のリクエストで顧客の旅程をすべて取得し、電話をかけてきた顧客に各予約を案内して、予約を確認または更新することができます。銀行も同様に、システムから安全に取得したデータを使用して、最近の取引を1つずつ顧客に説明できます。これらの機能により、ビジネスシステムを繰り返し呼び出す必要がなくなり、ワークフローの設計が簡単になり、ビジネス要件の変化に適応する高度な自動エクスペリエンスの提供が容易になります。
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3. AWS Contact Center Blog のご紹介

  • テスト時間を最大 90% 削減 – Amazon Connect のテストとシミュレーション機能 (日本語翻訳)
    コンタクトセンター管理者は、本番環境を中断することなくコンタクトフローを効率的にテストする課題に直面してきました。従来は手動でシステムに電話をかけたり、カスタム検証ツールを構築したり、サードパーティソリューションに投資する必要があり、時間とコストがかかっていました。Amazon Connect は、このような課題を解決するネイティブコールシミュレーション機能の一般提供を開始しました。この機能により、外部ツールや手動での電話テストなしでコンタクトセンターワークフローを自動的にテストでき、検証時間を最大 90 %削減できます。テストフレームワークは、イベント駆動型モデルと直感的なビジュアルインターフェースを採用しており、技術者以外のチームメンバーでも簡単にテストを作成できます。「X が発生したら Y を実行する」という自然な観点でテストを記述し、Observe (観察)、Check (検証)、Action (アクション)の 3 つのブロックを組み合わせてテストシナリオを構築します。専用のテストダッシュボードでは、テスト実行履歴や成功率、失敗の詳細な洞察が得られ、継続的な改善を推進できます。本ブログ記事では、Amazon Connect の新しいネイティブテストとシミュレーション機能を活用して、コンタクトセンターの検証を自動化する方法について紹介しています。
  • Amazon Connect の裏側: イノベーターとしての進化 (日本語翻訳)
    Amazon Connect は、2007 年に Amazon の内部カスタマーサービスチームが3つのコンタクトセンターベンダーを置き換えるために構築した統合ソリューションから始まりました。従来の方法では 300 万ドルの前払い投資が必要でしたが、内部ソリューションはより安価で、Amazon のミッションを体現するものでした。Audible や Zappos など新たに買収された企業も熱心に採用し、年間推定 6,000 万ドルの節約を実現しました。2017 年のパブリックローンチ後、Capital One、Hilton、GE などの大企業が、従来 1 年間かかっていた構築プロセスを週末のプロジェクトに変えるクラウドネイティブなアーキテクチャに魅力を感じ、急速に採用が進みました。2019 年に AI を活用した会話分析や感情分析をローンチし、2023 年には Forrester と Gartner の主要レポートでリーダーシップポジションを獲得しました。生成 AI の出現により、自動エージェントラップアップや通話要約などの機能を提供し、2024 年 12 月には 60 億分、2025 年には 120 億分の顧客とのやり取りを AI で最適化しました。先週の Q3 2025 年決算報告では、年間換算売上高 10 億ドルのペースを達成したことが発表されました。本ブログ記事では、Amazon の内部ソリューションから AI のパイオニアへと進化した Amazon Connect のストーリーと、今後のエージェンティック AI への展望について紹介しています。
  • How NatWest Simplified Contact Center Analytics with Amazon Connect analytics data lake (英語記事)
    英国の大手金融機関 NatWest Group は、2019 年に Amazon Connect を導入しましたが、当初はカスタム ETL パイプラインを使用したデータ処理に大規模なメンテナンスと定期的な更新が必要で、運用の複雑さとコストの増加に直面していました。2024 年、NatWest は Amazon Connect 分析データレイクの Zero ETL アーキテクチャを採用し、データアクセスと分析を大幅に簡素化しました。この移行により、従来 2 か月かかっていた CTR パイプラインの構築がわずか1週間で完了するようになり、通話完了から 1 時間以内にデータが利用可能になることで、タイムリーな意思決定が可能になりました。Zero ETL アプローチにより、センチメント分析や通話結果などの事前処理されたメトリクスに即座にアクセスでき、IVR パフォーマンスダッシュボードや会話品質分析ダッシュボードを通じて顧客インタラクションに関する多次元的な洞察を得られるようになりました。本ブログ記事では、NatWest が Amazon Connect 分析データレイクを活用してコンタクトセンター分析を簡素化し、データドリブンな顧客サービスを実現した事例について紹介しています。

今月のお知らせは以上です。皆さまのコンタクトセンター改革のヒントになりそうな内容はありましたでしょうか?ぜひ、実際にお試しいただき、フィードバックをお聞かせいただけますと幸いです。

シニア Amazon Connect ソリューションアーキテクト 梅田 裕義