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【11/26開催】AWS Autotech Forum 2020 Online #2

はじめに

みなさんこんにちは、ソリューションアーキテクトの福嶋です。 この度 2020 年 11 月 26 日(木)13:00 – 17:30 に「 AWS Autotech Forum 2020 Online #2 」を開催します!AWS では 2018 年・2019 年と自動車業界向けクラウドテクノロジーカンファレンス「 AWS Autotech Forum 」を実施してまいりました。 2020 年は夏と冬の 2 回開催に拡大しており、夏は AWS ソリューションアーキテクトから、自動車業界に関連した AWS のテクノロジーを中心にお伝えしました。今回は実際に AWS を活用いただいているお客様の事例を中心にセッションを構成しています。また、 #2 ではエンジニアのみなさまを対象に別日程で「 Autotech Forum Hands-on Day 」としてハンズオンをご提供します。
本投稿では、 #2 でお届けする6つのセッションの見どころをご紹介し、 2020 年 8 月 7 日に実施された「 AWS Autotech Forum 2020 Online #1 」の内容を振り返ります。
さらに、  12 月 18 日(金)  13:00-17:00 に計画されている「 Autotech Forum Hands-on Day 」についても、開催要領や登録手順をご紹介をしていますので最後までご覧ください。

AWS Autotech Forum 2020 Online #2 見どころ

Session1:実践 MaaS / モビリティ変革を加速させるために

本セッションは、AWS ソリューションアーキテクト兼松と Amazon の Sr.Program Manager 高橋の共同セッションとなります。技術進化と社会情勢に伴う需要の変化によって MaaS という言葉が浸透し、モビリティ変革に向けた動きは業界を超えて加速しています。AWS が考える MaaS の実現に向けた課題、AWS の活用方法、取り組み事例などについて、技術的な側面だけでなく、組織や文化の変革も含めてお話し、 Amazon が 2019 年に宣言した The Climate Pledge の実現に向けた物流領域における Sustainability Initiative の取り組みについてご紹介いたします。

Session2:「世界の17億人を救う」AWSで実現するGMSの金融包摂型フィンテック

Global Mobility Service (GMS)  は、既存の金融から取り残された人々が豊かになるチャンスを創造するための金融包摂型フィンテックサービスをアジアの4カ国で提供しています。本セッションでは独自の車載 IoT デバイスから AWS 上のプラットフォームに蓄積された、約 1.8 億キロメートル、地球約 4,443 周分に相当する膨大な走行データを分析し、ローン審査等に活用する AWS  のデータレイク採用の経緯、構築・活用のポイントについてご紹介します。

Session3:スマホで広がる安全運転

株式会社 デンソーでは「安心・安全に移動できる社会」を目指して、いつでも誰でも運転のスコアリングを行う事ができるスマートフォンアプリケーション「 yuriCargo 」を開発しました。
yuriCargo は、スマートフォンに内蔵されている加速度センサーや GPS などの情報で、自動で運転を検知し、運転中の急ブレーキ、急ハンドル、急加速、速度超過、スマートフォンの操作などを検出し、運転終了後に運転スコアを算出することで、安全運転意識を高めるアプリケーションです。 AWS の機能を活かしてスクラップアンドビルドを繰り返しながら、「使ってもらえるアプリ」を目指しています。インフラ構成を大幅に変更したり、実車テスト中にバグが発覚したり、様々な困難を乗り越えて何とかリリースに漕ぎ着けました。そんなわたしたちが目指す社会と、アプリの開発秘話をお話しします。

Session4:ドライバーモニタ技術開発におけるAWSの活用事例

TRI-AD Driver & Passenger Monitoring Team (以下、DPM) は車室スペースの画像やセンサーデータを収集し、安全性向上のためのドライバーモニタリングシステムの開発をしております。より良い製品を短期に開発するためには、学習・評価に必要な大容量データを効率よく処理・管理する必要があります。これまで DPM ではエンジニアの開発環境が統一化されておらず、生産性の観点で課題を抱えていました。そこで AWS を用いて、処理の自動化、データの一元管理、開発環境の統一を実現し、生産性向上につなげています。また、 AWS をはじめとするクラウドでの開発の経験がなく、一から学びながら実装しています。本セッションでは DPM チームが抱えていた課題とどのように手を動かしながらクラウド上で実装していったのか、開発の実例を紹介します。

