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AWS FinOps Agent のパブリックプレビュー提供開始のお知らせ
本日 AWS は、AWS FinOps Agent のパブリックプレビューを発表します。これは、コスト異常を調査して根本原因を特定し、組織全体のエンジニアに対して、すでに使っているツールの中でコストに関する質問に回答する、エージェント型 AI ソリューションです。
FinOps(financial operations の略)は、財務・エンジニアリング・ビジネスの各チームを結びつけ、財務上の責任を共有し、コスト・スピード・品質の間でデータに基づくトレードオフを行うことを通じて、クラウド投資のビジネス価値を最大化するものです。FinOps は、ダッシュボード主導の定期的なレビューから、エンジニアリング・財務・FinOps の各チームが一緒に運用する継続的なワークフローへと移行しつつあります。その移行には、専門的なコストの知見、多数のアカウントとワークロードにまたがる規模での実行、そしてエンジニアリングチームがすでに使っているツールとの統合が必要です。AWS FinOps Agent は、これらそれぞれに対応するよう設計されています。エンジニアリング・財務・FinOps のプラクティショナーに専門的なコストの知見をもたらし、チームが Jira や Slack ですでに行っている方法にも適合します。また、定期的なスケジュール、異常が検出されたとき、またはエンジニアからコストに関する質問があったときなど、作業に必要な頻度で実行されます。本エージェントは AWS Cost Explorer、AWS Cost Anomaly Detection、AWS Cost Optimization Hub、AWS Compute Optimizer を活用するため、その回答には、中央の FinOps チームが依拠しているのと同じデータが反映されます。
Workday、AVIV Group、Convera、Mitre 10 などの初期のお客様は、AWS FinOps Agent を使用して、クラウド財務管理をリアクティブな月次レビューから、スケジュールされたイベント駆動型の運用へと移行しています。これは、コスト異常が積み重なる前に調査し、コストに関する回答をエンジニアに直接届けているということです。
コスト異常を今までより迅速に調査する
チームがコスト異常を早く調査できれば、その異常が、新しいワークロードの成長のようなポジティブなビジネスシグナルを反映しているのか、それとも環境を最適化する機会を反映しているのかを、より早く判断できます。 Cost Anomaly Detection のアラートは、何らか変更があったことを知らせます。AWS FinOps Agent はその次のステップを自動的に実行します。コストの変化を AWS CloudTrail イベント(AWS 環境全体で誰がいつ何を変更したかの記録)と関連付けて、急増の原因となった変化を特定し、考えられる根本原因と責任者を含む調査概要を作成します(図 1 参照)。オプションで、エージェントは Jira チケットを開くか、Slack チャンネルに投稿して調査結果を伝えることができます(図 2 参照)。これにより、リソースを所有するエンジニアはコンテキストを理解し、次に何をすべきかを決めることができます。エージェントを最も重要なことに集中させるために、自動化プロンプトにフィルターを含めることができます。たとえば、特定の金額のしきい値を超える異常のみを調査して、チームの注意を最もインパクトの大きい変更に集中させることができます。
図 1 – FinOps Agent によるコスト異常の調査
図 2 – FinOps Agent の Slack チャンネルメッセージ
コストの回答をすべてのエンジニアに
AWS FinOps Agent を使用すると、エンジニアは自然言語でコストに関して質問し、実際のコストと使用状況データに基づいた回答を得ることができます(図 3 参照)。エンジニアは、「なぜ AWS コストが先月上がったのですか?」と聞くと、コストの変化、要因となったサービスおよびその背後にある使用量の要因を特定した回答を得ることができます。エージェントを組織に合わせて調整するために、アカウントとオーナーのマッピング、チーム定義、タグ付け規則、レビュー頻度などのコンテキストファイルをアップロードできます。エージェントはこのコンテキストを利用して、質問を組織の用語で解釈できます。たとえば、「チーム X のコストはいくらですか?」という質問をそのチームが所有する特定のアカウントに紐づけて回答します。エンジニアは必要なときにすぐ答えを得られ、FinOps チームはその時間を戦略的な仕事に費やすことができます。
図 3 – 自然言語によるコストに関する質問
パブリックプレビューで提供されるもの