Session5:CASEを見据えた次世代自動車エンジニア育成

自動車会社が直面している CASE への取り組みにおいて最も重要な課題の1つが人材育成です。自動車エンジニアとしての高い専門性にクラウド技術を加え「データを正しく扱え、読み解く」ことが必要不可欠となります。具体的に自動車エンジニアがどこまで AWS を使いこなす必要があるのか、AWS で何をする必要があるのかを理解することがポイントとなるはずです。これまでの自動車エンジニアを育成する枠組みだけでなく「モノづくりからサービス」を加速することができる次世代の自動車エンジニアを育成するために必要となるスキルセットと日産自動車での取り組みについてお話しさせて頂きます。

Session6:MaaSで使ってみませんか-AWS最新サービス/機能アップデート

AWS ソリューションアーキテクト渡邊(英士)から、 AWS が MaaS を実現するためにご活用いただけると考えている新サービスや機能のアップデートをピックアップし、概要とユースケースそして、もたらすメリットをご説明します。一部をご紹介しますと、様々な異業種データを安全に交換および使用したり時系列データを効率的に活用するような際に、参考としていただけるような情報のご紹介となっています。

 

AWS Autotech Forum 2020 Online #1 振り返り

Session1:自動車業界における AWS の取り組みとお客様事例

AWS ソリューションアーキテクト安藤から皆様の新しいビジネスの企画立案に役立てていただくために、 AWS の活用事例や取り組みについてご紹介しました。テクノロジトレンドの CASE(Connected/Autonomous/Shared/Electric) はすでに多くのお客様が取り組まれており、ビジネストレンドである MaaS への注目度も日増しに高まっています。セッションの中では実際に、 AWS をご活用いただいている企業の事例や CES2020 において Amazon と AWS が共同で発表した自動運転で走行する電気自動車におけるカーシェアリングサービスのコンセプトデモを例に AWS をご利用いただくことによるメリットがどのようなビジネス効果を生み出しているかをご説明しました。

Session2:AWS Connected Mobility Solution (CMS) のご紹介

AWS ソリューションアーキテクト高野からコネクテッドモビリティのシステム開発に関する AWS Solution である AWS Connected Mobility Solution(CMS) のご説明とデモのご紹介をしました。セッションでは、AWS のベストプラクティスに基づき構築されたテンプレートとして公開される CMS をご利用いただくことで、車両ではエッジコンピューティング、デバイス証明書の管理といったものや、データ分析・蓄積基盤としてのニアリアルタイムの処理、またオペレーターが参照するフリートマネージメントツールといった機能を皆様の環境にご展開いただくことができることをご説明しました。

Session3:コネクテッド/自動運転におけるデザインパターン

AWS ソリューションアーキテクト兼松からコネクテッド/自動運転それぞれのケースでのシステムアーキテクチャのデザインパターンと考慮すべき点についてご紹介しました。セッションでは機能要素ごとに AWS サービスとのマッピングを行い、データサイズやリアルタイム性によって、選定するサービス選定をどのように考えるか、または開発効率向上に向けた機械学習データの管理方法といったよくある要件や課題を例に、サンプルデザインパターンに落とし込んでいくプロセスを、コネクテッドモビリティ/自動運転のそれぞれでご説明しています。

Session4:モバイルアプリ開発に使える AWS サービスのご紹介

AWS ソリューションアーキテクト福嶋から MaaS においてもサービスの付加価値として重要なモバイル端末に重点を置きアーキテクチャのパターンとAWS環境構築を補助するサービスについてご紹介しました。セッションでは、一般的な web 3層をはじめサーバレスを用いたパターン、GraphQLゲートウェイである AWS AppSync を用いたパターンについて整理しています。また、「やりたいこと」から対話的にコマンドを入力いただくことで AWS の環境構築を全自動で構築することができ、皆様の開発スケジュールの圧縮に寄与できるサービスである AWS Amplify についてご説明しました。

Session5:AWS IoT サービスを活用したコネクテッドカー向けソリューション

AWS ソリューションアーキテクト渡邊(翼)からはコネクテッドカー開発における車両とクラウドの接続における課題と解決策についてご紹介しました。昨今、車両データを利用したアプリケーションや、車両のデータ分析、OTA などクラウドと接続することにより新たなユースケースが生み出されてきましたが、クラウドとの接続には考慮しなければならない点があります。セッションでは、 AWS IoT サービスを利用して、AWS と接続することで効率的に ML サービスの Amazon SageMaker や分析サービスの Amazon Elastic Search Service と連携することができ、車両データを活用した新たな価値を創出することが出来ることをご説明しました。

Session6:データレイクで実現する車両データ活用プラットフォーム

AWS ソリューションアーキテクト倉光からは、車両から収集したデータの活用についてご紹介しました。データレイクに必要な要件を満たすことができる Amazon S3 を利用することで生データをためて、必要に応じて変換して分析、機械学習を行うことができ、現在のニーズはもちろん将来のニーズに対応することができます。すぐにはじめられるというクラウドの特性と収集したデータをデータレイクに集めることで解決したい課題が明確になった時に、貯めたデータを使って課題の解決のために最適なテクノロジーを選択してデータ活用をすすめることができることをご説明しました。