パブリックプレビューには以下が含まれます。
- イベントトリガーによるコスト異常調査。AWS Cost Anomaly Detection イベントを監視し、統合された調査レポートを作成して、Jira または Slack に配信するようにエージェントを設定できます。
- 自然言語でのコスト問い合わせ。ワークロードについてコストに関する質問をして、コストと使用状況のデータに基づいた回答を得られます。
定期的なコストレポート。ダウンロード可能なプレゼンテーション用の HTML、PDF、または PPT フォーマットで、定期的なコストレポート(日次、週次、月次など)をスケジュールできます。 - 最適化の機会を 1 か所で。AWS Cost Optimization Hub と AWS Compute Optimizer から推奨事項を取得し、それらを Jira チケットにまとめて、エンジニアリングチームがすでに使用しているツールで作業を引き受けられるようにできます。
- コンテキストファイルとメモリ。組織特有のコンテキストファイルをアップロードできます。エージェントはそれらを回答に適用し、セッションを跨いでコンテキストを記憶できます。
始め方
AWS FinOps Agent は、本日よりパブリックプレビューでご利用いただけます。設定方法は次のとおりです。
最初のエージェントを作成する方法
- エージェントを作成。AWS マネジメントコンソールにサインインし、US East(バージニア北部)(us-east-1)リージョンに切り替え、AWS FinOps Agent コンソールページを開いて、最初のエージェントを作成します(図 4 参照)
図 4 – エージェントを作成する
- ワンクリックによる IAM ロールの設定。エージェントがコスト、使用状況、運用データを読み取るために使用するカスタマーマネージドのロールをプロビジョニングします。
- Jira と Slack の接続(オプション)。エージェントがチケットを作成し、メッセージを投稿できるように、Jira のスペース キーと Slack チャンネルを設定します。
- エージェントが作成されたことの確認。AWS FinOps Agent コンソールでエージェントの設定を確認してください。
- ウェブアプリケーションを開く。AWS FinOps Agent コンソールのページから、エージェントのウェブアプリケーションを開いて操作を開始します。
- コンテキストのアップロード(オプション)。ウェブアプリケーションで、アカウントとオーナーのマッピングと組織特有の指示(既知の例外、優先順位付けルール、レビュー頻度など)を追加します。
- クエリの実行。自然言語で尋ねます。たとえば、「先月のコスト要因の上位 10 件をリストアップし、リージョン別にグループ化してください」や「データプラットフォームアカウントで 1,000 ドルを超えるコスト異常を調査し、根本原因を記載した Jira チケットを作成してください」などです。
- イベントトリガーのコスト異常検知自動化の設定。エージェントに「AWS Cost Anomaly Detection イベントを監視し、それぞれの異常の根本原因を調査し、その結果を #finops-anomalies Slack チャンネルに投稿してください」のように依頼してください。この時点から、手動のトリアージなしに異常が調査され、チャンネルに投稿されます。
カスタマーサクセスストーリー
初期のお客様は、AWS FinOps Agent を使用して、継続的な運用として定期的なコストレビュー、コスト異常への対応、そしてエンジニアのフォロースルーを行っています。
Workday
Workday は、人事、財務、IT 向けのエンタープライズ AI プラットフォームです。AI プラットフォームインフラストラクチャチームは Workday の AI プラットフォームを AWS で運用しています。
私たちの AI プラットフォームは多数の AWS アカウントにまたがっており、チームの時間を奪っていることが 2 つあります。予算の問題になる前にコストの外れ値を追跡することと、リーダーシップがレビューする月次コストレポートを作成することです。AWS FinOps Agent は、AWS 環境において両方を 1 か所で行うのに役立ちます。対処するために必要なコンテキストとともに潜在的なコスト異常を明らかにし、手作業でまとめていた傾向と支出ビューを生成します。以前はチームが毎月何時間もかけて手動でダッシュボード作業を行っていたことが、今では自然言語のインターフェースから始められます。異常検知と報告が 1 か所にまとめられているおかげで、エージェントは単なる保守ツールではなく、すぐにクラウド運用の中核的な部分になりました。
Serjesh Sharma, Manager, Software Development Engineering、Workday.