Session7:Simulations on AWS : 計算から結果分析まで

AWS ソリューションアーキテクト奥野からは、モビリティサービスに向けた車両開発で行われるシュミレーションを AWS で実現する方法についてご説明しました。クラウドでは計算結果の取得までを短縮したい場合にオンデマンドですぐに大量のリソースを投入することができます。コストという観点でも要件と規模に合わせて自由にリソースを選択できるため最適化を図ることができます。セッションでは AWS がご提供している、コンピュートや高性能分散ファイルシステムの様々なサービスを効率的に組み合わせることでコストパフォーマンスが向上するケースがあることをご紹介しました。

Session8:AWS のベストプラクティスで見直してみるクラウド最適化

AWS ソリューションアーキテクト長谷川からは、 AWS が提供するベストプラクティス、リファレンスアーキテクチャの説明と活用方法についてお話しました。 AWS には、これまでソリューションアーキテクトがお客様のビジネスを支援していく中で培ったシステム設計、運用のベストプラクティス集である Well-Architected Framework があります。このセッションでは Well-Architected の5つの柱のうちの一つであるコスト最適化を実現するための方法や、皆様が実際に Well-Architected Review を実施する際の手順についてもご紹介しています。 Well-Architected レビューはマネージメントコンソールからも利用可能で皆様のシステムにおけるリスクや改善点の“顕在化”を行うための方法であり、ソリューションアーキテクトと一緒に設計、構築、開発、運用フェーズを問わず定期的に実施することでクラウドにより最適化されたシステムを実現することが可能です。

Session9:まずは作ってみる!プロトタイプ開発に役立つ AWS の始め方

AWS ソリューションアーキテクトの岡本からは、新しいビジネスで成功を掴むために必要な仮説検証の進め方についてご紹介しました。 PoC やプロトタイプをすすめるにあたって学習量や作業量が多くて時間が足りないという課題があります。 AWS の特性と AWS が用意している様々な学習コンテンツを活かして、それらの課題を解決する方法をご説明しています。
このセッションでご紹介したコンテンツを利用してお客様に必要な要件にあった AWS 利用の勘所を学習していただき、実際の構想段階に入りましたらソリューションアーキテクトにご相談いただければより完成度の高いプロダクトの作成をお手伝いさせていただければと思います。

 

Autotech Forum Hands-on Day 開催要領

エンジニアの皆様やこれから手を動かしてみたい方は 12 月 18 日(金)  13:00-17:00 に開催する Hands-on Day についても是非ご参加を検討ください。お手元の AWS 環境にてシナリオに従ってコネクテッドカーデータの収集、加工、可視化を体験頂きます。こちらをきっかけに車両データの活用についてイメージを膨らませ、MaaS や自動車の企画及び技術開発に役立てて頂けますと幸いです。

ハンズオンご参加にあたり必要なものは以下の通りです。

  • AWS アカウント
    • シナリオ内で様々なサービスを利用するので、重要データを含まないアカウント環境にて root または AdministratorAccess 相当の権限を持つユーザーをご利用ください。
  • 以下を利用可能な PC
    • Mozilla Firefox または Google Chrome
    • インターネット接続環境

ご参加を希望される方は事務局( autotech-handson-2020@amazon.com )まで以下の情報を添えてご連絡ください。
後日トレーニング URL などの必要情報を送付させて頂きます。

  • メールタイトル
  • 任意(「 Autotech Forum Hands-on Day 参加希望 」など)
  • 本文
    • 社名:
    • 部署名:
    • 役職:
    • 名前:
    • メールアドレス:
    • 電話番号:

 

おわりに

いかがでしたでしょうか?「 AWS Autotech Forum 2020 Online #2 」では AWS のお客様が実際に取り組まれた事例を直接ご紹介いただける大変貴重な機会となっています。上記リンクよりご登録いただきますと当日ブラウザでご視聴いただけます。ご興味のある一部だけをご視聴いただくことも可能ですので、ぜひお気軽にご登録ください。また、「 AWS Autotech Forum 2020 Online #1 」も当日収録した内容をご覧いただくことができますので合わせてご活用ください。それでは当日多くのお客様にご視聴いただけることを楽しみにしております。

著者

福嶋 拓

国内 SIer を経て AWS に入社。自動車領域のお客様を担当しています。好きな AWS サービスは AWS Lambda 、Amazon S3 です。リアルタイム分散処理が得意分野です。趣味はキャンプとドライブです。