Mitre 10
Mitre 10 はニュージーランド最大のホームセンター小売業者です。そのプラットフォームエンジニアリングチームは、会社の小売テクノロジーを支える AWS プラットフォームの構築と運用を担当すると同時に、クラウドコストの可視化とガバナンスの管理も担当しています。
私たちのプラットフォームエンジニアリングチームは、2 つの役割を果たしています。私たちは、他のチームがアプリケーションを実行する共有 AWS プラットフォームを構築して運用しています。また、クラウド支出の管理方法についても責任を負っています。これまで、定期的なコストレビュー、異常調査、最適化チェックは、信頼性向上や改善作業と直接競合していました。
AWS FinOps Agent が私たちにもたらすことは、コスト調査とレビューのワークフローを一度定義するだけで、それらの確認作業がバックグラウンドで継続的に実行されることです。異常の特定、未使用のリソースの発見、定期的なコストインサイトの準備などの活動は、もはや誰かがそれを実行することを覚えているかどうかにかかっていません。代わりに、本当に注意が必要なものがあるときに関連する調査結果が浮かび上がります。
限られた人数のプラットフォームチームにとって、手作業から継続的で状況に応じたコストインサイトに移行することは、力を倍増させる意味があります。
Eduard Kleynhans, Platform Engineering Manager, Mitre 10 New Zealand.
Convera
Convera は、規制のある金融サービス環境で事業を展開する商業決済のグローバルリーダーです。
私たちの FinOps プログラムの課題は、大規模な最適化ではなく、開発者が導入する意図しない小さなコスト変更を、複雑化する前に捉えることです。AWS FinOps Agent はそれをエンドツーエンドで処理します。異常を検出し、何が変更されたかを調査し、そしてリソースを所有するエンジニアリングチームに Jira チケットを作成します。これにより、誰も見ていない共有キューに埋もれることなく、適切なエンジニアの目に直接届くようになります。変化の速いエンジニアリング組織にとって、クローズドループのワークフローが、リアクティブな月次レビューに留まるか、継続的なコストガバナンスを実現できるかを分ける決定的な要素です。
Ramesh Singaraj, Infrastructure Engineering and Operations Leader, Convera.
AVIV Group
AVIV Group は、フランス、ドイツ、ベルギーで主要なデジタル不動産マーケットプレイスを運営しています。その一元化された FinOps チームは、さまざまな事業部門にわたる数百の AWS アカウントと、複数の共有サービスをサポートしています。
私たちの FinOps チームは、さまざまな事業部門の何百もの AWS アカウントをサポートしており、純粋な集中型モデルからハイブリッドモデルに移行するにつれて、ローカルチームがより多くのコスト作業を自ら引き受けるようになってきています。この移行で最も難しいのは、オンデマンドと Savings Plan の違い、支出予測の計算方法、コスト異常が発生した理由などのエンジニアの質問が、リソース所有者が行動する前に、すべて小さな中央チームにまわってきてしまうことです。AWS FinOps Agent は、独自のアカウントとビジネスユニットの対応関係のコンテキストに基づいて、エンジニアに対してこれらの質問に直接答えます。これにより、私たちの中央チームは、質問ごとのやり取りではなく、チャージバックロジック、最適化戦略、リーダーシップレポートに時間を費やすことができます。大規模な組織を支える小規模な FinOps チームにとって、それはまさに、私たちが可能な限り効果的に機能するために必要なレバレッジです。
Jordi Espasa, FinOps Director, AVIV Group.
提供状況と料金
US East(バージニア北部)リージョンで、AWS FinOps Agent を今すぐ試すことができます。エージェント自体は US East(バージニア北部)リージョンで実行され、管理アカウントで設定すると、AWS リージョンとアカウント全体のコストを管理できます。プレビュー期間中は、AWS FinOps Agent を追加料金なしで使用できますが、月単位の使用制限があります。AWS FinOps Agent に関連して使用される他の AWS サービスには標準料金が適用されます。
まとめ
AWS FinOps Agent は、コストの異常が発生した瞬間に調査し、その結果を自動的に所有者に転送します。また、コストに関する答えをすべてのエンジニアが直接手に入れることができるため、すでに使用しているツールから離れることなくクラウド支出を把握できます。時間が経つにつれて、エージェントは AI ワークロードのコスト分析など、より多くの FinOps 機能に拡大するでしょう。これらの機能を組み合わせることで、お客様はクラウドコスト管理を FinOps チームとエンジニアリングチームの両方で継続的に実践できるようになります。
詳細については、AWS FinOps Agent(プレビュー)にアクセスして、ユーザーガイドを確認してください。
翻訳はテクニカルアカウントマネージャーの加須屋 悠己が担当しました。原文はこちらです。